Nghi Xuan [閉店]ギースアン

ギースアンはベトナムの誇るフエ料理を食べられる、数少ない貴重なレストランです。

フエは中北部に位置する小さな都市で、10世紀にはチャンパ王国の中心都市として栄え、
19世紀初頭から20世紀中頃までは阮（グエン）朝が13代にわたって繁栄していました。
ベトナム最後の王朝と呼ばれ、現在では世界遺産都市として観光客に人気がありますが、
そこで食べられるフエ料理はベトナム全土で支持されている名物料理。

かつて阮朝皇帝が食したとされる、高級食材を使った料理は『宮廷料理』と
呼ばれていて、現在ではほとんど食べることはありません。
しかし、宮廷料理風や庶民的なフエ料理はベトナム人にも親しまれていて、
各地にレストランが点在しています。
ギースアンはその中でも観光客向けと言えるスポットです。

市民劇場裏手にあるハイバーチュン(Hai Ba Trung)通りから、
一本路地に入った場所にあり、古風な佇まいはフエの建築様式を倣ったもの。
店内は薄暗く落ち着いた雰囲気で、
漆塗りされた柱やテーブルは歴史を感じることができます。

フォーや生春巻き、バインセオといったベトナム料理とは一線を画し、
独自で発展した食文化が特徴のフエ料理は、米粉を餅状に蒸した料理が定番スタイル。
エビのすり身がほどよい風味を漂わせ、
少ししょっぱいヌクマムをつけダレに食べてください。

その他、シジミサラダや濃くのあるスープに丸太麺の
ブン・ボー・フエ(Bun Bo Hue)なども抑えておきたい料理です。

ベトナム料理を食べつくしたと思っている方は、是非フエ料理を堪能してください。
「これもベトナム料理なんだ」とまるで異なる味覚に驚くかもしれません。