アールフォラン美術館(緑日美術館)は、メトロ14号線でクール・サンテミリオン Cour Saint Emilion駅下車、徒歩で7分ほどのところにあります。
この界隈は現在ベルシー地区と呼ばれ、17世紀、ルイ14世の時代からワインの酒蔵があったところです。昔はアスファルト道路ではなく、泥道やデコボコ道。重たい貨物は馬車では運べませんでしたから、建築資材や食料は、すべてセーヌ川を通って舟で運んで来ました。
当時のベルシーはまだパリの“郊外”。まずこの地域にワインを集めて、今でいう税関職員が酒税をかけるためにワインの倉庫街が生まれたそうです。そんな街も1980年代、ミッテラン大統領の時代に新たな都市計画のもと、現在のような商業地域に生まれ変わりました。
アールフォラン美術館は、この昔の“酒蔵街”の一角にあります。建物自体もそのワイン倉庫の内部を改造したものです。
開館日は限られているので、あらかじめ公式サイトで確認する必要があります。また、同サイトで入場時間を予約し、同時に入場料もあらかじめクレジットカードで支払っておく必要があります。
残念ながら、現地では直接チケットを購入することができません。ただし、年末年始だけは無料で開放されます(期間は公式サイトでご確認を)。
普通の美術館と違うのは、入り口にアニメーター(ガイド案内人)がいて、フランス語、または英語で歴史的な案内を受けながら館内を進んでいくこと。所要時間は1時間半ほどです。
英語で説明を受けてもよく分からないと不安になりますが、展示されているのは、移動式遊園地にある回転木馬(メリーゴーラウンド)やオルゴールなどで、見れば何だかすぐ分かります。
大人も楽しめる展示で、異なる時代に作られたフランス製、イタリア製、イギリス製といった3~4種類のレトロな回転木馬に乗せてもらえます。
製作された国の文化や習慣、または時代によっても回転木馬の姿は変わってきました。アトラクションの大きな変革期はイギリスの産業革命だったそうです。
面白いのは、製作された国によって木馬の尻尾が違う点。ドイツ製はちゃんとした毛ですが、フランス製のものは尻尾も木馬の身体の一部になっていて、ただの木製です。
もっと面白いのは、イギリスとフランスでは回転木馬の回る向きが違うこと。それに合わせて木馬が右を向いていたり、左を向いていたりします。
Musee des Arts Forains アールフォラン美術館(縁日博物館)
なかじま いちろう Nakajima Ichiro
(フランス通訳ガイド講師連盟会員)
子供たちに大ウケ!遊園地のような博物館です。
- 投稿日2019/11/26
2019/09訪問
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ジャンル美術館・ギャラリー
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エリア12区 リヨン駅
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住所
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アクセス地下鉄14線 Cour Saint-Émilion駅から徒歩約5分、24・109・111番バス Terroirs de France停留所から徒歩約3分
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電話番号+33-1-43401622
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営業時間詳細は公式サイトを参照
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定休日月・火・木・金曜日 [学校休暇期間]無休
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予算事前予約あり(大人) 16ユーロ
(4-11歳) 8ユーロ
(4歳未満) 無料
事前予約なし(大人) 16ユーロ
(学生) 12ユーロ
(2-11歳) 6ユーロ
(2歳未満) 無料 -
公式サイト
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