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フランス紀行

~フランスの社会・生活・文化に関する情報や日本社会との比較分析、世界各地を旅して発見した面白い情報をお届けします。~

プロフィール

ニックネーム:
Neomars
居住地:
ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
性別:
女性
会社名:
Tabet International en France
会社英字名:
Tabet International en France
会社所在地:
ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
業種:
現地ツアー企画・現地ガイドなど
自己紹介:
単なるスポット紹介やグルメを堪能することだけに飽き足らない旅慣れた日本人が欲している情報とは何か・・・。それは、「現地とコネクトすること」ことができる情報提供ではないかと思っています。表層に現れる現象の根拠を歴史的、文化的、社会的価値観の観点から探り、ついでに辛口ジョークや捻りの利いたブラックジョークも交えながら、「なるほど・・」と納得しながらクックックゥと笑って楽しんで頂ける情報提供をお約束します!

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アクス
ラ・マルセイエーズを高らかに!
エリア:
  • ヨーロッパ>フランス>パリ
テーマ:街中・建物・景色 留学・長期滞在 歴史・文化・芸術 
投稿日:2015/01/16 14:08
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先週パリの出版社で起きたテロに対して100万人を超える人々が反対を表明する連帯デモをパリで展開。世界に先駆けて人権の重要性を世界に訴え、その権利保障を実現してきたフランスにおいて、今回のように言論の自由がある特定の宗教的信条により侵されるということは断じて許されることではない。

フランスでは革命を境に、ライシテと呼ばれる公共の場における宗教の禁止という、厳しい政教分離の制度が導入された。宗教は個々人のプライベートで行われるものであり、政治に限らず公共の場での宗教的言動は一切慎むというのが鉄則だ。

この鉄則を知ってか知らないでか堂々と違反しているのが、公共の場でスカーフやブルカを被って神秘なオーラをムンムン漂わせているイスラムの女性達・・。学校で被るのを許すかどうかで一時、国民的な議論を呼び、最終的に違法の判決が最高裁から下された。


アクス

この判決は、当たり前と言えば、当たり前。一つにして不可分の共和国であり続けるためには、個別の宗教の勝手気ままなmanifestationを許すわけにはいかない。フランスを含む欧州の国々は恐ろしい宗教戦争を経験し、政治と宗教を分離させることこそが地域の平和を確約するものだという原理を発見した。近代国家フランスの土台は、この原理に忠実であるわけだ。

とまあ、このような背景があることを理解しないと、なぜCharlie Hebdoがあそこまで辛辣な宗教風刺を連載し、脅迫を受けながらも編集長をはじめ体を張って言論の自由を追及する理由を理解できないと思う。

Charlie Hebdoの編集長は、以前のTIME誌の取材で「イスラムの脅威に屈するぐらいないなら、死んだ方がましだ。自分は死ぬまで戦う」と明言していたという。彼はその言葉通り最後の時を迎えた。共和国は、そして世界は、類い稀な人財を失ってしまった・・・。フランスの出版業界は連帯の精神を発揮し、協力してCharlie Hebdoの継続を図ったが、失った才能はあまりにも巨大で、その穴埋めは簡単ではないという・・・。

彼らは、まさしく、共和国とイスラムの最前線で戦いを続けていたのだ。共和国の土台を成す精神を冒涜する言動をためらいなく繰り返すイスラムに対し、風刺を通じて警告し続けたのだ。

これを個人の宗教の自由を無視する人権侵害だと考える人は、現代社会に生きる資格はないと思う。よそから勝手に国にやってきて、その国のルールを無視して自分の好き嫌いを主張し続け、注意すると反撃し、果ては殺人まで犯して平然としている人々をあなたは何と思うだろう?そんな人間も許し、その人権を尊重し、果ては、自分の働いたお金で養わねばならないのか?もし、日本が同じ状況に置かれたら、あなたは黙って受け入れるか?

フランスが置かれている状況はまさにこのような状況なのだ。フランスをこのような状況から救うために第一線で闘ってきたのが、このCharlie Hebdoなのだ。

私は最後に一言言いたい。イスラムよ、ペンにはペンで対抗しろと。

思想には思想で返し、勝負すべきではないのか。武器を持ち出した時点で、その教義の限界が明らかになる。イスラムに対する風刺にペンで対抗できないということは、その教義に限界があるのか、若しくは現代社会において通用性がないということになるのではないか。

今回の事件で短い生涯を終えた自由の戦士に永遠のオマージュを捧げ、ご家族や愛する方々に心からのお悔やみを申し上げる。
タグ:
移民問題 社会問題 フランスの現代史 フランス社会 パリのイスラム 

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フランスに関する記事が満載です!
トイレ
フランスのトイレでは・・・
エリア:
  • ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
テーマ:街中・建物・景色 留学・長期滞在 散歩・自転車 
投稿日:2012/09/18 19:21
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トイレの設備が整い、とても清潔であることは何にも代え難い貴重な財産です!

長らく日本に住んでいて感謝の気持ちを忘れていました・・・が、フランスを含む外国と比較すると、日本のトイレのハイテクぶり、清潔さ、美しさには目を見張るものがあります。

もう、日本のトイレに住んでもいいぐらいです!!!

フランスのトイレの恐ろしく汚いこと・・・・。子供に優しいフランスと世界には宣伝されていますが、子供どころか大人にも優しくないのがフランスの設備です。

まず気がつくのは、トイレットペーパーがないところがほとんどであるということです。日本で当たり前に見かけるトイレットペーパーが山積みになっているトイレなど、まずフランスではお目にかかりません・・・。

でも、山積みにしてたら全て盗まれてしまい、逆にペーパーレスが常態化してしまうでしょうから、最初から何も置かないという選択がベストなのかもしれません。

日本では使用する前に便器を拭かなければ・・・などと思うことは稀ですが、こちらでは、拭かないで使用することは絶対に考えられません・・・。

そのため、掃除道具を常に携帯しておく必要があります。ペーパーレス対策としてティッシュを常備しておくことはもちろんのこと、最近では、除菌効果がある水溶性のウエット・ティッシュも欠かせないお出かけの友となりました。

手順としては、便器に顔を近づけ、じっと目を凝らして怪しいしみや危険な水滴がないかを確認します。そして、何もなければホッと一息ついて、ふき取り作業に取り掛かります。

どうせふくのなら、いちいち確認する必要なんてないんじゃないの?と思われるでしょうが、それは公共トイレが常にピカピカであるのが当たり前になっている日本人が考えることであり、何でもありきのフランスでは、行為を始めるまえに、まずは立ち止まって良く観察することが肝心です。はずみに何かに触れて、しまった!!と思ってからでは遅いのです。

そのため、フランスのトイレでは、石橋は壊れるまで叩いても叩きすぎるということはありません。便器は拭いて拭いて、ついに壊れたとしても別段問題はありません。むしろ、拭いて壊れるような便器に座らなかった幸運を喜ぶべきだからです。。。

そして、極めつけは、体力の限界に挑戦して便器を拭いたにも関わらず、最終的に「やっぱり便器に肌を触れることは控えよう・・」という結論に達することです。

そうなると、便器からお尻を浮かせ、脚が痙攣するのを我慢しながら用を足すことになります。そして、トイレを出る頃には、脚が筋肉痛か神経痛で作動不可となることも多々あります。

オムツ交換のための台など想像を絶する贅沢で、いまだかつて見たことがありません。。。公共のトイレはともかく、病院でも設置されているところは稀です。

一度、病院で娘がウンチをしてしまい、その時は運良く夫が一緒だったので、二人で協力して便座カバーを掃除し、 娘をそこに寝かせ、ひとりが彼女をささえ、もうひとりがオムツを変えるという離れ業を成し遂げました。

あの時ぐらい夫婦が一丸となって協力し、一つのことを成し遂げたことはいまだかつてなかったように思います・・・。

ちなみに、チップが要求されるトイレでは、それなりのレベルが期待できます。もっとも、日本のレベルには遠く及びませんが・・・。

トイレ

利用するたびに、ああ、150円(1.5ユーロ)も払う価値がったのか・・?と、ウジウジ何度も自問自答することになり、無意味な疲労感と気疲れに苛まれることになります。

とにかく、頭も体もフルに活用し、瞬時の判断と瀬戸際の決断力が要求されるのがフランスのトイレだといえるでしょう。

人間としていわゆる「well round」になる訓練がしたい方には取っておきの場所、それがフランスのトイレだといえます。
タグ:
南仏 プロヴァンス フランス観光 マルセイユ パリ 

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フランスに関する面白い情報が満載です!
ポリティカル2
フランスで必要ないおしゃれ・・・
エリア:
  • ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
テーマ:街中・建物・景色 留学・長期滞在 旅行準備 
投稿日:2012/09/18 19:08
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昨日テレビドキュメンタリーで、マルセイユの繁華街をはじめ、市内の各地でゴールドのアクセサリーがひったくられ、持ち主が大怪我を追う事件が相次いでいることが報道されていました。

15-8歳ぐらいの少年3人がグルになって襲うというのが相場らしく、ナオイユ地区などダウンタウンの中心部をうろついて、獲物に狙いをつけて尾行し、人通りが少なくなった場所に来たら、タック!と襲いかかって奪い取るとのことです。

被害を受けた14歳の少女、70歳にもなろうかというおじいさん、女性など、いわゆる社会の弱者といわれる人々に狙っているようです。

70歳ぐらいのおじいさんは、顔面をひどく殴られ血まみれで、手の骨なども折れたとか・・・。

でも、血まみれになって終わるのはまだマシなほうで、ひどいのになると、骨折、指を切り取られる、果ては殺されたりするケースも多々あるとのこと。

因みに、そこまでして獲得したお宝はといえば、1万円も払えば購入できる薄っぺらな金のブレスレット、5000円ぐらいのゴールド・イヤリング・・・・・などです・・。

我々日本人の感覚からすれば、人を傷つけ、窃盗行為を働き、果ては殺人を犯してまで入手すべきものか??・・・と理解に苦しむところですが、多発しているところをみると、価値あるものとみなされているようです。

マルセイユの繁華街には、いたるところに「金買取」の店があります。貴金属ではなくて、「Or」と限定しているところからも、金に限定して買取をしているようです。

盗品は直ちに金買取ショップに持っていかれ、換金されます。昨今の金相場の高騰を繁栄して良い値で取引されているようではありますが、薄っぺらなゴールド・アクセサリーを売って、どれだけの現金を期待できるのだろう・・・と思ってしまいます。

このようなひったくり犯罪の裏には、マルセイユに限らず、フランス全土に広がる貧困があることは確かです。

ポリティカル2

地下鉄などに乗ると、日本では見かけない、明らかに貧しい身なりの人々が多数乗車しているのに気がつきます。乞食とまではいかずとも、極度の貧困状態にあることは明らかです。

夏場になると、道端でも、犬と一緒に座り込んで物乞いするヒッピーもどきの若者やホームレスを至るところでみかけます。

また、これもテレビ報道で知ったことですが、閉店間近になるとスーパーの前に人々が待ち構え、賞味期限の品物が店先のゴミ箱に捨てられるのを群れを成して待ち構えていいます。捨てられるがいなや、目当ての商品を獲得しようと先を争ってゴミ箱にたかります。

もっとも、集団にならずとも、ゴミ箱を漁っている人は各地で見かけるので、もはや珍しい光景ではなく、フランスの一般的な原風景になりつつありますが・・・・。

ゴミ箱に限らずとも、貧困層向けに無料で配布されている品物を売り買いするマーケットが存在するのも、今では市民の知るところです。

なんでも、無料で配布される品物が大量であることから使いきれず、残ったものを一般市民に安価で売りつけ、小銭を稼いでいるようです。無駄なものがハンドアウトされ、しかもそれが売り買いされているだなんて、日々まじめに働き税金を納めている人間としては腹立たしい限りです・・・。

因みに、テレビ関連に勤めている友人から聞いたところによると、この件が報道されて以来、マーケットの規模が拡大したらしいです。より多くの一般市民の知るところとなり、そこに買い付けに行く人が増え、商売繁盛だとのことでした・・・。

そして、貧困地域では麻薬が蔓延していることから、問題が更に複雑化しています。

麻薬の蔓延は、貧困の常態化を約束するもので、同時に犯罪の頻発を促します。麻薬中毒になれば教育を受けることはおろか、定職に就くこともままならず、その上、麻薬を求めて犯罪に走るからです。

しかし、ひとえには、麻薬の摘発をあえてしないことが政府の方針としてあるとも言われています。

貧困地域の失業率は把握されているだけでも60%を超えているらしく、そうなると、実質的にほぼ全ての住人が無職ということになります。彼らの状況が改善する見込みはまずなく、そうであれば、麻薬で「眠った状態」にしておくのがベストだと判断されているとのことです。下手に「目覚めて」問題に気付き、大規模な暴動を起こされるよりましだということです。

しかしながら、そうもいえない状況が出てきました。

先日、マルセイユの危険地区とみなされている14区に軍隊が投入され、犯罪撲滅と治安維持に乗り出す旨が発表されました。警察の力では多発する犯罪と蔓延る無秩序についてどうすることもできず、ついに軍隊が投入されることになったのです!

マルセイユの14区は、いわばパリのバンリュー(郊外)のようなもので、住民の間では「危険・立ち入り禁止」地区として認識されています。

ルーマニアなどの東欧地域がEUに加盟した頃から小銃が容易に入手可能となり、今では、ほぼ毎日のようにカラシニコフによる殺人事件が起きています。国境の廃止により、人のみならず武器の移動も容易になりました。

そのため、以前は、銃撃事件といえばマフィア間の銃撃戦であったのが、マフィアが去って以来(なぜ去ったのかは、ちょっと分かりません・・・)、一般住民同士の小競り合いで頻繁に登場するようになりました。望めば二束三文で入手できるらしく、マルセイユでは、予想を遥かに上回る数の小銃が一般の人々の手に渡っています。

メディアに大々的に取り上げられた事件としては、マルセイユの旧港地区にある有名なレストランのオーナーが小競り合いに巻き込まれたとかで、カラシニコフの流れ弾に当って亡くなったことが挙げられます。良く知っているレストランだけに、私もショックを受けました。

マルセイユに長く暮らす人々は、このような状況を目にして、とても残念がっています。14区もひと昔前までは、安全な住みやすい地域だったのに、80年代頃から移民が激増し、貧困が状態化して、今では地上の地獄と化した・・・と嘆いています。

とまあ、貧困から始まって、これが元で麻薬が蔓延り、犯罪が多発し、ついには小銃まで氾濫し始めたことから、ついに軍隊が投入されることになったわけです。マルセイユが犯罪都市として世界に名を馳せるようになる前に手を打とうということでしょうか。

来年2013年には、欧州の文化都市となるマルセイユですが、それまでになんとか街を一掃して、その役割に相応しい都市へと変貌を遂げてもらいたいものです。

冒頭で述べたゴールドのひったくりですが、マルセイユをはじめフランスに来れれる日本人の方々は、十分に気をつけてください。できれば、貴金属類は全て取り外して来られるのがベストだと思います。

おしゃれをしてパリをはじめフランスを楽しみたい方は、車を貸しきるかタクシーを利用してください。おしゃれな身なりでフランスを訪れ、この国が提供するルクスを堪能する観光客の間ではマストです。

ファッションの国フランスでは、なぜかおしゃれは必要どころか命取りになる可能性があるからです・・・あまりにも皮肉なことに・・・・。
タグ:
治安 プロヴァンス フランス観光 南仏 高級ブランド 

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フランスに関する面白い情報が満載です!
ベルナール・アルノー
LVMHグループ代表ベルナール・アルノー、ベルギーへ逃亡かなうか?!
エリア:
  • ヨーロッパ>フランス>パリ
テーマ:留学・長期滞在 その他 歴史・文化・芸術 
投稿日:2012/09/12 17:50
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既にご存知の方も多いかもしれませんが、現在フランスでは、日本でも御なじみのLVMHグループ代表であるベルナール・アルノーがベルギーへ移民するかしないかが注目されています。

そうです。オーランド大統領が選挙戦で公約に挙げていた(資本主義を標榜する国並びに人々の間で)悪名高き「75%所得税」こそが、この騒ぎの根拠なのです。

年収が100万ユーロ(現行変換レートで約1億円)を超える家庭に対する所得税75%適用がいよいよ現実的になってきたため、それこそ天文学的な年収を得ているムッシュー・アルノーはフランス国籍を捨て、ベルギー国籍を取得するべく動き始めたのです。

もっとも、ご本人は「個人的な理由」とおっしゃっていますが、この「個人的な理由」に節税が含まれていることは明らかです。

で、この動きに対するフランス政府の対応は、もっぱらの噂によると、ムッシュー・アルノーに国籍拒否をするようベルギー政府に裏で働きかけているとのことです。

裏工作をするなんて、セコイですよね・・・・・!そこまでしていてほしいなら、彼が嫌がるような税制など導入しなければよいのに・・・・。

ベルナール・アルノー

もっとも、ムッシュー・アルノーはハイプロファイルな人物であるため、メディアに派手に取り上げられていますが、他のフランスの多くのお金持ちも彼と同じことを考え、国外逃亡の機会を虎視眈々と狙っていることは確かです。

なぜなら、フランス政府のメッセージは誤解などしようにもできないほどクリアーだからです。

アンチ・ビジネス。。。

これにつきます。

なぜアンチ・お金持ちではなくて、アンチ・ビジネスに限定するかというと、紆余曲折を経て、今では、ビジネスのみを対象にしてこの税制が施行されるかもしれないからです。

つまり、ビジネスパーソン以外のお金持ちの最たるシンボルである芸能人、スポーツ選手、芸術家などは対象外になるということです。

巷では、スポーツ選手が対象となると、フランスのガス抜き装置であるサッカー試合が上手く機能しなくなるので対象外にされたと言われています。

75%が適用されれば、フランスのサッカーチームは瞬時にして壊滅状態に陥ります。

アメリカのスーパーボールではありませんが、サッカーの試合でフランス選手がプレーをするとなると、街全体に静けさが広がり、時々、そこかしこで雄たけびが聞こえるようになります。そうです。みんな全てを忘れて試合中継に夢中になっているのです。

そして、フランスが勝つと、それこそ自分が勝利したかのごとく喜び勇み、日々の憂さ晴らしをするわけです。

サッカーを通じて国民に定期的にガス抜きをしてもらうためにも、サッカー選手はフランス政府にとって欠かせない存在になっているわけです。

因みに芸能人も芸術家に含まれ、フランス文化を守り育成する大切なアジェントとして位置づけられ、対象外にされるようです。

コメディアンやその辺のTVパーソナリティといわれる人々がどれだけフランス文化の繁栄に貢献するのか知りませんが・・・・・。

ということで、そうなると、残るはビジネスだけになり、このロジックからいくと、フランスにとってビジネス、特にビッグ・ビジネスは必要ないと考えられているという結論が導き出されるわけです。

実際に、フランスの労働者の意見を聞くと、彼らは経営者に搾取され、彼らを搾取することで経営者は潤っているのだと信じて疑いません。

自分に対して雇用を提供し、この雇用のお陰で自分を含む家族を養うことができるのだ・・・という発想にはどう転んでもならないようですが・・・。

余談ですが、週35時間制、1ヵ月を越える有給を保証されているフランスの労働者が搾取されているというならば、日本の労働者はどうなるのでしょうか・・・・?

いずれにせよ、ビッグビジネスをはじめとする経営陣、そして国家経済、ひいては社会の新たな発展を担う企業家は全て、フランス労働者の敵になるというわけです。

国民投票によって選ばれる大統領は、このマジョリティの見解を無視することは到底できず、従って、このマジョリティを「喜ばせる」方向で政策を打ち出すことが求められるわけです。

補足ですが、100万ユーロほどの年収がないけど、それに次ぐカテゴリーに属する人々、つまり現行変換レートで日本円に換算すると1500万円以上の年収のある個人には45%の所得税が課されます。

所得税が45%となれば、各種税金・社会保障の徴収などを差し引き、最終的に手元に残るのは約40%、つまり1500万円の年収の個人が最終的に手にする年収額は僅か600万円ぐらいになるということです。。。。

月給に換算すると、50万円ぐらいになります。1500万円稼いで、月々の税引き後所得が僅か50万円じゃあ、相当な労働意欲のある個人でないかぎり、働く意欲も失せるというものです。

さて、アンチ・ビジネスな税制を施行することで、果たしてフランスが必要としている財政赤字の軽減と雇用創出を中心とする国家経済の繁栄が実現できるのか・・・・?

確かに、富裕層を優遇する税制を通じて短期的スパンにおける経済の活性化を期待することはできません。富裕層の手持ちのキャッシュが増えたとしても、全てにおいて満たされた状態にある彼らの購買意欲を活性化することは難しいと考えられるからです。

一方で、極端な話、貧乏人の手持ちのキャッシュが増えると、経済効果はてき面だといわれています。なぜなら、彼らは日々の食事の量や質を上げたり、日用雑貨をはじめ物質面での欠損を補うべく直ちに消費に走るからです。

このことから言えることは、短期的な経済の活性化を目指すうえで、中産・労働者階級を対象とする減税は理に適っているということがいえます。

この延長線上で考えると、当然、富裕層に対する増税が政策オプションとして浮上してきます。財政ピンチにあるフランスとしては、てっとり早く、しかも一般受けもよい、この策に飛びつかない理由がありません。

そして、生まれも育ちも全てビジネスとは縁がなく、蓄財や贅沢には全く興味がないムッシュー・オーランドが大統領となれば、「75%」が登場する条件は全て揃ったも同然です。

しかし、長期的な視点で見ると、この「75%」はフランス経済に対する自殺行為であることは間違いありません。

この税制が施行されれば、富裕層の国外逃亡が相次ぐのみならず、頑張って働いたり、知恵と勇気を振り絞って企業しても全く意味がないという社会風土を醸成し、新たな雇用や国際競争力に富むビジネスの創出を阻むことになるからです。

そして何よりも恐ろしいのは、グローバルに通用する能力の持ち主にとって、もはやフランスに留まる理由がなくなるということです。これは、フランスの繁栄を担う次世代の人材流出に繋がります。

広い見識と高い能力の持ち主であれば、自分で稼いだお金を政府に持っていかれて無駄にされるよりも、自分の価値観に見合った方向で有意義に使いたいと思うのが自然です。

例え、それが貧しい人々の救済に利用されるとしても、政府によって勝手に割り振りされるのではなく、自分で基金を解説したり、援助グループを結成することで役立てたいと思うのが自然です。

実際に、ビル&ミランダ・ゲイツ基金をはじめ、アメリカの富裕層の間では、「人道援助」が旬を迎えています。

そうです、世界のセレブの趣味は今や人道援助であり、彼らのサロンの会話の中心は「今、どのような援助に関わっていらっしゃるの?」だといいます。

一昔前の哲学や芸術、歴史に関する知識や教養は最早メインストリームから外れてしまい、世界のどこでどのような人道問題が起きており、それにどう関わることができるのかについて熟知していることこそ、今世紀における教養となりつつあるわけです。

このような現実があるなかで、政府が中心となって国民の富の再分配に関わるなどということは流行りません。

このことは、何も人道援助に限ったことではなく、雇用創出などビジネスの分野でも言えることなのです。

さて、ムッシュー・アルノーの国外逃亡の企てですが、果たして成功裡に終わるのかどうか・・・。

因みに、もしベルギー国籍が取れなくても、我が家の夫曰く、フランスに滞在する期間が半年を切る場合には、フランスに所得税を納める必要がなくなるとのことです。ぶっちゃけ、5ヶ月と29-30日の滞在であれば、この税制から逃れられるそうです。

いずれにせよ、この「75%」が施行されるならば、ムッシュー・アルノーベルギーへの逃亡は確実になるでしょう。
タグ:
ライフスタイル ブランド ルクス LVMH フランス 

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フランスに関する興味深い情報が満載です!
フランスの語学学校
フランスの語学学校
エリア:
  • ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
テーマ:観光地 留学・長期滞在 歴史・文化・芸術 
投稿日:2012/09/01 17:49
コメント(0)
フランスに長期滞在する外国人に課された義務のひとつに、フランス語の習得というものがあります。フランス語のネイティブ出ない限り、移民局が斡旋するフランス語講座に200-300時間(試験の種類によって受講時間が異なる)に出席し、最終的にフランス語を第二外国語として学ぶ外国人向けの試験を受けることが課されているのです。

フランス語を学びたい長期滞在者には願ってもないチャンスです。200時間から300時間ものレッスンを義務という名の下に全て無料で受けることができるのですから。もっとも、フランス語をかなりマスターしている人には鬱陶しい制度のほかの何でもないのですが・・・。

フランスが人権の国といわれて久しいにも関わらず、微妙に異なる個人の状況を斟酌することはまずありません。全てが政府の一存で、一律に実施されるのがこの国のやり方なのです。「カスタマイズ」などという言葉どころか、概念自体も聞いたこともなければ見たこともありませんので。

もっとも、一日も早くフランス語をマスターしてフランスの生産的な労働人口の一部となり、税金納入を通じて共和国に役立つ市民となってもらいたいという政府の意図は理解できます。そのため、サルコジ政権下の過去3年程において、この義務を果すことがヴィザ更新や国籍取得において考慮の対象になるとされていました。

しかしながら、今年の5月で政権が「移民に優しい」社会党に移ったことから、今後はどうなのか分かりませんが。

出産を5月に控えていた私は、それまでに全てを済ませてスッキリさせたかったので、一日も早い受講の開始をお願いするべく移民局をせっつき、2ヶ月弱で初心者コースから上級コースまで全ての授業に出席して200時間確保できるようにしてもらいました。

ちなみに、今年の1月より開始をお願いしたにも関わらず、実際に召集が来たのが2月の終わりで、授業開始が3月8日でした・・・。2ヶ月も遅れるなんて日本では考えられませんが、フランスでは2ヶ月遅れなんてしょっちゅうです。数ヶ月の遅れは、「誤差」でしかありませんから・・・。

しかし、感謝すべきは、フランスでは奇跡としか思えない異例の待遇をしてもらえたことです。

私の場合、毎日頑張って通ったにも関わらず200時間には満たなかったのですが、模擬試験で合格に必要な点数を出したこともあり、満たなくても終了のお墨付きを得ることができました。まさに、「カスタマイズ」されたプログラムを組んでもらえたのです!

しかし、この裏には、移民の数に対して教師や学校の数が足りないため、必要のない人には出来る限り早lく去ってもらおうという政府の意図があることは確かです。つまり、私のためではなくて、政府のために異例の「カスタマイズ」待遇を得たわけです。。。

いずれにせよ、初級から上級まで全てのクラスに参加することができ、普段生活しているなかでは接触のない国の文化や人間模様、果ては複雑な政治問題にまで見聞する機会を得ることができ、なかなか興味深い体験となりました。

フランスの語学学校

そのなかで心に残っている幾人かにつにて紹介したいと思います。

まず思いつくのが、イランからの政治亡命者でした。

彼女はレズビアンであるがために政府から迫害を受け、家族と一緒にフランスに政治亡命してきたということでした。イラン政府は同性愛者の人権を認めず、そうであることが知られれば家族共々迫害を受けるといいます。

彼女は「どこから来ましたか?」という私の質問に対して「ペルシャから来ました。」と答えました。私は、一瞬、何のことか理解できず、フランス語が十分に話せないから上手く伝えられないのだと思いました。

しかし、話をじっくり聞いてみると、彼女は現存のイラン政権を認めず、しかし自分のルーツとアイデンティティはペルシャという言語・文化圏にあることから、自分はペルシャから来たのだと言ったということがわかりました。

国家に認められないなら自分も国家を認めない。アッパレな人間だと思いました。

彼女は、自分の兄弟や従兄弟が日本に4-5年ほど留学したことがあり、みんな日本は清潔で、全てがきちんと整備されており、日本人は礼儀正しく親切で、本当に素晴らしい国だと褒め称え、もう一度日本に行って暮らしたいといつも言っていると言いました。そして、目を輝かせながら、だから自分も是非とも日本に一度は行ってみたいと言っていました。

彼女の話を聞きながら、いつか日本に行けるチャンスがくればいいのにと思いました。

次に思い出に残っているのは、旧ソビエト連邦だったジョージア共和国からフランスに政治亡命してきたリチャードという柔道の教官です。

軍隊だか警察だかの出身で、どのような経緯で柔道の先生になり、果ては政治亡命者になってしまったのかは不明ですが、いずれにせよ、彼はオリンピックにも出たことがあり、自分で柔道に関する本も書いて出版しています。自分が書いた本を見せてくれて、日本の柔道家についてもよく知っていました。

彼は、少なくとも現在の政府が政権を握っている間は祖国に帰ることはできないとのことでした。現在は息子さんと一緒に暮らしており、もう間もなく奥さんがやってくるそうです。

彼は授業中に「SUDOKU」ばかりやっているので全くフランス語が上達せず、一年経った今でもしどろもどろのフランス語しか話せませんが、話をじっくり聞いてみると、かなり頭が切れる人間であることが分かります。秘密警察あたりの出身なのかな・・・なんて思ったりしています。

因みに、彼とは「SUDOKU」といって、数字を合せるゲームを通じて仲良くなりました。

マルセイユには3種類のフリーペーパーがあり、SUDOKUもその中に掲載されています。彼が朝っぱらからSUDOKUを授業中に一生懸命やっているので、そんなに面白いなら私も・・・と思って、彼にやり方を教えてもらいました。以来、私もはまってしまい、毎朝3種類のペーパーを学校の途中でピックアップし、リチャードと一緒にやるようになりました。

今でも「SUDOKU」は大好きで、暇があればやっています。そして、「SUDOKU」をするたびにリチャードのことを思い出します。

次は、人というよりも人達になりますが、コモロ諸島から来たコモロの人達のことです。

失礼ながら私はコモロ諸島があるということを知らず、最初「コモレアン」と彼女達がたどたどしく自己紹介するのを聞いて、何のことを言っているのかさっぱり分かりませんでした。

しかし、その後、コモロ諸島というのがアフリカ大陸とマダガスカルの間にあるということがわかり、元仏領であったと知りました・・・・。

彼女達を最初に変わっている・・・と思ったのは、いつもみんな一緒になって座り、先生から質問されても答えようとしないのです。自分の名前は何ですかという極々基本的なことも、先生をジーッと見つめるだけで、口を貝のようにキュウッと閉じたまま微動だにしません。

最初、私には理解できず、かつ彼女達が自分の名前を答えるのに15分ぐらい要するのにイライラして、「単なる馬鹿だ・・・」と心の中で一刀両断していました。しかし、時間が経つにつれて、馬鹿だと勝手に決め付けたことを後悔しました。

コモロ人の文化において女性が人前で活発にコミュニケーションを図ることなど考えられないのです。一昔前の日本と同じなのです。個の確立が社会的に推奨されていないため、自分の考えを人前で述べるということが習慣として確立していないのです。

このことがわかって以来、文化人類学の研究ではありませんが、興味を持って彼らの言動を観察するようになりました。

見ていると、彼女達は決して単独で行動しようとはせず、いつも集団で、かつ年功序列の指令系統によって物事を執り行っていました。10時のおやつやランチも集団で持ち寄り、周囲にいる言葉が通じない私などにも必ず親切に勧めたり、分けたりしてくれる、良い意味での集団精神を発揮していました。

しかし、そのため学校教育を受けたこともないようで、アルファベットを書いたことはおろか、テストを受けたことがなく、模擬テストをする時になっても、何をどう問われて、どう答えるべきなのかについて全く理解していないようでした。

コモロ人のマダムからテスト中に、答えを教えてくれるよう煩く催促され、彼女がテストというもの自体何なのか分かっていないことが明らかになりました。私としても教えてあげたいのはやまやまでしたが、そうすると彼女のためにならないし、しかも、テストとは何かから教えなければならず、これは私の仕事ではないと割り切って無視しました・・・。

帰り道、ずーっとマダムのことを考えていたのを覚えています。当たり前のように教育を受けてきた人間にとってテストとは日常茶飯にあるもので、それが何かについて考えたこともありませんでした。しかし、世の中には我々が当たり前としている学校教育を受けなかった人達もいるわけで、そのような人達を社会に同化していくのは難しいだろうなぁ・・・と思いました。

そして、今更、慣れない制度や習慣に一から対応するべく努力しなければならないぐらいなら祖国にいたほうがいいんじゃないか・・・と思ったりするのですが、それは、日本という素晴らしい祖国がバックにあるから思うことで、どんなに同化に苦しもうとも、フランスに移民したいというのが彼女達の思いのようでした。

来るほうも来るほうなら、受け入れるほうも受け入れるほうだ・・・・と移民問題の奥の深さを見せ付けられたような思いがしました。

他にも面白い人達が沢山いましたが、それについては後日に譲るとして、今日はこのへんで終わりにします。
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