町の中心部にあるヌエバ広場(Plaza Nueva)から徒歩2分の場所にある、11世紀半ばの公衆浴場の跡で、スペイン・イスラム時代に数多く造られた公衆浴場の中でも、現存する最古の部類に入ります。
中庭を通って最初に入る更衣室の次の細長い部屋が、もともとは両端に冷たい水の浴槽のあった冷浴室、次の大きな部屋が微温浴室と言われる床暖房の空間で、一番奥の細長い部屋が、両端に熱いお湯の浴槽のあった高温浴室とされており、古代ローマの公衆浴場の伝統をくんでいます。イスラム時代は、時間によって男女が使い分ける公衆浴場であると共に、社交場でもあり、このような建築は町ごとに多く造られましたが、今はそのほとんどが残されていません。微温浴室に使われている柱頭などの建材には、それ以前の時代に栄えた、コルドバ後ウマイヤ王朝などのものが再利用されているのが見て取れます。天井の八角形の明かり取りの窓から入る光りが部屋全体を柔らかく照らし、千年前、今と変わらぬ光の中で、壁は漆喰細工やタイルに覆われ、そこでは人々が入浴を楽しんでいたと想像すると、感慨もひとしおです。
キリスト教徒の時代になってからは、公衆浴場はいかがわしい場所と勘違いされ、この建物も一時は近隣の住民の洗濯場として使われていたこともありました。
El Banuelo アラブ浴場跡
ベルナルド・タカハシ
(旅行コーディネーター)
千年前の浴場
- 投稿日2016/01/27
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ジャンル史跡・遺跡
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エリアアルバイシン
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住所
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アクセスグラナダ駅から4番バスに乗車しGran Vía 7 - Catedralで下車 徒歩約8分
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電話番号+34-958-229738
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営業時間5月1日-9月14日: 9:00-14:30, 17:00-20:30, 9月15日-4月30日: 10:00-17:00
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定休日無休
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予算入場料 7.42ユーロ
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公式サイト
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