Com Tam Bụi Sai Gon (Thach Thi Thanh) コムタム ブイ サイゴン (タック ティ タン店)

コムタムとは割れ米の事で、決して質の良いお米のことではないのですが、そもそも日本のものに比べると米に粘りが少なく、傷や割れによる味の劣化幅が小さいお米なので、ベトナムのお惣菜と合わせれば、とても美味しく頂けるのです。

コムタムは割れ米のことを指すだけではなく、その米を炊いたものに肉や魚の一品を乗せ、ヌクチャムという、ヌクマムに唐辛子や砂糖、ライムを絞ったものを混ぜたベトナムの定番調味料をかけて頂く料理を指す事もあります。シンプルだからこそ美味しさが際立つのですが…

特にお勧めしたいコムタムメニューが、こちらの豚肉のタレ焼き。お昼時が近づくと街の至る所、道路の脇やお店前の歩道などで炭火を起こし、タレに漬け込んだ分厚い豚肉を香ばしく焼いているのですが、この臭いがもうたまらない！

漬けダレに使われている発酵調味料・ヌクマム(塩漬けの魚を発酵させて作った調味料)の作用もあってか、お肉は分厚いのに柔らかく、炭火が基本のベトナムの方の炭火さばきがまた素晴らしく、たった一品のおかずなのに御馳走に感じるのです。豚肉ですからしっかり中まで焼かなければならないのですが、火加減が素晴らしいのでジューシーで歯切れも良く、タレの焦げ方も絶妙で、とにかく箸が止まりません！

加熱する事でヌクマム特有の臭いは飛び旨味だけが残るので、あの強烈な臭いがちょっと苦手という方も大丈夫。ボリュームが足りない方は、これに目玉焼きやオムライス、スープを別注文で添えて。

タップリのご飯に分厚いお肉。このシンプルな組み合わせで大体35,000đくらい。約180円。お安い。特に男性に人気で、その安さと甘辛肉を乗せて食べる日本の丼的美味しさからか、週に何度も通う人も。

少し分かり難い所にあるのですが、 Hai Ba Trung (ハイバーチュン)通りをサイゴン大聖堂から車で北上する事、約7～8分。2km弱ほどのところにCho Tanh Dinh(チョー・タン・ディン市場)が見えてくるのですが、その手前の角、Nguyen Huu Cau(グウェン・フー・カウ)通りを右折。数十メートル進んだ右手にThach Thi Thanh(タック・ティ・タン)通りが現れるのでそれを更に右折すると左手に見えてきます。