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旅倶楽部「こま通信」

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旅倶楽部 こま通信
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埼玉県
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旅行業
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旅倶楽部「こま通信」代表

これまで三千日以上を旅してきて、より良い旅の為に《手造の旅》をはじめました。メンバーからの要望によって、一生モノの旅をつくっていきます。

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皇太子ルドルフの妻は

2010/10/12 23:51
マイヤーリンク外観
エリア:
  • ヨーロッパ > オーストリア
テーマ:
  • 歴史・文化・芸術
ハプスブルグ「最後の皇帝」フランツ・ヨーゼフの一人息子ルドルフが、1889年1月30日に16歳の少女と心中したマイヤーリンクを訪ねた。
マイヤーリンク外観
秋のはじめ、気持ちよく晴れた青空と枯葉の中、その奇妙な建物があった。
狩猟の館だったこの建物は、皇太子とその心中相手が無残な姿で発見された部屋だけを教会にしてしまったのである。

この教会堂の次の部屋にいくと、そこからルドルフとフランツ・ヨーゼフ皇帝の確執などを説明する展示がはじまる。

その中で、いきなりぎょっとさせる棺桶がたてかけてある。
ヴェッツェラーの棺
これは、心中相手マリー・ヴェッツェラーの棺桶。

何ゆえここに実物があるのか?ガイドさんが説明してくれた。

ルドルフの死の一報をうけて、フランツ・ヨーゼフ皇帝は「あの女が息子を殺したに違いない」と思い込んだそうな。 皇太子の遺体が丁寧に移送される一方、マリーの遺体はしばらく放置されていた。誰も、皇帝の怒りをかいたくはない。

しかし、とにかく埋葬を、ということで、いちばん近くの墓地である歴史あるハイリゲン・クロイツ修道院へ運び埋葬された。それが、この棺桶。

埋葬された棺桶をこじ開けたのは第二次大戦の折、ヴィーンを「開放」したソ連軍の兵士だった。よく見ると確かに壊されているのが分かる。副葬品に宝石やなにかを狙ったらしい。

混乱の後、遺体は新しい棺桶に改葬され、この棺桶は修道院の片隅にほおって置かれていたのだが、近年観光客向けにここへ移されたという事である。

心中相手に選ばれたマリー・ヴェッツェラーは、実は「本命」ではなかった。皇太子ルドルフははじめ別の相手に心中をもちかけたのに断られていたのである。マリーはそこの事、知っていたのかしらん?

ルドルフをめぐる「かわいそうな彼女」は、実はもっと他にいた。ルドルフの本妻ベルギー皇女ステファニーである。ルドルフは1880年3月にブリュッセルで二日だけ彼女と過ごしてすぐに婚約。翌年5月19日にヴィーンのアウグスティーナ教会で結婚している。下の写真左が彼女。
ステファニー
※余談:帝国の天文学者はその年に発見した小惑星を220ステファニーと名付け、人類史上はじめて星が結婚プレゼントにされたのだそうだ。

右は皇太子が自殺を決意した後に彼女に向けて書いた遺書と呼べるもの。内容は「娘のことをよろしく」など、ありがちな事柄を書いているのだが、なんと、ステファニーのアルファベット綴りが間違っている!!

STEPHANIE が本当なのに、STEFANIE なのだ。

遺書で亭主に自分の名前を間違われるなんて、この事件でいちばん悲劇的なのは、このステファニーじゃなかろうか。面の皮でありまする。

・・・と思ってステファニーの事を少し調べてみると、いやいや、彼女は彼女で旅先でであったポーランドの貴族とよろしくやっていたらしい。当時の貴族社会では、ま、「あり」の夫婦関係だったのだろう。

ルドフルの死後、11年を経た1900年。
36歳の彼女はひとつ年上のハンガリー貴族と二度目の結婚。
現スロバキア領にある城で暮らすことになった。

1945年、第二次大戦末期、ソビエト軍がハンガリーを「開放」、八十歳を過ぎていた彼女とその夫は城を追われ、同年8月23日、彼女はパンノンハルマ(ハンガリーの世界遺産指定された修道院がある)にて生涯を終えた。

生前彼女が書いたという暴露本「I was to be Empress(私は皇后になるはずだった)」という本は、日本語で読めるのだろうか?

※ステファニーの生涯についてはは、主にWikipedia辞典を参考にしました。
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