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京都ミステリー紀行

~楽しい古都ばかり話そう~

プロフィール

ニックネーム:
京都ミステリー
居住地:
京都府
性別:
男性
会社名:
京都ミステリー紀行
会社英字名:
Kyoto Mystery Trip
会社所在地:
京都府
会社電話番号:
090-3653-5729
業種:
現地ツアー企画・現地ガイドなど
自己紹介:
「京都ミステリー紀行」という観光案内をやっております。
よく「ミステリーツアー」と間違えられますが、一般に行われている「行き先や内容を告げずに参加者を募集する」いわゆるミステリーツアーとは違うので要注意。
京都ミステリー紀行とは。
「鵺池」「幽霊の子育て飴」など、京都に残された幽霊譚、怪奇譚を紹介するだけではなく、「菅原道真の怨霊伝説はインチキだった」「平清盛は悪い人ではなかった」「応仁の乱で京都は丸焼けにはなっていなかった」など、通説とは違うことや常識とは反対の説明をする異色のツアー。
『今昔物語』や『江談抄』のエピソードを語る他、『群書類従』や『古事類苑』に基づいた「真相の解明」も行うため、「面白くてためになる」とか「目からウロコの謎解きツアー」とも言われています。

最近、観光地域おこしへのお手伝いも始めました。

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方丈貴恵の『盾と矛』を読みました。

2026/06/21 16:00
エリア:
    指定なし
テーマ:
  • 鑑賞・観戦
  • / 書籍・CD・DVD
  • / 歴史・文化・芸術
『盾と矛』
方丈貴恵(角川書店)
ここしばらく感想を書きたくなるような本が無かったのだが、ここにきてようやく巡り合えた。
方丈貴恵の『盾と矛』である。これがどんな作品かというと、

本格ミステリ+エイレングラフ弁護士の事件簿+ミッションインポッシブル

なのである。
まず殺人事件があり探偵の草津正守がそれを論理的に解決する。ところが犯人を必ず無罪にするエイレングラフ弁護士のような人物であるヒミコが介入し、新たな証拠を捏造して犯人を助ける。すると今度は草津が正義のために手段を選ばず犯人を追い詰めていく。犯人を自白に追い込むためなら何でもやるのだ。適法手続きなど関係ない。
長編かと思ったら三つの章それぞれ違う犯罪を扱っているのでオムニバスかと思いきや、これまた最後でちゃんと繋がって来る。独立した三つの話でもあるが、全てはひとつの大きな流れの中にある。流石、方丈貴恵。

作品の主体は「ミッションインポッシブル」の部分にあるので、本格物としての骨格は弱く物足りないかもしれないが、本筋では結構ひねりがあるのだ。
第一章は登場人物の紹介の意味もありわりと短い。普通の短編の長さで、ストレートな話なのだが、後の二つは中編の長さがあり、その分込み入った内容になっている。本作の白眉は第二章からだろう。しかも第三章の途中で大転換があるのだ。草津とヒミコだけではなく、別の人物も絡んで知力と暴力を織り交ぜた虚々実々の戦いが繰り広げられる。
しかも三つの物語はどれも最後に少し「救い」があるのだな。
第一章の犯人は清々しく罪を認めるし、第二章の犯人も「このまま逃がしてあげたい」と感情移入する読者も多いだろうが、最後は捕まるもののその先には希望が見える。
そしてこの作品の中心になる第三章にも救いがあるのだが、人によっては「作り過ぎ」とか「やりすぎ」とか言うかもしれないけれど、私はこれは「因習の村」というテーマのパロディだと解釈する。ちょっと笑えるし。個人的にこういうのは好きだし。

ただ、帯にある麻耶雄嵩の「名探偵と名犯人の頭脳バトルなのに、この終わり方はズルい」というコメントは私には理解できない。全然ズルくないと思う。
もうひとつ、帯の惹句に「めくるめく推理と隠蔽の上書き合戦 ああこれを永遠に読み続けたい」と書いてあるが、私は別にこの本はこれで完全に完結しているのでそれで良いと思う。続編は無い方がスッキリするだろう。まあ、永遠に読み続けたいなら何度でも再読すれば良いわけだ。
何はともあれ、「東野圭吾にハズレなし」とか「宮部みゆきにハズレなし」とか言われてきたが、いよいよ「方丈貴恵にハズレなし」というのが加わった。
本作『盾と矛』は今年のベストテン候補です。

http://sealedroom.blog.jp
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