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- プロヴァンス・アルプ・コートダジュールを走る
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:観光地 街中・建物・景色 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2014/11/04 20:21
- コメント(0)
フランスは地方がそれぞれ個性豊かであることが特徴です。特に、南フランスは地方のなかでも別格。
南仏といえば、ニースやカンヌ、モンテカルロといった有名・高級避暑地がすぐに頭に浮かぶかもしれません。でも、これらはコートダジュール、またの名をリビエラ海岸地域ともいわれ、地中海に面してイタリアとの国境沿い付近に広がる一部の地域をさします。

南フランスの魅力は高級リゾートに限ったものではありません。歴史観光はもちろんのこと、香水からグルメ、ワイン、ライフスタイル、芸術に至るまで様々な領域で世界中の多くの人々を魅了してきました。
コートダジュールからスペインに向かって進むと地中海沿いに進むと、香水の街、グラースに辿りつきます。フランスをはじめ世界の有名なメゾンの殆どは、このグラースで香水を調達するといいます。何万もの異なる香を嗅ぎ分けることができる調香師が調合する秘伝の香り・・・。香水を創ることができるのは有名メゾンに限ったことではありません、香水造りに関する一日コースに参加し、自分オリジナルの香水をプロデュースすることもできます。
内陸部に向かうと、アビニオンやアルルに代表されるオートプロヴァンスがあります。教皇庁やローマ時代の水道橋などの世界遺産を堪能し、中世の歴史に想いを馳せるには格好のロケーション。アルルは、ゴッホとゴーギャンが暮らした場所としても知られており、かの有名な「ひまわり」「アルルのゴッホの寝室」などが描かれました。
あまり知られていませんが、ゴッホやゴーギャンに限らず多くの印象派の画家が南仏の太陽に惹かれ、当地で人生の一時を過ごしたということ。サンポール・ド・ヴァンスに礼拝堂を建てたマチス、エクス・アン・プロヴァンスで生涯を閉じたセザンヌ、他にもシャガールやピカソなども一時を過ごし、南仏の太陽の下に煌めく自然や人、街並みを描いたといわれます。

画家に限らず、私達一般人も感動のため息を漏らすのが、辺り一面に広がるラベンダーやひまわり畑。南仏の太陽と大自然に育まれた食材を活かすプロヴァンス料理も多く生み出され、ピーター・メールの『南仏プロヴァンスの12ヵ月』で南仏のライフスタイルが紹介され、日本でも有名になりました。
フランス全土の街や村で定期的に立つマルシェの散策はフランスで暮らす愉しみの1つとしてあります。澄み渡る青空の下を散歩して、旬の食材や地元の手作りグルメで溢れかえるマルシェで買い物をする贅沢。地元の人達とおしゃべりしながら、ついでによそのお宅のレシピまで教えてもらったり。夏場であれば、熟れた真っ赤なプラムを紙袋一杯に買い込み、がぶりと噛みついた瞬間に広がるジューシーな甘さ・・・。フランス人が「人生の愉しみ方」を知っていると言われる所以が理解できる瞬間です。
あまり知られていませんが、ローヌ川沿いはプロヴァンス・ワインの生産地で、中にはボルドーやブルゴーニュに匹敵する質を誇るものもあります。南仏の暑さを吹き飛ばすのど越し爽やかなロゼが人気で、オリーブオイルやトマトを基調にし、魚料理ともよくマッチする辛口なものから、太陽を燦々と浴びた果物を彷彿させるフルーティなものまで様々です。
オートプロヴァンスから南下すると、パリと並ぶフランス最古の大学が立ち並ぶ学問の都市、エクス・アン・プロヴァンスに辿りつきます。夏には盛大な音楽祭なども開催され、南フランスの文化の発祥地といっても過言ではありません。街の中心地には、パリ大学に次ぐフランス最古の大学であるエクス・アン・プロヴァンス大学があります。印象派の画家のひとりであるセザンヌが描いた「サン・ヴィクトワール」も遠くに拝むことができ、なかなか落ちない夏の夕日に輝く姿はプロヴァンスの名物となっています。

更に南下すると、パリのリヨン駅を発ったTGVの終着駅となるマルセイユに到着します。ギリシャの植民地としての起源をもつマルセイユはフランス最古の都市、最大の貿易港として栄え、また、地中海世界の首都としての存在感を今に残す都市です。ブイヤベースやパスティスなどの地元の伝統料理に加え、クスクスなどのアラブ料理を出すお店も立ち並ぶなど、アラブ文化の影響が各所で色濃く感じられます。マルセイユは今や、アメリカの大都市に負けない「サラダボール」なのです。
多民族化が進む一方で、地中海が誇る伝統文化が脈々と受け継がれるのがこの都市の特長でもあります。サヴォン・ド・マルセイユなど、数世紀に亘る長い歴史を超えて原料から作り方から全て現在に受け継がれ、市内の5か所の工房でのみ生産されたものしか正式のサヴォンとして認められないとされているようなものから、今やフランス全土で愛されクリスマスには欠かせない「サントン・ド・マルセイユ」まで様々。サントン人形は、キリスト降誕を祝うクレシュの様子を再現したり、プロヴァンスの農民の生活を表現するものまで、プロヴァンスの伝統を今に伝える貴重な民芸品です。
最後になりましたが、プロヴァンスを語るのに忘れてはならないもの。それは、世紀の画家たちが魅せられ、追い求めた南仏の光です。プロヴァンスに来られた際には、朝起きたら必ず空を見上げて下さい。見渡す限り真っ青な空がどこまでも広がり、吸い込まれていきそうな錯覚を覚えます。どこまでも青い空には、白いカモメが輪を描いてゆったり飛んでおり、そこにほんのり地中海の潮風が吹いてくる。
夏場は午後10時を過ぎてようやく日が傾き、オレンジの暖かい間接照明がポツリ、またポツリと灯るようになる日暮まで、人々は家族や親しい友人達と一緒に食前酒や夕食を楽しみ、語らいます。レストランなどに限らず、各家庭のバルコニーでも人々が集まり、テーブルを出して楽しい団らんをひと時を過ごしているプロヴァンスの原風景。
自然と文明が穏やかに調和しているプロヴァンスに、是非とも一度TGVで旅してみて下さい。
南仏といえば、ニースやカンヌ、モンテカルロといった有名・高級避暑地がすぐに頭に浮かぶかもしれません。でも、これらはコートダジュール、またの名をリビエラ海岸地域ともいわれ、地中海に面してイタリアとの国境沿い付近に広がる一部の地域をさします。

南フランスの魅力は高級リゾートに限ったものではありません。歴史観光はもちろんのこと、香水からグルメ、ワイン、ライフスタイル、芸術に至るまで様々な領域で世界中の多くの人々を魅了してきました。
コートダジュールからスペインに向かって進むと地中海沿いに進むと、香水の街、グラースに辿りつきます。フランスをはじめ世界の有名なメゾンの殆どは、このグラースで香水を調達するといいます。何万もの異なる香を嗅ぎ分けることができる調香師が調合する秘伝の香り・・・。香水を創ることができるのは有名メゾンに限ったことではありません、香水造りに関する一日コースに参加し、自分オリジナルの香水をプロデュースすることもできます。
内陸部に向かうと、アビニオンやアルルに代表されるオートプロヴァンスがあります。教皇庁やローマ時代の水道橋などの世界遺産を堪能し、中世の歴史に想いを馳せるには格好のロケーション。アルルは、ゴッホとゴーギャンが暮らした場所としても知られており、かの有名な「ひまわり」「アルルのゴッホの寝室」などが描かれました。
あまり知られていませんが、ゴッホやゴーギャンに限らず多くの印象派の画家が南仏の太陽に惹かれ、当地で人生の一時を過ごしたということ。サンポール・ド・ヴァンスに礼拝堂を建てたマチス、エクス・アン・プロヴァンスで生涯を閉じたセザンヌ、他にもシャガールやピカソなども一時を過ごし、南仏の太陽の下に煌めく自然や人、街並みを描いたといわれます。

画家に限らず、私達一般人も感動のため息を漏らすのが、辺り一面に広がるラベンダーやひまわり畑。南仏の太陽と大自然に育まれた食材を活かすプロヴァンス料理も多く生み出され、ピーター・メールの『南仏プロヴァンスの12ヵ月』で南仏のライフスタイルが紹介され、日本でも有名になりました。
フランス全土の街や村で定期的に立つマルシェの散策はフランスで暮らす愉しみの1つとしてあります。澄み渡る青空の下を散歩して、旬の食材や地元の手作りグルメで溢れかえるマルシェで買い物をする贅沢。地元の人達とおしゃべりしながら、ついでによそのお宅のレシピまで教えてもらったり。夏場であれば、熟れた真っ赤なプラムを紙袋一杯に買い込み、がぶりと噛みついた瞬間に広がるジューシーな甘さ・・・。フランス人が「人生の愉しみ方」を知っていると言われる所以が理解できる瞬間です。
あまり知られていませんが、ローヌ川沿いはプロヴァンス・ワインの生産地で、中にはボルドーやブルゴーニュに匹敵する質を誇るものもあります。南仏の暑さを吹き飛ばすのど越し爽やかなロゼが人気で、オリーブオイルやトマトを基調にし、魚料理ともよくマッチする辛口なものから、太陽を燦々と浴びた果物を彷彿させるフルーティなものまで様々です。
オートプロヴァンスから南下すると、パリと並ぶフランス最古の大学が立ち並ぶ学問の都市、エクス・アン・プロヴァンスに辿りつきます。夏には盛大な音楽祭なども開催され、南フランスの文化の発祥地といっても過言ではありません。街の中心地には、パリ大学に次ぐフランス最古の大学であるエクス・アン・プロヴァンス大学があります。印象派の画家のひとりであるセザンヌが描いた「サン・ヴィクトワール」も遠くに拝むことができ、なかなか落ちない夏の夕日に輝く姿はプロヴァンスの名物となっています。

更に南下すると、パリのリヨン駅を発ったTGVの終着駅となるマルセイユに到着します。ギリシャの植民地としての起源をもつマルセイユはフランス最古の都市、最大の貿易港として栄え、また、地中海世界の首都としての存在感を今に残す都市です。ブイヤベースやパスティスなどの地元の伝統料理に加え、クスクスなどのアラブ料理を出すお店も立ち並ぶなど、アラブ文化の影響が各所で色濃く感じられます。マルセイユは今や、アメリカの大都市に負けない「サラダボール」なのです。
多民族化が進む一方で、地中海が誇る伝統文化が脈々と受け継がれるのがこの都市の特長でもあります。サヴォン・ド・マルセイユなど、数世紀に亘る長い歴史を超えて原料から作り方から全て現在に受け継がれ、市内の5か所の工房でのみ生産されたものしか正式のサヴォンとして認められないとされているようなものから、今やフランス全土で愛されクリスマスには欠かせない「サントン・ド・マルセイユ」まで様々。サントン人形は、キリスト降誕を祝うクレシュの様子を再現したり、プロヴァンスの農民の生活を表現するものまで、プロヴァンスの伝統を今に伝える貴重な民芸品です。
最後になりましたが、プロヴァンスを語るのに忘れてはならないもの。それは、世紀の画家たちが魅せられ、追い求めた南仏の光です。プロヴァンスに来られた際には、朝起きたら必ず空を見上げて下さい。見渡す限り真っ青な空がどこまでも広がり、吸い込まれていきそうな錯覚を覚えます。どこまでも青い空には、白いカモメが輪を描いてゆったり飛んでおり、そこにほんのり地中海の潮風が吹いてくる。
夏場は午後10時を過ぎてようやく日が傾き、オレンジの暖かい間接照明がポツリ、またポツリと灯るようになる日暮まで、人々は家族や親しい友人達と一緒に食前酒や夕食を楽しみ、語らいます。レストランなどに限らず、各家庭のバルコニーでも人々が集まり、テーブルを出して楽しい団らんをひと時を過ごしているプロヴァンスの原風景。
自然と文明が穏やかに調和しているプロヴァンスに、是非とも一度TGVで旅してみて下さい。
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- 南フランス プロヴァンス 地中海 コートダジュール 南仏

- サヴォン・ド・マルセイユ(Savon de Marseille)を救え!
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:買物・土産 観光地 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2012/12/22 20:21
- コメント(0)
昨日のフリーペーパーに、サヴォン・ド・マルセイユを守るために、マルセイユのアルティザンが署名活動を開始した旨を報じた記事が掲載されていました。

サヴォン・ド・マルセイユという石鹸は、誰でも一度は聞いたことがあるかと思います。Made in France というよりも、Made in Marseilleの石鹸で、プロヴァンスで取れたオリーブオイルや他原料を使用し、地中海の海水を用いて醸造し、最後は地中海の潮風で自然乾燥て作られることが義務付けられており、政府の厳しい管轄の下に置かれています。
私も個人的に驚いたのですが、作り方は各メゾンによって少々異なるものの、原料に用いるものは全てプロヴァンス産であることが厳しく求められているとのことです。対岸から来るマグレブ産などの安いもので間に合わせたものは、たとえ作り方が正しくとも、最早サヴォン・ド・マルセイユとは見なされないといいます。

実際に見ていただくと分かるのですが、オリーブ成分のパーセンテージ(72%)までしっかりと彫刻されているのが分かります。色はベージュと緑色のものが元祖ですが、昨今では、観光客向けに各種色素をつけた彩り豊かなヴァージョンも出回っています。
もっとも、この着色に関して地元の工房の間で意見が分かれています。人工的に着色したものも正式のサヴォン・ド・マルセイユとして見なすのかどうか・・・・。

いずれせによ、元祖のものについては、香料や着色料も含まず無添加で肌に優しく、アトピーやニキビに悩む方にも安心して利用してもらえるようで、しかも使用後も自然に優しいのが特徴です。
サヴォン・ド・マルセイユの歴史は古く、14世紀に遡り、ルイ14世の治世において作り方が統一され、17世紀後半において、時の財務大臣であるコルベールにより、マルセイユ地域で活躍する90ほどの工房で作られたもののみをサヴォン・ド・マルセイユと呼ぶと定められました。
Le premier savonnier dans la région est recensé en 1370. La formule de ce savon a été réglementée au XVIIe siècle sous Louis XVI.. En 1688, Colbert a passé un édit limitant l'utilisation du nom « savon de Marseille » uniquement aux savons fabriqués à l'huile d'olive dans la région de Marseille,qui compte, au XIXe siècle, 90 savonneries.
(フランス語ウエキペディアより)
しかしながら、昨今では、中国やトルコやチュニジアなどから偽物の安いバージョンが出回っており、これが本物の「サヴォン・ド・マルセイユ」の真価を下げ、ついでに価格破壊も行っています。
これに講義する署名活動が、ここに掲載する新聞記事の主題です。

良い物を安く手に入れたいというのが誰もの願い・・・でも、本物は高価であるというのが当たり前。歴史の風化にも耐えて今日まで受け継がれてきたものには、それなりの価値とレガシーがあり、それに対価を払うのは、ある種、使う者の義務とも言えるでしょう。
私は個人的に物欲がないので、基本的にメードインチャイナもメードインフランスも気にせず使っていますが・・・でも、拘りを持つものには、真価を求めます。そこで判断材料になるのは、長きに渡る歴史の風化に耐えてきたかどうか・・・。
歴史の検証を経て今現在も本物として通用するものについては、我々現代人も敬意を払い、後世に受け継いでいくべく努力する義務があります。
何ができるかって、出来る限り、本物以外を買わないようにし、買ったら大切に使うということに尽きるでしょう!

サヴォン・ド・マルセイユという石鹸は、誰でも一度は聞いたことがあるかと思います。Made in France というよりも、Made in Marseilleの石鹸で、プロヴァンスで取れたオリーブオイルや他原料を使用し、地中海の海水を用いて醸造し、最後は地中海の潮風で自然乾燥て作られることが義務付けられており、政府の厳しい管轄の下に置かれています。
私も個人的に驚いたのですが、作り方は各メゾンによって少々異なるものの、原料に用いるものは全てプロヴァンス産であることが厳しく求められているとのことです。対岸から来るマグレブ産などの安いもので間に合わせたものは、たとえ作り方が正しくとも、最早サヴォン・ド・マルセイユとは見なされないといいます。

実際に見ていただくと分かるのですが、オリーブ成分のパーセンテージ(72%)までしっかりと彫刻されているのが分かります。色はベージュと緑色のものが元祖ですが、昨今では、観光客向けに各種色素をつけた彩り豊かなヴァージョンも出回っています。
もっとも、この着色に関して地元の工房の間で意見が分かれています。人工的に着色したものも正式のサヴォン・ド・マルセイユとして見なすのかどうか・・・・。

いずれせによ、元祖のものについては、香料や着色料も含まず無添加で肌に優しく、アトピーやニキビに悩む方にも安心して利用してもらえるようで、しかも使用後も自然に優しいのが特徴です。
サヴォン・ド・マルセイユの歴史は古く、14世紀に遡り、ルイ14世の治世において作り方が統一され、17世紀後半において、時の財務大臣であるコルベールにより、マルセイユ地域で活躍する90ほどの工房で作られたもののみをサヴォン・ド・マルセイユと呼ぶと定められました。
Le premier savonnier dans la région est recensé en 1370. La formule de ce savon a été réglementée au XVIIe siècle sous Louis XVI.. En 1688, Colbert a passé un édit limitant l'utilisation du nom « savon de Marseille » uniquement aux savons fabriqués à l'huile d'olive dans la région de Marseille,qui compte, au XIXe siècle, 90 savonneries.
(フランス語ウエキペディアより)
しかしながら、昨今では、中国やトルコやチュニジアなどから偽物の安いバージョンが出回っており、これが本物の「サヴォン・ド・マルセイユ」の真価を下げ、ついでに価格破壊も行っています。
これに講義する署名活動が、ここに掲載する新聞記事の主題です。

良い物を安く手に入れたいというのが誰もの願い・・・でも、本物は高価であるというのが当たり前。歴史の風化にも耐えて今日まで受け継がれてきたものには、それなりの価値とレガシーがあり、それに対価を払うのは、ある種、使う者の義務とも言えるでしょう。
私は個人的に物欲がないので、基本的にメードインチャイナもメードインフランスも気にせず使っていますが・・・でも、拘りを持つものには、真価を求めます。そこで判断材料になるのは、長きに渡る歴史の風化に耐えてきたかどうか・・・。
歴史の検証を経て今現在も本物として通用するものについては、我々現代人も敬意を払い、後世に受け継いでいくべく努力する義務があります。
何ができるかって、出来る限り、本物以外を買わないようにし、買ったら大切に使うということに尽きるでしょう!
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- サヴォン・ド・マルセイユ プロヴァンスお土産 フランス観光 アルティザン 伝統工芸

- クレシュ・ド・ノエル(サントン・ド・マルセイユ
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:買物・土産 観光地 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2012/12/21 19:31
- コメント(0)
クレシュ・ド・ノエルは、イエス・キリストが誕生したシーンを模型にしたもので、クリスマスの由来をヴィジュアルに再現するまたとないオブジェです。サパン・ド・ノエル(クリスマス・ツリー)など煌びやかなクリスマス・デコレーションの影に隠れて存在感が薄い感じがありますが、実際には、キリスト誕生を祝うクリスマスに欠かせません。

フランス革命の頃からプロヴァンス地方で習慣として定着し、その後、フランス全土に広がっていったようです。そのためか、クレシュ・ド・ノエルを彩るサントン人形は、サントン・ド・マルセイユと呼ばれ、プロヴァンス地域の伝統的な農民の生活を描いています。

クリスマスの時期ともなると、マルセイユの旧港に近い広場には、所狭しとクリスマス・マルシェが立ち並び、行きかう人々の目を楽しませます。その中で最も目を弾くのが、サントン人形を売るマルシェ。パリと比較しても、マルセイユではサントン人形を売るマルシェが多いことに気がつきます。
お店によって、サイズもコレクションも様々です。そして、買う人も、どれが自分のコレクションにとってベストか一生懸命、吟味しています。

プロヴァンス地方では、このクレシュ・ド・ノエルをサパン・ド・ノエルと同様に、クリスマスには欠かせないオーナメントと見なしている家庭が多いのが特徴です。もっとも、昨今では、他の多くの伝統と同様に廃れつつあることは否めませんが、それでも、他の地域と比較して、まだ根強く残っているようです。
家庭に限らず、教会では大々的にコレクションしているところもあり、クリスマス・シーズンになると一般公開してくれます。クリスマスにフランスを訪れた方には必見の催しだといえます。

クリスマス・マーケットや教会を訪れ、エスプリ・ド・ノエルを満喫してみてください!

フランス革命の頃からプロヴァンス地方で習慣として定着し、その後、フランス全土に広がっていったようです。そのためか、クレシュ・ド・ノエルを彩るサントン人形は、サントン・ド・マルセイユと呼ばれ、プロヴァンス地域の伝統的な農民の生活を描いています。

クリスマスの時期ともなると、マルセイユの旧港に近い広場には、所狭しとクリスマス・マルシェが立ち並び、行きかう人々の目を楽しませます。その中で最も目を弾くのが、サントン人形を売るマルシェ。パリと比較しても、マルセイユではサントン人形を売るマルシェが多いことに気がつきます。
お店によって、サイズもコレクションも様々です。そして、買う人も、どれが自分のコレクションにとってベストか一生懸命、吟味しています。

プロヴァンス地方では、このクレシュ・ド・ノエルをサパン・ド・ノエルと同様に、クリスマスには欠かせないオーナメントと見なしている家庭が多いのが特徴です。もっとも、昨今では、他の多くの伝統と同様に廃れつつあることは否めませんが、それでも、他の地域と比較して、まだ根強く残っているようです。
家庭に限らず、教会では大々的にコレクションしているところもあり、クリスマス・シーズンになると一般公開してくれます。クリスマスにフランスを訪れた方には必見の催しだといえます。

クリスマス・マーケットや教会を訪れ、エスプリ・ド・ノエルを満喫してみてください!
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- プロヴァンス クリスマス フランス観光 サントン人形 南フランス

- フランスのトイレでは・・・
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:街中・建物・景色 留学・長期滞在 散歩・自転車
- 投稿日:2012/09/18 19:21
- コメント(0)
トイレの設備が整い、とても清潔であることは何にも代え難い貴重な財産です!
長らく日本に住んでいて感謝の気持ちを忘れていました・・・が、フランスを含む外国と比較すると、日本のトイレのハイテクぶり、清潔さ、美しさには目を見張るものがあります。
もう、日本のトイレに住んでもいいぐらいです!!!
フランスのトイレの恐ろしく汚いこと・・・・。子供に優しいフランスと世界には宣伝されていますが、子供どころか大人にも優しくないのがフランスの設備です。
まず気がつくのは、トイレットペーパーがないところがほとんどであるということです。日本で当たり前に見かけるトイレットペーパーが山積みになっているトイレなど、まずフランスではお目にかかりません・・・。
でも、山積みにしてたら全て盗まれてしまい、逆にペーパーレスが常態化してしまうでしょうから、最初から何も置かないという選択がベストなのかもしれません。
日本では使用する前に便器を拭かなければ・・・などと思うことは稀ですが、こちらでは、拭かないで使用することは絶対に考えられません・・・。
そのため、掃除道具を常に携帯しておく必要があります。ペーパーレス対策としてティッシュを常備しておくことはもちろんのこと、最近では、除菌効果がある水溶性のウエット・ティッシュも欠かせないお出かけの友となりました。
手順としては、便器に顔を近づけ、じっと目を凝らして怪しいしみや危険な水滴がないかを確認します。そして、何もなければホッと一息ついて、ふき取り作業に取り掛かります。
どうせふくのなら、いちいち確認する必要なんてないんじゃないの?と思われるでしょうが、それは公共トイレが常にピカピカであるのが当たり前になっている日本人が考えることであり、何でもありきのフランスでは、行為を始めるまえに、まずは立ち止まって良く観察することが肝心です。はずみに何かに触れて、しまった!!と思ってからでは遅いのです。
そのため、フランスのトイレでは、石橋は壊れるまで叩いても叩きすぎるということはありません。便器は拭いて拭いて、ついに壊れたとしても別段問題はありません。むしろ、拭いて壊れるような便器に座らなかった幸運を喜ぶべきだからです。。。
そして、極めつけは、体力の限界に挑戦して便器を拭いたにも関わらず、最終的に「やっぱり便器に肌を触れることは控えよう・・」という結論に達することです。
そうなると、便器からお尻を浮かせ、脚が痙攣するのを我慢しながら用を足すことになります。そして、トイレを出る頃には、脚が筋肉痛か神経痛で作動不可となることも多々あります。
オムツ交換のための台など想像を絶する贅沢で、いまだかつて見たことがありません。。。公共のトイレはともかく、病院でも設置されているところは稀です。
一度、病院で娘がウンチをしてしまい、その時は運良く夫が一緒だったので、二人で協力して便座カバーを掃除し、 娘をそこに寝かせ、ひとりが彼女をささえ、もうひとりがオムツを変えるという離れ業を成し遂げました。
あの時ぐらい夫婦が一丸となって協力し、一つのことを成し遂げたことはいまだかつてなかったように思います・・・。
ちなみに、チップが要求されるトイレでは、それなりのレベルが期待できます。もっとも、日本のレベルには遠く及びませんが・・・。

利用するたびに、ああ、150円(1.5ユーロ)も払う価値がったのか・・?と、ウジウジ何度も自問自答することになり、無意味な疲労感と気疲れに苛まれることになります。
とにかく、頭も体もフルに活用し、瞬時の判断と瀬戸際の決断力が要求されるのがフランスのトイレだといえるでしょう。
人間としていわゆる「well round」になる訓練がしたい方には取っておきの場所、それがフランスのトイレだといえます。
長らく日本に住んでいて感謝の気持ちを忘れていました・・・が、フランスを含む外国と比較すると、日本のトイレのハイテクぶり、清潔さ、美しさには目を見張るものがあります。
もう、日本のトイレに住んでもいいぐらいです!!!
フランスのトイレの恐ろしく汚いこと・・・・。子供に優しいフランスと世界には宣伝されていますが、子供どころか大人にも優しくないのがフランスの設備です。
まず気がつくのは、トイレットペーパーがないところがほとんどであるということです。日本で当たり前に見かけるトイレットペーパーが山積みになっているトイレなど、まずフランスではお目にかかりません・・・。
でも、山積みにしてたら全て盗まれてしまい、逆にペーパーレスが常態化してしまうでしょうから、最初から何も置かないという選択がベストなのかもしれません。
日本では使用する前に便器を拭かなければ・・・などと思うことは稀ですが、こちらでは、拭かないで使用することは絶対に考えられません・・・。
そのため、掃除道具を常に携帯しておく必要があります。ペーパーレス対策としてティッシュを常備しておくことはもちろんのこと、最近では、除菌効果がある水溶性のウエット・ティッシュも欠かせないお出かけの友となりました。
手順としては、便器に顔を近づけ、じっと目を凝らして怪しいしみや危険な水滴がないかを確認します。そして、何もなければホッと一息ついて、ふき取り作業に取り掛かります。
どうせふくのなら、いちいち確認する必要なんてないんじゃないの?と思われるでしょうが、それは公共トイレが常にピカピカであるのが当たり前になっている日本人が考えることであり、何でもありきのフランスでは、行為を始めるまえに、まずは立ち止まって良く観察することが肝心です。はずみに何かに触れて、しまった!!と思ってからでは遅いのです。
そのため、フランスのトイレでは、石橋は壊れるまで叩いても叩きすぎるということはありません。便器は拭いて拭いて、ついに壊れたとしても別段問題はありません。むしろ、拭いて壊れるような便器に座らなかった幸運を喜ぶべきだからです。。。
そして、極めつけは、体力の限界に挑戦して便器を拭いたにも関わらず、最終的に「やっぱり便器に肌を触れることは控えよう・・」という結論に達することです。
そうなると、便器からお尻を浮かせ、脚が痙攣するのを我慢しながら用を足すことになります。そして、トイレを出る頃には、脚が筋肉痛か神経痛で作動不可となることも多々あります。
オムツ交換のための台など想像を絶する贅沢で、いまだかつて見たことがありません。。。公共のトイレはともかく、病院でも設置されているところは稀です。
一度、病院で娘がウンチをしてしまい、その時は運良く夫が一緒だったので、二人で協力して便座カバーを掃除し、 娘をそこに寝かせ、ひとりが彼女をささえ、もうひとりがオムツを変えるという離れ業を成し遂げました。
あの時ぐらい夫婦が一丸となって協力し、一つのことを成し遂げたことはいまだかつてなかったように思います・・・。
ちなみに、チップが要求されるトイレでは、それなりのレベルが期待できます。もっとも、日本のレベルには遠く及びませんが・・・。

利用するたびに、ああ、150円(1.5ユーロ)も払う価値がったのか・・?と、ウジウジ何度も自問自答することになり、無意味な疲労感と気疲れに苛まれることになります。
とにかく、頭も体もフルに活用し、瞬時の判断と瀬戸際の決断力が要求されるのがフランスのトイレだといえるでしょう。
人間としていわゆる「well round」になる訓練がしたい方には取っておきの場所、それがフランスのトイレだといえます。
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- 南仏 プロヴァンス フランス観光 マルセイユ パリ

- フランスで必要ないおしゃれ・・・
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エリア:
- ヨーロッパ>フランス>マルセイユ
- テーマ:街中・建物・景色 留学・長期滞在 旅行準備
- 投稿日:2012/09/18 19:08
- コメント(0)
昨日テレビドキュメンタリーで、マルセイユの繁華街をはじめ、市内の各地でゴールドのアクセサリーがひったくられ、持ち主が大怪我を追う事件が相次いでいることが報道されていました。
15-8歳ぐらいの少年3人がグルになって襲うというのが相場らしく、ナオイユ地区などダウンタウンの中心部をうろついて、獲物に狙いをつけて尾行し、人通りが少なくなった場所に来たら、タック!と襲いかかって奪い取るとのことです。
被害を受けた14歳の少女、70歳にもなろうかというおじいさん、女性など、いわゆる社会の弱者といわれる人々に狙っているようです。
70歳ぐらいのおじいさんは、顔面をひどく殴られ血まみれで、手の骨なども折れたとか・・・。
でも、血まみれになって終わるのはまだマシなほうで、ひどいのになると、骨折、指を切り取られる、果ては殺されたりするケースも多々あるとのこと。
因みに、そこまでして獲得したお宝はといえば、1万円も払えば購入できる薄っぺらな金のブレスレット、5000円ぐらいのゴールド・イヤリング・・・・・などです・・。
我々日本人の感覚からすれば、人を傷つけ、窃盗行為を働き、果ては殺人を犯してまで入手すべきものか??・・・と理解に苦しむところですが、多発しているところをみると、価値あるものとみなされているようです。
マルセイユの繁華街には、いたるところに「金買取」の店があります。貴金属ではなくて、「Or」と限定しているところからも、金に限定して買取をしているようです。
盗品は直ちに金買取ショップに持っていかれ、換金されます。昨今の金相場の高騰を繁栄して良い値で取引されているようではありますが、薄っぺらなゴールド・アクセサリーを売って、どれだけの現金を期待できるのだろう・・・と思ってしまいます。
このようなひったくり犯罪の裏には、マルセイユに限らず、フランス全土に広がる貧困があることは確かです。

地下鉄などに乗ると、日本では見かけない、明らかに貧しい身なりの人々が多数乗車しているのに気がつきます。乞食とまではいかずとも、極度の貧困状態にあることは明らかです。
夏場になると、道端でも、犬と一緒に座り込んで物乞いするヒッピーもどきの若者やホームレスを至るところでみかけます。
また、これもテレビ報道で知ったことですが、閉店間近になるとスーパーの前に人々が待ち構え、賞味期限の品物が店先のゴミ箱に捨てられるのを群れを成して待ち構えていいます。捨てられるがいなや、目当ての商品を獲得しようと先を争ってゴミ箱にたかります。
もっとも、集団にならずとも、ゴミ箱を漁っている人は各地で見かけるので、もはや珍しい光景ではなく、フランスの一般的な原風景になりつつありますが・・・・。
ゴミ箱に限らずとも、貧困層向けに無料で配布されている品物を売り買いするマーケットが存在するのも、今では市民の知るところです。
なんでも、無料で配布される品物が大量であることから使いきれず、残ったものを一般市民に安価で売りつけ、小銭を稼いでいるようです。無駄なものがハンドアウトされ、しかもそれが売り買いされているだなんて、日々まじめに働き税金を納めている人間としては腹立たしい限りです・・・。
因みに、テレビ関連に勤めている友人から聞いたところによると、この件が報道されて以来、マーケットの規模が拡大したらしいです。より多くの一般市民の知るところとなり、そこに買い付けに行く人が増え、商売繁盛だとのことでした・・・。
そして、貧困地域では麻薬が蔓延していることから、問題が更に複雑化しています。
麻薬の蔓延は、貧困の常態化を約束するもので、同時に犯罪の頻発を促します。麻薬中毒になれば教育を受けることはおろか、定職に就くこともままならず、その上、麻薬を求めて犯罪に走るからです。
しかし、ひとえには、麻薬の摘発をあえてしないことが政府の方針としてあるとも言われています。
貧困地域の失業率は把握されているだけでも60%を超えているらしく、そうなると、実質的にほぼ全ての住人が無職ということになります。彼らの状況が改善する見込みはまずなく、そうであれば、麻薬で「眠った状態」にしておくのがベストだと判断されているとのことです。下手に「目覚めて」問題に気付き、大規模な暴動を起こされるよりましだということです。
しかしながら、そうもいえない状況が出てきました。
先日、マルセイユの危険地区とみなされている14区に軍隊が投入され、犯罪撲滅と治安維持に乗り出す旨が発表されました。警察の力では多発する犯罪と蔓延る無秩序についてどうすることもできず、ついに軍隊が投入されることになったのです!
マルセイユの14区は、いわばパリのバンリュー(郊外)のようなもので、住民の間では「危険・立ち入り禁止」地区として認識されています。
ルーマニアなどの東欧地域がEUに加盟した頃から小銃が容易に入手可能となり、今では、ほぼ毎日のようにカラシニコフによる殺人事件が起きています。国境の廃止により、人のみならず武器の移動も容易になりました。
そのため、以前は、銃撃事件といえばマフィア間の銃撃戦であったのが、マフィアが去って以来(なぜ去ったのかは、ちょっと分かりません・・・)、一般住民同士の小競り合いで頻繁に登場するようになりました。望めば二束三文で入手できるらしく、マルセイユでは、予想を遥かに上回る数の小銃が一般の人々の手に渡っています。
メディアに大々的に取り上げられた事件としては、マルセイユの旧港地区にある有名なレストランのオーナーが小競り合いに巻き込まれたとかで、カラシニコフの流れ弾に当って亡くなったことが挙げられます。良く知っているレストランだけに、私もショックを受けました。
マルセイユに長く暮らす人々は、このような状況を目にして、とても残念がっています。14区もひと昔前までは、安全な住みやすい地域だったのに、80年代頃から移民が激増し、貧困が状態化して、今では地上の地獄と化した・・・と嘆いています。
とまあ、貧困から始まって、これが元で麻薬が蔓延り、犯罪が多発し、ついには小銃まで氾濫し始めたことから、ついに軍隊が投入されることになったわけです。マルセイユが犯罪都市として世界に名を馳せるようになる前に手を打とうということでしょうか。
来年2013年には、欧州の文化都市となるマルセイユですが、それまでになんとか街を一掃して、その役割に相応しい都市へと変貌を遂げてもらいたいものです。
冒頭で述べたゴールドのひったくりですが、マルセイユをはじめフランスに来れれる日本人の方々は、十分に気をつけてください。できれば、貴金属類は全て取り外して来られるのがベストだと思います。
おしゃれをしてパリをはじめフランスを楽しみたい方は、車を貸しきるかタクシーを利用してください。おしゃれな身なりでフランスを訪れ、この国が提供するルクスを堪能する観光客の間ではマストです。
ファッションの国フランスでは、なぜかおしゃれは必要どころか命取りになる可能性があるからです・・・あまりにも皮肉なことに・・・・。
15-8歳ぐらいの少年3人がグルになって襲うというのが相場らしく、ナオイユ地区などダウンタウンの中心部をうろついて、獲物に狙いをつけて尾行し、人通りが少なくなった場所に来たら、タック!と襲いかかって奪い取るとのことです。
被害を受けた14歳の少女、70歳にもなろうかというおじいさん、女性など、いわゆる社会の弱者といわれる人々に狙っているようです。
70歳ぐらいのおじいさんは、顔面をひどく殴られ血まみれで、手の骨なども折れたとか・・・。
でも、血まみれになって終わるのはまだマシなほうで、ひどいのになると、骨折、指を切り取られる、果ては殺されたりするケースも多々あるとのこと。
因みに、そこまでして獲得したお宝はといえば、1万円も払えば購入できる薄っぺらな金のブレスレット、5000円ぐらいのゴールド・イヤリング・・・・・などです・・。
我々日本人の感覚からすれば、人を傷つけ、窃盗行為を働き、果ては殺人を犯してまで入手すべきものか??・・・と理解に苦しむところですが、多発しているところをみると、価値あるものとみなされているようです。
マルセイユの繁華街には、いたるところに「金買取」の店があります。貴金属ではなくて、「Or」と限定しているところからも、金に限定して買取をしているようです。
盗品は直ちに金買取ショップに持っていかれ、換金されます。昨今の金相場の高騰を繁栄して良い値で取引されているようではありますが、薄っぺらなゴールド・アクセサリーを売って、どれだけの現金を期待できるのだろう・・・と思ってしまいます。
このようなひったくり犯罪の裏には、マルセイユに限らず、フランス全土に広がる貧困があることは確かです。

地下鉄などに乗ると、日本では見かけない、明らかに貧しい身なりの人々が多数乗車しているのに気がつきます。乞食とまではいかずとも、極度の貧困状態にあることは明らかです。
夏場になると、道端でも、犬と一緒に座り込んで物乞いするヒッピーもどきの若者やホームレスを至るところでみかけます。
また、これもテレビ報道で知ったことですが、閉店間近になるとスーパーの前に人々が待ち構え、賞味期限の品物が店先のゴミ箱に捨てられるのを群れを成して待ち構えていいます。捨てられるがいなや、目当ての商品を獲得しようと先を争ってゴミ箱にたかります。
もっとも、集団にならずとも、ゴミ箱を漁っている人は各地で見かけるので、もはや珍しい光景ではなく、フランスの一般的な原風景になりつつありますが・・・・。
ゴミ箱に限らずとも、貧困層向けに無料で配布されている品物を売り買いするマーケットが存在するのも、今では市民の知るところです。
なんでも、無料で配布される品物が大量であることから使いきれず、残ったものを一般市民に安価で売りつけ、小銭を稼いでいるようです。無駄なものがハンドアウトされ、しかもそれが売り買いされているだなんて、日々まじめに働き税金を納めている人間としては腹立たしい限りです・・・。
因みに、テレビ関連に勤めている友人から聞いたところによると、この件が報道されて以来、マーケットの規模が拡大したらしいです。より多くの一般市民の知るところとなり、そこに買い付けに行く人が増え、商売繁盛だとのことでした・・・。
そして、貧困地域では麻薬が蔓延していることから、問題が更に複雑化しています。
麻薬の蔓延は、貧困の常態化を約束するもので、同時に犯罪の頻発を促します。麻薬中毒になれば教育を受けることはおろか、定職に就くこともままならず、その上、麻薬を求めて犯罪に走るからです。
しかし、ひとえには、麻薬の摘発をあえてしないことが政府の方針としてあるとも言われています。
貧困地域の失業率は把握されているだけでも60%を超えているらしく、そうなると、実質的にほぼ全ての住人が無職ということになります。彼らの状況が改善する見込みはまずなく、そうであれば、麻薬で「眠った状態」にしておくのがベストだと判断されているとのことです。下手に「目覚めて」問題に気付き、大規模な暴動を起こされるよりましだということです。
しかしながら、そうもいえない状況が出てきました。
先日、マルセイユの危険地区とみなされている14区に軍隊が投入され、犯罪撲滅と治安維持に乗り出す旨が発表されました。警察の力では多発する犯罪と蔓延る無秩序についてどうすることもできず、ついに軍隊が投入されることになったのです!
マルセイユの14区は、いわばパリのバンリュー(郊外)のようなもので、住民の間では「危険・立ち入り禁止」地区として認識されています。
ルーマニアなどの東欧地域がEUに加盟した頃から小銃が容易に入手可能となり、今では、ほぼ毎日のようにカラシニコフによる殺人事件が起きています。国境の廃止により、人のみならず武器の移動も容易になりました。
そのため、以前は、銃撃事件といえばマフィア間の銃撃戦であったのが、マフィアが去って以来(なぜ去ったのかは、ちょっと分かりません・・・)、一般住民同士の小競り合いで頻繁に登場するようになりました。望めば二束三文で入手できるらしく、マルセイユでは、予想を遥かに上回る数の小銃が一般の人々の手に渡っています。
メディアに大々的に取り上げられた事件としては、マルセイユの旧港地区にある有名なレストランのオーナーが小競り合いに巻き込まれたとかで、カラシニコフの流れ弾に当って亡くなったことが挙げられます。良く知っているレストランだけに、私もショックを受けました。
マルセイユに長く暮らす人々は、このような状況を目にして、とても残念がっています。14区もひと昔前までは、安全な住みやすい地域だったのに、80年代頃から移民が激増し、貧困が状態化して、今では地上の地獄と化した・・・と嘆いています。
とまあ、貧困から始まって、これが元で麻薬が蔓延り、犯罪が多発し、ついには小銃まで氾濫し始めたことから、ついに軍隊が投入されることになったわけです。マルセイユが犯罪都市として世界に名を馳せるようになる前に手を打とうということでしょうか。
来年2013年には、欧州の文化都市となるマルセイユですが、それまでになんとか街を一掃して、その役割に相応しい都市へと変貌を遂げてもらいたいものです。
冒頭で述べたゴールドのひったくりですが、マルセイユをはじめフランスに来れれる日本人の方々は、十分に気をつけてください。できれば、貴金属類は全て取り外して来られるのがベストだと思います。
おしゃれをしてパリをはじめフランスを楽しみたい方は、車を貸しきるかタクシーを利用してください。おしゃれな身なりでフランスを訪れ、この国が提供するルクスを堪能する観光客の間ではマストです。
ファッションの国フランスでは、なぜかおしゃれは必要どころか命取りになる可能性があるからです・・・あまりにも皮肉なことに・・・・。
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