Tuyet Sang トゥイット サン

タピオカというとドリンクに入っているツブツブの印象が強いが、所変われば麺料理になってしまうというから不思議だ。

「バインカン」は一見すると半透明のうどんのようにも見えるが、
食感はモチモチで、すするとチュルチュルと吸い込まれる。
この感覚を知るだけでも一食の価値アリだろう。

スープはアッサリとしつつも、カニなどの魚介系の旨みをシッカリと感じる。
麺に紛れてときどき顔を出すものはカーチャー、日本で言うところのさつま揚げ。
また、ピリッと強めの黒胡椒と、刻みネギの青々しい風味が、ちょうど良いアクセントになってとても美味しい。

このスープが美味しいということはお店側も百も承知、何故なら「油条」も別の皿に盛られてくるから。
これは中国生まれの細長い揚げパンで、ハノイのフォー屋でもよく見られる。
こいつをスープに浸して食べると、油条自体も美味しくいただける上に、
スープにもほどよく油が染み渡り、味の相乗効果を生み出す。
食べた分だけ会計にカウントされるので、好きな分だけ食べよう。一個20円くらいのもんだ。

バインカンは2万ドン（執筆時点で110円程度）から27,000ドン（執筆時点で150円程度）、
朝の一杯にちょうどいい。

トゥイットサンは、デパートのビッグＣやコン市場から車で3分ほどの場所にある。
朝6時から夜9時まで営業しているので、お土産としてインスタント麺などを買うときの、
行きがけや帰りがけにちょうどいいだろう。