タシチョ・ゾンはブータンの首都・ティンプーに建つ巨大なゾン。ブータンを旅する際に知っておかなければならない「ゾン」とは、元々「城塞」のような意味を持つ言葉。ブータンの東隣りにあるインドのアルナーチャル・プラデーシュ州にも「ゾン」は存在していますがそちらは完全な「街」というイメージでこの言葉が使われています。
ブータンの「ゾン」とは平たく言うと宗教と政治の中心となる場所。各県にはそれぞれ特徴あるゾンが建っています。
この首都に建つゾンは国王陛下のオフィスであり、宗教界の最高権威であるジェ・ケンポ大僧正が夏の間に総本山を置く本当の意味でのブータンの中央政庁。「タシチョ」とは「祝福を受けた砦」を意味する言葉で、周囲には官公庁が建ち並び、近くには現国王の宮殿も建っています。
特徴的なのは釘をまったく使わずに「ミゾ」と「ホゾ」の組み合わせのみで建てるブータンの伝統建築技法で建てられていること。その為外から軒下を眺めると、少し波打っているのを見ることができます。毎年秋には、2008年の第五代国王陛下の戴冠式の際に完成した、ゾンに隣接するツェチュ用スタジアムでティンプー・ツェチュが盛大に催され、多くの国内からの参拝客と海外からの観光客でにぎわいます。
平日でも夕方の執務時間が終わった後であれば内部の観光が可能。タイミングが合えばゾンの手前で毎日執り行われる国旗の貢納式を見学出来ることも。
ゾン内に入ってすぐ右手に見える大きな建物がキュンレイ。入り口左右に描かれた美しいマンダラや仏画は必見。内部には巨大な仏像が納められ、目を見張る装飾が施されています。
ゾンへの入り口から奥へ行くと伝統的な橋がかけられており、その橋を渡った場所にある公園には福島県の三春町から送られた滝桜がすくすくと育っています。何年か後には美しい滝桜の姿をブータンで見ることができるでしょう。
注)お堂内部の写真撮影は禁止されています。この写真は筆者が宗教庁の特別許可をもらい撮影したものです。
Tashichho Dzong (Thimpu Dzong) タシチョ・ゾン
国王のオフィスもある、ブータンの中央政庁!
- 投稿日2016/03/24
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ジャンル寺・神社・教会
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エリアティンプー
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住所
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アクセスティンプーの時計塔広場から車で約10分
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営業時間[3月-10月]17:00-日没, [11月-2月]16:00-日没
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定休日無休
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