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ヘルシンキ (フィンランド) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(6人)詳細

花奈 (ライター)

フィンランド最大規模の正教会寺院で、トーベ・ヤンソンの思い出の場所

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ヘルシンキ中心部の東側、南港に面して突き出るカタヤノッカ半島の高台に建つウスペンスキー寺院は、フィンランド最大規模の正教会寺院です。レンガの外壁と金色に輝くタマネギ形ドームは絵本に登場する不思議なお城のようで、毎年約50万人が訪れる人気の観光スポットになっています。

ムーミンの作者トーベ・ヤンソンは幼少のころ、この近くに暮らしていたため、ウスペンスキー寺院を囲む公園はトーベ・ヤンソン公園と名付けられています。トーベの生家も近くにあります。寺院はトーベのお気に入りの場所だったそうですから、トーベファンには必見スポットです。

中央にそびえるドーム屋根の高さは33mあり、高台から街の中心部を見渡すように立っているため、マーケット広場からもはっきり見ることができます。そして、この一番に目立つタマネギ形ドームは、ロシア正教会や東方正教会の特徴です。

外壁に使われている赤いレンガは、クリミア戦争(1853-1856年)中に破壊されたオーランドのボマルスンド要塞から運ばれてきました。オーランドはボスニア湾の最南端で、スウェーデンとの間に位置するフィンランド自治領です。ボマルスンド要塞は完成する前に壊されてしまい、現在は遺跡として公開されています。

寺院の建築は、ロシア帝国の建築家アレクセイ・ゴルノスターエフAlexei M. Gornostaevが設計して、1868年10月25日にウスペンスキー大聖堂として発足しました。建設当時のフィンランドはロシア帝国の自治大公国だったので、ロシア皇帝アレクサンドル2世の依頼により、聖母マリアの永遠の安眠を捧げるために造られたのです。ちなみに、ウスペンスキーとはロシア語で安眠を意味しています。
 
寺院内部は、古いスラブの伝統を受け継いだ外観とは異なり、とてもきらびやかです。正面を飾る金色に縁どられたイコノスタシス、ビザンチン様式の装飾と古典的な素材を組み合わせた内装が荘厳で独特な雰囲気を漂わせています。ドーム型の天井には美しい星が描かれています。そして、ロシア正教では立ったまま典礼するため、礼拝のための席はありません。また、寺院の地下には第二次世界大戦の際にソ連の空襲から逃れるために掘られた防空壕が残っています。

開館時間は季節によって異なります。教会行事が行われていると中には入れません。入場は無料。
寺院の立つカタヤノッカ半島はマーケット広場の東側に位置します。マーケット広場から徒歩約10分。徒歩の方が分かりやすいと思います。
トラムだと4番、5番Tove Janssonin p.下車徒歩1分。

2017/06訪問
上原 朋子 (旅行コーディネーター、シェフ)

北欧最大のロシア正教教会。煌びやかな内装に注目してみて

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  • 地元っ子に人気

マーケット広場から見える赤レンガ造りの教会が、北欧最大のロシア正教の教会・ウスペンスキー寺院。

1868年にロシア人の建築家・アレクセイ・M・ゴルモスタイェヴにより設計されたもの。
とても幻想的な赤レンガの建物から一歩中へ足を踏み入れると、息を呑むほどの煌びやかな教会内の美しさに、訪れた観光客はみな足を止め、息を呑み、見入ってしまいます。

フィンランドは福音ルーテル教会なので、大聖堂などに代表されるルーテル派との違いを観察しながら観光するのも楽しいと思います。

こちらはちょっとしたトリビアなのですが、ウスペンスキー寺院前にある小さな公園は、2014年のトーベ・ヤンソン生誕100年を記念して、「トーベ・ヤンソン公園」と名称変更したんですよ。
春はさくらが、夏には白樺が美しく揺れる公園です。

ムーミンファンなら、ウスペンスキー寺院の後にこの公園で記念撮影するのもいいかもしれませんね。

寺院近くにある老舗のイタリアカフェも地元っ子御用達のいい感じ。
まったりコーヒータイムにもおススメのカフェです。


【行き方】
トラム4/4T Tove Janssonin Puisto下車、徒歩3分

栗原 薫 (現地旅行会社統括部長、ジャーナリスト)

帝政ロシアの威信をかけた西ヨーロッパ最大規模の寺院

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 ヘルシンキの中心部で大聖堂とともに目立つ建物がウスペンスキー寺院。ロシア正教のフィンランドにおける総本山である。竣工1868年。大聖堂に遅れること10年余だが、総レンガ造りの外壁、22金の被膜に覆われた13個のキューポラ(半円形の屋根)からは、より長い歴史に培われた印象を受ける。
 それもそのはず。19世紀中葉に帝政ロシアの威光を示すため、ロシア最高宗教会議から建築家を任命。モスクワのウスペンスキー寺院に見られる14世紀以来のスラブ・ビザンチン様式を継承したものだからだ。旧西側ヨーロッパでは最大規模であることも有名。
ウスペンスキーというのはロシア語で「眠り」を意味し、教義的には生神女、すなわち聖母マリアをさす。

 外観の荘厳さに劣らず、内装も豪奢なもの。偶像崇拝を禁止したプロテスタントとは異なり、華美な室内装飾が目立つ。イエス・キリスト、聖母マリアを筆頭に殉職者や聖者のイコン(聖画)が壁面を飾る。厳かながらも豪華なステンドグラスや燭台は“ヨーロッパの教会”のイメージを具現しているといえよう。
 注意深く見渡すと、装飾以外にもプロテスタント系教会との違いに気づくかもしれない。まず、礼拝席がない。これはロシア正教の信者は立ったままで典礼に参加するため。少数のベンチは病人や老人のためのものだ。また、十字を切って入室する人を目にするかもしれない。これが信者のならわしで、膝まづく人もいる。

 中庭からの展望を楽しむのも忘れたくない。ヘルシンキには街を一望できる高台がなかなかないのだが、ここは手軽な場所。南にヘルシンキ湾、西に大聖堂、北にヨットハーバーを控えるほか、マーケット広場や大統領官邸なども望むことができる。

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。