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【イタリアソムリエ協会マスター】ソムリエが教えるイタリアワイン!今回はロアーニャのバルバレスコについて!

2021/10/27 00:00
バルバレスコ
エリア:
  • ヨーロッパ > イタリア > トリノ
テーマ:
  • 留学・長期滞在
  • / グルメ
  • / 歴史・文化・芸術

ワインの紹介 ロアーニャのバルバレスコ 2013




イタリアソムリエ協会のマスター・ソムリエの資格を持つ うしお ゆにこ です。

 

イタリアワインの紹介、今回は、あるワインの紹介、そして、ワインについて書いてみます。



Roagna   Barbaresco Crichët Pajé  2013





ワインは、所詮飲み物です。

 

個人の嗜好に大きく左右されます。

 

でも、同時に(特にヨーロッパでは)文化でもあります。

 

つまり、ワインのイロハを知っていることは、文化の一部を知っていることでもある、ということです。

 

 

さて、味の好みには、かなりの個人差があります。

 

同じものを食べても、美味しいと思う人と美味しくないと思う人。

 

そして、そこに(食品やレストランの)値段も考慮すると、また意見が変わってくると思います。



ワインで言うと、

高いから美味しい

高くても美味しくない

安くて美味しい

安いから美味しくない

 

付け加えて、

有名だから美味しい

有名でも美味しくない

 

しかし、ワインの場合、そこに、

評価が高い

評価が低い

という客観的評価が加わり。

 

さらに、

評価とは関係がなく美味しい

評価されていても本当に美味しいとは思えない

など。



何を持って「美味しい」と判断するかは、本当に人様々です。



ワインの評価本は、今では実に数多くありますが、歴史的な1冊がガンベロ・ロッソの発行するワインの年鑑本「Vini d’Italia」です。

 

各ワインをグラスの数で評価し、グラス3つ(トレ・ビッキエーリ)が、最高です。

 

トレ・ビッキエーリを獲得するワインの数は年々どんどん増え、今年(2022年版)は、イタリア全州で476になりました。

 

毎年、なんでこのワインがグラス3つじゃないの??とか、これがグラス3つ?という意見があり、ここで評価されたワインだけが美味しいわけではないのですが、多少の参考になると言うことは間違いありません。



さて、ピエモンテ州、バルバレスコにある歴史的生産者ロアーニャのバルバレスコ・クリケ・パイエの2013年(これで最新のヴィンテージ)が、今年のトレ・ビッキエーリを獲得しました。





一般に有名なワイナリーではありません。余程のワイン好き、また、特に自然派ワイン好きでないと知らないと思います。

 

実は、知る人ぞ知るとても値段の高いワインで(800ユーロ以上)、ワイナリーは自然派の王道を行き、イタリアワイン的な味わいからは外れていると言えるものです。

 

 

バルバレスコなので、品種はネッビオーロ

 

ネッビオーロは色素が薄い品種なのですが、その通りの透明感のある色合い。

 

昨今、色の濃いネッビオーロが多い中(涙)、物足りない色合いと思う人も多いと思います。

 

 

香りは決して強くはないのですが、小さな薔薇の香り、森の木の実の香りが混ざり、ほのかにスパイス臭が漂い、その長さ、持続性が素晴らしいです。

 

香りの強さのインパクトのあるワインがウケる中、強さがそれほどでもないので、その良さを見落としてしまう人もいると思います。

 

とにかく品がよく、イタリアワインよりフランスワインを思わせる香りです。

 

 

口に含むと、自然派ワインの優しさがまず感じられます。本当に良い自然派ワインは、体に溶け込むようなこの優しさを必ず持っています。

 

ドンとするインパクトがないので、ここでも物足りなさを感じる人が多いかもしれません。

 

でも、繊細なタンニンと酸味との微妙なバランス、優しく心地良い味わい、喉を通ったあとの(吐き出しても同じです)口の中に広がる味と香りの絶妙なハーモニーは特筆に値します。

 

 

私にとっては、至福を感じさせてくれるワインの1本です。

 

 

しかし、嗜好の個体差は大きく、

値段の割に美味しいと思えない

聞いたことのない生産者

味が物足りなくて特に美味しいとは思わない

と思う人も多いのでは。



 

何をもって美味しいワインとするかは難しく、

実は、ワインを語ること、評価することは決して簡単ではないのです

 

しかし、せっかくワインを飲むのであれば、やはり少しでも質の良いもの(高いワインとは限りません)を飲んでいただければと思います。

 

自分にとって美味しいワイン、最高のワイン、そして、至福のワインを探すワインの旅にぜひ出かけて、いつかこれという1本(いくつも出てくると思います)と出会えますように。

 

ワインを深めていくこと、つまりは、ヨーロッパの文化を深めていくと言うことでもあります。

 

では、また。

次回もどうぞお楽しみに。




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