Oromia Coffee オロミア コーヒー

日本ではスッカリ定着している「猫カフェ」だが、ここ二年ほど前からホーチミンでも見かけるようになった。「Oromia Coffee」は、その代表的なお店と言ってもいい。

車通りの激しいNam Ky Khoi Ngia通りから、脇道へ。ローカルの住宅地で「こんなところにカフェが？」と戸惑うかもしれないが、そのまま左に曲がって突き当りへ。タクシーを使えば、そのまま店の前まで向かってくれるだろう。鯉が泳ぐ池を抜けてドアを開けば、そこが目的のカフェだ。

ベトナムは民家が正面から細長く伸びた構造が多いが、このエリアは富裕層の豪邸が多いためだろうか、カフェも広々とスペースが取られている。ベトナムの民家の一階を利用したカフェに慣れている人は、そのギャップに驚くかもしれない。それはきっと、ここで暮らす猫たちにとっても良い環境なのだろう。彼らは団体行動主義らしく、一階と二階のどちらか一方に固まっていることが多い。ここの猫は人懐っこい訳でもないが、撫でられても邪険にする訳でもない（ひざの上に置くとすぐに逃げたりするが）、猫らしい猫。いずれもフワフワと毛並みが良く、撫で心地はとても良い。

実は、これまでベトナムでは習慣的に猫はあまり大切にされてこなかった。ねずみなどの駆除のために飼う程度で、犬には名前を付けるけど猫は猫と呼んでいた、ということは犬猫あるあるだ。今でもその傾向はあるが、この猫カフェは、ベトナム全体の意識が変わりつつあることのあらわれなのだ。

メニューは、コーヒーやジュース、抹茶系ドリンクなどと豊富。料理も、パスタを中心にいくつかある。ローカルカフェの中では比較的美味しい。ただし、猫もいるためか、価格は平均よりもちょっと高め。ドリンクは5万ドン（およそ265円）、料理は8万ドン（およそ425円）からだ。