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エリア:
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指定なし
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テーマ:
- 書籍・CD・DVD
- / その他
『スパイダー・ゲーム』
ジェフリー・ディーヴァー
イザベラ・マルドナード(文藝春秋)
意外にもジェフリー・ディーヴァーが別の作家と合作をしたという作品だが、小説としてはディーヴァーの個性が勝っている。とは言うものの、私はイザベラ・マルドナードの小説は読んだことが無い。さて?
ミッシングリングの連続殺人のように見える殺人事件が起きて、その繋がりが分かったように見せかけて、さらに裏があるわけだが、この犯人のトリックは有名な前例がある。それにあの秘密を守るために人殺しまでするかという疑問もある。と、これだけを言うとまるで凡作のように聞こえるだろうが、これ中々面白く読めた。流石はディーヴァーだと思う。
どのように合作したのかは分からないが、このところディーヴァーの作品は全盛期に比べると少し弱っていたので、マルドナードに助けてもらった?
まあ、根拠のない詮索は止めておくに越したことはない。^^
連邦捜査官カーメン・サンチェスとサイバー犯罪専門家ジェイク・ヘロンがスケールの大きい計画を立てた殺し屋チームと戦うのだが、私は普通の常識的な殺し屋ならあんな壮大な計画は立てずに、ありきたりの事故に見せかけて殺すのではないかと思う。そのほうが完全犯罪になっただろうに、このあたりの小説としての説得力が弱い。
文藝春秋もそれを感じたのが、ハードカバーではなく文庫本で出し、分冊にせず一冊本にしてくれた。例年のディーヴァー作品より半額ぐらいで買えるのが嬉しい。ツッコミどころはあっても読まない手はないだろう。
何といっても411頁の展開は「おお、ディーヴァーだ!」というものだし、507頁で分かる事実も「おお、ディーヴァーだ!」という設定である。
さらにディーヴァーらしいのは、ニコンのカメラは出て来る、ニッサンの車は出て来る、スーパーコンピューター富嶽は出て来る、シェフは日本製のナイフ(包丁)セットを愛用しているし、プロジェクトX(但しNHKの番組ではない)という言葉も出て来る。
最後の修羅場で天才的サイバー犯罪者だけは上手く逃げおおせたので、こいつはまたこのシリーズに出て来るのだろうと思ったら……なるほど、こう来るか。少しあっけなかったが、ハッピーエンドになった。
次回作以降に持ち越された新たな謎(コルター・ショウのシリーズのと似ているけれど)も提出されたので、今後これがどう絡んで来るかも興味のあるところ。文庫本ですから、読んでみてください。
【蛇足】主人公の女性捜査官はラテン系の人なので名前は「カーメン」ではなく「カルメン」の方が妥当だと思うのだが。。。
カーメンだとツタンカーメンの顔をを思い浮かべてしまう。^^
http://sealedroom.blog.jp
ジェフリー・ディーヴァー
イザベラ・マルドナード(文藝春秋)
意外にもジェフリー・ディーヴァーが別の作家と合作をしたという作品だが、小説としてはディーヴァーの個性が勝っている。とは言うものの、私はイザベラ・マルドナードの小説は読んだことが無い。さて?
ミッシングリングの連続殺人のように見える殺人事件が起きて、その繋がりが分かったように見せかけて、さらに裏があるわけだが、この犯人のトリックは有名な前例がある。それにあの秘密を守るために人殺しまでするかという疑問もある。と、これだけを言うとまるで凡作のように聞こえるだろうが、これ中々面白く読めた。流石はディーヴァーだと思う。
どのように合作したのかは分からないが、このところディーヴァーの作品は全盛期に比べると少し弱っていたので、マルドナードに助けてもらった?
まあ、根拠のない詮索は止めておくに越したことはない。^^
連邦捜査官カーメン・サンチェスとサイバー犯罪専門家ジェイク・ヘロンがスケールの大きい計画を立てた殺し屋チームと戦うのだが、私は普通の常識的な殺し屋ならあんな壮大な計画は立てずに、ありきたりの事故に見せかけて殺すのではないかと思う。そのほうが完全犯罪になっただろうに、このあたりの小説としての説得力が弱い。
文藝春秋もそれを感じたのが、ハードカバーではなく文庫本で出し、分冊にせず一冊本にしてくれた。例年のディーヴァー作品より半額ぐらいで買えるのが嬉しい。ツッコミどころはあっても読まない手はないだろう。
何といっても411頁の展開は「おお、ディーヴァーだ!」というものだし、507頁で分かる事実も「おお、ディーヴァーだ!」という設定である。
さらにディーヴァーらしいのは、ニコンのカメラは出て来る、ニッサンの車は出て来る、スーパーコンピューター富嶽は出て来る、シェフは日本製のナイフ(包丁)セットを愛用しているし、プロジェクトX(但しNHKの番組ではない)という言葉も出て来る。
最後の修羅場で天才的サイバー犯罪者だけは上手く逃げおおせたので、こいつはまたこのシリーズに出て来るのだろうと思ったら……なるほど、こう来るか。少しあっけなかったが、ハッピーエンドになった。
次回作以降に持ち越された新たな謎(コルター・ショウのシリーズのと似ているけれど)も提出されたので、今後これがどう絡んで来るかも興味のあるところ。文庫本ですから、読んでみてください。
【蛇足】主人公の女性捜査官はラテン系の人なので名前は「カーメン」ではなく「カルメン」の方が妥当だと思うのだが。。。
カーメンだとツタンカーメンの顔をを思い浮かべてしまう。^^
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