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- フィレンツェ観光・ふと目につく悲しげな顔の装飾の真相!
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エリア:
- ヨーロッパ>イタリア>フィレンツェ
- テーマ:観光地 街中・建物・景色 世界遺産
- 投稿日:2020/12/23 00:00
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フィレンンツェの街でまず目に入ってくるのが、大きくて綺麗なドゥオーモ、サンタマリア・デル・フィオーレ教会です。

この教会は1296年に作り始められた教会で、完成するまでに160年以上かかりました。
ただ正面とファサードだけは、途中で未完成まま作業が中止になってしまい、建築家アルノルフォ・ディ・カンビオが作ったその未完成の正面は、もう時代に合わないということで1587年に取り壊されてしまいます。
その後、何度か新たに作ろうとしたもののなかなか出来ず、結局1887年に完成し、それが現在の正面とファサードとなります。
ちなみにオリジナルの正面の彫刻などは、ドゥオーモ裏のドゥオーモ博物館にあるので、興味がある方はぜひ行ってみてください。
今日ご紹介するのは、そのファサードの右の扉にある、ブロンズで出来たある人物の小さな自画像の彫刻です。

実は私も1か月くらい前までその存在を知りませんでした。
ファサードには3つのブロンズでできたの扉があります。
最初は木の扉だったそうですが、両側の2枚の扉を作る為に1885年に第一回目の、1888年に第二回目のコンクールがありました。
そのコンクールでは、既に中央扉を作っていたパッサリア(Passaglia)が一番の人気で、彼が向かって左側の扉も作ることになります。
鐘楼の近くにあることから、鐘楼の扉と言われている右側の扉は、ジュセッペ・カッシオーリ(Giuseppe Cassioli)がコンクールで勝利し、作ることになります。
彼は、シエナではその才能を認められて有名でしたが、フィレンツェ人は彼が任命されたのをあまり納得していなかったと言われています。
カッシオーリはそれまでも色々なプロジェクトから外されていたため、この扉を作成するために情熱をもって望んだと言われてます。
彼自身で銅を溶解する許可まで得ていました。
作品はとてもダイナミックで独創的で、細かいところまでノミで彫ってあり、光沢もあったのでその技術はとても評価されました。
ただ一方で、納期に遅れていたことや経済的な問題が持ち上がり、1899年6月24日のサンジョバンニのお祭りの日に一般に公開されますが、評価とともに批判もあったとされています。
その後、作るにあたってとても苦悩したため、鬱になり落ち込んでしまいます。
彼がこの時期に味わった批判、苦悩、不運が実はこの小さい自画像に表れていて、精神的なプレッシャーと再三にわたる支払いや納期の催促に悩まされていたのがわかります。
当時のジャーナリストによると、ちょうど反対側にあったギベルティの天国の扉といつも比較されていたようです。
その時の自分の精神状態を表すように、右側の扉に作った人物の顔へ自分を表現しています。

首に蛇がネクタイのように巻き付いており、自分の首を絞めています。
これはどうも法律の圧力に耐えきれなかった自分自身を表しているようです。
現在この扉が入場入口になっていますので、入る時にちょっと探してみて下さいね。
ただ入口は変わることがありますので注意して下さい。
ちなみにドゥオ-モの入場は現在無料ですが、シーズン中は結構並んでいます。
混んでいる時は1時間待ちもありました。
実は、内側はクーポラのフレスコ画を除いてはシンプルなので、もし時間に余裕がない場合は、外観だけの観賞をお勧めします。

- 手土産はサングリア!ローマの休日に友達の誕生日パーティーへ!
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エリア:
- ヨーロッパ>イタリア>ローマ
- テーマ:留学・長期滞在
- 投稿日:2020/12/17 00:00
- コメント(0)
こんにちは、ローマの公認ガイドフランチェスカです。
昨日、サプライズでアメリカ人の友人の誕生日パーティーへ行きました。
今は外出時に、常にマスクを着用しないといけないので、今回はマスクとシャツを組み合わせたコディネートをしてみました。
赤いマスクに赤いシャツ、そしてアペリティーボの為に、赤色のサングリアを手土産として持って行くことにしました。

白のプロセッコから作られるサングリアもありますが、今回は赤色がテーマだったので、シチリア産の赤ワインで作ってみました。
少しアルコール度数の高いサングリアでしたが、皆美味しいと飲んでくれていました。
皆サングリアを飲んで酔っていたかもしれませんね。
Buongiorno.
Ieri sono andata ad una festa a sorpresa per il compleanno di un amico americano.
Adesso bisogna per forza indossare la mascherina dovunque, quindi ho deciso di abbinare la mascherina alla maglietta che indossavo.
Ma non solo…… mascherina rossa…… maglietta rossa ……. e siccome dove portare qualcosa per gli aperitivi ho fatto la sangria …… si può fare anche bianca con il prosecco ma per rimanere nel tema del rosso ho usato vino rosso siciliano.
Il tasso alcolico è un po’ alto ma è molto buona…… è piaciuta a tutti…… (forse perché dopo averla bevuta si sono ubriacati…. :-)))

- イタリアのバーチャル観光に参加されたことはありますか?
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エリア:
- ヨーロッパ>イタリア
- テーマ:世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2020/12/11 00:00
- コメント(0)
ローマのガイドの原井シュウジです。
人生の丁度半分をこのイタリアで在住している私は、100%日本人!
日本人が大好きだし、できることなら毎日日本食を食べたいと思っていて、職業は日本の皆様のための観光ガイドだ。
ところで皆さんは、バーチャル観光に参加されたことはありますか?
コロナが世界的に猛威を振るう中、海外旅行が好きな人にとっては苦しい状況である。っていうか私はローマの観光ガイドなのだが、もともと私自身も学生の頃から海外旅行が好きだったのだ。
しかし、コロナ禍もこんなに長く続けばいい加減、気が抜けてしまうところだが、周りの大切な人のためにも、まだまだ油断しないように気を引き締めなければならない。
やっぱり今のGo to 海外旅行は、バーチャル観光がおすすめ!
バーチャルと言っても文字通りの仮想現実の世界ではない。現地からの生の映像で本物のガイドの話を聞けるうえに、ガイドに質問したり、コミュニケーションもとれるので、本当に海外旅行に行ってるような気分になれて、意外と好評を頂いている。
コロッセオやトレビの泉、スペイン広場などを見学する定番のコースもやっているが、今回は、『すべての道はローマに通ず』とは?という一つの一貫したテーマを掘り下げていく、いわば『二度目のローマ』的なものを求めてる人にピッタリのバーチャル観光を紹介したい。
先ず、このプログラムは有名なアッピア街道ではじまる。

いまだにローマ郊外に殘る紀元前4世紀に建設された石畳の道路に私たちのガイドが1組実際に行ってライブ中継をする。そしてその観光は徐々にローマの街の中へと移り変わっていく。
さて、『すべての道はローマに通ず』とはどういう意味なのか?
全ての道はローマのどこに通じていたのか?
永遠の都ローマの街を駆け巡る7人の『ロマニッシモ』のガイド達が、ひとつのスクリーンの中であなたと一緒に旅をしながら、それらの答えに迫っていきます。

- ご存知でしょうか?イタリアのバーチャル観光 良いところ/悪いところ
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エリア:
- ヨーロッパ>イタリア
- テーマ:観光地 その他
- 投稿日:2020/12/07 00:00
- コメント(0)
ローマのガイドの原井シュウジです。
人生の丁度半分をこのイタリアで在住している私は100%日本人!

日本人が大好きだし、できることなら毎日日本食を食べたいと思っている。職業は日本の皆様のための観光ガイドだ。つまりこのコロナ禍で、当然の事ながら日本からの観光客はゼロなので、あれこれ10ヵ月近くも実際の観光ガイドはやっていないコロナ・プー太郎(草)...
といっても、実は結構忙しい毎日を送っている。というのは、この時期、バーチャル観光たるものが流行ってきていて、それに関わるいろんな新しい作業に追われているのだ。バーチャル観光とは、インターネットを介して送信された観光地の映像と音声を観て、観光している気分に浸る?!というもの。私は、正直いってバーチャル観光などと言うものには懐疑的だった。観光といったらや〜っぱりその土地を自分で歩いて、人と出会ったり、その土地の空気を吸って、実際に食べたり、触れたりするのがいいんであって、誰がスクリーンの中で展開される観光にお金を払うだろうか、と考えたのだ。
ところが意外と今の時代、多くの人は状況に順応してか、このバーチャル観光に手頃な観光感覚を見いだしたようで、結構流行ってきているのだ。ところで、バーチャル観光には2つある。ひとつは動画を編集したもの。これだったらSNSでも10分程度のものからあり、気軽に見ることができる。もうひとつは、ZoomやGoogle Meetなどのプラットフォームを使い、現地からのライブで観光地の様子をリアルタイムで見学するというものだ。この場合は、ある時刻にネット上でガイドさんと待ち合わせをして観光する。例えばコロッセオやフォロ・ロマーノの遺跡、
トレビの泉、スペイン広場、サン・ピエトロ広場を廻るローマの定番コースだったら、リアル観光だと6時間の終日観光になるのだが、バーチャル観光だと、なんと1時間で廻れてしまう!すごくない?!

でもこれを実現するのは、さほど簡単ではない。本来コロッセオからトレビの泉に移動するだけでもリアル観光だと30分はかかるからだ。確かにその移動時間も実際には楽しい時間なのだが、バーチャル観光の場合は奥の手を使って、コロッセオからトレビの泉にパッと画面が写り変わる方がカッコイイってゆうか合理的なのでは? でもそれを実現するためには、トレビの泉に別のガイドが待っている必要がある。さてトレビの泉の説明を聞いてガイドが皆さんのためにコインを投げたりジェラートを食べたりした後は、又違うガイドがサン・ピエトロ広場で待っているといった具合にツアーが進められていく必要があるのだ。
さらに、歩いたり説明したりしながら、安全にかつ良い映像を提供するためには、一つの観光スポットにつき、ガイドが2人1組で配置されていることが望ましいだろう。プラットフォームのホスト役もいるから最低7人のチームが必要だ!!そしてその7人のメンバーが、息を合わせて一つのツアーをまとめるためには、台本を書いたりリハーサルしたり

・・・・というように、たった1時間のバーチャル観光のために、私たちのたくさんのエネルギーと皆様へ思いが費やされているのである。

- イタリアの花言葉をイタリア芸術「プリマヴェーラの花々」から学ぶ!
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エリア:
- ヨーロッパ>イタリア>フィレンツェ
- テーマ:鑑賞・観戦 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2020/12/04 00:00
- コメント(0)
ボンジョルノ!フィレンツェのガイドの伊藤裕紀子です。
今日はウッフィツィ美術館のボッティチェッリ作「春」に描かれた花々について書きたいと思います。

「春(プリマヴェーラ)」はボッティチェッリが「ヴィーナスの誕生」よりも数年前に描いた作品です。
オレンジの実が生る森を背景に8人の登場人物が横にずらりと並び、多くの草花が地面や人物の服の上に表現されています。
小さな花や植物が一面に広がる模様のことを、千花模様(せんかもよう)またフランス語のミルフルールという名で呼びます。イタリア語ではミッレフィオーリですね。
もとは中世後期〜ルネッサンス初期のタペストリーの模様として使用されていたモチーフです。
ボッティチェッリの「春」は暗い背景の手前にくっきりと描かれた人物像が、ほぼ横にずらりと並んでいます。立ち位置にしても背景にしても空間の奥行きを表現していないので、平坦な感じになり、その点も「タペストリー」のようだと見られています。
プリマヴェーラの画面には500種類以上の植物、190種類ほどの花(うち130種類は特定可能)が描かれています。

どのような花が見られるのでしょうか?いくつかの資料を読んだところ下記の花の名前が載っていました。
薔薇(愛のシンボル)
忘れな草
アイリス(フィレンツェの都市の紋章になっている花)
矢車草
きんぽうげ
ケシ
マルゲリータ(フランス菊)
すみれ
ジャスミン
オオバコ
クリスマス・ローズ(昔、精神病の薬と信じれれていました)
カモミール(ハーブティーで有名ですね)
苺
忘れな草は神様が万物に名前を与えた時に、この花が小さな声で神様に「私のことを忘れないで」と訴えたので、この名前になったという伝説があります。
ところで場面の右から2番目の人物クロリスの口からこぼれ落ちている花は何でしょうか?
これは薔薇とアネモネです。

花の名前はギリシャ語のアネモス(風)から由来していて、ラテン語のアニマ(魂、生命のひと吹き)につながっているんだとか。
またアネモネは、古代エトルリアの時代から死のシンボルとされてきました。
古代神話ではヴィーナスの恋人アドニスが猪に突き殺された時に、アドニスの血で染まった地面からアネモネが咲きいでたとされます。
オウィディウスの「祭歴」では、クロリスは風の神ゼフュロス(プリマヴェーラの場面の右端にいます)から逃れ、ついに捕まって抱きしめられた時に花がクロリスの口から溢れ出て彼女は花の神フローラに変身します。
ならば死のシンボルであるアネモネは、クロリスが一回死んで新しく生まれ変わることを示しているのでしょうか?
花言葉やシンボルとしての意味を考えていくと果てしなく深読みできそうですよね。
「プリマヴェーラ」の作品の前には柵がなくガラスが張られています。可能であれば他の人の鑑賞の邪魔にならないように、作品に近づいて緻密に描かれた花の様子も観察してみてください。
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