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フィレンツェ (イタリア) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(5人)詳細

山岸 玲子 (トラベルコンシェルジュ)

役所だった建物が世界有数の美術館に大変身!ルネッサンス美術の宝庫

  • 芸術鑑賞おすすめ

ウフィッツィ美術館は、イタリアで最も有名、また世界でもよく知られた美術館のひとつです。
建物は当時フィレンツェを治めていたメディチ家のコジモ1世が、
行政機関(役所)として建築家ヴァザーリに依頼して造らせたもので、
この美術館の名前ウフィッツィ(=オフィス)はこれに由来します。

建物下部は柱廊になっており、その角柱にある壁がん内には、「君主論」の作者マキャヴェッリ、
アメリカを探検したアメリゴ・ヴェスプッチ、「振り子の等時性」を発見したガリレオ・ガリレイ、
「デカメロン」の作者ボッカッチョ、「神曲」の作者ダンテ等々、
当時の著名人、文化人の像が収められています。

コジモ1世の後を継いだフランチェスコ1世は、この建物の最上階を改装し、
メディチ家が収集してきた膨大な美術品を収める場所としました。
今では、13-18世紀のイタリア美術を収蔵する世界屈指の規模を誇る美術館となっています。

ここで最も有名な作品は、なんといってもボッティチェッリ作の「ビーナスの誕生」と「春」です。
「ビーナスの誕生」は、メディチ家の別荘に置かれていたもので、
1815年にウフィッツィ美術館に収蔵となりました。

海から誕生し貝殻に乗っているビーナスを、西風の神ゼピュロスが
口から風を吹き付けて岸まで運びます。
ゼピュロスに抱きついているのは、彼の妻である花の女神フローラ。
ビーナスに向けて口から花を吹きかけています。
岸では春の女神が、ビーナスに花模様のマントを着せようとしています。

「春」もメディチ家所有だったもの。
画面向かって右の西風の神ゼピュロスは、妖精クロリスにひとめ惚れ。
彼女を抱き上げると、クロリスは花の女神フローラに変身します(彼女の隣が変身後の女神フローラ)。
画面中央にいるのはビーナス。手を取って踊っているのは、ビーナスの侍女である三美神。
ビーナスの上を飛んでいる彼女の息子キューピッドが、目隠しをして三美神の方へ矢を放とうとしています。
画面向かって左端にいるのはヘルメス。頭上の霧を杖ではらっています。

他にも必見の作品としては、ジョット作の「オンニサンティの聖母」、
シモーネ・マルティーニ作の“金ピカ”「受胎告知」、ミケランジェロ作の丸い形の「聖家族と洗礼者ヨハネ」、
ラファエッロの「ひわ(小鳥)の聖母」、ティツィアーノ作の「ウルビーノのビーナス」、
カラヴァッジョ作の「バッカス」等々です。

1700年代、メディチ家のコジモ3世には2男1女がいましたが、
長男、次男とも同性愛者だったため後継ぎが生まれず、彼らの死後、
長女のアンナ・マリア・ルイーザがメディチ家直系の最後の人となってしまい、
彼女を最後にメディチ家は途絶えます。

彼女は遺言で、「メディチ家のコレクションがフィレンツェにとどまり、一般に公開されること。」を条件に、
メディチ家所有のすべての美術品をトスカーナ政府に寄贈しました。
今日、私たちがこれらの素晴らしい美術品を見ることができるのは、彼女の遺言のお陰です。

館内には、日本語のオーディオガイドの貸し出しがあります。
利用はパスポートと引き換えとなりますので、利用したい場合はパスポートをお忘れなく。

ウフィッツィ美術館は、市内の美術館の中でダントツの一番人気。
入口にはいつも入場待ちの長い列があり、
パックツアーでもたいてい見学箇所のひとつとなっているため団体客も多いです。

観光客の少ない冬は、予約なしでも待たずに入場できることもあるようですが、
春、夏のハイシーズンはなるべく待たずに入場できるよう、予約することをお勧めします。

<フィレンツェ・ムゼイ予約センター> 電話: 055 294883(英語可)
営業時間: 月~金 8:30-18:30 土 8:30-12:30 日祝祭日は休業

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。