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オリコン顧客満足度®2年連続1位に続き、マイベストアワード2025で最優秀賞を受賞 [プレスリリース]

 

京都ミステリー紀行

~楽しい古都ばかり話そう~

プロフィール

ニックネーム:
京都ミステリー
居住地:
京都府
性別:
男性
会社名:
京都ミステリー紀行
会社英字名:
Kyoto Mystery Trip
会社所在地:
京都府
会社電話番号:
090-3653-5729
業種:
現地ツアー企画・現地ガイドなど
自己紹介:
「京都ミステリー紀行」という観光案内をやっております。
よく「ミステリーツアー」と間違えられますが、一般に行われている「行き先や内容を告げずに参加者を募集する」いわゆるミステリーツアーとは違うので要注意。
京都ミステリー紀行とは。
「鵺池」「幽霊の子育て飴」など、京都に残された幽霊譚、怪奇譚を紹介するだけではなく、「菅原道真の怨霊伝説はインチキだった」「平清盛は悪い人ではなかった」「応仁の乱で京都は丸焼けにはなっていなかった」など、通説とは違うことや常識とは反対の説明をする異色のツアー。
『今昔物語』や『江談抄』のエピソードを語る他、『群書類従』や『古事類苑』に基づいた「真相の解明」も行うため、「面白くてためになる」とか「目からウロコの謎解きツアー」とも言われています。

最近、観光地域おこしへのお手伝いも始めました。

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記事一覧

1 - 5件目まで(5件中)

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山口未桜の『白魔の檻』を読みました。
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テーマ:書籍・CD・DVD その他 歴史・文化・芸術 
投稿日:2025/11/06 14:49
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表題の作品を読みました。以下にその感想です。

『白魔の檻』
山口未桜(東京創元社)

クローズドサークル物の本格ミステリだが、濃霧に閉ざされた上に地震が来て、さらに硫化水素が押し寄せて来るという三連発である。今やひとつだけではインパクトが無いのかもしれない。
舞台は北海道の過疎地にある病院で、そこに城崎響介は過疎地医療協力の医師として、春田芽衣は研修医としてやって来る。濃霧の中、どうにか病院にたどり着いた二人を待っていたのは病院スタッフの変死事件であった。これを発端に、霧と余震と有毒ガスに見舞われながら連続殺人の謎を解くというストーリーなのだから、読まない手はない。
前半は究極のシチュエーションを際立たせるためか、パニック小説の色合いが濃いが、後半はバリバリの本格ミステリになっている。途中でカルテに記載されている内容など、ややこしい医学用語が連続して出る部分もあるのだが、わりとスラスラと読めた。ひょっとしたら、難しい所は無意識に流し読みをしていたのかもしれない。
有毒ガスが病院内に少しずつ上って来て、入院患者を上の階に移さなければならないなど、極限状況での医療活動も描かれるが、結末に近づくにつれてミステリ感が濃くなるとパニック感が薄れるのは仕方ないだろう。そもそも本格ミステリが読みたいわけだ。
ラストの病院の屋上での謎解きと犯人との対決まで読み終えて、この作品は今年のベストテン候補だと思った。
読んでみてください。^^

http://sealedroom.blog.jp

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ディーヴァー&マルドナードの『スパイダー・ゲーム』を読みました。
エリア:
    指定なし
テーマ:書籍・CD・DVD その他 
投稿日:2025/11/04 13:40
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『スパイダー・ゲーム』
ジェフリー・ディーヴァー
イザベラ・マルドナード(文藝春秋)

意外にもジェフリー・ディーヴァーが別の作家と合作をしたという作品だが、小説としてはディーヴァーの個性が勝っている。とは言うものの、私はイザベラ・マルドナードの小説は読んだことが無い。さて?
ミッシングリングの連続殺人のように見える殺人事件が起きて、その繋がりが分かったように見せかけて、さらに裏があるわけだが、この犯人のトリックは有名な前例がある。それにあの秘密を守るために人殺しまでするかという疑問もある。と、これだけを言うとまるで凡作のように聞こえるだろうが、これ中々面白く読めた。流石はディーヴァーだと思う。
どのように合作したのかは分からないが、このところディーヴァーの作品は全盛期に比べると少し弱っていたので、マルドナードに助けてもらった?
まあ、根拠のない詮索は止めておくに越したことはない。^^

連邦捜査官カーメン・サンチェスとサイバー犯罪専門家ジェイク・ヘロンがスケールの大きい計画を立てた殺し屋チームと戦うのだが、私は普通の常識的な殺し屋ならあんな壮大な計画は立てずに、ありきたりの事故に見せかけて殺すのではないかと思う。そのほうが完全犯罪になっただろうに、このあたりの小説としての説得力が弱い。
文藝春秋もそれを感じたのが、ハードカバーではなく文庫本で出し、分冊にせず一冊本にしてくれた。例年のディーヴァー作品より半額ぐらいで買えるのが嬉しい。ツッコミどころはあっても読まない手はないだろう。
何といっても411頁の展開は「おお、ディーヴァーだ!」というものだし、507頁で分かる事実も「おお、ディーヴァーだ!」という設定である。
さらにディーヴァーらしいのは、ニコンのカメラは出て来る、ニッサンの車は出て来る、スーパーコンピューター富嶽は出て来る、シェフは日本製のナイフ(包丁)セットを愛用しているし、プロジェクトX(但しNHKの番組ではない)という言葉も出て来る。
最後の修羅場で天才的サイバー犯罪者だけは上手く逃げおおせたので、こいつはまたこのシリーズに出て来るのだろうと思ったら……なるほど、こう来るか。少しあっけなかったが、ハッピーエンドになった。
次回作以降に持ち越された新たな謎(コルター・ショウのシリーズのと似ているけれど)も提出されたので、今後これがどう絡んで来るかも興味のあるところ。文庫本ですから、読んでみてください。
【蛇足】主人公の女性捜査官はラテン系の人なので名前は「カーメン」ではなく「カルメン」の方が妥当だと思うのだが。。。
カーメンだとツタンカーメンの顔をを思い浮かべてしまう。^^

http://sealedroom.blog.jp

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李龍徳の『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』を読みました。
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    指定なし
テーマ:書籍・CD・DVD 歴史・文化・芸術 
投稿日:2025/10/08 14:06
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表題の作品を読みました。
以下にその感想です。

『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』
李龍徳[イ・ヨンドク](河出書房新社)

これは4年ほど前に読んだ純文学のほうの作品だが、感想を出そうかどうしようか迷っているうちに年が過ぎてしまった。でも最近になって文庫版が出たようである。
実はこの前にも同じ発想の作品を読んでいて、それが嶽本野ばらの『純愛』(新潮社)であった。何が共通かというと、両方とも

テロリストの犯行以前を描いている。

ということで、これならSRの会員でも「気分転換に純文学でも読もうか」と思ったとき楽しめるのではないかと考えたものの、結局、お蔵入りになっていたのを、現実が作品に追いついてきたので今頃になってアップします。^^

さて、いよいよ日本でも初の女性首相が誕生のようだが、実はこの作品でも日本初の女性首相が誕生しており、しかもその人が実は極右で「進歩的」な法律とコリアンヘイト法を通していく。そして締め付けられていく在日同胞の窮状と日本の現状を打開すべく、ついに在日三世の柏木太一が立ち上がる、というのが物語の本筋である。
さて、柏木は何かを企んでいるのだが、本人は「賢く戦う」と言っていて、それがどのようなものかが「謎」として物語全体を覆っている。そしてシンという武術の達人をはじめ、柏木の目的に合致する特技や性格の持ち主が集められていく。まるで「七人の侍」のようである。その計画は人の命を奪うものらしいのだが、何かが少し違うのだ。彼は一体何を企んでいるのか?
目的のために集められる人物たちや柏木の周りの人たちの生き様がしっかりと描かれ、この辺がエンタテインメントと純文学の違いか、読んでいて鬱陶しくないし、退屈しない。サイドストーリーもそれだけで中編をひとつ書けそうなネタである。
そして、いよいよクライマックス、柏木の真の計画が明らかになると私は「!?」と思ってしまった。斬新といえば斬新だし、回りくどいといえば回りくどい。どっちにしても「凄いなあ」と思った次第。
まあ、日本人から見ればテロリストだが、在日から見ればレジスタンスなのだろう。在日の残虐行為も普通に書いてあって、不思善悪なのかもしれない。
結末で柏木の計画は成功するものの想定外の事件が起きて……と、これは書かない方が良いだろう。
この作品で残念なのは非常に個性的で面白い女性首相が物語には登場しないことである。この人が一番興味深いのに。地の文でチョロッと出るだけ。ここがイマイチであるな。

ついでにもう一作、嶽本野ばらの『純愛』だが、エキセントリックな登場人物たちの普通の日常をじっくりと描き、テロに至る過程をたどっていくのだが、ちょっと長いので少しだけしんどかった。^^
読みごたえはあったけれど、最後のテロを実行に移すところがあまりにも唐突で、何か木に竹を接いだような感じになってしまったのが惜しい。
でも、最後まで読めたから、良い作品である。
ミステリを読むのに疲れたかなと思ったとき、気分転換にこんなのを読んでみるのも一興ではないでしょうか。
http://sealedroom.blog.jp

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方丈貴恵の『アミュレット・ワンダーランド』を読みました。
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テーマ:書籍・CD・DVD その他 歴史・文化・芸術 
投稿日:2025/09/25 13:38
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『アミュレット・ワンダーランド』
方丈貴恵(光文社)

2年前に出た『アミュレット・ホテル』の続編だが、前作を読んでいない人や「読んだけど忘れた」という人のために説明しておくと、アミュレット・ホテルというのは、本館は普通のホテルなのだが、会員制の別館は犯罪者専用になっているホテルである。そこで起きる事件の顛末を描くわけだが、登場人物のほとんど全部が犯罪者である。そこで起きる事件をホテル探偵の桐生が解決するわけだ。

Episode1「ドゥ・ノット・ディスターブ」
冒頭、ホテルのラウンジで盗難事件が起きるのだが、実はこれは本筋ではない。このプロローグ的な事件が解決した直後、殺人事件が発生する。
ホテルの一室から犯罪者向け動画共有サービス「シン・チューブ」のライヴ配信中だった犯罪者が殺されてしまう。有名な泥棒兄弟の末弟だった被害者は果たして兄に殺されたのか?
本格ミステリへのオマージュも散りばめられた一編だが、全てが明らかになると冒頭の事件も単なるプロローグではなかったこと分かる。巻頭を飾るに相応しい作品といえよう。

Episode2「落とし物合戦」
ラウンジのピアノの中に「落とし物」を見つけたという届け出があり、さらに自分が落とし主だという犯罪者が3人もやって来る。さて、どうなる?

Episode3「ようこそ殺し屋コンペへ」
アミュレット・ホテル別館で殺し屋コンペが行われるが、もちろんホテルに許可など取っていない。さらにこのコンペの標的にされたのがホテルのフロント係・水田であった。しかし次々と殺されて行くのはコンペに参加した殺し屋たち。水田の犯罪者としての過去も明かされ、最後は犯罪的にハッピーエンドになる。

Episode4「ボマーの殺人」
日本の詐欺王の一人息子とイタリア系犯罪組織「エピテル」の幹部の娘がアミュレット・ホテルで結婚式を挙げた。その披露宴の会場に爆弾が仕掛けられ、犯人はアミュレット・ホテルの所有権を要求。制限時間までに起爆を解除するコード番号を入力しないと大爆発が起きる。
犯人によって高層階と低層階が分断され、ホテル探偵の桐生は低層階で起きた殺人を解決して犯人から解除の番号を聞き出さなければならない。そして、被害者もコード番号を教えるダイイングメッセージを残していた。タイムリミットまでにその謎が解けるかという一編で、本書の締め括りにふさわしい内容である。

四編とも過不足ない仕上がりで、私は一気読みしてしまった。前作を読んでいないという方は、是非この機会に『アミュレット・ホテル』のほうも読んでいただきたい。^^

http://sealedroom.blog.jp

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井上真史の『現代「ますように」考』を読みました。
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テーマ:お祭り・イベント 書籍・CD・DVD 歴史・文化・芸術 
投稿日:2025/01/28 14:15
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日本各地の面白い場所を紹介した本が出ましたので、その感想です。

『現代「ますように」考』
井上真史(淡交社)

一瞬、何の意味かと思った題名だが、要するに「猫が帰ってきますように」とか「子供が生まれますように」とか「縁が切れますように」といった「神様への願い事」を探求した労作である。もちろん、本の帯には「この本が売れますように」と書いてある。うーむ。買った私は神様か?
さて、全四章と断章から成る本書だが、普通の目次とは別に地域別のリストも掲載されており、中々便利なのである。

第一章は題名にもなっている各地の「ますように」を紹介している。
第二章はいわゆる「奇祭」の追求である。
次に挟まれた断章は、コロナ禍にあって出現したアマビエを追いかけた話。
第三章は「この世」にいたままで「あの世」を覗き見る。
第四章は呪いや執念に纏わる話。

もちろん、これは単なる隠れた名所の紹介ではない。取り上げられているその場所その場所それぞれを基にしたエッセイ集になっていて、通読するも良し、面白そうなのを拾い読みするのも良しの楽しい一冊である。
副題が「こわくてかわいい日本の民間信仰」であるように、基本的な軸足は民俗学に置かれているのだが、学術臭さはなくて一般の読者が気楽に読めるし、ちょっと気が向いたら「ここに紹介されている場所に行ってみようかな」という気にさせる内容にもなっている。自宅で座ってじっくり読むのも、通勤通学の電車の中で軽く読むのもその人次第。読み終ったら本棚に並べ、折に触れて読み返す本である。
どのエピソードも過不足なく書かれているので軽妙な文章なのに中身は濃いのだ。「ご存じですかぁ」という嫌味もなく、上から目線でもなく、意味不明の専門用語を羅列するのでもなく、全て「自分の言葉」で語っているのは著者の人柄であろう。
写真もたくさん載せてあるが、中でも51頁のやつは「うむ」と納得してしまうぐらい不気味で良い。

ただ、讃辞ばかりでは贔屓の引き倒しになるので、少しツッコミも入れておく。
◎41頁の後ろから3行目に
<今でも木槌のことを「げんのう」と呼びますが>
とあるのだが、「げんのう」というのは「木槌」ではなく「大ぶりの鉄槌」である。
◎70頁の8行目
<ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリ>
という例えが分かる人は、ほとんどいないだろう。しかしこれはギャグで言っていると思う。これがどんなものか気になる人は検索すればすぐに出るのでどうぞ。その後で67頁の写真をもう一度見ると「なるほど」と納得。
それから、これは著者とは何の関係も無い事なのだが、表紙の魚の絵は「鰯の頭」に違いないのだが、私の目にはどうしてもマグロの兜焼きに見えてしまうのである。まあ、こればかりは仕方がない。

何はともあれ、私はこれからも「ますように」は無くならないと思う。昔から「苦しい時の神頼み」と言って、我々は普段は忘れていても窮地に陥ると神様を思い出すのである。この習性が無くならない限り「ますように」も無くならない。
しかし日本は良い国である。一神教の国々は人間が神様に従わねばならない。しかし日本では「ご利益」といって神様の方が人間に奉仕してくださるのである。こんな良い国、他には無いだろう。

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