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アテネ (ギリシャ) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(4人)詳細

The Benaki Museum ベナキ博物館

長田 幸廣 (翻訳家、マーケットリサーチャー)

近世の文化や人々の暮らしをいきいきと再現した民族資料館。とりわけ独立戦争に関する資料はギリシャ随一

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地下鉄シンタグマ駅から徒歩3分。国立庭園に面して建つベナキ博物館は、近代ギリシャの独立に深く関わったペロポネソス半島の豪族ベナキ家の邸宅を、およそ20億円かけて改装したもの。

ベナキ博物館はイスラム芸術や陶器、写真などの膨大なコレクションで知られますが、幾つかの博物館に分散しており、こちらでは民族衣装や家具、刺繍やタペストリー、楽器、農具、版画や絵画を多く収蔵。近世の民族資料館といった趣です。

久しぶりに歩いてみて、考古学博物館が紀元前、ビザンチン博物館が紀元後、ベナキ博物館が近世という具合に棲み分けが進んでいる印象。とくに、膨大な数の民族衣装や家具調度品を通じて、往時の生活を生きいきと再現している点が素晴らしいですね。

最上階にはギリシャの独立戦争に関する資料が集められており、なかなか見応えがあります。難を言えば、文字が小さくて読みづらい点と、外国人にも分かるようにもう少し系統立てた説明が望まれます。

3階のバルコニー部分に、国立庭園に面した見晴らしの良いカフェがあり、軽食もとれます。

フラッシュを焚かなければ館内写真撮影可。

入場料は大人9ユーロ、子供7ユーロ。毎週木曜日は常設展のみ無料です。

火曜定休ですが、以下の日は臨時閉館となります。
閉館日:1月1日、1月6日、灰月曜日、3月25日、イースターと翌月曜日、5月1日、聖霊降臨日、8月15日、10月28日、12月25〜26日

2019/08訪問

ギリシャの歴史を古代から現代までたどる

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現在、ベナキ博物館のメイン・コレクションが展示されている、ソフィア皇后通りの白亜の建物は19世紀の末に建設されたものです。1910年に、エジプトで巨万の富を成したエマヌエル・ベナキスが購入。1930年、父の死を期に、息子で美術品コレクターだったアンドニオスが建物とコレクションをアテネ市に寄付したのが、ベナキ博物館の始まりです。何度か増築・改築を経た後、現在の状態になったのは2000年。展示スペースを拡大するとともに、展示物もギリシャ人の歴史と文化に関するものだけに絞られました。

ベナキ博物館の特徴は、ギリシャの歴史を古代から現代まで一貫してたどる展示がなされていることです。例えば、古代の彫刻だけ、イコン(宗教画)だけに関して言うならば、国立考古学博物館やビザンチン博物館の方がバラエティーも展示物の質もすぐれているのですが、ベナキ博物館ならば、ギリシャ人が古代から、ビザンチン時代、オスマントルコ支配時代と十字軍時代(ポスト・ビザンチン時代)、独立戦争を経て現代まで、ギリシャ人の歴史と文化がどのような展開を遂げてきたのかを辿ることができるようになっています。

一口に「ギリシャ」というと、古代のギリシャか現代のギリシャの地理的領域だけを思い浮かべてしまいがちですが、古代ギリシャ文化はイタリア半島の南部や黒海沿岸、アナトリア半島(現在のトルコ)の沿岸部にまで広がっていましたし、ビザンツ帝国やオスマン・トルコ帝国の一部だった時代にも、ギリシャ人とギリシャ文化は、地中海岸を主として帝国各所に広がっていました。このため、「ギリシャ文化」は、一般的な外国人が思い浮かべるよりも、もっと豊かで、バラエティーに富んでいます。ベナキは、そのことを教えてくれる博物館なのです。

ベナキ博物館は、ミュージアム・ショップが充実していることでも有名。数ユーロのカードから、工芸・美術品、高価なジュエリーまでいろいろ。いらした方は覗いてみて下さい(ショップだけ見たいと言えば、チケットを買わなくても入れます)。

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。