Pho Hoa フォー ホア

フォーは一般に、ハノイが美味しいと言われるし、実際に筆者もそう思う。
なので、ホーチミン市に来てフォーが楽しみだと聞くと勝手にちょっと申し訳ない気持ちになる。

が、このフォーホアであれば間違いない。地元住人や外国人観光客でいつでも賑わう名店だ。フォーには大まかに、フォー・ガー（鶏肉）とフォー・ボー（牛肉）があり、ここはどちらでも食べられるが、必ずフォー・ボーを選んでいただきたい。5分も待たずしてそれはやってくる。

澄んだスープに刻みネギが浮いている、その下には繊維がほどけるほど煮こまれた牛肉、そしてフォーが見えるだろう。各テーブルには香草が盛られた皿があるので、こちらは自由に好きな分だけ取って盛ってほしい。もやしは軽く湯通しされていて、このお店は分かっているな、と思わせられる。

結論から言うと、ものすごく美味しい。牛肉はひと噛みするとホロホロに崩れ、ちょうど良いバランスで脂身が入っていて、旨味がジワジワと溢れてくる。南部のフォー・ボーには失望しか感じたことがなかったが、何故早く来なかったんだと反省したくなるほどの美味さ。スープは残ってるけど食べ足りないなーと思ったら、手近にある「油条」をスープに浸して食べよう。ハノイの麺屋でよく見かける細長い揚げパンのようなもので、これそのものも美味しければ、スープに油を足してコクを生んでくれる。

ただ、人気店なだけあって、お値段はちょっぴり高め。ノーマルサイズで65,000ドン（およそ350円）、ラージサイズはそこにプラス1万ドン。まぁ、日本で牛丼を食べることと大差はない。メニューはほかに、ベジタブル（肉なし）や肉団子入りなどが選べる。看板には簡単な英語が併記されているので、その内容を参考にすると良いだろう。

「フォーを食べたけど、あんまりおいしくなかった……」
と本場のフォーを食べて、がっかりしている観光客も多く見受けられます。
フォーとは、豚や牛からダシをとったあっさりスープに、
米粉麺を入れたベトナム風ラーメン。

作るのに時間がかかることから、
ベトナム人は家庭の食卓で食べることはほとんどありません。
屋台や食堂、レストランで食べられるお馴染みのベトナム料理ですが、
お店によってスープのダシの取り方、具材、麺のコシなどもまったく異なるのが特徴。
ベトナム人にとっても、おいしいフォー屋さんを見つけるのは至難の業とのこと。

そんな舌が肥えているベトナム人の間で絶賛されているフォー屋さんがこちらです。
昼時はほぼベトナム人で埋め尽くされ、
スタッフと客の注文をかけあう声でいつも賑わっています。
現地人向けの食堂なので、内装はちょっと汚く不衛生に感じられます。
それでも訪れる在住日本人が多いのは、やはり「うまい」から。

スープはあっさりながら、他のお店よりも独特のコクがあり、
牛肉、刻みネギ、もやし、香草といった具と一緒に麺をつまみます。
現地人に倣った食べ方をするなら、4000ドン追加して揚げパンを注文してください。
揚げパンをスープに浸して食べるのが彼らにとってはお馴染みのスタイル。

落ち着いて食事をとりたい方は、14時以降に訪れるのがベストです。