Kei ケイ

レアールそばにあるミシュランの星付きレストランで有名だった「ジェラール ベッソン」が閉店した後に、
日本人シェフによるフレンチができ、在仏日本大使もお勧めだと聞き食事に誘われる。
その後、マスコミで徐々に紹介され始めた。
そして開店1年目でミシュランの1つ星を獲得する。あれからもう6年が経った。

小林圭氏の親父さんは、日本料理で伝統的な懐石料理をやっていたという。
料理人家族の中で育ち、DNAに日本の味覚が染み込んでいるかもしれない。
旬の食材にこだわるだけでなく、日仏文化の違いというか、
味付けのメリハリとして食文化を表現しているように思える。

スペシャリティーは鱸（スズキ）。甘さと酸っぱさを微妙に表現。
料理の量は、日本人向けか、控えめに出てくる。
彼にとって、お皿は画家が絵を描くキャンバスにあたるのだろう。
それぞれの食材の持つ色を意識して食器内に配置して、ソースの色でアクセントをつける。

色彩ある皿の上での盛り付けのセンスは、アラン・デュカス譲りか。
というよりも、それ以前に勤めていた南仏やアルザス地方の有名店での下積み時代の成果だろう。
ホテル・プラザ・アテネでアラン・デュカスの下で7年間働き、レストラン全体のオーガナイズの仕方を学んだという。
彼がこの３つ星高級レストランでナンバー2にまで登りつめたことは、後で知った。

そして2017年、レストラン ケイは、赤いミシュランのガイドブックで2つ星を獲得した。