Green Tangerine グリーン タンジェリン

　フランス統治時代の影響もあり、ベトナムにおけるフランス料理はレベルが高いと言われています。ハノイにはいくつかのフランス料理レストランがありますが、ベトナムのテイストを加えた、フレンチベトナミーズが多くみられます。

　こちらのグリーン・タンジェリンもその一つで、レモングラス、パッションフルーツ、ライチやタマリンドといったベトナムの食材を使い、繊細なフランス料理に仕上がっています。また、ハノイの名物でもある雷魚を取り入れた斬新なメニューもあります。

　おススメは、３ヶ月毎に替わる２品または３品のセットランチ。前菜、メイン、デザートを組み合わせた３品のセットは305,000VND。デザートは種類が多くて迷います。フランスの定番スイーツが揃っていて、本場フランスにも負けないお味です。セットランチは１６時までなので、買い物や観光をしてからの遅めのランチでも大丈夫。

　１９２８年に建てられたフレンチコロニアルスタイルのヴィラを改装したレストランは、ブロック塀に黄色い壁、グリーンを基調に、品良くまとめられています。明るい中庭のテラスは、緑の植物が多くアレンジされていて、避暑地にあるフレンチヴィラの別荘のような雰囲気です。

　客層は圧倒的に西洋人が多く、観光客だけではなく、在住者のビジネスランチなどにも利用されています。レストランはお土産物屋さんが並ぶHang Beハンベー通りにあり、ホアンキエム湖から徒歩５分です。

ホアンキエム湖の近くに構えるベトナムフレンチレストラン。ベトナムらしい間口の狭い入口を開けば、そこには光と緑に溢れる奥行深い中庭が。
もちろん中庭のテラス席でも食事ができ、賑やかなハノイから遮断された静かな空間で過ごす一時は、ベトナム滞在中にふらりとフランスにでも立ち寄った気分にさせてくれます。

中庭を抜けて洋式一軒家風の店内へと足を運べば、アンティーク調に施された室内と間接照明が一層の安らぎと静かな興奮をもたらしてくれます。
運ばれてくる料理は盛り付けが美しく、ベトナム産の食材とフランス料理のコラボが目を楽しませてくれます。

フランス料理らしく鴨やウサギといったジビエ料理も味わうことができます。ジビエ料理に抵抗を感じ、まだ口にした経験がない人もいるかもしれませんが、例えばこの店の「Rabbit Stew」は肉の臭みが全くなく、ナイフを使わずともフォークでホロホロと崩せるほどに肉が柔らかく煮こまれています。
しっかりした味わいで満足感を得られるにも関わらず、脂が少ない上質な肉は、口の中にも胃の中にも嫌な後味を残しません。お値段は43万８千ドン（約2190円）。

魚料理も充実しており、「Sea Food」を注文すれば、ソースを絡めて鮮やかに盛り付けられたエビやホタテ等の魚介類を味わえます。
どれも身が弾けんばかりにぷりっとしており、一噛みする度、素材とソースの甘味が口の中に溢れ出ます。お値段は、約50万２千ドン（約2500円）。

また、フランス料理には、ワインは欠かせないという人も多いでしょうが、同店には、様々なワインが取り揃えられています。
旅行ついでにベトナムワインを嗜むのもまた一興。ワイン含め料金が少々高く感じる方もいるかもしれません。
そんな方は、ぜひリーズナブルなランチに訪れるのがおすすめです。日の光が緑を照らす中庭で、静かな昼食を楽しむのも素敵な旅の一時になるでしょう。