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- 山口未桜の『白魔の檻』を読みました。
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エリア:
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指定なし
- テーマ:書籍・CD・DVD その他 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2025/11/06 14:49
- コメント(0)
表題の作品を読みました。以下にその感想です。
『白魔の檻』
山口未桜(東京創元社)
クローズドサークル物の本格ミステリだが、濃霧に閉ざされた上に地震が来て、さらに硫化水素が押し寄せて来るという三連発である。今やひとつだけではインパクトが無いのかもしれない。
舞台は北海道の過疎地にある病院で、そこに城崎響介は過疎地医療協力の医師として、春田芽衣は研修医としてやって来る。濃霧の中、どうにか病院にたどり着いた二人を待っていたのは病院スタッフの変死事件であった。これを発端に、霧と余震と有毒ガスに見舞われながら連続殺人の謎を解くというストーリーなのだから、読まない手はない。
前半は究極のシチュエーションを際立たせるためか、パニック小説の色合いが濃いが、後半はバリバリの本格ミステリになっている。途中でカルテに記載されている内容など、ややこしい医学用語が連続して出る部分もあるのだが、わりとスラスラと読めた。ひょっとしたら、難しい所は無意識に流し読みをしていたのかもしれない。
有毒ガスが病院内に少しずつ上って来て、入院患者を上の階に移さなければならないなど、極限状況での医療活動も描かれるが、結末に近づくにつれてミステリ感が濃くなるとパニック感が薄れるのは仕方ないだろう。そもそも本格ミステリが読みたいわけだ。
ラストの病院の屋上での謎解きと犯人との対決まで読み終えて、この作品は今年のベストテン候補だと思った。
読んでみてください。^^
http://sealedroom.blog.jp
『白魔の檻』
山口未桜(東京創元社)
クローズドサークル物の本格ミステリだが、濃霧に閉ざされた上に地震が来て、さらに硫化水素が押し寄せて来るという三連発である。今やひとつだけではインパクトが無いのかもしれない。
舞台は北海道の過疎地にある病院で、そこに城崎響介は過疎地医療協力の医師として、春田芽衣は研修医としてやって来る。濃霧の中、どうにか病院にたどり着いた二人を待っていたのは病院スタッフの変死事件であった。これを発端に、霧と余震と有毒ガスに見舞われながら連続殺人の謎を解くというストーリーなのだから、読まない手はない。
前半は究極のシチュエーションを際立たせるためか、パニック小説の色合いが濃いが、後半はバリバリの本格ミステリになっている。途中でカルテに記載されている内容など、ややこしい医学用語が連続して出る部分もあるのだが、わりとスラスラと読めた。ひょっとしたら、難しい所は無意識に流し読みをしていたのかもしれない。
有毒ガスが病院内に少しずつ上って来て、入院患者を上の階に移さなければならないなど、極限状況での医療活動も描かれるが、結末に近づくにつれてミステリ感が濃くなるとパニック感が薄れるのは仕方ないだろう。そもそも本格ミステリが読みたいわけだ。
ラストの病院の屋上での謎解きと犯人との対決まで読み終えて、この作品は今年のベストテン候補だと思った。
読んでみてください。^^
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- ディーヴァー&マルドナードの『スパイダー・ゲーム』を読みました。
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エリア:
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指定なし
- テーマ:書籍・CD・DVD その他
- 投稿日:2025/11/04 13:40
- コメント(0)
『スパイダー・ゲーム』
ジェフリー・ディーヴァー
イザベラ・マルドナード(文藝春秋)
意外にもジェフリー・ディーヴァーが別の作家と合作をしたという作品だが、小説としてはディーヴァーの個性が勝っている。とは言うものの、私はイザベラ・マルドナードの小説は読んだことが無い。さて?
ミッシングリングの連続殺人のように見える殺人事件が起きて、その繋がりが分かったように見せかけて、さらに裏があるわけだが、この犯人のトリックは有名な前例がある。それにあの秘密を守るために人殺しまでするかという疑問もある。と、これだけを言うとまるで凡作のように聞こえるだろうが、これ中々面白く読めた。流石はディーヴァーだと思う。
どのように合作したのかは分からないが、このところディーヴァーの作品は全盛期に比べると少し弱っていたので、マルドナードに助けてもらった?
まあ、根拠のない詮索は止めておくに越したことはない。^^
連邦捜査官カーメン・サンチェスとサイバー犯罪専門家ジェイク・ヘロンがスケールの大きい計画を立てた殺し屋チームと戦うのだが、私は普通の常識的な殺し屋ならあんな壮大な計画は立てずに、ありきたりの事故に見せかけて殺すのではないかと思う。そのほうが完全犯罪になっただろうに、このあたりの小説としての説得力が弱い。
文藝春秋もそれを感じたのが、ハードカバーではなく文庫本で出し、分冊にせず一冊本にしてくれた。例年のディーヴァー作品より半額ぐらいで買えるのが嬉しい。ツッコミどころはあっても読まない手はないだろう。
何といっても411頁の展開は「おお、ディーヴァーだ!」というものだし、507頁で分かる事実も「おお、ディーヴァーだ!」という設定である。
さらにディーヴァーらしいのは、ニコンのカメラは出て来る、ニッサンの車は出て来る、スーパーコンピューター富嶽は出て来る、シェフは日本製のナイフ(包丁)セットを愛用しているし、プロジェクトX(但しNHKの番組ではない)という言葉も出て来る。
最後の修羅場で天才的サイバー犯罪者だけは上手く逃げおおせたので、こいつはまたこのシリーズに出て来るのだろうと思ったら……なるほど、こう来るか。少しあっけなかったが、ハッピーエンドになった。
次回作以降に持ち越された新たな謎(コルター・ショウのシリーズのと似ているけれど)も提出されたので、今後これがどう絡んで来るかも興味のあるところ。文庫本ですから、読んでみてください。
【蛇足】主人公の女性捜査官はラテン系の人なので名前は「カーメン」ではなく「カルメン」の方が妥当だと思うのだが。。。
カーメンだとツタンカーメンの顔をを思い浮かべてしまう。^^
http://sealedroom.blog.jp
ジェフリー・ディーヴァー
イザベラ・マルドナード(文藝春秋)
意外にもジェフリー・ディーヴァーが別の作家と合作をしたという作品だが、小説としてはディーヴァーの個性が勝っている。とは言うものの、私はイザベラ・マルドナードの小説は読んだことが無い。さて?
ミッシングリングの連続殺人のように見える殺人事件が起きて、その繋がりが分かったように見せかけて、さらに裏があるわけだが、この犯人のトリックは有名な前例がある。それにあの秘密を守るために人殺しまでするかという疑問もある。と、これだけを言うとまるで凡作のように聞こえるだろうが、これ中々面白く読めた。流石はディーヴァーだと思う。
どのように合作したのかは分からないが、このところディーヴァーの作品は全盛期に比べると少し弱っていたので、マルドナードに助けてもらった?
まあ、根拠のない詮索は止めておくに越したことはない。^^
連邦捜査官カーメン・サンチェスとサイバー犯罪専門家ジェイク・ヘロンがスケールの大きい計画を立てた殺し屋チームと戦うのだが、私は普通の常識的な殺し屋ならあんな壮大な計画は立てずに、ありきたりの事故に見せかけて殺すのではないかと思う。そのほうが完全犯罪になっただろうに、このあたりの小説としての説得力が弱い。
文藝春秋もそれを感じたのが、ハードカバーではなく文庫本で出し、分冊にせず一冊本にしてくれた。例年のディーヴァー作品より半額ぐらいで買えるのが嬉しい。ツッコミどころはあっても読まない手はないだろう。
何といっても411頁の展開は「おお、ディーヴァーだ!」というものだし、507頁で分かる事実も「おお、ディーヴァーだ!」という設定である。
さらにディーヴァーらしいのは、ニコンのカメラは出て来る、ニッサンの車は出て来る、スーパーコンピューター富嶽は出て来る、シェフは日本製のナイフ(包丁)セットを愛用しているし、プロジェクトX(但しNHKの番組ではない)という言葉も出て来る。
最後の修羅場で天才的サイバー犯罪者だけは上手く逃げおおせたので、こいつはまたこのシリーズに出て来るのだろうと思ったら……なるほど、こう来るか。少しあっけなかったが、ハッピーエンドになった。
次回作以降に持ち越された新たな謎(コルター・ショウのシリーズのと似ているけれど)も提出されたので、今後これがどう絡んで来るかも興味のあるところ。文庫本ですから、読んでみてください。
【蛇足】主人公の女性捜査官はラテン系の人なので名前は「カーメン」ではなく「カルメン」の方が妥当だと思うのだが。。。
カーメンだとツタンカーメンの顔をを思い浮かべてしまう。^^
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- 墨染寺恒例、お寺deハロウィン。
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エリア:
- 近畿>京都>伏見・京都市南部郊外
- テーマ:お祭り・イベント その他 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2025/10/26 16:53
- コメント(0)
墨染寺恒例、お寺deハロウィン。
和洋折衷かもしれませんが、私は認めます。^^
これも縁日の一種と思えば良いのかなと。
これでお寺に親しみを持ってもらえるとか、お葬式だけがお寺ではないと思ってもらえたら、お寺と市民の垣根が低くなって、将来はお寺本来の機能が発揮できるようになるのではないかとの希望的観測です。^_^



和洋折衷かもしれませんが、私は認めます。^^
これも縁日の一種と思えば良いのかなと。
これでお寺に親しみを持ってもらえるとか、お葬式だけがお寺ではないと思ってもらえたら、お寺と市民の垣根が低くなって、将来はお寺本来の機能が発揮できるようになるのではないかとの希望的観測です。^_^




- 方丈貴恵の『アミュレット・ワンダーランド』を読みました。
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エリア:
-
指定なし
- テーマ:書籍・CD・DVD その他 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2025/09/25 13:38
- コメント(0)
『アミュレット・ワンダーランド』
方丈貴恵(光文社)
2年前に出た『アミュレット・ホテル』の続編だが、前作を読んでいない人や「読んだけど忘れた」という人のために説明しておくと、アミュレット・ホテルというのは、本館は普通のホテルなのだが、会員制の別館は犯罪者専用になっているホテルである。そこで起きる事件の顛末を描くわけだが、登場人物のほとんど全部が犯罪者である。そこで起きる事件をホテル探偵の桐生が解決するわけだ。
Episode1「ドゥ・ノット・ディスターブ」
冒頭、ホテルのラウンジで盗難事件が起きるのだが、実はこれは本筋ではない。このプロローグ的な事件が解決した直後、殺人事件が発生する。
ホテルの一室から犯罪者向け動画共有サービス「シン・チューブ」のライヴ配信中だった犯罪者が殺されてしまう。有名な泥棒兄弟の末弟だった被害者は果たして兄に殺されたのか?
本格ミステリへのオマージュも散りばめられた一編だが、全てが明らかになると冒頭の事件も単なるプロローグではなかったこと分かる。巻頭を飾るに相応しい作品といえよう。
Episode2「落とし物合戦」
ラウンジのピアノの中に「落とし物」を見つけたという届け出があり、さらに自分が落とし主だという犯罪者が3人もやって来る。さて、どうなる?
Episode3「ようこそ殺し屋コンペへ」
アミュレット・ホテル別館で殺し屋コンペが行われるが、もちろんホテルに許可など取っていない。さらにこのコンペの標的にされたのがホテルのフロント係・水田であった。しかし次々と殺されて行くのはコンペに参加した殺し屋たち。水田の犯罪者としての過去も明かされ、最後は犯罪的にハッピーエンドになる。
Episode4「ボマーの殺人」
日本の詐欺王の一人息子とイタリア系犯罪組織「エピテル」の幹部の娘がアミュレット・ホテルで結婚式を挙げた。その披露宴の会場に爆弾が仕掛けられ、犯人はアミュレット・ホテルの所有権を要求。制限時間までに起爆を解除するコード番号を入力しないと大爆発が起きる。
犯人によって高層階と低層階が分断され、ホテル探偵の桐生は低層階で起きた殺人を解決して犯人から解除の番号を聞き出さなければならない。そして、被害者もコード番号を教えるダイイングメッセージを残していた。タイムリミットまでにその謎が解けるかという一編で、本書の締め括りにふさわしい内容である。
四編とも過不足ない仕上がりで、私は一気読みしてしまった。前作を読んでいないという方は、是非この機会に『アミュレット・ホテル』のほうも読んでいただきたい。^^
http://sealedroom.blog.jp
方丈貴恵(光文社)
2年前に出た『アミュレット・ホテル』の続編だが、前作を読んでいない人や「読んだけど忘れた」という人のために説明しておくと、アミュレット・ホテルというのは、本館は普通のホテルなのだが、会員制の別館は犯罪者専用になっているホテルである。そこで起きる事件の顛末を描くわけだが、登場人物のほとんど全部が犯罪者である。そこで起きる事件をホテル探偵の桐生が解決するわけだ。
Episode1「ドゥ・ノット・ディスターブ」
冒頭、ホテルのラウンジで盗難事件が起きるのだが、実はこれは本筋ではない。このプロローグ的な事件が解決した直後、殺人事件が発生する。
ホテルの一室から犯罪者向け動画共有サービス「シン・チューブ」のライヴ配信中だった犯罪者が殺されてしまう。有名な泥棒兄弟の末弟だった被害者は果たして兄に殺されたのか?
本格ミステリへのオマージュも散りばめられた一編だが、全てが明らかになると冒頭の事件も単なるプロローグではなかったこと分かる。巻頭を飾るに相応しい作品といえよう。
Episode2「落とし物合戦」
ラウンジのピアノの中に「落とし物」を見つけたという届け出があり、さらに自分が落とし主だという犯罪者が3人もやって来る。さて、どうなる?
Episode3「ようこそ殺し屋コンペへ」
アミュレット・ホテル別館で殺し屋コンペが行われるが、もちろんホテルに許可など取っていない。さらにこのコンペの標的にされたのがホテルのフロント係・水田であった。しかし次々と殺されて行くのはコンペに参加した殺し屋たち。水田の犯罪者としての過去も明かされ、最後は犯罪的にハッピーエンドになる。
Episode4「ボマーの殺人」
日本の詐欺王の一人息子とイタリア系犯罪組織「エピテル」の幹部の娘がアミュレット・ホテルで結婚式を挙げた。その披露宴の会場に爆弾が仕掛けられ、犯人はアミュレット・ホテルの所有権を要求。制限時間までに起爆を解除するコード番号を入力しないと大爆発が起きる。
犯人によって高層階と低層階が分断され、ホテル探偵の桐生は低層階で起きた殺人を解決して犯人から解除の番号を聞き出さなければならない。そして、被害者もコード番号を教えるダイイングメッセージを残していた。タイムリミットまでにその謎が解けるかという一編で、本書の締め括りにふさわしい内容である。
四編とも過不足ない仕上がりで、私は一気読みしてしまった。前作を読んでいないという方は、是非この機会に『アミュレット・ホテル』のほうも読んでいただきたい。^^
http://sealedroom.blog.jp

- 蝉の抜け殻は珍しくも無いが、二匹重なっているのは珍しいと思う。
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エリア:
- 近畿>京都>洛東(祇園・清水)
- テーマ:観光地 その他 自然・植物
- 投稿日:2025/08/17 14:01
- コメント(0)
蝉の抜け殻は珍しくも無いが、二匹重なっているのは珍しいと思う。
どういう状況だったのか。
成虫になるのが待ちきれずに脱ぎながら交尾に及んだのか? ^^
どういう状況だったのか。
成虫になるのが待ちきれずに脱ぎながら交尾に及んだのか? ^^
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