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- サヴォン・ド・マルセイユ(Savon de Marseille)を救え!
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:買物・土産 観光地 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2012/12/22 20:21
- コメント(0)
昨日のフリーペーパーに、サヴォン・ド・マルセイユを守るために、マルセイユのアルティザンが署名活動を開始した旨を報じた記事が掲載されていました。

サヴォン・ド・マルセイユという石鹸は、誰でも一度は聞いたことがあるかと思います。Made in France というよりも、Made in Marseilleの石鹸で、プロヴァンスで取れたオリーブオイルや他原料を使用し、地中海の海水を用いて醸造し、最後は地中海の潮風で自然乾燥て作られることが義務付けられており、政府の厳しい管轄の下に置かれています。
私も個人的に驚いたのですが、作り方は各メゾンによって少々異なるものの、原料に用いるものは全てプロヴァンス産であることが厳しく求められているとのことです。対岸から来るマグレブ産などの安いもので間に合わせたものは、たとえ作り方が正しくとも、最早サヴォン・ド・マルセイユとは見なされないといいます。

実際に見ていただくと分かるのですが、オリーブ成分のパーセンテージ(72%)までしっかりと彫刻されているのが分かります。色はベージュと緑色のものが元祖ですが、昨今では、観光客向けに各種色素をつけた彩り豊かなヴァージョンも出回っています。
もっとも、この着色に関して地元の工房の間で意見が分かれています。人工的に着色したものも正式のサヴォン・ド・マルセイユとして見なすのかどうか・・・・。

いずれせによ、元祖のものについては、香料や着色料も含まず無添加で肌に優しく、アトピーやニキビに悩む方にも安心して利用してもらえるようで、しかも使用後も自然に優しいのが特徴です。
サヴォン・ド・マルセイユの歴史は古く、14世紀に遡り、ルイ14世の治世において作り方が統一され、17世紀後半において、時の財務大臣であるコルベールにより、マルセイユ地域で活躍する90ほどの工房で作られたもののみをサヴォン・ド・マルセイユと呼ぶと定められました。
Le premier savonnier dans la région est recensé en 1370. La formule de ce savon a été réglementée au XVIIe siècle sous Louis XVI.. En 1688, Colbert a passé un édit limitant l'utilisation du nom « savon de Marseille » uniquement aux savons fabriqués à l'huile d'olive dans la région de Marseille,qui compte, au XIXe siècle, 90 savonneries.
(フランス語ウエキペディアより)
しかしながら、昨今では、中国やトルコやチュニジアなどから偽物の安いバージョンが出回っており、これが本物の「サヴォン・ド・マルセイユ」の真価を下げ、ついでに価格破壊も行っています。
これに講義する署名活動が、ここに掲載する新聞記事の主題です。

良い物を安く手に入れたいというのが誰もの願い・・・でも、本物は高価であるというのが当たり前。歴史の風化にも耐えて今日まで受け継がれてきたものには、それなりの価値とレガシーがあり、それに対価を払うのは、ある種、使う者の義務とも言えるでしょう。
私は個人的に物欲がないので、基本的にメードインチャイナもメードインフランスも気にせず使っていますが・・・でも、拘りを持つものには、真価を求めます。そこで判断材料になるのは、長きに渡る歴史の風化に耐えてきたかどうか・・・。
歴史の検証を経て今現在も本物として通用するものについては、我々現代人も敬意を払い、後世に受け継いでいくべく努力する義務があります。
何ができるかって、出来る限り、本物以外を買わないようにし、買ったら大切に使うということに尽きるでしょう!

サヴォン・ド・マルセイユという石鹸は、誰でも一度は聞いたことがあるかと思います。Made in France というよりも、Made in Marseilleの石鹸で、プロヴァンスで取れたオリーブオイルや他原料を使用し、地中海の海水を用いて醸造し、最後は地中海の潮風で自然乾燥て作られることが義務付けられており、政府の厳しい管轄の下に置かれています。
私も個人的に驚いたのですが、作り方は各メゾンによって少々異なるものの、原料に用いるものは全てプロヴァンス産であることが厳しく求められているとのことです。対岸から来るマグレブ産などの安いもので間に合わせたものは、たとえ作り方が正しくとも、最早サヴォン・ド・マルセイユとは見なされないといいます。

実際に見ていただくと分かるのですが、オリーブ成分のパーセンテージ(72%)までしっかりと彫刻されているのが分かります。色はベージュと緑色のものが元祖ですが、昨今では、観光客向けに各種色素をつけた彩り豊かなヴァージョンも出回っています。
もっとも、この着色に関して地元の工房の間で意見が分かれています。人工的に着色したものも正式のサヴォン・ド・マルセイユとして見なすのかどうか・・・・。

いずれせによ、元祖のものについては、香料や着色料も含まず無添加で肌に優しく、アトピーやニキビに悩む方にも安心して利用してもらえるようで、しかも使用後も自然に優しいのが特徴です。
サヴォン・ド・マルセイユの歴史は古く、14世紀に遡り、ルイ14世の治世において作り方が統一され、17世紀後半において、時の財務大臣であるコルベールにより、マルセイユ地域で活躍する90ほどの工房で作られたもののみをサヴォン・ド・マルセイユと呼ぶと定められました。
Le premier savonnier dans la région est recensé en 1370. La formule de ce savon a été réglementée au XVIIe siècle sous Louis XVI.. En 1688, Colbert a passé un édit limitant l'utilisation du nom « savon de Marseille » uniquement aux savons fabriqués à l'huile d'olive dans la région de Marseille,qui compte, au XIXe siècle, 90 savonneries.
(フランス語ウエキペディアより)
しかしながら、昨今では、中国やトルコやチュニジアなどから偽物の安いバージョンが出回っており、これが本物の「サヴォン・ド・マルセイユ」の真価を下げ、ついでに価格破壊も行っています。
これに講義する署名活動が、ここに掲載する新聞記事の主題です。

良い物を安く手に入れたいというのが誰もの願い・・・でも、本物は高価であるというのが当たり前。歴史の風化にも耐えて今日まで受け継がれてきたものには、それなりの価値とレガシーがあり、それに対価を払うのは、ある種、使う者の義務とも言えるでしょう。
私は個人的に物欲がないので、基本的にメードインチャイナもメードインフランスも気にせず使っていますが・・・でも、拘りを持つものには、真価を求めます。そこで判断材料になるのは、長きに渡る歴史の風化に耐えてきたかどうか・・・。
歴史の検証を経て今現在も本物として通用するものについては、我々現代人も敬意を払い、後世に受け継いでいくべく努力する義務があります。
何ができるかって、出来る限り、本物以外を買わないようにし、買ったら大切に使うということに尽きるでしょう!
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- サヴォン・ド・マルセイユ プロヴァンスお土産 フランス観光 アルティザン 伝統工芸

- クレシュ・ド・ノエル(サントン・ド・マルセイユ
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:買物・土産 観光地 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2012/12/21 19:31
- コメント(0)
クレシュ・ド・ノエルは、イエス・キリストが誕生したシーンを模型にしたもので、クリスマスの由来をヴィジュアルに再現するまたとないオブジェです。サパン・ド・ノエル(クリスマス・ツリー)など煌びやかなクリスマス・デコレーションの影に隠れて存在感が薄い感じがありますが、実際には、キリスト誕生を祝うクリスマスに欠かせません。

フランス革命の頃からプロヴァンス地方で習慣として定着し、その後、フランス全土に広がっていったようです。そのためか、クレシュ・ド・ノエルを彩るサントン人形は、サントン・ド・マルセイユと呼ばれ、プロヴァンス地域の伝統的な農民の生活を描いています。

クリスマスの時期ともなると、マルセイユの旧港に近い広場には、所狭しとクリスマス・マルシェが立ち並び、行きかう人々の目を楽しませます。その中で最も目を弾くのが、サントン人形を売るマルシェ。パリと比較しても、マルセイユではサントン人形を売るマルシェが多いことに気がつきます。
お店によって、サイズもコレクションも様々です。そして、買う人も、どれが自分のコレクションにとってベストか一生懸命、吟味しています。

プロヴァンス地方では、このクレシュ・ド・ノエルをサパン・ド・ノエルと同様に、クリスマスには欠かせないオーナメントと見なしている家庭が多いのが特徴です。もっとも、昨今では、他の多くの伝統と同様に廃れつつあることは否めませんが、それでも、他の地域と比較して、まだ根強く残っているようです。
家庭に限らず、教会では大々的にコレクションしているところもあり、クリスマス・シーズンになると一般公開してくれます。クリスマスにフランスを訪れた方には必見の催しだといえます。

クリスマス・マーケットや教会を訪れ、エスプリ・ド・ノエルを満喫してみてください!

フランス革命の頃からプロヴァンス地方で習慣として定着し、その後、フランス全土に広がっていったようです。そのためか、クレシュ・ド・ノエルを彩るサントン人形は、サントン・ド・マルセイユと呼ばれ、プロヴァンス地域の伝統的な農民の生活を描いています。

クリスマスの時期ともなると、マルセイユの旧港に近い広場には、所狭しとクリスマス・マルシェが立ち並び、行きかう人々の目を楽しませます。その中で最も目を弾くのが、サントン人形を売るマルシェ。パリと比較しても、マルセイユではサントン人形を売るマルシェが多いことに気がつきます。
お店によって、サイズもコレクションも様々です。そして、買う人も、どれが自分のコレクションにとってベストか一生懸命、吟味しています。

プロヴァンス地方では、このクレシュ・ド・ノエルをサパン・ド・ノエルと同様に、クリスマスには欠かせないオーナメントと見なしている家庭が多いのが特徴です。もっとも、昨今では、他の多くの伝統と同様に廃れつつあることは否めませんが、それでも、他の地域と比較して、まだ根強く残っているようです。
家庭に限らず、教会では大々的にコレクションしているところもあり、クリスマス・シーズンになると一般公開してくれます。クリスマスにフランスを訪れた方には必見の催しだといえます。

クリスマス・マーケットや教会を訪れ、エスプリ・ド・ノエルを満喫してみてください!
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- プロヴァンス クリスマス フランス観光 サントン人形 南フランス

- プロヴァンスの花屋さん
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:買物・土産 観光地 街中・建物・景色
- 投稿日:2012/07/28 20:36
- コメント(0)
そよ風に ゆれるラベンダ ほんのりと 香りこぼれる 夏のおもいで

セミやひまわりと並んでプロヴァンスの夏の風物詩といえば、ラベンダー。銀色一色に輝くプロヴァンスの乾いた大地に、薄紫の素朴な彩りを与えます。
岩肌がむき出しの山々をバックに、ラベンダー畑が当たり一面に広がる風景を写した絵葉書をよく見かけますが、この組み合わせはプロヴァンスの代表的な景観だといえます。
お土産にもラベンダーの香り袋がよく選ばれますが、プロヴァンスの香りを運ぶ素敵な贈り物になります。
街角の花屋さんにもラベンダーの束が並ぶことがあり、他の花とアレンジしてプロヴァンスの花束を作ることもできます。
プロヴァンスの夏の香りを運ぶ花・・・・ラベンダーでした。

セミやひまわりと並んでプロヴァンスの夏の風物詩といえば、ラベンダー。銀色一色に輝くプロヴァンスの乾いた大地に、薄紫の素朴な彩りを与えます。
岩肌がむき出しの山々をバックに、ラベンダー畑が当たり一面に広がる風景を写した絵葉書をよく見かけますが、この組み合わせはプロヴァンスの代表的な景観だといえます。
お土産にもラベンダーの香り袋がよく選ばれますが、プロヴァンスの香りを運ぶ素敵な贈り物になります。
街角の花屋さんにもラベンダーの束が並ぶことがあり、他の花とアレンジしてプロヴァンスの花束を作ることもできます。
プロヴァンスの夏の香りを運ぶ花・・・・ラベンダーでした。
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- プロヴァンス 南フランス お土産 ラベンダー フランス観光

- フランスで作る「本格派」日本料理
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:買物・土産 留学・長期滞在 グルメ
- 投稿日:2012/03/18 15:58
- コメント(0)
昨晩、フランスに来てから長らく夢にまで見た、卵とじうどんを作った。マルセイユに来てから作った初めての「本格派」日本料理だ。(写真に掲載しているのは、卵なしのバージョンです。卵とじについては撮り忘れました・・)

我が家では最も底が深い西洋スープ皿の中で、溶き卵が柔らかな薄黄色の光を放ち、その下には、うどんが渋色のだし汁のなかでゆったりと揺蕩っている。卵やうどんの間に見え隠れするワカメを見ながら、その引き締まった食感が埋もれていた記憶の中から引き出される。一瞬にして、私は日本食の世界に埋没してしまった・・・。
だしは、遠路遥々日本より私と一緒に旅してきた逸品で、驚くなかれ幻の「東マルのうどんスープ」を使った。ねぎはなかったが、これまた日本から持参して特別な時(ひとりで自分のために料理をする時という意味)だけホンノ少し使うカット・ワカメをトッピングした。ついでに言えば、七味もなかったが、そこは私が創作にかけた汗と喜びの涙に含まれるスパイスが補填してくれているはずだ。


本当は、一昨日の夕食に焼きうどんを作ったので、これを本格派日本料理のプレミエ・イン・マルセイユと呼ぶこともできる。しかし、醤油の代わりにバーベキューソースを使用し、鰹節やしょうがなどのトッピングを欠いていたことから、「日本料理」と命名することは憚られる。しかも、きのこ類がマッシュルームときた・・・。
余談だが、このバーベキューソースで味付けをし、玉ねぎ、ニンニク、グリーン・ペパー、マッシュルームと一緒に炒めた「焼きうどん」は意外にも夫に受け、次回のホームパーティーで出したらどうかとまで言われた。え・・・(汗)、このまがい物の日本料理を・・・・・?と一瞬焦ったが、これは意外にもウケルまくるまもしれない♪と思い始めた。
しかし考えてみると、だしと醤油とみりんという日本料理のいわば三種の神器をフル活用して作った「本格派」にひとっ飛びするよりも、まずは慣れ親しんだ味で作る日本料理で地ならしをし、徐々に本格派に近づくのも、ゲストに日本食について理解し親しんでもらうための一つの手かと思ったりする。
ここ十年の間に、健康志向が高まる欧米で日本食レストランが雨後の竹の子のように各地で出現し始めた。空前の日本食ブームにより、パリでも街を歩けば日本食レストランが目に入る。
少々余談だが、日本食レストランの氾濫は、なんちゃって日本食やレストランを生み出す結果となっている。ヌテラを具とした手巻き寿司のデリバリ屋が出現したり、ラオス人シェフが作るラオス版ヌーベル・日本食のようなものまで登場したりと枚挙に暇が無い。涙ぐましいことに、これらが全てフランス人の間で好評を博しているのだ。
確かに、マヨネーズやアヴォガド入りの「カリフォルニア・ロール」が今や手巻き寿司の定番としての位置を確立してしまっていることからすれば、ヌテラが欧州発の改革版手巻き寿司としてその地位を不動のものとする日もそう遠い将来のことではないかもしれない。

しかし、この日本文化に対する名誉毀損ともいうべき実態を前にして、日本政府も負けてはいなかった。正式な日本料理店として承認されるための試験や認定証を導入することで改善を試みている。しかし、問題は、強制ではなく任意のものであることから足蹴りにされてしまった状態にあるということだ・・・・。
ということで、玉石混交の状態が続いており、友人やグルメの専門家などを通じて聞き取り調査をするなど事前調査をしてからでないと、これだ!と思える日本料理店に出会うことは難しくなりつつある。
勿論、定評ある店に行けば問題ないのであろうが、未知への探究心に優れる我々人類は同じ店にばかり行っているわけにもいかない。ある程度足繁く通うと、そろそろ次の新しい店へ・・・と浮気心がムクムクと沸いてくる・・・。
夫曰く、その店が本格派かどうか見極めるには、シェフが日本人であるかどうかが決め手になるということだ。しかし、日本人についてよく知らず、他の北東アジア人との見分けがつかないフランス人には難しい注文だ・・。
話は戻るが、首都のパリに限らず、地方都市のマルセイユでさえも日本食レストランの進出は破竹の勢いで、長らくアジア料理の覇権を握っていた中華料理も片隅に追いやられ、風前の灯火のごとくだ。


しかし、外国に進出している日本料理店の殆どは「寿司」や「てんぷら」、ちょっと頑張って「鉄板焼き」の店であり、我々日本人がグッとくる手の「本格派」日本料理を提供する店は殆どない。
断っておくが、「本格派」とは懐石料理などの高級日本料理のことを差すのではない。ここでいう「本格派」とは、日本人が普段から食べなれた料理で、おふくろの味などという贅沢は言わずとも、家庭でも作ることができて、海外に住むと無性に懐かしくなる味であり料理のことだ。どこの国の料理にも大なり小なり言えることかもしれないが、少なくとも日本料理については、寿司やてんぷらなど一部の普遍化した料理のみでは簡単に把握できないほど奥が深く、材料や味覚において多様性に富むものであるといえるだろう。
長年に渡り外部からの影響を柔軟に取り入れ、日本食の一部として改良を重ね、その過程において日本食それ自体も変革を遂げ、その奥行きと幅を広げてきたと言える。そのため、自分を含む日本人の味覚の幅は他の民族と比較して非常に広いと感じる。つまり、日本人は「美味しい」と感じる味覚が多いということである。小さな頃から、日本食に取り込まれ日本化してしまっている西洋料理や中華料理、各種エスニック料理をフンダンに食していることから、特別な僻地にでも行かない限り世界中どこに行っても食事で苦労することはない。
そのため、逆に、味覚の幅が比較的狭いと思われる外国人には、本格的な日本料理を堪能することができない。私も含む今時の日本人は、毎日ヴァゲットとチーズとワインで暮らしなさいと言われれば、栄養価についての心配は別にして、これといった問題もなくやり過ごすことができるだろう。しかし、フランス人を含む一般的な欧米人に、白米と味噌汁と漬物で毎日暮らすようお願いしても、それは出来ない注文で3日で平常心を失うに違いない。中国人や韓国人などは、主食が重なる部分が多いことから、欧米人とは比較にならないほどすんなり日本食を受け入れることができるだろうが、それでも、日本人が韓国料理や中華料理を受け入れる容易さに勝ることはないだろう。
以上のことから、私は「本格的」日本料理にひとっ飛びするよりも、「なんちゃって」レベルから始めて、徐々に「本格派」を紹介していけばよいかな、などと思ったりするようになったわけである。
今回作った卵とじうどんを夫は甚く堪能したように見せかけているが、一昨日の「焼きうどん」と比較して評価するとすれば、後者の方に高得点をつけることは明らかだ。彼の味覚の幅と日本料理に対する理解(自身では相当な日本食通を任じているのではあるが・・・・)からすれば、それは仕方のないことでもある。
しかし、夫を含む多くの外国人が多種多様な日本食を理解しようとしているのを見ると、長い道のりが待ってるぞ・・・と思いながらも、日本食をこよなく愛し、栄養価や味覚の観点からも世界最高級だと絶賛している私としてはまんざらでもないと思う。食事が文化の一部であることから鑑みれば、日本食の隠れた価値を理解してもらう良い機会になる。
夫や子供については、本格派を愛するには至らなくとも、食べる回数を増やすことで、日々の食事の一部として抵抗なく食べることができるようになるだろう。毎日食べるということで、日本食の威力は最も発揮されると言える。味覚の幅を広げることのみならず、栄養価の高い食事を大した努力をすることなく毎日取ることができるようになる。
今回作った卵とじうどんにしても、確かに、炭水化物が多いという点は否めないが、栄養価の点からすれば抜群だ。卵のたんぱく質、だし汁の(インスタントではなくて、昆布や煮干から取れば)カルシウムやミネラル、ワカメのカルシウム、ヴィタミン、繊維、ねぎを入れればヴィタミンや解毒作用、七味唐辛子による代謝・消化作用などがある。外国の料理において、単純な一品でここまで幅の広い栄養価を提供するものがあるだろうか?
ということで、今回は夫が会社の帰りに買ってきてくれたうどんと豆腐、そしてマルセイユの家にある数少ない日本食材で料理をすることを試みた。私が「食べたいな・・・」と何度かつぶやいたのを聞いてて、彼が気を利かせて買ってきてくれたのだった。マルセイユでは、アジア食料品店は郊外に一軒しかなく(私達が知る限り)、車でしか行くことができない。「アジア・スーパー」という看板を挙げるだけあって、かなり大きなスーパーらしく、アジア料理に関する物は全て揃っているようだ。


夫は、うどんや豆腐を美味しく「本格的」に食べるためには、豆腐やうどんの他に各種たしや調味料がいるということまでは気が回らなかった。当たり前のことだし、私もそこまで期待してはいない。むしろ、そこまで気が回ると逆に気持ちが悪い・・・・。
満面の笑みを浮かべながら帰宅して、「今日は君が大喜びするサプライズがあるよ!」と言いながら手に持っていたスーパーの袋からうどんや豆腐を出して私に渡した。私は、もちろん、予期せぬ日本料理の到来に驚き、喜んだ。
「君には、ブランドの洋服や宝石よりも、日本食の食材のほうが喜ばれると思ったよ」と笑いながら言う夫を見ながら、こいつは私のことを本当に良く理解していると改めて実感した。そうだ、カルティエのリングやエルメスのバッグは私の虚栄心を満足させてくれることはあっても、私が本当に必要とし望んでいる家族の健康とより良い生活を与えてくれることはない。昨晩、うどんと豆腐を買ってきてもらった時の喜びは、私の大切な人達を幸せにできる心からの喜びだった。
来週から再来週末には、「アジア・スーパー」買出しに出かけて、もっと美味しい日本食を作り、もっとともっと多くの幸せを家族にもたらすことができればと思う・・・・。

我が家では最も底が深い西洋スープ皿の中で、溶き卵が柔らかな薄黄色の光を放ち、その下には、うどんが渋色のだし汁のなかでゆったりと揺蕩っている。卵やうどんの間に見え隠れするワカメを見ながら、その引き締まった食感が埋もれていた記憶の中から引き出される。一瞬にして、私は日本食の世界に埋没してしまった・・・。
だしは、遠路遥々日本より私と一緒に旅してきた逸品で、驚くなかれ幻の「東マルのうどんスープ」を使った。ねぎはなかったが、これまた日本から持参して特別な時(ひとりで自分のために料理をする時という意味)だけホンノ少し使うカット・ワカメをトッピングした。ついでに言えば、七味もなかったが、そこは私が創作にかけた汗と喜びの涙に含まれるスパイスが補填してくれているはずだ。


本当は、一昨日の夕食に焼きうどんを作ったので、これを本格派日本料理のプレミエ・イン・マルセイユと呼ぶこともできる。しかし、醤油の代わりにバーベキューソースを使用し、鰹節やしょうがなどのトッピングを欠いていたことから、「日本料理」と命名することは憚られる。しかも、きのこ類がマッシュルームときた・・・。
余談だが、このバーベキューソースで味付けをし、玉ねぎ、ニンニク、グリーン・ペパー、マッシュルームと一緒に炒めた「焼きうどん」は意外にも夫に受け、次回のホームパーティーで出したらどうかとまで言われた。え・・・(汗)、このまがい物の日本料理を・・・・・?と一瞬焦ったが、これは意外にもウケルまくるまもしれない♪と思い始めた。
しかし考えてみると、だしと醤油とみりんという日本料理のいわば三種の神器をフル活用して作った「本格派」にひとっ飛びするよりも、まずは慣れ親しんだ味で作る日本料理で地ならしをし、徐々に本格派に近づくのも、ゲストに日本食について理解し親しんでもらうための一つの手かと思ったりする。
ここ十年の間に、健康志向が高まる欧米で日本食レストランが雨後の竹の子のように各地で出現し始めた。空前の日本食ブームにより、パリでも街を歩けば日本食レストランが目に入る。
少々余談だが、日本食レストランの氾濫は、なんちゃって日本食やレストランを生み出す結果となっている。ヌテラを具とした手巻き寿司のデリバリ屋が出現したり、ラオス人シェフが作るラオス版ヌーベル・日本食のようなものまで登場したりと枚挙に暇が無い。涙ぐましいことに、これらが全てフランス人の間で好評を博しているのだ。
確かに、マヨネーズやアヴォガド入りの「カリフォルニア・ロール」が今や手巻き寿司の定番としての位置を確立してしまっていることからすれば、ヌテラが欧州発の改革版手巻き寿司としてその地位を不動のものとする日もそう遠い将来のことではないかもしれない。

しかし、この日本文化に対する名誉毀損ともいうべき実態を前にして、日本政府も負けてはいなかった。正式な日本料理店として承認されるための試験や認定証を導入することで改善を試みている。しかし、問題は、強制ではなく任意のものであることから足蹴りにされてしまった状態にあるということだ・・・・。
ということで、玉石混交の状態が続いており、友人やグルメの専門家などを通じて聞き取り調査をするなど事前調査をしてからでないと、これだ!と思える日本料理店に出会うことは難しくなりつつある。
勿論、定評ある店に行けば問題ないのであろうが、未知への探究心に優れる我々人類は同じ店にばかり行っているわけにもいかない。ある程度足繁く通うと、そろそろ次の新しい店へ・・・と浮気心がムクムクと沸いてくる・・・。
夫曰く、その店が本格派かどうか見極めるには、シェフが日本人であるかどうかが決め手になるということだ。しかし、日本人についてよく知らず、他の北東アジア人との見分けがつかないフランス人には難しい注文だ・・。
話は戻るが、首都のパリに限らず、地方都市のマルセイユでさえも日本食レストランの進出は破竹の勢いで、長らくアジア料理の覇権を握っていた中華料理も片隅に追いやられ、風前の灯火のごとくだ。


しかし、外国に進出している日本料理店の殆どは「寿司」や「てんぷら」、ちょっと頑張って「鉄板焼き」の店であり、我々日本人がグッとくる手の「本格派」日本料理を提供する店は殆どない。
断っておくが、「本格派」とは懐石料理などの高級日本料理のことを差すのではない。ここでいう「本格派」とは、日本人が普段から食べなれた料理で、おふくろの味などという贅沢は言わずとも、家庭でも作ることができて、海外に住むと無性に懐かしくなる味であり料理のことだ。どこの国の料理にも大なり小なり言えることかもしれないが、少なくとも日本料理については、寿司やてんぷらなど一部の普遍化した料理のみでは簡単に把握できないほど奥が深く、材料や味覚において多様性に富むものであるといえるだろう。
長年に渡り外部からの影響を柔軟に取り入れ、日本食の一部として改良を重ね、その過程において日本食それ自体も変革を遂げ、その奥行きと幅を広げてきたと言える。そのため、自分を含む日本人の味覚の幅は他の民族と比較して非常に広いと感じる。つまり、日本人は「美味しい」と感じる味覚が多いということである。小さな頃から、日本食に取り込まれ日本化してしまっている西洋料理や中華料理、各種エスニック料理をフンダンに食していることから、特別な僻地にでも行かない限り世界中どこに行っても食事で苦労することはない。
そのため、逆に、味覚の幅が比較的狭いと思われる外国人には、本格的な日本料理を堪能することができない。私も含む今時の日本人は、毎日ヴァゲットとチーズとワインで暮らしなさいと言われれば、栄養価についての心配は別にして、これといった問題もなくやり過ごすことができるだろう。しかし、フランス人を含む一般的な欧米人に、白米と味噌汁と漬物で毎日暮らすようお願いしても、それは出来ない注文で3日で平常心を失うに違いない。中国人や韓国人などは、主食が重なる部分が多いことから、欧米人とは比較にならないほどすんなり日本食を受け入れることができるだろうが、それでも、日本人が韓国料理や中華料理を受け入れる容易さに勝ることはないだろう。
以上のことから、私は「本格的」日本料理にひとっ飛びするよりも、「なんちゃって」レベルから始めて、徐々に「本格派」を紹介していけばよいかな、などと思ったりするようになったわけである。
今回作った卵とじうどんを夫は甚く堪能したように見せかけているが、一昨日の「焼きうどん」と比較して評価するとすれば、後者の方に高得点をつけることは明らかだ。彼の味覚の幅と日本料理に対する理解(自身では相当な日本食通を任じているのではあるが・・・・)からすれば、それは仕方のないことでもある。
しかし、夫を含む多くの外国人が多種多様な日本食を理解しようとしているのを見ると、長い道のりが待ってるぞ・・・と思いながらも、日本食をこよなく愛し、栄養価や味覚の観点からも世界最高級だと絶賛している私としてはまんざらでもないと思う。食事が文化の一部であることから鑑みれば、日本食の隠れた価値を理解してもらう良い機会になる。
夫や子供については、本格派を愛するには至らなくとも、食べる回数を増やすことで、日々の食事の一部として抵抗なく食べることができるようになるだろう。毎日食べるということで、日本食の威力は最も発揮されると言える。味覚の幅を広げることのみならず、栄養価の高い食事を大した努力をすることなく毎日取ることができるようになる。
今回作った卵とじうどんにしても、確かに、炭水化物が多いという点は否めないが、栄養価の点からすれば抜群だ。卵のたんぱく質、だし汁の(インスタントではなくて、昆布や煮干から取れば)カルシウムやミネラル、ワカメのカルシウム、ヴィタミン、繊維、ねぎを入れればヴィタミンや解毒作用、七味唐辛子による代謝・消化作用などがある。外国の料理において、単純な一品でここまで幅の広い栄養価を提供するものがあるだろうか?
ということで、今回は夫が会社の帰りに買ってきてくれたうどんと豆腐、そしてマルセイユの家にある数少ない日本食材で料理をすることを試みた。私が「食べたいな・・・」と何度かつぶやいたのを聞いてて、彼が気を利かせて買ってきてくれたのだった。マルセイユでは、アジア食料品店は郊外に一軒しかなく(私達が知る限り)、車でしか行くことができない。「アジア・スーパー」という看板を挙げるだけあって、かなり大きなスーパーらしく、アジア料理に関する物は全て揃っているようだ。


夫は、うどんや豆腐を美味しく「本格的」に食べるためには、豆腐やうどんの他に各種たしや調味料がいるということまでは気が回らなかった。当たり前のことだし、私もそこまで期待してはいない。むしろ、そこまで気が回ると逆に気持ちが悪い・・・・。
満面の笑みを浮かべながら帰宅して、「今日は君が大喜びするサプライズがあるよ!」と言いながら手に持っていたスーパーの袋からうどんや豆腐を出して私に渡した。私は、もちろん、予期せぬ日本料理の到来に驚き、喜んだ。
「君には、ブランドの洋服や宝石よりも、日本食の食材のほうが喜ばれると思ったよ」と笑いながら言う夫を見ながら、こいつは私のことを本当に良く理解していると改めて実感した。そうだ、カルティエのリングやエルメスのバッグは私の虚栄心を満足させてくれることはあっても、私が本当に必要とし望んでいる家族の健康とより良い生活を与えてくれることはない。昨晩、うどんと豆腐を買ってきてもらった時の喜びは、私の大切な人達を幸せにできる心からの喜びだった。
来週から再来週末には、「アジア・スーパー」買出しに出かけて、もっと美味しい日本食を作り、もっとともっと多くの幸せを家族にもたらすことができればと思う・・・・。
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- グルメ フランス 日本食レストラン マルセイユ
写真はこちら:http://ameblo.jp/paris-marseille/entry-11029884957.html
中国を旅行して避けることができないのが、お茶屋さんです上海でも、一軒、話の種も兼ねて訪問してきました。
ちょっとした老舗のお茶屋さんになると、大抵、英語か日本語を話すことができる店員を常駐させており、顧客の質問や要望に応えてくれます。買うか買わないかは別にして、色々質問を投げかけ、各種中国茶の効用について勉強し、ついでに、色々試飲させてもらうのも悪くありません。
私は、今回、ダラダラと質問攻めを展開し、最終的に、ライチ茶、新茶のウーロン茶、海草茶、ジャスミン茶(大輪版)の4点も試飲させてもらうことに成功しました!これらのいずれも買いませんでしたが・・・・(汗)。私に対応した店員は、日本人にしては稀代のケチだと、私を内心詰ったことでしょう。
私としては、6月に瀋陽や大連など中国の東北地方を旅して回り、その時に「楊貴妃も愛飲していた」美容に効くといわれるキンモクセイ茶を一瓶購入したばかりでした。帰国して、さあ、毎日飲んで絶世の美女になるぞ!と喜び勇んだのも束の間、その後に旅行したクロアチアで購入したアプリコット茶にはまってしまい、キンモクセイ茶は遠く忘れられた存在になってしまいました。
そして、今現在、妊娠で、キンモクセイ茶の匂いさえも受け付けない状態になり、今頃、ビンにはくもの巣がはっているやもしれません。今では、日本人の原点である玄米茶のみ飲めます。緑茶は大好きですが、カフェインがきついということで、当分の間お預けです。
いずれにせよ、日本茶以外は飲めない状態にある今、中国茶を購入するわけにはいきません。ウーロン茶でも、古くなるとお茶としての効用を失ってしまうといいます。
お茶の効用や価値に関してですが、今回の訪問で、プアールの価値について耳寄りな情報を得ました!
プアール茶は、他のお茶と異なり、古くなればなるほど効用が増し、価値が上がるとのことでした。3-5年ものになると、中国では財産として見なされ、多くの中国人がプアール茶を長く保存しているとのことです。
我が家にも3年を越えるプアール茶があります。単なるプアール茶ではなく、黄金のケースに入っており、形、サイズともちょうど固形のコンソメスープの素のようです。勿論、色は異なり、黒ですが。そんな固形版が6つ、デリケートな紙に一つひとつ丁寧に包まれて、先に述べた黄金のケースに収まっているわけです。
以前勤務していた会社で部下のひとりが台湾へ旅行したお土産としてくれたものです。育ちの良いお嬢さんでかつ律儀な彼女は、我々庶民が自分用にと大枚を叩いて購入する物品を、お土産としてさらりとスマートに贈呈してくれるのでした。
この間の引越しで、この黄金ケースを見つめながら、せっかくもらったのに飲めずに申し訳ない・・・と嘆きつつ捨てようとしたところで、ふと別の考えが浮かんできて、いやいや、大きなものでもないんだから、一応持って帰ろうと箱の中に入れたのを思い出しました。
私は、偶然の他のなんでもない自分の英断に対して過剰に感激したことは言うまでもありません。帰ったら、プアール茶を祀る祭壇でも造るべきかと今から考えあぐねている次第です。
話が長くなりました。すみません。要点は、プアール茶は、時間が経てば経つほど価値が高まるということです。
ですので、少なくとも3-5年は寝かせて、それから、中国のしかるべき場所で売りさばいみるのがベストではないでしょうか。プアール茶御殿が建つまでになるやもしれません。
他のお茶については、新茶がベストで、半年もすると古いという烙印を押されるようになります。最も分かりやすい違いは、淹れた時の色の違いだとのこと。
またまた余談ですが、数年ほど前に、サントリーが自社特性のペットボトルウーロン茶と供に中国へ進出しましたが、当初はさっぱり売れませんでした。理由は、ウーロン茶の色に問題があったとのこと。
中国人が知る新茶のウーロン茶の色は、黄金色です。実際に、新茶のウーロン茶を試飲したのですが、その時のものも黄金色でした。
一方、サントリーのウーロン茶の色といえば、茶色です。茶色いウーロン茶は、中国人にしてみれば、古くなったもの、あえて購入する価値のないもので、全く売れなかったというわけです。
この点をサントリーが知っているのかどうかは定かではありません。この話をしてくれた店員は、この点については、全く知らないようでした。
しかし、黄金色は、淹れた時しか出ない色で、時間が経つと茶色に変色してしまいます。要は、酸化すると茶色になるということではないでしょうか。であれば、ペットボトルのなかを真空状態にでもしないと、この黄金色を達成するのは不可能なような気がします。
サントリーぐらいになれば、このような問題も高度技術により解決できるのかもしれませんが、今だに茶色であるところを見ると、もう中国進出はあきらめたのでしょうか。まあ、お茶は熱く飲むものと決めている中国人に対して、ペットボトルで保存の利く冷えたお茶を売るのは、そもそも無理なのかもしれません。
中国人は、お茶を単なる飲み物ではなく、漢方薬の一種、つまり薬の一種として飲んでいます。体内のバランスを保つ、あるいは、不調がある場合にはそれを調整する方向に持っていくことができるお茶を選んで飲みます。漢方薬として指定を受けているお茶もあるぐらいです。
中医学を補助する漢方薬は、ご存知の通り、西洋医学のように原因と結果を明確にして処方されるものではありません。中医学は全て陰と陽のバランスで理解されるもので、このバランスが崩れると体調が崩れるとするものです。漢方薬は、そのバランスを復元するために処方されるものです。即効力はないものの、長期に渡る健康増進には大いに役立つものだといえます。
さて、試飲させてもらったお茶の効用ですが、ライチ茶は、風邪の予防に効く、ウーロン茶は、プアール茶と同様に脂を体内から洗い流す効果がある、海草茶は、高血圧や高脂血漿を防いで血液のサラサラ化に効く、ジャスミン茶は、美容に良いというものでした。
ここでライチ茶を始めて飲んだのですが、ライチの実の甘酸っぱい香りがして、とても美味しく頂きました。海草茶も初めて飲んだのですが、名前の通り、海草の味がして、これは身体に良いだろうと納得しました。
最後のジャスミン茶ですが、この度は、淹れると同時に大輪の花を咲かせるバージョンを試飲させてもらい、味覚のみならず、目も楽しませてもらいました。一粒が直径3センチほどもある大粒ですが、淹れるたびに茶器の中で大輪の花を咲かせるというのも、とてもオツなものです。
お茶とは別に、ここでは、熱湯をかけると黄金色に変化する蛙を見ました。蛙といっても、本物ではなくて置物ですが。
お金を口にくわえた蛙の置物は、大小各種サイズでも売られています。中国では、蛙は「福が家に帰る」ということで重宝されています。
また、「しょんべん小僧」の像も売られていました。これは、水をかけるとオシッコが出てくる仕組みになっています。とても可愛かったので、一枚撮りました。安物カメラなので至近距離ではピントが合わず・・クリアーではありませんが、大体の感じをつかめていただけると思います。
お店のキャッシヤーの横にあった大福さんの像。儲かって笑いが止ませんわぁ!と言っているようです。福のおこぼれを頂くためにも、一枚パチリ。
最後に、極めつけの置物。おそらく、中国以外ではお目にかかることはないでしょう。竜亀オブジェ。竜のように天に向かって運勢が舞い上がり、亀のように長寿であることを祈念した置物です。中国人の願いの全てが込められた置物でした。
中国を旅行して避けることができないのが、お茶屋さんです上海でも、一軒、話の種も兼ねて訪問してきました。
ちょっとした老舗のお茶屋さんになると、大抵、英語か日本語を話すことができる店員を常駐させており、顧客の質問や要望に応えてくれます。買うか買わないかは別にして、色々質問を投げかけ、各種中国茶の効用について勉強し、ついでに、色々試飲させてもらうのも悪くありません。
私は、今回、ダラダラと質問攻めを展開し、最終的に、ライチ茶、新茶のウーロン茶、海草茶、ジャスミン茶(大輪版)の4点も試飲させてもらうことに成功しました!これらのいずれも買いませんでしたが・・・・(汗)。私に対応した店員は、日本人にしては稀代のケチだと、私を内心詰ったことでしょう。
私としては、6月に瀋陽や大連など中国の東北地方を旅して回り、その時に「楊貴妃も愛飲していた」美容に効くといわれるキンモクセイ茶を一瓶購入したばかりでした。帰国して、さあ、毎日飲んで絶世の美女になるぞ!と喜び勇んだのも束の間、その後に旅行したクロアチアで購入したアプリコット茶にはまってしまい、キンモクセイ茶は遠く忘れられた存在になってしまいました。
そして、今現在、妊娠で、キンモクセイ茶の匂いさえも受け付けない状態になり、今頃、ビンにはくもの巣がはっているやもしれません。今では、日本人の原点である玄米茶のみ飲めます。緑茶は大好きですが、カフェインがきついということで、当分の間お預けです。
いずれにせよ、日本茶以外は飲めない状態にある今、中国茶を購入するわけにはいきません。ウーロン茶でも、古くなるとお茶としての効用を失ってしまうといいます。
お茶の効用や価値に関してですが、今回の訪問で、プアールの価値について耳寄りな情報を得ました!
プアール茶は、他のお茶と異なり、古くなればなるほど効用が増し、価値が上がるとのことでした。3-5年ものになると、中国では財産として見なされ、多くの中国人がプアール茶を長く保存しているとのことです。
我が家にも3年を越えるプアール茶があります。単なるプアール茶ではなく、黄金のケースに入っており、形、サイズともちょうど固形のコンソメスープの素のようです。勿論、色は異なり、黒ですが。そんな固形版が6つ、デリケートな紙に一つひとつ丁寧に包まれて、先に述べた黄金のケースに収まっているわけです。
以前勤務していた会社で部下のひとりが台湾へ旅行したお土産としてくれたものです。育ちの良いお嬢さんでかつ律儀な彼女は、我々庶民が自分用にと大枚を叩いて購入する物品を、お土産としてさらりとスマートに贈呈してくれるのでした。
この間の引越しで、この黄金ケースを見つめながら、せっかくもらったのに飲めずに申し訳ない・・・と嘆きつつ捨てようとしたところで、ふと別の考えが浮かんできて、いやいや、大きなものでもないんだから、一応持って帰ろうと箱の中に入れたのを思い出しました。
私は、偶然の他のなんでもない自分の英断に対して過剰に感激したことは言うまでもありません。帰ったら、プアール茶を祀る祭壇でも造るべきかと今から考えあぐねている次第です。
話が長くなりました。すみません。要点は、プアール茶は、時間が経てば経つほど価値が高まるということです。
ですので、少なくとも3-5年は寝かせて、それから、中国のしかるべき場所で売りさばいみるのがベストではないでしょうか。プアール茶御殿が建つまでになるやもしれません。
他のお茶については、新茶がベストで、半年もすると古いという烙印を押されるようになります。最も分かりやすい違いは、淹れた時の色の違いだとのこと。
またまた余談ですが、数年ほど前に、サントリーが自社特性のペットボトルウーロン茶と供に中国へ進出しましたが、当初はさっぱり売れませんでした。理由は、ウーロン茶の色に問題があったとのこと。
中国人が知る新茶のウーロン茶の色は、黄金色です。実際に、新茶のウーロン茶を試飲したのですが、その時のものも黄金色でした。
一方、サントリーのウーロン茶の色といえば、茶色です。茶色いウーロン茶は、中国人にしてみれば、古くなったもの、あえて購入する価値のないもので、全く売れなかったというわけです。
この点をサントリーが知っているのかどうかは定かではありません。この話をしてくれた店員は、この点については、全く知らないようでした。
しかし、黄金色は、淹れた時しか出ない色で、時間が経つと茶色に変色してしまいます。要は、酸化すると茶色になるということではないでしょうか。であれば、ペットボトルのなかを真空状態にでもしないと、この黄金色を達成するのは不可能なような気がします。
サントリーぐらいになれば、このような問題も高度技術により解決できるのかもしれませんが、今だに茶色であるところを見ると、もう中国進出はあきらめたのでしょうか。まあ、お茶は熱く飲むものと決めている中国人に対して、ペットボトルで保存の利く冷えたお茶を売るのは、そもそも無理なのかもしれません。
中国人は、お茶を単なる飲み物ではなく、漢方薬の一種、つまり薬の一種として飲んでいます。体内のバランスを保つ、あるいは、不調がある場合にはそれを調整する方向に持っていくことができるお茶を選んで飲みます。漢方薬として指定を受けているお茶もあるぐらいです。
中医学を補助する漢方薬は、ご存知の通り、西洋医学のように原因と結果を明確にして処方されるものではありません。中医学は全て陰と陽のバランスで理解されるもので、このバランスが崩れると体調が崩れるとするものです。漢方薬は、そのバランスを復元するために処方されるものです。即効力はないものの、長期に渡る健康増進には大いに役立つものだといえます。
さて、試飲させてもらったお茶の効用ですが、ライチ茶は、風邪の予防に効く、ウーロン茶は、プアール茶と同様に脂を体内から洗い流す効果がある、海草茶は、高血圧や高脂血漿を防いで血液のサラサラ化に効く、ジャスミン茶は、美容に良いというものでした。
ここでライチ茶を始めて飲んだのですが、ライチの実の甘酸っぱい香りがして、とても美味しく頂きました。海草茶も初めて飲んだのですが、名前の通り、海草の味がして、これは身体に良いだろうと納得しました。
最後のジャスミン茶ですが、この度は、淹れると同時に大輪の花を咲かせるバージョンを試飲させてもらい、味覚のみならず、目も楽しませてもらいました。一粒が直径3センチほどもある大粒ですが、淹れるたびに茶器の中で大輪の花を咲かせるというのも、とてもオツなものです。
お茶とは別に、ここでは、熱湯をかけると黄金色に変化する蛙を見ました。蛙といっても、本物ではなくて置物ですが。
お金を口にくわえた蛙の置物は、大小各種サイズでも売られています。中国では、蛙は「福が家に帰る」ということで重宝されています。
また、「しょんべん小僧」の像も売られていました。これは、水をかけるとオシッコが出てくる仕組みになっています。とても可愛かったので、一枚撮りました。安物カメラなので至近距離ではピントが合わず・・クリアーではありませんが、大体の感じをつかめていただけると思います。
お店のキャッシヤーの横にあった大福さんの像。儲かって笑いが止ませんわぁ!と言っているようです。福のおこぼれを頂くためにも、一枚パチリ。
最後に、極めつけの置物。おそらく、中国以外ではお目にかかることはないでしょう。竜亀オブジェ。竜のように天に向かって運勢が舞い上がり、亀のように長寿であることを祈念した置物です。中国人の願いの全てが込められた置物でした。
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