マレーシアは18世紀後半からイギリスに植民統治され、その後第2次世界大戦中に一時日本が占領しましたが、戦後はイギリスに復帰し、1957年の独立宣言までイギリスの統治は続きました。
スルタン・アブドゥル・サマド・ビルは、イギリス統治時代の1897年、イギリス人の建築家ノーマン(A.C.Norman)の設計により連邦事務局ビルとして建設されました。現在は最高裁判所として使われています。これまで、独立宣言をはじめ重要な行事が数多く行われてきました。時計塔と銅のドームを持った全長137mの建物で、イギリスのビクトリア様式、イスラムのムーア様式、インドのムガール様式を融合した、植民地時代の歴史を今に伝える建物です。
残念ながら内部の見学はできませんが、マレーシアを代表する歴史的建造物ですから、クアラルンプールを訪れたら是非見ておきたいところです。時計台を中心に左右対称に広がる姿はロンドンのビックベンを思い出させますが、時計台の上にはたまねぎ型の銅製の屋根があり、建物の細部にはイスラムのデザインが施されています。なかなか他では見られない美しさです。
オールドタウンと呼ばれる地域の中心にあり、ムルデカスクエア(独立広場)の真向かいにあります。LRTのアンパン線・スリ・プタリン線のマスジットジャメ駅から徒歩7分程度です。この周辺、最近開発が進み道も整備されて歩きやすくなりました。周辺には、国立テキスタイル博物館、国立図書館、セントマリー聖堂など歴史的な建物がたくさんあります。
最後に、スルタン・アブドゥル・サマド・ビルの写真を撮る時のコツをお教えしましょう。ムルデカスクエアの中から撮ると、全体を正面から写真に収めることができます。また、建物に向かって、やや右方向から見ると、時計台の後ろにKLタワーとペトロナスツインタワーが見えるポイントがあります。これも、是非写真に収めてください。
Sultan Abdul Samad Building スルタン アブドゥル サマド ビル (旧連邦事務局ビル)
阿部 吾郎
(トラベルガイド株式会社代表)
マレーシアを代表する歴史的建造物
- 投稿日2018/07/19
2018/01訪問
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ジャンル現代・近代建築 史跡・遺跡
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エリアメダン トゥアンク
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住所
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アクセスLRT アンパン線・スリプタリン線 マスジッドジャメ Masjid Jamek駅から徒歩約5分
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
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