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ブリュッセル (ベルギー) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(2人)詳細

Commune Libre de l'Ilot Sacre イロ サクレ地区

栗田 路子 (コンサルタント、コーディネーター、通訳、ジャーナリスト)

「聖なる島」は、ブリュッセルっ子の胃袋のこと

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Ilot Sacréとは、仏語で「聖なる島」を意味するレストランが密集する界隈のこと。別名「ブリュッセルっこの胃袋」とも呼ばれ、肉屋通りと肉屋小路が交差する500㎡程度の狭い地域に、多くの飲食店が軒を連ねている。

このあたりは、中世以来、肉だの野菜だのを売るごちゃごちゃした市場が立つ一画だったとか。通りで、グランプラスから、このあたり一帯の道の名前は、「ハーブ市場通り」、「胡椒通り」、「バター通り」と、そういう過去を思い起こさせてくれる名前ばかりだ。

1831年、オランダから独立したベルギーは、今の日本人にはぴんと来ないが、19世紀には、石炭や鉄鋼で世界を牽引した産業国。ブリュッセルには、裕福な資本家層が育ち、経済でも文化でも隆盛を極めた。
だから、こんなごちゃごちゃしたみすぼらしい市場一角を強制的に立ち退かせ、世界で初めてのピカピカの大型ショッピングセンター「ギャラリー・サンチュベール」などを次々と建設していったわけだが、それでも、この界隈は、次第に、庶民的な外食タウンとなっていったのだ。

近代には、むしろその庶民的食い倒れ横丁を誇りとするように、より下町だったマロール地方に最後のひとつとして残っていた風刺人形劇上の「TOONE」(指定文化財)も、この一角に引っ越してすっかり定着しているし、最近では、ベルギービール専門店「デリリウム・カフェ」が若者のベルギービールファンをこの界隈に呼び戻し、その周辺の廃墟となっていた建物を次々とテーマカフェに改装して、「デリリウム・ヴィレッジ」を形成して、木曜日あたりから、小道に入りきれないほどの若者でにぎわっている。

良い季節の夕刻からは、通り抜けるのも大変な人ごみなので、スリには十分に注意して、老いも若きも、庶民的なベルギーの食文化を楽しんでほしい。

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。