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ねこたんの足あと

~あちこち行って。いろんなもの見て聞いて歩いて食べて。~

プロフィール

ニックネーム:
yummy
居住地:
東京都
性別:
女性
自己紹介:
本業は小説を書くかたわら、
占いとヨガのサロンを主宰しています。

占いは手相とタロットカード。
ヨガは南インド ケララ州で州公認のインストラクター資格を取得しました。
少人数制のクラスを展開しています。
ご興味のある方は、
http://alvayu.jp
にアクセスしてみてくださいね。


小さい頃からアフリカに憧れていて、海外旅行デビューはエジプト。それからケニアへ行き、念願のサバンナに。アフリカのあとにアジアに行き始め、人からはよくルートが逆だよ、と言われました。

私はその国の何かひとつでも見たいものがあれば、どこへでも行きます。それがきっかけですが、あとは行き当たりばったり。何かをするため、にその国へ行くわけではなく、ただただその国に浸かるような旅をします。
だからこそ、生きた情報をその場で得ることができるのだと思います。

どちらかといえばカオス的な国を旅するのが好きですが、でも近年ヨーロッパも堪能しました。先進諸国もきっちり知り、その両方を知ることが大事だと思ってますから、あまり偏ることもありません。

もうずっとヨガ修行をするため、定期的にインドへ行っています。一回の旅行期間は約2ヶ月ほど。滞在型なのでその地については精通していきます。前回は昨年11月に、今年もまた秋に訪れる予定です。

私が旅先で出会ったできごとや人たち、おいしいものやホテルやショッピング、交通事情、失敗談や病気になったこと、コワかったことなどのトピックや情報が旅する人たちの役に立てばとてもうれしいです。

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デリーから汽車の車窓
インド生リポ ●バンダウガルBandhavgarh編#1 バンダウガルへ!デリーから19時間
エリア:
  • アジア>インド
テーマ:鉄道・乗り物 その他 動物 
投稿日:2011/10/27 15:50
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今、車中。
デリーのニザムディン駅12:05発のKalingutkal expに無事乗ることができた。
30分ほど出発は遅れたけど、現在は順調に走行中。
19時間の汽車旅、乗ってそろそろ5時間ほど。
予定では明日の朝0530くらいにUmariaウマリア駅到着予定。

にしても乗るときはあいかわらずあたふたしてしまった。
予定の入線時刻よりも早く入ってきたもんで、予想外に慌てた。しかもWLだったのでやはり緊張。
ホームに入ってきた列車を前にA/C 2Tierはどこかとうろうろ。焦るわ〜〜。しかもアウランガーバードのときとは違いスーツケースを持っているのであたふた感倍増。

で、声をかけてきたポーターについ頼ってしまった。
2ndClassはこっち、という表示板に従って歩いたのに実は逆。ポーターが現れなかったら、反対の方向へずーーっと歩いていって大変なことになっていたに違いない。
なので助かったのは助かったのだが……
なんとポーターが要求してきたのは200rs!!
はぁ〜〜〜〜!!??
まぁ頼むときに値段聞かなかった私の失敗なんだよね、これは。
でもあのとき焦ってたし。ま、そこにつけこむポーターもいやらしい。
ディワリなんだし、200ちょうだいよ、というポーターには結局130Rsもあげてやった。異常だよ、このプライス。
やはり重い荷物と時間の余裕のなさは判断力を狂わせる……か?

さっきも駅前でも階段を上るのにうんざりしてたら駅前ポーターが来て、荷物運んでやろうという。聞いたら50Rs。高い! と言っていたら、そばにいたインド人兄さんたちが、確かにそれは高い、と私の味方になってくれた。
けど結局自分で運んだけど。
そう考えると駅中ポーターは抜け目なく強欲だったなー。

寝台列車の座席は無事に取れていた。
WLってけっこう乗れちゃうもののよう。少なめに席を出して客を集めようっていうインド鉄道の魂胆か。
向かいの乗客は初老のインド人のオジサマ。
眼光鋭く品があり付き人連れていかにもおカネ持ちそう。
話してみると、やはり会社の社長だった。ムンバイに本社のある、日本でいえば花王のような会社っぽい。
大会社の社長でも実家に帰るときは22時間もかけて汽車に乗らないといけないなんて。
やはりインドってそういう国。

窓の外ではでっかい夕陽が沈んでいく。
乗務員がディナーの注文を受けにやってきた。
私の汽車旅はまだまだ序の口……。

寝台車内 A/C2nd2Tier

NoPhoto
旅エッセイ〜そろそろインドに行く季節。。。
エリア:
  • アジア>インド>ムンバイ
テーマ:観光地 街中・建物・景色 ホテル・宿泊 
投稿日:2011/09/16 02:13
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今月末からインドへ行く。
今回は仕事がらみでもあるのだが、それが済めばあとはフリー。
一ヶ月ほどインドをまわって、経由地である香港に寄って帰国する予定だ。

今回のインドでの最大の目的は念願の野生のトラを見ること。
もう長い間の目標だった。今回は決してハズさないつもりでいる。。。
地球を代表する猛獣系は、……野生の、ということだが、ほとんど見ている。
あと見ていないのはインドのトラとアメリカのピューマと、ヒマラヤの雪豹くらいだろうか……??

それにしてもよくインドに行くよなぁ。
特にインドが大好きってわけでもないんだけど。。。やっぱりなにか縁があるのだろう。
もう何回目のインドになるだろ。
8回目……かな? ……8回!

といっても毎回長旅してるわけじゃない。
初めてインドの地に立ったのは、ケニアへ行くためのトランジットだった。
トランジットのためにどうしてもボンベイ(今じゃムンバイと呼ばれてるけど、ボンベイという響きの方がクールだと思う)で一泊しなければならなかった。
最近ではケニアへ行くときはドバイ経由がメジャーだが、あの頃はアフリカ行くならエアインディア、が常識だった。欧州まわりはかなり高額だったから。
そういうわけで初めて訪れたインドの町はボンベイだった。

正直、度肝を抜かれた。
今も鮮明に覚えている。
夜遅くボンベイの空港に着いたのだが、あの生ぬるい空気と大きいけれど殺風景な暗い空港。到着ロビーの玄関を出たところのフェンスに群がるインド人。玄関のライトは暗かったのでインド人の大群はただただ不気味だった。
そしてなんといってもあのニオイだ。
めっちゃくそ臭い。充満する排泄物と饐えたニオイ。生ぬるく蒸し暑い暗い空気のなかでニオイが生きもののように蠢いているようだった。
これが、インドか。

その頃はまだ海外経験が浅かった私は、ケニアへのツアーに参加していた。
ツアーが用意したバスに乗り、ホテルへ向かう。
空港を離れはしたが、辺りは真っ暗だった。
バスのライトがかろうじて前方を照らしているだけ。道の両側がどうなっているのかさっぱりわからない。ただの空き地なのか畑なのか、人がいるのかいないのか。
ただ、バスの開け放した窓からは強烈なニオイが流れこんでくる。
その汚物のニオイは空港にいたときよりも倍以上強い。
窓を閉めたかったが、閉めようとしてもぴくりとも動かない。……インドのバスとはこういうものかと早々に受け入れた。

やがてぽつんぽつんと明かりが見え始め、バスは市内に入ったようだった。
時刻は何時頃だったろう。。。午後9時か10時か……遅いといってもそれほど遅い時間ではなかったはずだ。が、電灯の少ない通りに人の気配はなく、店はすべてぴっちりシャッターが降りている。
確かボンベイはインド第二の商業都市だったはず。そんな町でもインドは夜が早いのか……。
突然斜め前方で黒いかたまりがどよん、と動いた。そのかたまりがバラける。
バスがその脇を通り過ぎるとき、どきりとした。
そのかたまりは人だったのだ。
かろうじて見えたそれは、リヤカーのようなものを中心に人が集まっていたようだ。暗闇に同化してよくわからなかったが、地べたに何人もの人が寝転がっていた。
びっくりした。
路上で寝るなんて。
なんで?
はじめは友人同士で遊んでいるのかと思った。が、その後ホテルに着くまでにいくつもの黒いかたまりを見ることになった。
ホテルに着くころには、彼らが路上生活者であるということに、当時はまだウブだった私もさすがに気付くことができた。
これが、インドか。

あのときはケニアのことで頭がいっぱいでインドのことはどうでもよく、しかも一泊のトランジットだったのでほとんど何の知識もなかった。宿泊したホテルがインド一有名なホテルグループ、タージの5ツ星ホテル タージマハルだということをあとから知ったくらいだ。

広く豪華な部屋からは目の前にインド門が見え、海が見えた。
朝、テラスに立つと昨夜とはまるで違うインドの町の風景が眼下に見下ろせた。
しかし素晴らしいビューもロケーションも、あいかわらずのニオイにかき消された。
ただ昨夜の排泄物のニオイとはまた違う、排気ガスや腐った魚、ゴミといった強い生活臭だ。
このニオイは、その日一日ボンベイを観光したが、常につきまとっていた。
このニオイがインドのニオイなのだろう。おえ、耐えられん。
服にもばっちりインド臭がつき、ケニアへ行ってから早々に洗濯したのはいうまでもない。

寺院や公園、有名なボンベイのビーチを観光した。
公園では本物の蛇使いがいてウケた。
本当に笛を吹くと、壺からコブラが出てくるのだ。
なんだかコブラが可哀そうだった。

とにかく暑くて臭くてぐったりだった。
どこへ行っても物乞いが寄ってくるし、ビーチでは男同士が手をつないだり肩を抱いて歩いているし。インドってのはゲイが多いのか?? ……インドの文化も習慣も知らなかった私には不思議なことがいっぱいだった。

そして再び度肝を抜かれた。
ボンベイのビーチ沿いをバスで走っているときだった。
渋滞でクルマの流れが途絶えたとき、何台か先の黒塗りのハイヤーに犬が一匹近づいていくのが、バスの窓から見えた。
ハイヤーの後部座席には年配のヨーロピアンの男女が二人乗っている。
脚の長い、痩せた黒い大きな犬だった。
犬はハイヤーのすぐそばまで来ると、後ろ足で立ち、前足をハイヤーの後部座席の窓にかけた。
食べ物でもおねだりしているのか。それにしても大きな犬だ。。。
渋滞はじりじりと動き始め、やがて私の乗っているバスはハイヤーの近くまで進んでいった。
--そのときの衝撃は今も忘れられない。
犬だと思っていたその生きものは、少年だった。
足腰が立たない、四つん這いでしか歩けない人間の子供だったのだ。
少年は棒のように細い脚をふんばり、からだを起して、窓に手をかけ、ハイヤーのヨーロピアンに必死に物乞いしていた。
年配のヨーロピアンは、ぴっちり締まった窓の内側からどうしてよいかわからないような顔で少年を眺めていた。
ドライバーが運転席の窓を開け、少年に怒鳴った。
少年はその怒鳴り声を聞くと、腕を窓から離し、再び四つん這いになった。膝をつかない、本当の4本足の動物のように。
少年は首を垂れながら、クルマの間をすり抜け、そのままビーチへと降りていった。
私はショックでしばらく呆然としていた。
これが、インドの現実なのか。

タージマハルホテルをチェックアウトし、空港へ向かう。
私のバスはツアー会社が手配したバスだから、ツアー客しか乗っていない。が、突然一人の日本人の女の子が乗って来た。彼女はドライバーと軽く言葉を交わすとシートに座る。
彼女はクルタ(インド人女子のふだん着。このときは名前も知らなかった)を着ていた。

バスは出発し市内を抜けていく。
空港へ近づくにつれ、例の強烈な排泄物のニオイが漂い始めた。
いったいどうしてこんなニオイがするのだろう。
やがてその原因が突如として目の前に現れた。
それは巨大なスラムだった。
空港の周りは一大スラム地域だったのだ。
薄いベニヤに汚れた幌をかぶせただけのテントが無数にひしめきあっている。
下半身まるだしで走り回る幼児、側溝で用を足す大人たち……。ゴミの山、飛びまわるハエ、くすぶる火。
私は身をかたくして窓越しにその風景を見つめていた。
テレビではなく、ライブの風景なのだ。
そのとき、さっきの日本人がドライバーに声をかけ立ちあがった。ドライバーはバスを止め、ドアを開ける。彼女は礼をいうとバスを降り、瞬く間にスラムの中へ入っていった。
それもまた衝撃だった。
彼女はいったい何者なのだろう。今思えば、彼女はきっとJICAあたりのボランティアだったのかもしれない……。
こんなスラムがあることも、あんな日本人がいることも--インドなのだ。

たった一泊のボンベイ滞在だったが、すでにインドの洗礼を受けたといっていいかもしれない。
その日の夜、私は無事ケニアのナイロビに着いた。
空港を出たときはちょうど雨が上がったばかりで、その空気はとてもみずみずしく、芳しかった。インドとは全然違うと心底思ったのを覚えている。

この2年後に再びケニアへのトランジットでボンベイに寄ったが、そのときはスラムが縮小されており、さらにその数年後に訪れたときはきれいに撤去されていた。
あの強烈な汚物臭をもう嗅ぎたいとは思わないが、巨大スラムを見ておいたことは、自分のためになったと思う。

まぁあのときはその後何度もインドへ足を運ぶことになるとは、まったく思っていなかったけれど。。。。。。

ビーチは紫外線100%!
旅のトラブル対処法・健康編4 〜侮るな、紫外線〜
エリア:
  • アジア>インド
  • アフリカ>ケニア
  • アジア>ネパール
テーマ:街中・建物・景色 ビーチ・島 旅行準備 
投稿日:2011/08/24 00:09
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2011年、今年もまたインドへ行く季節がやってくる。
10月にはきっと上陸している。
そして毎度おなじみ細かいパッキングが待っている。ああめんどくさ。

ちょうど今日本は夏真っ盛りなのでUVケア用品がたっぷり安く売られている。
インド用に今買っておくのが賢い。やはりSPF50 PA+++。

インド、アジアはもちろん、アフリカ、ビーチ、砂漠……どこへ行くにしろ、紫外線対策は必須である。
女も男も。
別に大丈夫だしーーと思う人も山ほどいるだろうが、そのときは大丈夫でも、その油断はそれから数年後に突如として顔やからだに現れる。
きれいな30代、40代、それ以上になりたい方はとにかく必須です。

どんなUV対策が効果的か?

まずは必ず顔にだけでも日焼け止めクリームやローションを塗る。
SPF50 PA+++ と表示されてあるものがいい。これが日本で今のところ日焼け止めの最高数値だ。
できれば首のうしろや鎖骨のあたり、腕、手の甲、膝から下、足の甲にも縫っておくといい。
ちなみに私はボディ用、フェイス用は分けている。
ボディにはドラッグストアで手に入る類のもの。いろいろ塗り試ししたなかで、NIVEA系がお肌になじみがいいようだ。
フェイスには……じゃーん、DIORの今年発売されたBBクリーム。ちょっとお高いが、肌が本当にきれいに見える。しかもファンデも必要ないくらい。店のおねえさんはBBの上にさらにファンデを塗ることを勧めていたが、パウダーをはたけば問題ないくらい。

UV対策には小物使いも大事。
サングラス。なるべくグラスが大きいもの。ストールやスカーフ。これは髪をアップにしたときに首まわりを守ってくれるし、肩や背中もカバーしてくれる。ストールに関しては現地調達も可能。
そして帽子……と言いたいところだが、帽子は意外にめんどくさい。かぶったり脱いだりしてる間にいつのまにかなくなっていたり、髪の生え際にじと〜っと汗をかいて不快だったり。そもそも顔全部をカバーしてくれるわけでもない。
そこでおススメなのが、日傘だ。
日傘は効果抜群だ。私は晴雨兼用折り畳み傘をバックパックやスーツケースに必ず入れておく。めんど〜〜という気持ちもわかる。確かに荷物になるし、さしたり閉じたりめんどくさい。しかし、あるのとないのとでは日焼け度と、そして疲れ方が全く違う。

そういう私も昔からUV対策に必死だったわけではない。
20代の頃は相当てきとーだった。
エジプトやらケニアやらから帰ってきても、さほど日焼けした記憶もないし、元々色白な私は日射しでぐんぐん焼けることもなかった。
私って肌が丈夫できれい。
ずっとそう思っていたのだ。
ところが。30代になり、あるとき一ヶ月のネパール旅行から帰ってきたときに状況は激変した。
あご辺りににきび発見。しかもひとつふたつではない。赤く大きい。
薬を塗っても化粧品を変えても一向に直らない。赤みが引いても跡は残ったまま。
しかも口の周りのほうれい線がやけに目立つ。
ヤバい!!!
このままだと一気に老化へまっしぐらだ。
でもなぜ? 肌は丈夫できめ細かくきれいなはずの私が??

やむなく私はエステへ通い始めた。
おカネがかかるので、初回体験無料や優待券を使いまくりあちこちのエステに行きまくった。その結果、腕が確かで気の合うエステシャンのいる某エステサロンにしばらく通うことにした。
彼女は言った。
「本来はとてもきれいな肌なんですよ。でも乾燥がひどくて、肌の代謝力が落ちてしまっていて、だから汚れをため込んで、結果今の状態になってるの。どうしてここまでひどくなったのかしら」
私は長年続けている旅の話をした。すると、
「紫外線が強くて乾燥していて、水もあまりきれいじゃないところばかりね。肌はそのとき平気でも後から影響が出てくるもの。これまでのツケがまわってきたってことですよ。ほら、ヨーロッパ人のマダムたちって背中とかシミだらけでしょう? あれは若いときに陽にあたりすぎたせいなのよ」

彼女の腕と私の努力によって、その後私の肌は回復した。
以来、私はUV対策には本当に敏感になった。あいかわらず紫外線の強い国ばかり旅しているが、現在は特に問題はない。
日傘を携帯し、道は日陰を選んで歩く。昼間は7分袖やストールを活用する。カフェでもバスでも直射日光を受けない場所へ移動する。
細かいことだが、後悔したくないので気を付ける。

もちろん、日焼けに対しては個人差があるだろう。
女子でも全く気にしない、むしろ陽に焼けるのが好きな人もいるだろう。
中にはファンデーションさえも「息苦しい感じがして」と塗らない知人もいる。
そういう人はばんばん焼けばいいし、10年後のシミやシワも自然な変化と受け入れればいいことだからね。

NoPhoto
ドキュメンタリー小説 マダガスカル・ジャーニーVOL.2 マダガスカル最初の夜 
エリア:
  • アフリカ>マダガスカル>アンタナナリボ
テーマ:街中・建物・景色 旅行準備 ホテル・宿泊 
投稿日:2011/06/24 23:42
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今はシーズンでホテルは混んでいる、と最初に助手席の男が言ったように、ホテルはどこもいっぱいだった。

最初の3軒はガイドブックの乏しい情報に従って連れて行ってもらった。が、全て満室。
マダガスカルでタナでこの遅い時間に3軒ともフラれるとは予想外だった。それは私だけでなく、彼と彼女も同じだったようだ。
「じゃあ何軒か僕らが知っているところにあたってみよう」
助手席の男が励ますように言った。が、その後も数軒不発に終わった。
まずい。
時間は過ぎる一方だし、ここまでタクシーを連れまわしたとなると、最初の交渉金額に上乗せされかねない。
そして、疲れてきた。
早くホテルでほっとしたい。
助手席の男がホテルのレセプションから戻ってきて、首を振った。
ここも満室らしい。
OK。ドライバーがハンドルを叩いて振り返った。
「ワシの知り合いのホテルに連れて行ってやろう。ただし、安くはないぞ」
……背に腹はかえられない、この際。

ホテル・ド・プリンスという名のホテルは確かにゲストハウスには見えなかったが、一泊の料金はそれほど高くはなかった。が、部屋は5階建ての最上階のスイートルームしか空いておらず、日本円にすると3000円ほど。
私たちは顔を見合わせた。
部屋にはツインベッドとソファがあった。
「どうする? 3人でシェアする?」私はふたりに訊いた。
「……オレはいいけど、もしキミらがイヤでなかったら」
彼はソファを指差し、オレはここで寝るから、と付け加えた。
「私もかまいませんよ」彼女も頷いた。
3人でシェアすれば一人1000円ですむ。一泊1000円はバックパックの旅としては安くはないが、部屋がよさそうなので納得できる。
バスルームへ行き、トイレの水が流れることとお湯のシャワーが出ることを確認する。
これで決まりだ。
私たちはタナの街を徘徊してくれたドライバーたちに礼を言い、おカネを渡した。

初めて出会った人と部屋をシェアすることは、一人旅では時々あることだ。
これまでにもそういうことがあったが、トラブルになったことは一度もない。それは不思議に幸運なことだ。
私たちは荷物をおろし、顔や手を洗い、ようやくほっとした。
部屋の中央にはテーブルがあり、ソファとイスがある。私たちはテーブルを囲んだ。

「オレは佐藤 陸」自分の寝床になるソファに座った彼が名前を告げた。
「私はハルカ。野田 遙です」私の隣に座った彼女が言う。
「私は」ふたりが私を見る。「秋野 楓」
最初の自己紹介は照れくさく、みなぎこちない。仕事のときはそんなふうに感じないのに。肩書きの入った名刺の力なのかもしれない。
「今夜は突然こんなことになっちゃったけど」リクが話し出す。
「オレ、明日朝早く出る予定だから」
「何時頃?」
「たぶん、6時とか7時。気にしなくていいからさ」
「タナから移動するんですか」ハルカが訊いた。
リクは頷き、
「アンチラベに向かう予定。マダガスカルをぐるってまわって、タナは最後にゆっくり見るつもりなんだ。……キミらは?」
「あ、私も午前中にはホテル出ますよ」
「どこかに行くの」今度は私が尋ねた。
「知り合いがタナに来ていて。その人に会う約束してるんです」
「しばらくタナにいる予定?」
彼女は首を傾げると、
「うーん。その人の予定によっては出るかも。たぶんその人とマダガスカルをまわると思うから」
「えーっと、か……」リクが私を見た。
「カエデ」
「うん、カエデさんは」
「私は……2〜3日はタナにいるつもり。けど、ふたりが出るんじゃ、ホテルを探さないとなぁ。一泊3000円を一人で払うのはキツいし」
「宿、混んでそうでしたもんね」
「うまく見つかればいいけどね」
「ま、朝になれば動くツーリストもいるだろうから」とリク。
私はリクを眺めた。
ほとんど坊主で陽に焼けた精悍な顔付き。
「あのさ」私は彼の小型のバックパックに視線を向け、
「荷物少ないよね。そのバッグ、ふつうのナップザックみたい」
ああ、彼はザックを引き寄せると、
「デカいのはナイロビの宿に預けてあるんだ。2〜3週間くらいで戻るからって」
「えー、ってことは相当長い旅なんですね」ハルカが目を輝かす。
「うん、まぁ……3年ぐらいかけてバイクで世界一周するんだよね」
驚いた。
「で、今ちょうど1年たった頃で」
「どこを走ってきたの」
リクは私を見ると、
「カナダから出発して北米、南米を縦断して、で、セネガルに飛んで西アフリカを南下して、南アフリカから今は東を北上中」
「アフリカのあとはヨーロッパ?」
「そう。ヨーロッパをまわってトルコからユーラシアを横断するつもり」
はぁ、私もハルカもため息をついた。
リクはそういう反応にはもう慣れているらしく、特に顔色も変えず、
「マダガスカルは中休みみたいなもん。ナイロビでバイクを点検に出しててね。それとスーダンとエチオピアのビザを申請してる最中で。ビザがおりるまで何日もかかるっていうからさ。じゃ、その間バックパッカーの気分でも味わおうかと思って」
そこまで言って、リクはようやく笑顔を浮かべた。
世の中、思い切ったことをする人がいるものだ。
「すごいなぁ。3年かぁ。私は日本出てから3カ月くらいなんですけど、あと3カ月くらいで帰る予定なんです」
「ハルカさんはどこ行ってきたの」リクが尋ねた。
「タイにしばらくいて、そのあとナイロビに。……カエデさんは?」
「私は……」
今回は3週間とちょっとの旅だ。
最初の数日をナイロビで過ごした。そしてマダガスカルに2週間、残りの1週間をケニアのビーチ、モンバサと国立保護区であるマサイ・マラで締めくくる予定でいる。
私には時間がない。だからマダガスカルも行きたい場所を効率よくまわるつもりでいた。
「3週間じゃあっという間ですね」
私はハルカの言葉に頷き、
「仕事があるからね。さすがに何カ月も休めない」
「仕事してるんだ」リクとハルカが同時に言った。
「え。うん。ふたりは?」
「私はバイト辞めてきました」
「オレも」リクは私から目を逸らし、
「仕事、何してるの」
フリ-のライターやってる、私は告げた。
「へー。リクさんもカエデさんもなんかカッコいいですねぇ」
「ふぅん、いい仕事だね」
リクは無表情につぶやいた。

マダガスカルの初めての夜、私たちはずいぶん遅くまで話していた。

私を咬んだコロちゃん
旅のトラブル対処法・健康編3 〜インドで犬に咬まれたら。。。
エリア:
  • アジア>インド
テーマ:街中・建物・景色 その他 動物 
投稿日:2011/06/14 19:58
コメント(0)
実際、インドにもタイにもネパールにも、つまりアジアには野良犬が山ほどいる。
毛が短いつるっとした犬。暑さに適したわんこたち。
彼らはいたっておとなしく、人間が何かしなければ何もしてこない。
店の軒先に寝ていても道端で座っていても、
彼らは彼らなりに上手に人と距離を保っている。

でも、もっとかまってほしーーという気持ちがありありと伝わってくるのが、ちょっと哀しくなる。

だって基本、触っちゃダメだからね。
病気持ってる可能性大だからね。
虫もいっぱいいそうだしね。

動物好きの私としては本当はかわいがりたいのだけど、旅の途中に犬によって病気になるのは絶対に避けたい。
……と、ずっと思っていたのだが、昨年インドで「犬に咬まれる」という大失態をした。
あれは本当に「油断した」の一言。


南インド・ケララ州のコバラムは、インドではレアなビーチリゾートだ。
リゾートといっても海とヨガとアーユルヴェーダしかない素朴なビーチ。マリンスポーツはサーフィンのみ。けどホテルやレストランは揃っていて不自由もない、どこまでもまったりできる場所。
そして野良犬がたくさんいる。彼らはビーチを駆け回り、時にはオープンエアのレストランに入ってきたり、ビーチ裏の迷路のような路地に突然集団で現れたりして人を驚かす。が、いたって平和的だった。

私はビーチ沿いの「SEA VIEW PALACE」というホテルに長逗留していた。
そこに一匹の犬がいた。
他のつるっとした犬とは違い、キャラメル色のロン毛をしたインドでは珍しい犬で、見た目おっとり、私は勝手に「コロちゃん」と呼んでいた。
最初は野良かと思っていたが、実はホテルの番犬だった。
けど勝手に外出したり、離れたレストランに出没したりしていたので、まぁ半野良といえなくもない。が、夜はちゃんとホテルに戻り、2階のゲストルームに上がる階段の途中で眠る。
ちゃんと番犬の役目を果たしているのだった。

何日も泊まっていたので、そのうち私とコロちゃんは顔見知りになり、挨拶する仲になった。そして頭を撫で撫でするようになった。……今考えてみれば、このときすでに私は油断していたのだろう、いつもの旅とは違うことをしていたのだから。
彼の本名は「ランボー」。
こんなおっとりした犬になんでそんな荒くれた名前を付けたんだろ?
それともうひとつ。なんでホテルのマネージャーもスタッフも彼に対していまいち遠慮勝ちなんだろ。
いいこちゃんなのにね。

ところが、ある朝のこと。
コロちゃんは突然私に牙を剥いた。
その日もいつもと同じように寝そべっているコロちゃんにおはよう! と声をかけ、頭を撫でた。
その瞬間だった。
目にも止まらぬ速さで右腕をガブリ!!!
痛みより、まず驚いた。
右手のひらから血がつーっと垂れた。
次の瞬間、脳裏に浮かんだ言葉は「狂犬病」。

そうなのだ。
インドやアジアで犬に咬まれて最も恐ろしいのは狂犬病なのだ。
日本では犬には狂犬病予防接種をすることが義務づけられているが、こちらではない。特に野良犬は100%接種は受けていないといっていいだろう。
狂犬病は、もし発症したら100%死に至る怖ろしい病気だ。
ヤバい。
ホテルのスタッフが集まってきて、私はすぐに水で傷口を洗った。スタッフたちは私を心配しつつも口々に、

コイツは注射しているから大丈夫だよ。
みんな咬まれてるけど、誰も死んでないから大丈夫。
時々急に咬むんだよ、ランボーは。だからみんな気をつけてるんだ。

……なるほど。だからスタッフはみなコロちゃんに遠慮がちだったのね。。。

大丈夫だとは言われたが、やはりすぐに病院へ行くことにした。


歩いて10分ほどのところにあるUPUSANA病院へ着くと、ドクターがすぐに診てくれた。
さて、インドでは犬に咬まれて病院へ行くと、たとえどんな犬に咬まれようとも狂犬病の予防接種を受けることが法律で決まっているという。

予防接種の回数は全部で5回。
まず咬まれた当日、その三日後、一週間後、2週間後、28日後だ。
その日は狂犬病以外に破傷風予防の注射もうってもらった。
料金は700ルピー(約1400円)。

三日後にまた来なさい、と言われたが、実は帰国日が迫っていて、どうしようかと思ったが、結局、滞在を一週間延ばし、3回目の接種を受けたところで日本へ帰国した。
ちなみに狂犬病予防接種の一回の料金は、以後500ルピーだった。

日本へ帰ってからも引き続き接種を受けねばならなかった。
だから感染症病棟がある病院を探した。接種はどこの病院でも受けられるわけではないためだ。いくつか見つかったが、料金をきくと、保険が使えない場合は一回につき1万円を超える。
最終的に見つけたのは、駒込にあるがん・感染症センター都立駒込病院。
ここはいつ行ってもワクチンが用意されており、保険もきいた。
インドでつくってもらったカルテを持って病院へ行き、4回目の接種。
料金は保険がきいて約5,000円。単純計算でもインドの5倍。

あと一回だ。……が、ドクターがこんなことを言った。
「あなたを咬んだ犬が、あなたを咬んでから10日以上無事に生きていれば、その犬は狂犬病ではないので、あなたは5回目の接種を受ける必要はありませんよ。……でも、その犬が今どうしてるかわからないですもんねぇ」
いや。わかる。
私はすぐにまだコバラムにいる友人に連絡をとった。
ありがたいことにコロちゃんは元気にしているという。
ということは私にはもう接種は必要ないということか。

以前同じコバラムで犬に咬まれた友人は、もっともそのときはジーンズの上から甘噛みされた程度だったのだが、彼女は結局5回の接種を受けた。が、そのときの犬は完全な野良だった。そして10日後、その犬が生きているかどうか確認はできなかった。それもあって彼女は根気よく接種を受けたのだが、私の場合は状況が違う。
コロちゃんは元々接種を受けており、今なお元気だというのだ。
じゃあまぁ大丈夫か。
今回はこれで止めておこう。
その旨を後日病院に電話して伝えた。

お次は海外旅行保険の請求だ。
全ての治療が終わった時点で請求ができる。私は自分が持っている某クレジットカード会社に電話し、書類を取り寄せた。
病院側のサインなど特別なものが必要になるかと思ったが、クレジットカード会社の請求申し込み用紙に必要事項を記入し、治療の領収書を添付するだけで済んだ。けっこう迅速に処理してくれたようで書類を送ってから10日後ぐらいには銀行口座にインドと日本でかかった治療費が全額支払われた。

あーーーよかった。。。


さて。
今回学んだことは、やっぱり絶対に犬に咬まれないようにすること、だ。
痛いし。かなり血も出たし。痛みがひくのも跡が消えるのにも時間がかかったし。
そしてムダな出費も。

もちろん、海外旅行保険に入っていて、正当な手続きをすれば治療費は戻ってくるが、旅行中は実費で払わねばならない。

インドで接種1回500ルピー、日本円にすれば1000円ぐらいで大して高くないと思いがちだが、実はこの値段、医者の言い値なのである。
ローカルの知人によれば、ワクチン一回500ルピーなんてあり得ないほど高いそうだ。言われてみれば確かにそうだ。500ルピーなんてインドの庶民には簡単に払える額ではない。

あの医者。マジメな顔してツーリストだと思ってボリやがって。

おカネも確かにかかるが、それ以上に恐いのはやはり狂犬病だ。
日本ではリアル感がない病気なので軽視しがちだが、毎年インド、アジア、アフリカでは数万人規模で人が死んでいるという。
動物好きが手を出したくなる気持ちはわかるが、インドではそこはぐっとガマンして犬をやり過ごした方がいい。
ヨーロピアンなんかはよく野良犬の頭をぐりぐり撫でたり、ごはんをあげたりしているが、彼らも無類の犬好きなのか危機感がないのか、バカなのか…。
現地に滞在していた某日本人男子も「オレ、3回も咬まれてるけど平気だよ〜〜」とお気楽にかまえていたが、狂犬病は咬まれて10年経ってから発症する場合もあるのだ。アイツ、死ななきゃいいけどね。

けどもし、万が一犬に咬まれた場合。

すぐに傷口を水と石鹸で洗う。石鹸はウィルスの侵入を防ぐそうだ。
それから早く病院へ行こう。インドの病院はほぼワクチンをストックしているから安心だ。
あとはドクターに言われた通り、接種を受け続けること。
その際の領収書はしっかりもらってね。

「でもねぇ、あなたはまたきっとインドに行くんでしょう。そしたらね、渡航する前に予防接種を受けて行った方がいいんですよ。狂犬病だけじゃなくA型肝炎やコレラとか、他にもいくつかね」
以上が駒込病院のドクターの言葉である。

それにしてもコロちゃんに咬まれてショックであった。
わんこだって虫の居所が悪いときもあるもんね。けど人間と違って外からはわかりづらいしさ〜〜。

にも増してさすがインドと思ったのは、
咬んだコロちゃんを誰も責めなかったこと。
これがニホンとか欧米だったら、ホテルの犬が客を咬んだなんてことになったら大変な騒ぎになる、まちがいなく。
犬は最悪の場合、処分。
治療費、通院費は当然ホテル持ち。
訴訟にもなりかねない。

そこらへん、インドって鷹揚。
咬まれた人間が不注意。。。ってコトで事が終わってしまう。
だから、もしインドで犬に咬まれても、
結局責任は自分でとることになる。
治療費出せ! なんてホテル側に迫ってもお互いが困ることになるだけなので、……やっぱり触らぬ犬にタタリなし。。。ってことでね。


痛々し〜〜でしょ、この傷。

咬まれた手。ズキズキ。。。

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