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エリア:
- 近畿 > 京都 > 洛東(祇園・清水)
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テーマ:
- 観光地
- / 鑑賞・観戦
- / 歴史・文化・芸術
【市川團十郎特別公演】昼の部
令和7年10月17日。南座に市川團十郎特別公演を昼夜通しで観に行きました。
昼の部は通し狂言「三升先代萩」で、團十郎の一人七役。七役の中には乳人政岡という女の役も入ってます。これは観ないわけにはいきません。
全体としては何処からも後ろ指差されない立派な舞台でした。唯ひとつ、第二幕で珍しい演出だと思ったことがあったのですが、それについては夜の部で明らかになりました。
早替わりは堂に入ったもので「流石だなあ」と思ったのですが、團十郎がやる役の人物が同時に舞台に出る(代役は後ろ向きになっている)のですが、三人ほど纏めて登場する場面があり、こうなると後ろ向きの二人は代役というのが露骨になって、却って効果が薄れるのではないか。私は少し演出過剰ではないかと思いました。
でも、全体としては良かった。
ところでこの昼の部、ほぼ満員だったのですが、お客さんの大半が女性でした。
穿った見方をしますと、昼の部は12時開演で2時半過ぎに終ります。で、旦那さんが会社で汗水たらして働き、お昼はコンビニの弁当か松屋あたりの丼で済ましているとき、奥さんたちが南座に来ていてお昼は3000円の幕間弁当を召し上がっているのではないか。
こう考えると、何が男尊女卑で何がジェンダーフリーなのか分からなくなってきます。まあ、余談ですが。^^
【市川團十郎特別公演】夜の部
さて、夜の部の最初は「二人藤娘」で、これはもうどう考えても評判の映画「国宝」にあやかってます。これでお客さんを呼ぼうという松竹の思惑が透けて見えてるどころか、思惑を隠そうともしていないのが潔いです。
実際、私が切符を買おうとしたら何と夜の部だけ初日からずっと売り切れ。ようやく17日のが買えたのですが、人気映画の影響力は凄いなあと感心した次第。
で、その「二人藤娘」ですが、冒頭、場内を真っ暗闇に消灯して、緊張感を盛り上げてからパッと点灯すると二人の藤娘があでやかに、地方さんたちも綺麗に揃っている絢爛たる舞台が現れました。演出効果満点。
後はもう何も考えずに舞台を観ているだけで楽しめました。
この次は團十郎のご挨拶だったのですが、ここでプログラムには無い趣向がありました。
お客様を1人舞台に上げて「暫」の衣装を着ける体験をしてもらうという。
客席のあっちこっちから手が挙がったですが、選ばれたのは女子高生でした。よく見ると一階席に高校生がたくさん来ていて、学校の行事か何かなのか、一クラス分ぐいの人数が来てました。
ただ、この女子高生、ひょっとしたら藤娘の衣装を着させてもらえるのだと勘違いしたのかもしれません。それが「暫」の凄い衣装だったので、私の席からは彼女が苦笑いしたようにも見えました。
それでも大層な衣装を着け終ると、何かこう五月人形みたいに見えてしまった。^^
で、舞台上で衣装を着けるのを見せながら、團十郎さんがお話をしたり客席からの質問に答えたりしていたのですが、ここで昼の部で私が珍しい演出だと思ったのはハプニングというか、アクシデントというべきものだったのが明らかになりました。
團十郎さんが舞台に関するお話をしている中で、「実は今日の昼の部で……」という裏話があり、あれは演出ではなかったのが分かった。
しかしそういう事態があっても、何事も無かったように舞台を務めるのですから、プロだなあと思った次第。
さらにプログラムに無かった趣向で、次の「菅原伝授手習鑑」の「車引」の舞台設営を見せてくれました。大道具さんたちがこのように働くのかと、写真を撮りながら見てました。
本編は荒事が見せどころで、それは良かったのですが、海王丸と桜丸の演技は豪快というより喧しかったです。^_^
最後の「荒事絵姿化粧鑑」では團十郎さんが「暫」のメーキャップから衣装を着るまでを舞台の上で見せてくれました。白粉をはたいて煙のように粉を飛ばすのは「見せる」ための演出だったのでしょう。
衣装を全部着けた後は「暫」の豪快な場面を少し披露して終了。
昼夜通してすっかり堪能した1日でした。
令和7年10月17日。南座に市川團十郎特別公演を昼夜通しで観に行きました。
昼の部は通し狂言「三升先代萩」で、團十郎の一人七役。七役の中には乳人政岡という女の役も入ってます。これは観ないわけにはいきません。
全体としては何処からも後ろ指差されない立派な舞台でした。唯ひとつ、第二幕で珍しい演出だと思ったことがあったのですが、それについては夜の部で明らかになりました。
早替わりは堂に入ったもので「流石だなあ」と思ったのですが、團十郎がやる役の人物が同時に舞台に出る(代役は後ろ向きになっている)のですが、三人ほど纏めて登場する場面があり、こうなると後ろ向きの二人は代役というのが露骨になって、却って効果が薄れるのではないか。私は少し演出過剰ではないかと思いました。
でも、全体としては良かった。
ところでこの昼の部、ほぼ満員だったのですが、お客さんの大半が女性でした。
穿った見方をしますと、昼の部は12時開演で2時半過ぎに終ります。で、旦那さんが会社で汗水たらして働き、お昼はコンビニの弁当か松屋あたりの丼で済ましているとき、奥さんたちが南座に来ていてお昼は3000円の幕間弁当を召し上がっているのではないか。
こう考えると、何が男尊女卑で何がジェンダーフリーなのか分からなくなってきます。まあ、余談ですが。^^
【市川團十郎特別公演】夜の部
さて、夜の部の最初は「二人藤娘」で、これはもうどう考えても評判の映画「国宝」にあやかってます。これでお客さんを呼ぼうという松竹の思惑が透けて見えてるどころか、思惑を隠そうともしていないのが潔いです。
実際、私が切符を買おうとしたら何と夜の部だけ初日からずっと売り切れ。ようやく17日のが買えたのですが、人気映画の影響力は凄いなあと感心した次第。
で、その「二人藤娘」ですが、冒頭、場内を真っ暗闇に消灯して、緊張感を盛り上げてからパッと点灯すると二人の藤娘があでやかに、地方さんたちも綺麗に揃っている絢爛たる舞台が現れました。演出効果満点。
後はもう何も考えずに舞台を観ているだけで楽しめました。
この次は團十郎のご挨拶だったのですが、ここでプログラムには無い趣向がありました。
お客様を1人舞台に上げて「暫」の衣装を着ける体験をしてもらうという。
客席のあっちこっちから手が挙がったですが、選ばれたのは女子高生でした。よく見ると一階席に高校生がたくさん来ていて、学校の行事か何かなのか、一クラス分ぐいの人数が来てました。
ただ、この女子高生、ひょっとしたら藤娘の衣装を着させてもらえるのだと勘違いしたのかもしれません。それが「暫」の凄い衣装だったので、私の席からは彼女が苦笑いしたようにも見えました。
それでも大層な衣装を着け終ると、何かこう五月人形みたいに見えてしまった。^^
で、舞台上で衣装を着けるのを見せながら、團十郎さんがお話をしたり客席からの質問に答えたりしていたのですが、ここで昼の部で私が珍しい演出だと思ったのはハプニングというか、アクシデントというべきものだったのが明らかになりました。
團十郎さんが舞台に関するお話をしている中で、「実は今日の昼の部で……」という裏話があり、あれは演出ではなかったのが分かった。
しかしそういう事態があっても、何事も無かったように舞台を務めるのですから、プロだなあと思った次第。
さらにプログラムに無かった趣向で、次の「菅原伝授手習鑑」の「車引」の舞台設営を見せてくれました。大道具さんたちがこのように働くのかと、写真を撮りながら見てました。
本編は荒事が見せどころで、それは良かったのですが、海王丸と桜丸の演技は豪快というより喧しかったです。^_^
最後の「荒事絵姿化粧鑑」では團十郎さんが「暫」のメーキャップから衣装を着るまでを舞台の上で見せてくれました。白粉をはたいて煙のように粉を飛ばすのは「見せる」ための演出だったのでしょう。
衣装を全部着けた後は「暫」の豪快な場面を少し披露して終了。
昼夜通してすっかり堪能した1日でした。


