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フランス紀行

~フランスの社会・生活・文化に関する情報や日本社会との比較分析、世界各地を旅して発見した面白い情報をお届けします。~

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Tabet International en France
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ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
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現地ツアー企画・現地ガイドなど
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単なるスポット紹介やグルメを堪能することだけに飽き足らない旅慣れた日本人が欲している情報とは何か・・・。それは、「現地とコネクトすること」ことができる情報提供ではないかと思っています。表層に現れる現象の根拠を歴史的、文化的、社会的価値観の観点から探り、ついでに辛口ジョークや捻りの利いたブラックジョークも交えながら、「なるほど・・」と納得しながらクックックゥと笑って楽しんで頂ける情報提供をお約束します!

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LVMHグループ代表ベルナール・アルノー、ベルギーへ逃亡かなうか?!

2012/09/12 17:50
ベルナール・アルノー
エリア:
  • ヨーロッパ > フランス > パリ
テーマ:
  • 留学・長期滞在
  • / その他
  • / 歴史・文化・芸術
既にご存知の方も多いかもしれませんが、現在フランスでは、日本でも御なじみのLVMHグループ代表であるベルナール・アルノーがベルギーへ移民するかしないかが注目されています。

そうです。オーランド大統領が選挙戦で公約に挙げていた(資本主義を標榜する国並びに人々の間で)悪名高き「75%所得税」こそが、この騒ぎの根拠なのです。

年収が100万ユーロ(現行変換レートで約1億円)を超える家庭に対する所得税75%適用がいよいよ現実的になってきたため、それこそ天文学的な年収を得ているムッシュー・アルノーはフランス国籍を捨て、ベルギー国籍を取得するべく動き始めたのです。

もっとも、ご本人は「個人的な理由」とおっしゃっていますが、この「個人的な理由」に節税が含まれていることは明らかです。

で、この動きに対するフランス政府の対応は、もっぱらの噂によると、ムッシュー・アルノーに国籍拒否をするようベルギー政府に裏で働きかけているとのことです。

裏工作をするなんて、セコイですよね・・・・・!そこまでしていてほしいなら、彼が嫌がるような税制など導入しなければよいのに・・・・。

ベルナール・アルノー

もっとも、ムッシュー・アルノーはハイプロファイルな人物であるため、メディアに派手に取り上げられていますが、他のフランスの多くのお金持ちも彼と同じことを考え、国外逃亡の機会を虎視眈々と狙っていることは確かです。

なぜなら、フランス政府のメッセージは誤解などしようにもできないほどクリアーだからです。

アンチ・ビジネス。。。

これにつきます。

なぜアンチ・お金持ちではなくて、アンチ・ビジネスに限定するかというと、紆余曲折を経て、今では、ビジネスのみを対象にしてこの税制が施行されるかもしれないからです。

つまり、ビジネスパーソン以外のお金持ちの最たるシンボルである芸能人、スポーツ選手、芸術家などは対象外になるということです。

巷では、スポーツ選手が対象となると、フランスのガス抜き装置であるサッカー試合が上手く機能しなくなるので対象外にされたと言われています。

75%が適用されれば、フランスのサッカーチームは瞬時にして壊滅状態に陥ります。

アメリカのスーパーボールではありませんが、サッカーの試合でフランス選手がプレーをするとなると、街全体に静けさが広がり、時々、そこかしこで雄たけびが聞こえるようになります。そうです。みんな全てを忘れて試合中継に夢中になっているのです。

そして、フランスが勝つと、それこそ自分が勝利したかのごとく喜び勇み、日々の憂さ晴らしをするわけです。

サッカーを通じて国民に定期的にガス抜きをしてもらうためにも、サッカー選手はフランス政府にとって欠かせない存在になっているわけです。

因みに芸能人も芸術家に含まれ、フランス文化を守り育成する大切なアジェントとして位置づけられ、対象外にされるようです。

コメディアンやその辺のTVパーソナリティといわれる人々がどれだけフランス文化の繁栄に貢献するのか知りませんが・・・・・。

ということで、そうなると、残るはビジネスだけになり、このロジックからいくと、フランスにとってビジネス、特にビッグ・ビジネスは必要ないと考えられているという結論が導き出されるわけです。

実際に、フランスの労働者の意見を聞くと、彼らは経営者に搾取され、彼らを搾取することで経営者は潤っているのだと信じて疑いません。

自分に対して雇用を提供し、この雇用のお陰で自分を含む家族を養うことができるのだ・・・という発想にはどう転んでもならないようですが・・・。

余談ですが、週35時間制、1ヵ月を越える有給を保証されているフランスの労働者が搾取されているというならば、日本の労働者はどうなるのでしょうか・・・・?

いずれにせよ、ビッグビジネスをはじめとする経営陣、そして国家経済、ひいては社会の新たな発展を担う企業家は全て、フランス労働者の敵になるというわけです。

国民投票によって選ばれる大統領は、このマジョリティの見解を無視することは到底できず、従って、このマジョリティを「喜ばせる」方向で政策を打ち出すことが求められるわけです。

補足ですが、100万ユーロほどの年収がないけど、それに次ぐカテゴリーに属する人々、つまり現行変換レートで日本円に換算すると1500万円以上の年収のある個人には45%の所得税が課されます。

所得税が45%となれば、各種税金・社会保障の徴収などを差し引き、最終的に手元に残るのは約40%、つまり1500万円の年収の個人が最終的に手にする年収額は僅か600万円ぐらいになるということです。。。。

月給に換算すると、50万円ぐらいになります。1500万円稼いで、月々の税引き後所得が僅か50万円じゃあ、相当な労働意欲のある個人でないかぎり、働く意欲も失せるというものです。

さて、アンチ・ビジネスな税制を施行することで、果たしてフランスが必要としている財政赤字の軽減と雇用創出を中心とする国家経済の繁栄が実現できるのか・・・・?

確かに、富裕層を優遇する税制を通じて短期的スパンにおける経済の活性化を期待することはできません。富裕層の手持ちのキャッシュが増えたとしても、全てにおいて満たされた状態にある彼らの購買意欲を活性化することは難しいと考えられるからです。

一方で、極端な話、貧乏人の手持ちのキャッシュが増えると、経済効果はてき面だといわれています。なぜなら、彼らは日々の食事の量や質を上げたり、日用雑貨をはじめ物質面での欠損を補うべく直ちに消費に走るからです。

このことから言えることは、短期的な経済の活性化を目指すうえで、中産・労働者階級を対象とする減税は理に適っているということがいえます。

この延長線上で考えると、当然、富裕層に対する増税が政策オプションとして浮上してきます。財政ピンチにあるフランスとしては、てっとり早く、しかも一般受けもよい、この策に飛びつかない理由がありません。

そして、生まれも育ちも全てビジネスとは縁がなく、蓄財や贅沢には全く興味がないムッシュー・オーランドが大統領となれば、「75%」が登場する条件は全て揃ったも同然です。

しかし、長期的な視点で見ると、この「75%」はフランス経済に対する自殺行為であることは間違いありません。

この税制が施行されれば、富裕層の国外逃亡が相次ぐのみならず、頑張って働いたり、知恵と勇気を振り絞って企業しても全く意味がないという社会風土を醸成し、新たな雇用や国際競争力に富むビジネスの創出を阻むことになるからです。

そして何よりも恐ろしいのは、グローバルに通用する能力の持ち主にとって、もはやフランスに留まる理由がなくなるということです。これは、フランスの繁栄を担う次世代の人材流出に繋がります。

広い見識と高い能力の持ち主であれば、自分で稼いだお金を政府に持っていかれて無駄にされるよりも、自分の価値観に見合った方向で有意義に使いたいと思うのが自然です。

例え、それが貧しい人々の救済に利用されるとしても、政府によって勝手に割り振りされるのではなく、自分で基金を解説したり、援助グループを結成することで役立てたいと思うのが自然です。

実際に、ビル&ミランダ・ゲイツ基金をはじめ、アメリカの富裕層の間では、「人道援助」が旬を迎えています。

そうです、世界のセレブの趣味は今や人道援助であり、彼らのサロンの会話の中心は「今、どのような援助に関わっていらっしゃるの?」だといいます。

一昔前の哲学や芸術、歴史に関する知識や教養は最早メインストリームから外れてしまい、世界のどこでどのような人道問題が起きており、それにどう関わることができるのかについて熟知していることこそ、今世紀における教養となりつつあるわけです。

このような現実があるなかで、政府が中心となって国民の富の再分配に関わるなどということは流行りません。

このことは、何も人道援助に限ったことではなく、雇用創出などビジネスの分野でも言えることなのです。

さて、ムッシュー・アルノーの国外逃亡の企てですが、果たして成功裡に終わるのかどうか・・・。

因みに、もしベルギー国籍が取れなくても、我が家の夫曰く、フランスに滞在する期間が半年を切る場合には、フランスに所得税を納める必要がなくなるとのことです。ぶっちゃけ、5ヶ月と29-30日の滞在であれば、この税制から逃れられるそうです。

いずれにせよ、この「75%」が施行されるならば、ムッシュー・アルノーベルギーへの逃亡は確実になるでしょう。
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