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- 【南座三月花形歌舞伎】
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エリア:
- 近畿>京都>洛東(祇園・清水)
- テーマ:鑑賞・観戦 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2025/03/06 23:25
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【南座三月花形歌舞伎】
3月の南座は若手が古典をやる「三月花形歌舞伎」だが、今年も二つ目の演目はユニークなものになっている。そして去年に引き続き、私は昼夜通しで観てきました。
まず、松プログラムは「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」と「於染久松色讀販」で、桜プログラムは「伊勢音頭恋寝刃 油屋店先・同奥庭」と「於染久松色讀販」である。(注・12日までは午前の部が松プロ、午後が桜プロ。14日からは入れ替えで午前が桜プロ、午後が松プロになります)
そして「於染久松色讀販」は演目は同じでも演出が違う。去年の「忍夜恋曲者」と同じスタイルである。
さて、この二種類の演出だが、どちらが良いかとなると私は「松プロ」に軍配を上げる。
その理由はというと、これは中村壱太郎がお染久松など五役をやるのだが、と書くと「ん、これはお染の七役ではないのか」といぶかる「通」もおられようが、五役でいいのです。これは七役を五役にして40分ほどに纏めたヴァージョンである。で、松プロと桜プロでは五役のひとつに違いがある。
壱太郎さんがやる五役は松プロでは「お染・久松・お光・鬼門の喜平衛・土手のお六」だが、桜プロでは鬼門の喜平衛が雷に替わる。で、私はやはり鬼門の喜平衛の出て来るほうが良いと断言する。
松プロではお光が去った後、鬼門の喜平衛が現れてお染久松と絡む。つまり目まぐるしく1人で三役をやるわけだ。
しかし桜プロではお光が去った後、急に雨が降り出して雷が登場する。その雷が浮かれて踊って下界に落ちてしまうという趣向なのだ。
二つを比べれば、やっぱり鬼門の喜平衛の出てくる方が早変わりの面白さが満喫できて楽しいのである。これからどちらを観ようか迷っている方は、迷わずに松プロを選んでいただきたい。
一番目にやる松プロの「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」と桜プロの「伊勢音頭恋寝刃 油屋店先・同奥庭」は、どちらが良いかは私には決めかねる。甲乙つけがたいのだ。
あえて言うなら「伊勢音頭恋寝刃 油屋店先・同奥庭」では仲居の万野を壱太郎さんがやるのだが、このイケズな仲居を本当にいやらしく演じておられたのは見ものであった。壱太郎さんはこういう役も出来るのである。
何はともあれ、今年も楽しませていただきました。
3月の南座は若手が古典をやる「三月花形歌舞伎」だが、今年も二つ目の演目はユニークなものになっている。そして去年に引き続き、私は昼夜通しで観てきました。
まず、松プログラムは「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」と「於染久松色讀販」で、桜プログラムは「伊勢音頭恋寝刃 油屋店先・同奥庭」と「於染久松色讀販」である。(注・12日までは午前の部が松プロ、午後が桜プロ。14日からは入れ替えで午前が桜プロ、午後が松プロになります)
そして「於染久松色讀販」は演目は同じでも演出が違う。去年の「忍夜恋曲者」と同じスタイルである。
さて、この二種類の演出だが、どちらが良いかとなると私は「松プロ」に軍配を上げる。
その理由はというと、これは中村壱太郎がお染久松など五役をやるのだが、と書くと「ん、これはお染の七役ではないのか」といぶかる「通」もおられようが、五役でいいのです。これは七役を五役にして40分ほどに纏めたヴァージョンである。で、松プロと桜プロでは五役のひとつに違いがある。
壱太郎さんがやる五役は松プロでは「お染・久松・お光・鬼門の喜平衛・土手のお六」だが、桜プロでは鬼門の喜平衛が雷に替わる。で、私はやはり鬼門の喜平衛の出て来るほうが良いと断言する。
松プロではお光が去った後、鬼門の喜平衛が現れてお染久松と絡む。つまり目まぐるしく1人で三役をやるわけだ。
しかし桜プロではお光が去った後、急に雨が降り出して雷が登場する。その雷が浮かれて踊って下界に落ちてしまうという趣向なのだ。
二つを比べれば、やっぱり鬼門の喜平衛の出てくる方が早変わりの面白さが満喫できて楽しいのである。これからどちらを観ようか迷っている方は、迷わずに松プロを選んでいただきたい。
一番目にやる松プロの「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」と桜プロの「伊勢音頭恋寝刃 油屋店先・同奥庭」は、どちらが良いかは私には決めかねる。甲乙つけがたいのだ。
あえて言うなら「伊勢音頭恋寝刃 油屋店先・同奥庭」では仲居の万野を壱太郎さんがやるのだが、このイケズな仲居を本当にいやらしく演じておられたのは見ものであった。壱太郎さんはこういう役も出来るのである。
何はともあれ、今年も楽しませていただきました。
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