Antica Trattoria Poste Vecie アンティーカ・トラットリア・ポステ・ヴェーチェ

リアルト橋の魚市場の脇にあるレストランです。”古い郵便局”という意の店名は、ここが昔郵便局として使われていた場所だったから。配達人たちによる休憩時にお酒を愉しむ習慣が、その名残としてエノテカ（お酒を飲む場所）になり、そしてレストランとなって現在に至ります。創業は1500年。歴史のある老舗店の多いヴェネツィアのなかでも、特に由緒正しき店のひとつといえます。
魚市場が近傍な同店での楽しみは、やはり新鮮な魚介料理。ヴェネツィアに来たら一度は召し上がっていただきたい、真っ黒なイカスミは、ここではタリオリーニ（細い平打ち麺）に練りこまれ、たっぷりのカニ肉と合わせた豪華なメニューにもなっています（タリオリーニ・ネーリ・アル・グランキオ/14ユーロ）。
また、定番魚介料理を手頃に味わえるお得なコースメニューも設定されています。昼はアペリティーヴォに始まり、プリモ・ピアット、セコンド・ピアット・ドルチェ、水やワインがセットされて30ユーロ。夜はメニュー・トラディツィオナーレ（地元の伝統料理）のコースとして、38ユーロにて提供されています。
店主及びスタッフも非常に気持ちのよいサービスをしてくれるのも安心です。
リアルト橋、北側の魚市場の建物（カナル・グランデに面していない、奥の屋根つきの建物）の端に、小さな運河を挟んだ向こう側が同店です。小さな可愛らしいアーチ状の木製橋が店の入口の目印です。

リド島の海の見えるレストランを経営していた青年たちがこの店を買い取ったのはもう15年以上前のお話。リドに居た当時から魚料理専門の彼等には、魚市場の横というロケーションはぴったりですね。魚介類が苦手な方にはお勧めできないです。今はトラットリアとレストランの区別はほとんどなく、このお店も然り、値段も質もレストランです。スリーコースを食べてハウスワインを注文すればお一人様70から80ユーロぐらいでしょう。ベネチアではごく普通のお値段です。小さな木造の橋を渡って店内に入りますので、歩行に問題がある方は要注意。運河に囲まれているため、春から秋までちょっと蚊が気になります。