シニョーリア広場に建つこの宮殿は、1299年から1314年にかけて建設されました。
粗い切り石積みの質素な外観と、高さ94mの塔が特徴的な建物です。
1582年にヨーロッパに派遣された天正遣欧少年使節団が、フィレンツェ滞在時に宿泊した
宮殿でもあります。
かつてフィレンツェ共和国の政庁舎として使われ、当時フィレンツェを治めていた
メディチ家の住居だった時期もあります。
後にメディチ家がピッティ宮殿に移り住んだ後、この宮殿は「以前の古い住居」ということで、
イタリア語で「古い」を意味する「ヴェッキオ」宮殿と呼ばれるようになりました。
現在、建物内部の一部はフィレンツェ市庁舎として使用されています。
宮殿内の「赤の間Sala Rossa」は、市長代理が執り行うイタリアの法律にのっとった、
「リーガル・ウェディング」の会場となっています。
フィレンツェ市民のみならず、日本人カップルの海外挙式場所としても利用されていて、
ここで挙式をすれば婚姻証明はフィレンツェ市に永遠に保存され、
日本帰国後フィレンツェ市発行の結婚証明書を添えて婚姻届を提出すると、
戸籍に「イタリア共和国方式により婚姻」と記載されます。
「赤の間」や市庁舎として使用している部屋は見学不可ですが、
建物内部には見学可能な豪華な装飾や絵画が施された数々の部屋があります。
その中でも必見なのが、「五百人広間Salone dei Cinquecento」、
この広間の入口脇にある「フランチェスコ1世の書斎Studiolo di Francesco I」、
「謁見の間Sala dell’ Udienza」、それに続く、
青地に百合をモチーフにした模様が描かれた壁が美しい「百合の間Sala dei Gigli」、
当時の世界中の地図が貼られた「地図の間」などです。
フランチェスコ1世の書斎には隠し扉があり、
敵が侵入してきた際にはここから逃げることができたそうです。
ガイド付(イタリア語、英語等。日本語ガイドなし。)で隠し扉の内部見学ができます。
2012年より、宮殿の塔に上れるようになりました。
塔は罪人の牢獄としても使われ、「祖国の父」と呼ばれたメディチ家のコジモ・イル・ヴェッキオも
一時期監禁されていました。
ここからの見晴らしは素晴らしいので、宮殿見学の締めにお勧めです。
Palazzo Vecchio (Old Palace) ヴェッキオ宮殿(パラッツォ ヴェッキオ)
ドゥオーモと並ぶフィレンツェのシンボル的建造物。天正遣欧少年使節団の宿泊先。
- 投稿日2014/09/30
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ジャンル城・宮殿
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エリアドゥオーモ
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住所
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アクセスドゥオモ広場より徒歩7分
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電話番号+39-055-2768325
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営業時間[4-9月]9:00-24:00、[10-3月]10:00-19:00、[通年木曜日]9:00-14:00
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定休日1月1日、復活祭の日曜日、5月1日、8月15日、12月25日
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予算宮殿内博物館 10ユーロ
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