Arc de Triomphe 凱旋門（エトワール凱旋門）

｢ナポレオンの戴冠式｣という大作がルーブル美術館にあります。
60㎡もあり畳36枚を敷ける大きさです。
これはごく普通のパリジャンのアパートの3部屋分に相当します。

地中海に浮かぶコルシカ島で生まれたナポレオン・ボナパルトは
フランス大革命の混乱期に軍事的な才能を発揮して頭角を現し
ついに1804年35歳の若さで皇帝の地位にまで登り詰めます。

その栄光の絶頂にある瞬間を描いた絵が｢ナポレオンの戴冠式｣です。
そこでは6歳年上の妻ジョゼフィーヌがローマ法王の前に跪き、
隣に居るべきナポレオンはローマ法王からの戴冠を拒否し階段を登り
皇帝冠を自らの頭上に掲げようとしています。その姿はとても誇らしげです。
完成した大作を観たナポレオンはその荘厳な構成力に感嘆し、
ジョゼフィーヌは小皺も消え
20歳若返った自分の姿にすこぶるご満悦したと言われています。

そして翌年、皇帝ナポレオンは
オーストリア・ロシア帝国を一気に撃破するという快挙を成し遂げ
自らの栄光を更に確固たるものにしていきます。
その軍事的勝利を表現したものが威厳溢れる凱旋門なのです。
凱旋門はまたパリ・栄光の街道であるシャンゼリゼ大通りの一番奥に君臨し
世界で最も美しいと言われる2kmの花道を飾っています。

西洋の都市は日本と違い異民族の侵入や群雄割拠の戦いという
厳しい歴史を持っており防衛のために町を壁で包囲して来ました。
その壁は町が発展するたびに大きくなって行きます。

ナポレオン時代のパリ西手の壁は凱旋門の近くにありました。
勝利の栄光を市民たちに、いち早く告げる為ラッパを高らかに鳴らす場所、
それが凱旋門です。
ここにはシャイヨの丘があり凱旋門はこの丘の上に建立されることになります。
したがって凱旋門はそびえ立って見え
ナポレオンの栄光を象徴しているかのようです。

シャンゼリゼから見る凱旋門の圧倒的な威容は
興奮して写真を撮る多くのツーリストで賑わっています。
そこにある地下道を歩いて凱旋門の下まで行ってみましょう。
門の下を爽やかな風が吹き抜けて行きます。
そこから見える360度のパリの都市景観は見事です。

エッフェル塔と並ぶ、パリを代表する観光スポットといえば、
シャンゼリゼ大通りの出発点に威風堂々と立っている凱旋門。
ここからスタートしてシャンゼリゼ大通りを下りながら、ショッピングするのが楽しみ、という
お買い物好きな旅行者も多いでしょう。

凱旋門とは、文字通り、戦争に勝利した軍隊が、凱旋した時にくぐる門を意味し、
古代ローマ時代に多く建造されました。

パリの凱旋門は、1806年、アウステルリッツの戦いに勝利したナポレオンが、
その記念として建設を命じましたが、
完成したのは1836年、ナポレオンの死後30年が経っていました。
1940年、ナポレオンの遺体が、セント・ヘレナ島からアンヴァリッドに改葬される際に
この門を通りました。

凱旋門の内壁には、革命、帝政下の戦争の名称や将軍の名前などが刻まれ、
また門の真下には世界大戦で命を落とした無名戦士の墓が設置されています。

螺旋階段で屋上まで登ることができ、
途中のフロアには、凱旋門の歴史が分かる写真資料や模型なども展示されています。
そして、屋上からはシャルル・ド・ゴール広場から放射線状に広がる12の大通り、
コンコルド広場やエッフェル塔、サクレ・クール寺院など、パリの街が一望できます。

凱旋門にアクセスするには、シャンゼリゼ大通り側にある歩道に入口のある
地下通路を利用して下さい。