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- 書籍・CD・DVD
表題の作品を読みました。以下にその感想です。
『死の絆』
大山誠一郎(文藝春秋)
「赤い博物館」シリーズの三冊目。緋色冴子警視と寺田聡巡査部長のコンビももうお馴染みだが、今回は「異色作」もひとつ含まれている。
第1話「三十年目の自首」
犯行後30年も経ってから自首してきた男の意図は一体何なのか、という謎なのだが、残念ながら私はこの男に弟がいるという話が出た所で仕掛けの大筋が見えてしまった。しかも最後のオチまで分かってしまったのである。
大山誠一郎、破れたり。^^
第2話「名前の無い脅迫者」
冒頭の犯行シーンから読者を引っ掛けようとする作品だが、これが上手くいっている。私は騙された。^_^
思い込みを利用したトリックで、「おお、なるほどそうだったのか」と思ってしまう。
第3話「3匹の子ヤギ」
コンビニに立てこもった犯人が最後は「自殺」するのだが、これも真相は想像がついてしまった。
実は、ここまで読んで「このシリーズも勢いが弱って来たのか」と思ったのだが、次で巻き返すのだな。
第4話「掘り出された罪」
冒頭の犯行シーンで犯人は凶器のナイフをシャツにくるんで工事現場のコンクリートを流し込む地所に埋めた。それが18年ほどたってから掘り出されDNA鑑定の結果、警視庁の特命捜査対策室が再捜査することになったのだが、何とこの対策室の係長が緋色冴子に挑戦するのである。「あなたと再捜査を競ってみたい」と。
シリーズ初の推理合戦である。
もちろん多重推理で間違いの解決と正しい解決があるわけだ。間違いの方は私も想像したのだが、緋色冴子によって明かされる真相はシリーズ中の白眉とも言うべきものであった。何といっても長編でも使えるトリックを惜しげもなく使っている。シリーズ初の長編作品にしても良かったと思う。冒頭の犯行シーンもミスディレクションに一役買っているし、題名にも二つの意味がある。
本書の裏表紙に「シリーズ最高傑作」と記してあるが、3冊の中でこの本が最高なのではなく、3冊に収録された作品の中でこれが最高というのならその通りだと思う。短編ミステリのお手本のようになっている。
第5話「死の絆」
ホームレスと著名な国会議員が一緒に殺されるという不可解な事件の謎に緋色冴子が挑むのだが、冴子さんはアッと言う間に真相を見抜いたようで、凄いなあと思ってしまった。^^
第6話「春は紺色」
これはシリーズ中の異色作。
『赤い博物館』の「死に至る問い」に登場した兵頭警視正と偶然に再開した寺田聡は兵頭から冴子が警察大学時代に解決した事件の話を聞く。
警察大学の寮内で起きた奇妙な盗難事件、眼鏡とアイロンが盗まれるという珍事に冴子が指摘した真相は……男社会の警察大学の寮で男たちがたむろしている部屋に突然現れた冴子が真相を語る姿はまさに「神の立ち位置」ではないかと思わせるものがある。
冴子さんって、若い頃からこうだったのですね。変わっていないのである。これも凄い。栴檀は双葉より芳し、である。
http://sealedroom.blog.jp
『死の絆』
大山誠一郎(文藝春秋)
「赤い博物館」シリーズの三冊目。緋色冴子警視と寺田聡巡査部長のコンビももうお馴染みだが、今回は「異色作」もひとつ含まれている。
第1話「三十年目の自首」
犯行後30年も経ってから自首してきた男の意図は一体何なのか、という謎なのだが、残念ながら私はこの男に弟がいるという話が出た所で仕掛けの大筋が見えてしまった。しかも最後のオチまで分かってしまったのである。
大山誠一郎、破れたり。^^
第2話「名前の無い脅迫者」
冒頭の犯行シーンから読者を引っ掛けようとする作品だが、これが上手くいっている。私は騙された。^_^
思い込みを利用したトリックで、「おお、なるほどそうだったのか」と思ってしまう。
第3話「3匹の子ヤギ」
コンビニに立てこもった犯人が最後は「自殺」するのだが、これも真相は想像がついてしまった。
実は、ここまで読んで「このシリーズも勢いが弱って来たのか」と思ったのだが、次で巻き返すのだな。
第4話「掘り出された罪」
冒頭の犯行シーンで犯人は凶器のナイフをシャツにくるんで工事現場のコンクリートを流し込む地所に埋めた。それが18年ほどたってから掘り出されDNA鑑定の結果、警視庁の特命捜査対策室が再捜査することになったのだが、何とこの対策室の係長が緋色冴子に挑戦するのである。「あなたと再捜査を競ってみたい」と。
シリーズ初の推理合戦である。
もちろん多重推理で間違いの解決と正しい解決があるわけだ。間違いの方は私も想像したのだが、緋色冴子によって明かされる真相はシリーズ中の白眉とも言うべきものであった。何といっても長編でも使えるトリックを惜しげもなく使っている。シリーズ初の長編作品にしても良かったと思う。冒頭の犯行シーンもミスディレクションに一役買っているし、題名にも二つの意味がある。
本書の裏表紙に「シリーズ最高傑作」と記してあるが、3冊の中でこの本が最高なのではなく、3冊に収録された作品の中でこれが最高というのならその通りだと思う。短編ミステリのお手本のようになっている。
第5話「死の絆」
ホームレスと著名な国会議員が一緒に殺されるという不可解な事件の謎に緋色冴子が挑むのだが、冴子さんはアッと言う間に真相を見抜いたようで、凄いなあと思ってしまった。^^
第6話「春は紺色」
これはシリーズ中の異色作。
『赤い博物館』の「死に至る問い」に登場した兵頭警視正と偶然に再開した寺田聡は兵頭から冴子が警察大学時代に解決した事件の話を聞く。
警察大学の寮内で起きた奇妙な盗難事件、眼鏡とアイロンが盗まれるという珍事に冴子が指摘した真相は……男社会の警察大学の寮で男たちがたむろしている部屋に突然現れた冴子が真相を語る姿はまさに「神の立ち位置」ではないかと思わせるものがある。
冴子さんって、若い頃からこうだったのですね。変わっていないのである。これも凄い。栴檀は双葉より芳し、である。
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