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ねこたんの足あと

~あちこち行って。いろんなもの見て聞いて歩いて食べて。~

プロフィール

ニックネーム:
yummy
居住地:
東京都
性別:
女性
自己紹介:
本業は小説を書くかたわら、
占いとヨガのサロンを主宰しています。

占いは手相とタロットカード。
ヨガは南インド ケララ州で州公認のインストラクター資格を取得しました。
少人数制のクラスを展開しています。
ご興味のある方は、
http://alvayu.jp
にアクセスしてみてくださいね。


小さい頃からアフリカに憧れていて、海外旅行デビューはエジプト。それからケニアへ行き、念願のサバンナに。アフリカのあとにアジアに行き始め、人からはよくルートが逆だよ、と言われました。

私はその国の何かひとつでも見たいものがあれば、どこへでも行きます。それがきっかけですが、あとは行き当たりばったり。何かをするため、にその国へ行くわけではなく、ただただその国に浸かるような旅をします。
だからこそ、生きた情報をその場で得ることができるのだと思います。

どちらかといえばカオス的な国を旅するのが好きですが、でも近年ヨーロッパも堪能しました。先進諸国もきっちり知り、その両方を知ることが大事だと思ってますから、あまり偏ることもありません。

もうずっとヨガ修行をするため、定期的にインドへ行っています。一回の旅行期間は約2ヶ月ほど。滞在型なのでその地については精通していきます。前回は昨年11月に、今年もまた秋に訪れる予定です。

私が旅先で出会ったできごとや人たち、おいしいものやホテルやショッピング、交通事情、失敗談や病気になったこと、コワかったことなどのトピックや情報が旅する人たちの役に立てばとてもうれしいです。

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SEA VIEW PALACE
インド生リポ ●コヴァラムビーチ編#2 モンスター、現る
エリア:
  • アジア>インド>コヴァラム
テーマ:ビーチ・島 その他 
投稿日:2012/01/13 15:38
コメント(0)
2011/10/10

インドに入って約十日が過ぎる。
今、私はお気に入りのコバラムビーチにいる。
3回目で顔見知りも多く、私にとっては和みの場所。
一緒に来ていた友人たちもひと足先に日本へ発ち、私は相棒とのんびりしている。
が、その日突然その平穏は破られた。

私が滞在しているホテル、SEA VIEW PALACE(タイトル画像)に日本人女子のツーリスト一人がやって来た。
マネージャーのジーバン(27歳・男)がそっこー私のところへ来て、
「ユミ、新しい日本人が来た。会ってあげてよ」
この時期、まだ日本人ツーリストが少ないので、私もちょっとうれしく思い、ジーバンに連れられて彼女の部屋へ。

どんなコだろ。今日の夕ごはんを一緒に食べられるようなコならいいな……。

ところが、その日本人女子はとんでもないモンスターだった!

パッと見は色白で目が大きい、とてもかわいらしい女の子だった。
だがしかし。。。

以下、そのコとの会話。

私「こんにちはー」(明るく笑顔で)
女「ちょっとこの男、大丈夫? 絶対ヤバい、うそつきで人騙しそう!」
(ジーバンを指差し笑いながら)
私「(若干面くらいながら)あぁ、そんなことないよ、いい人だよ」
女「ううん、絶対ヤバいって。あなた気をつけた方がいい」
私「いや、大丈夫よ。すごくよくしてくれてるし」
女「あのねぇ、私、インドもう8回目なの。だからわかるんだよね!」
私「私もインド、8回目。……あのさぁ、初めからコイツは悪いヤツ、とか決めつけない方がいいんじゃない。それに私は何度もこのホテルにお世話になって、この彼とも人間関係あるし、だからいい人だってわかってるから」
女「なに? 私ねぇ、もう今まで何度もインド人に騙されて傷つけられてきたの!」
私「そんなふうに言うなら、なんでインドに来るの?」

ここで突然彼女はキレはじめ、イスから立ち上がると両手を振りまわし、
「あんたに忠告される必要ないんだけど! 私がどう思うと私の勝手でしょ! 私に忠告しないでよ!」そして、
「なによ、バカ女!」と、私を罵倒し始めた。
以下、彼女のセリフ。

「ああ気持ち悪い! 最初あんたを見たときから気持ち悪いって思ってたけど、やっぱり気持ち悪い! あんたみたいな女が日本をダメにすんの!
なによ、私よりバカなくせに!
あんたね、私の学歴知ってんの? 私の職業なんだか知ってんの?
日本では私の方があんたよりずっとエライんだから!
このバカ!」

私は開いた口がふさがらなかった。
この人、アタマおかしんじゃないの。

彼女は「なによ、バカ!!!」を連発しながら部屋に入り、思い切りドアを閉めた。
バタン!
が、このホテルの部屋は閉めただけでは閉まらない。中から鍵をかけて初めて閉まるしくみ。
ドアが開く。女は再びドアを閉める。
バタン!
またドアが開く。
バタン!
何回も猛り狂うようにドアを閉めるが、しくみに気づかない彼女は、
「タテツケが悪いィィィッ!!!」と叫び、部屋から出てくると、廊下のバルコニーに両手をついて、ヒステリックに叫び始めた。
もう相手にしてもしょうがないので、部屋へ戻ろうとすると、彼女は、 以下、英語と日本語のちゃんぽんで、

「私は東京大学を卒業した! 私はドクター! 私はすごいの! ああもう日本はおしまい! 放射能を浴びて日本は終わっちゃうの! わかる? ああなんてこと!」

……と、コヴァラム中に響きわたるような声で。

その頃にはあまりの騒ぎにホテルの全スタッフがお庭に勢ぞろい。みな、彼女を見上げてぽか〜〜〜ん。
日本人である私に説明を目で求めるが、私自身もよくわからんし、もはや関わりになりたくもない。

やがてジーバンが私のところに飛んできた。
私は正直に、「いや、彼女があなたのことを悪く言うもんだから、そんなことないよって言ったら、突然ああなった」
ジーバンもそれできょとん。が、とりあえずお客である彼女をなだめに向かった。

なんなんだ、あの女。

あまりのクレイジーさに私は戦意を喪失し、部屋に入った。
やがて相棒が戻ってきた。
「ちょっと、あのコなんなの。ケンカでもしたの」
私は事情を説明する。相棒は、「はぁ、おかしいわ、それは」
相棒も彼女と少し話をしたそうだ。Y子と名乗る女は、
「みんなが私をバカにするの。あのマネージャーも、あの女も。ねぇ。あなたわかる? 日本はもうおしまいなの。放射能でもう全部ダメになる……」
それをここで言ってもどうにもならないんじゃない? 相棒が言うと、
「あなたも何もわかってない!!」
--と言ったそうだ。
「あのコ、泣いてたよ。目が完全にイッちゃってた。病んでるね、病んでる」

しょうがねぇなぁ。
何しにインドに来てるんだ。
クスリでもやってんのかっつーの。

その日の夕方、ホテルのレストランでぼ〜っと海を見ている彼女を見かけた。
それを見たのが最後で、翌朝Y子はチェックアウトして去った。
昼間顔を合わせたホテルのオーナーであるラルが、にやにやしながら、
「ユミ、クレイジージャパニガールが来たって? 日本人もいろいろいるんだね」
「同じ日本人として恥ずかしいよ。でももうチェックアウトしたんでしょ」
「ああ。……彼女、もう2~3泊したいって言ってたんだけど、丁重にお断りしたよ、部屋が空いていないってね」
部屋は60%ほど空いてるみたいだけど……やるじゃん、ラル。
インドでも客を拒否ることもあるんだね。ま、これ以上迷惑かけられてもホテル側だって……ねぇ。
……って、寄りによってインド人に拒否られるなんてサイテーじゃないか。
インドは全てがウェルカムな国なのに。

まさにモンスターツーリスト!

でもって、自分の学歴やら職業やらを振りかざして相手を罵倒する人間に初めて会った。
インドに8回も来てると言っていたが、結局インドのことも心の底では「貧しくて可哀そうでバカな人ばかりいる国」と思っているに違いない。

相棒いわく、
「やっぱさーインドに来る日本人って、日本の社会からドロップアウトしちゃった人が多いってことだよね。社会になじめない人っていうかさぁ。私たちも気をつけないとね」
確かに。
余計なお世話だが、あの彼女が日本の社会でうまくやれているとはとても思えない。
彼女によれば、私が彼女をバカにしたということだが……。
……バカに? 私はふつうのことをふつうに告げただけだ。

インドにはいろいろな旅行者がやって来る。
でもその全てを受け入れてくれる、インドの懐の深さを改めて実感した。
けど、罵倒された私をどうしてくれるんだっての。
「バカ女」だとか「気持ち悪い」とか「おまえが日本をダメにする」とか。
まったく名誉棄損もいいところだ。これ、言葉の暴力でしょ。

どうもね、じーさんだのばーさんだのモンスターだの、今回のインドではおかしな人ばかりに会う。台風のせいで予定が狂ったりして、最初からケチがついた今回のインド。
今後は大丈夫だろうか。

漠然とした不安を感じながら、今日もアラビア海に沈む美しい夕陽を見ている。

ベジバーガー
インド生リポ ●コヴァラムビーチ編#1 きれいになるインド
エリア:
  • アジア>インド>コヴァラム
テーマ:スパ・エステ ビーチ・島 
投稿日:2012/01/07 13:18
コメント(0)
2011/10/5〜

アラビア海に面した光あふるるビーチ、それがコヴァラムだ。
泡立つ白い波、陽気な人々、コジャレたカフェとレストランに手ごろな値段の居心地いいホテル。かわいいインドの雑貨とリゾートワンピがわんさか売っている、まるでインドらしくないインドのリゾート。
インドのビーチといえばゴアが有名だが、私はこぢんまりしたコヴァラムがお気に入りだ。

カフェから眺めるコヴァラムビーチ
海


なんといってもアーユルヴェーダの聖地。

タイもソウルもバリもマッサージやエステが盛んだが、ここケララ、特にコヴァラムにかなわない……といっても過言ではない。
ビーチにも、ビーチの裏に広がるジャングルにもアーユルヴェーダのサロンがいくつもあり、2週間〜数ヶ月といった単位でヨーロッパからたくさんのマダムや紳士がトリートメントにやって来る。

今回はアーユルヴェーダ三昧。
コヴァラムに数日間しか滞在できなかった友人たちも満足して日本へ帰っていった。

ナチュラル100%! トリートメントオイル
オイル


アーユルヴェーダの基本はオイルをたっぷり使って行うアビヤンガというオイルマッサージ。ほんと、気持ちいんだよね。


アーユルヴェーダクリニック「MITRA」のドクター
友人はフェイシャルトリートメントを受けている最中
ドクター

私を施術してくれた、この道15年のセラピスト、マダム・ラダ
マダム・ラダ


日本じゃあまり知られていないが、インドはきれいに健康になれる場所でもあるのだ。

喧そうとかカオスとかうるさいとか汚いだけではない。
実はビューティにも突出している。
そこらへんももっと知ってほしいと思う。

だから一緒に南インドへ行きませんか??
興味のある方はご一報ください!ねッ


コヴァラムでは何もすることがない。
海を見てビーチを歩いてお茶して。
ツーリストやローカルとの他愛もないお喋りとヨガを時々。そしてアーユルヴェーダにお買い物。
マリンスポーツも夜遊びできる場所もないので気合を入れる必要もない。
退屈。ある意味、そうだ。

ここにいると私は解放される。
何もないから想像力が刺激される。
気が付くと何日も経っている。

けれど、不意にジャマが入ったりするのだ。
そこらへんはやっぱインドなんだよね。

インドのカゼ薬&日本のカゼ薬
旅のトラブル対処法 健康編#4 〜インドでカゼをひいたら
エリア:
  • アジア>インド
テーマ:買物・土産 旅行準備 その他 
投稿日:2011/12/28 11:08
コメント(0)
インドでは急にカゼをひく。
暑いところでもカゼをひく。
インドにいることに夢中のあまり、ついムリをしてしまうために、ある日突然ノドが痛くなったりする。そうなるとやっかいで、暑ければ暑いで薄着のままファンをまわし、寒ければ寒いで弱い暖房設備に震えっぱなし。ノドの痛みは鼻水を誘い、運が悪いと悪寒に発熱。食欲減退、体力も落ち、さらにひどい状態に。

と、いうことにならないように、カゼをひいたら素早く対応しよう。
あ、ノドがなんか痛い、とか、くしゃみが続く、とか、少しでもそう感じたら、ま、大丈夫だろうなどと油断しない。埃だらけのインドの空気は弱ったからだには大敵なのだ。

さて、「インドで下痢になったら……」にも書いたが、インドで具合が悪くなったら、すぐに病院へ行くのが一番いい。が、まだ体力的に余裕があれば薬局で薬を買うこともできる。

インドには小さな薬局がたくさんある。それこそスナックや日用雑貨を売るキオスクと同じくらいある。どこへ行っても薬局を見つけるのは、さほど難しくない。逆にいえば、それだけ薬局は必要とされているということだ。
もし来たばかりの町ですぐに薬局へ行く必要があるなら、道を歩く人に聞けばすぐに教えてくれるだろう。

薬局へ着いたら、自分の症状を店の人間に告げる。
「ノドが痛い、鼻水が出る」……などと言えばいいのだが、この場合英語。なので、そういった英語は覚えておいた方がいい。
店の人はちゃんと薬を出してくれる。だいたい3日分くらい。これで30〜50ルピー。わずか100円足らずなので、ツーリスト的にはとても安く手軽だ。そのときに処方の仕方も教えてくれる。毎食後とか寝る前に飲め、とか。

これでひとまず安心……なのだが、インドの薬は非常に強い。
今回私はカゼ薬を買ったのだが、飲んでみたら意識が朦朧とし、半日ぐらいぼぅっとしてしまい、その後の活動に支障が出た。が、効果は抜群。2錠ほど飲んだだけで、ノドの痛みも鼻水もぴたりと止まった。けれどあまりに影響が大きいため、旅の後半に再度カゼ気味になったときは、飲むのを避けた。そのときは友人が持っていた日本の市販のカゼ薬を服用した。

そういうわけでインドへ行くときには日本のカゼ薬を持っていった方がいい。
インドの下痢はインドの薬でしか治らないが、カゼは、ひき始めなら日本の薬で有効だ。
インドは気候や環境が厳しいので、薬も強くないと病気も治らない。だからインドの人たちは強い薬にからだが慣れている。日本人とは薬に対する抗体が違うのだ。
そこらへんを肝に銘じてインドの薬を服用しよう。


インドのカゼ薬&日本のカゼ薬
黄色い錠剤がインドのカゼ薬。白いのが日本のもの。大きさがかなり違う。


インドの頭痛薬&日本の頭痛薬
オレンジがインドの頭痛薬。白いのが日本のもの。
白い日本の頭痛薬はマイブランド。旅行には必ず持っていく。今回もけっこうお世話になった。


インドの下痢止め
ちなみにインドの下痢止め。
カゼ薬も下痢止めも何種類もある。薬局に行くたびに違うものが出てくるが、気に入った薬が見つかったら、名前や色など覚えておいた方がいい。

余談だが、病院へ行った場合、医師が処方してくれた薬をその場で渡してもらえる場合と、日本のように薬局へ処方箋を持っていく場合がある。
治療費だが、個人病院の場合はボラれる場合も多い。
ローカルの10倍ほどの料金を請求されたりする。が、背に腹は代えられないので、そのまま支払うしかない。そこで値切る余裕は体力的にも精神的にもないからだ。
まぁ10倍といってもせいぜい1000円前後だからね。
総合病院の場合はボラれることは、まず、ない。
かかったおカネは海外旅行保険に入っていれば、帰国後、大抵の場合は戻ってくるので、やはり保険には入っておいた方がいいだろう。

実はヨギニです
インド生リポ ●アシュラム編#1 アシュラムで風をひく
エリア:
  • アジア>インド>ティルヴァナンタプラム(トリバンドラム)
テーマ:街中・建物・景色 歴史・文化・芸術 
投稿日:2011/12/23 17:04
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2011/10/02〜


夕方の便でデリーからアシュラムのある南インドのケララ州、トリヴァンドラム(TRV)へ。
飛行機はおなじみのエア・インディア(AI)だ。
ここ数年、AIの料金はうなぎのぼり。国内線も例外ではない。
デリーからTRVまではフライトで4時間。列車なら3日間。そう考えるといかに距離があるかわかるのだが、それにしても片道だけで2万円近くかかる。
が、今回はマイルが貯まっていたので、ラッキーなことに片道はタダだった。

余談だが、本当は必要なマイル数に足りてなかったのだが、問い合わせをすると足りない分はルピーで払えばよいとのことだった。それを了承したら、とてもラッキーなことがあった。AIのマイルが貯まってる人は、ぜひお試しを。いいことがあるかもしれないよ。

何度となく使っているTRV国内線空港。
外に出るとケララらしい、みずみずしくやわらかな空気が肌に触れる。
タクシーのドライバーたちが集まってきてあれこれ言ってくるが、控えめな客引きと人なつこい笑顔に、デリーで北のインド人にくさくさしていた私の心もほぐれていく。

--やっぱりケララはいいなぁ。
たったこれだけのことでそう思ってしまう。

空港からアシュラムへはプリペイドタクシーで行く。
私と相棒以外の友人たちは初めてのインド、初めてのアシュラムなので準備に余念がない。今夜アシュラムにチェックインしたあとはシャワーは使えない旨を伝えると、空港のトイレで30分かけて洗顔&スキンケアをしていた。銃をかついだセキュリティのおっさんたちも苦笑。

アシュラムへ向かう間、寝静まった小さな町や村を通り抜けながら、初めてアシュラムへ来たときのことを思い出していた。
1ヶ月間のティーチャーズ・トレーニングコース(TTC)。何をするのか、やらされるのか、どんな勉強ができるのかという期待と不安。
苦しくとも充実した時間だった。
けれど二度とTTCは受けたくない。
もし万が一次があるとすれば、アドバンスに挑戦してみるかもしれないが。
タクシーはいつのまにか山道を上り始めている。ヘッドライトだけを頼りに右に左に車体が揺れる。
今回はTTCでもなんでもない、ただのYogaVacationヨガ・バケーション(ヨガバケ)だ。
朝夜のサットサン(瞑想など)と朝と夕方のヨガクラスに参加することだけ。これらさえも任意だ。昼間には哲学などのレクチャーがあるが、もちろん参加自由。どうしてもやらなければならないのは、カルマヨガと呼ばれる奉仕活動だけ。これはアシュラムでそれぞれ仕事を振り分けられる。
ヨガバケは、ただアシュラム生活を楽しめる。規則さえ守れば、あとは何もない。逆にいえば、どんなふうに過ごすかは自分次第であり、アシュラムが合うか、合わないかが自分ではっきりわかってくる。

私にとっては、アシュラムは実家のようなものだ。
なつかしくリラックスできるけど、そんなに長くいたいとは思わない。めんどくさいこともあるけど、近くまできたら顔を出さないわけにはいかない場所。
そしてやはり離れるときは、また来ようと思ってしまう場所--だ。


アシュラムにチェックインし、ドミトリーに荷物を運び、ベッドの準備をし終えたときには、すでに深夜1時近かった。
ドミにはもちろん先客が何人かいたので、彼女たちを起こさないように気をつけながらの準備だった。その夜は思った以上に涼しく、天井のファンを回す必要はなかった。
私はベッドに横になった途端、意識を失うかのようにすぐに眠りに落ちた。
早朝、毎朝5時20分に鳴り響く鐘の前に、目が覚めた。
寒くて、目が覚めたのだ。腕時計を見るとまだ5時前。
チェックインしたときに、アシュラムから枕、シーツ2枚、蚊帳を渡されるのだが、前回来たときはからだに何もかけなくても暑いくらいだった。が、今朝はシーツ1枚では寒く、私は持ってきたストールを重ねる。
そのあとは、あの恐怖の鐘が鳴るまでうつらうつらしただけだった。
遅く着いた翌朝なので、今朝は6時からのサットサンには出ず、8時からのヨガクラスから活動を始めるつもりでいた。が、結局鐘の音のあとはもう寝ていられず、6時には起きてしまった。

ノドが痛い。

イヤな兆候だ。頭もスッキリしない。からだも重い。
寝不足のせいか……。

ゆうべはシャワーを浴びていないが、あとでヨガクラスに出るので、とりあえず洗顔だけする。水はひんやりし、ドミ内はまだ涼しい。
7時半になり、ヨガウェアに着替えてから中庭へ。
この時間は朝のティータイムでチャイが飲める。
温かく甘いインド式ミルクティーは全インド共通の飲み物で、インドではこれが一番おいしい。
友人たちも集まってきた。みな寝不足だろうに溌剌とした顔をしている。が、一人だけ欠けている。彼女はどうしたの、と尋ねると、おなかの調子が悪いみたい、という回答。
あちゃ。さっそくインドの餌食……いや、洗礼を受け始めたか?

ヨガクラスはビギナーとアドバンスのふたつのクラスがある。
私はアドバンスクラスを受け、たっぷり2時間近くからだを動かした。
その後すぐにブランチなのだが、私はいったんドミに戻り、シャワーを浴びた。アシュラムでは例外なく水シャワーだ。慣れるまではやはり冷たい。
からだはスッキリしたが、やはり体調がいまいちなのか、ノドの痛みはおさまらず、くしゃみも出始め、そしてダルい。

どうやら完全に風邪を引いてしまったらしい。
インド入りしてまだわずか四日。体調を崩すなんて想定外だった。

NoPhoto
インド生リポ ●デリー編#1 じいさん、現る
エリア:
  • アジア>インド>デリー/ニューデリー
テーマ:街中・建物・景色 鉄道・乗り物 
投稿日:2011/12/06 18:08
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2011/10/01


正直デリーは好きではない。
できることならホテルから出ないで、翌日すぐに移動したい。が、今回はインドが初めての友人が数人いるので、彼女たちのために少しだけデリーで時間をとった。パハールガンジのメインバザールを歩いてもらえば、まずはインドの雰囲気を味わってもらえることだろうから。

デリーにインした翌日、友人たちを迎えにインディラ・ガーンディ国際空港へ再び行った。友人たちは時間差でデリーに着くので、まずは最初の一人を迎える。
が、私は少々遅れてしまった。すでに友人は到着ロビーを出たロータリーの約束の場所にぽつんと立っていた。不安にさせてごめん、と謝ると、
「大丈夫。親切な人がさっきまで一緒にいてくれたから」
日本人?
「そう。機内で隣の席だったの。ごはんのときに私がCAの英語を聞き取れなくてまごまごしてたら、助けてくれて。その人、インドに会社があるらしくて」
その日本人男性は自分の連れのトランジットを手伝いに行き、間もなく戻ってくるのだという。
「迎えがいなかったから、その人すごく心配してくれてね。もし、友達と会えなかったら、僕の知ってるホテルに連れていってあげるって言ってた」
それはそれはずいぶんとご親切に。でも、私が遅れたので、そう言われてしまってもしかたがない。インドが初めてで英語も話せない日本人の女の子を放っておけない、と思う気持ちはよくわかる。
しかも友人はかわいいのだ。
そこまで心配してくれたのなら、このまま無視していくのは憚られる。とりあえず挨拶ぐらいはしていこうか。

しばらくしてその日本人男性がやって来た。
35〜40歳の間というところか。中肉中背のごく普通の日本人だ。
ご迷惑おかけしてすみません、と挨拶すると、彼は快活に笑い、
「いやぁ、まぁよかった。彼女、泊まるホテルの名前もわからなかったみたいで。初めてのインドでそれじゃかわいそうだから。あ、僕、Y田です」
はぁ、すみません。
「インドはねー、いろいろ危ないところだから女の子はね特に。僕はもうインド長いから、助けてあげられるところは助けてあげようと」
……はぁ。いろいろどうも。
じゃ、私たちはこれで、とそう言おうとした瞬間に、
「ホテルまで送りますよ。僕のドライバーが迎えに来てるんで」
見ると、彼の後ろにじっと立っているインド人がいる。彼がそのインド人に何事かいうと、インド人は慇懃に頷いた。
いえ、いいですよ、これ以上ご迷惑かけるのも……。
「いやいや大丈夫。ホテルはどこ?」
パハールガンジの方ですけど。
「あ、そう。僕はコンノートプレイスにあるホテルなんだけど、パハールガンジならそこから近いし。送っていきますよ」
私は咄嗟に計算した。
友人は大きなスーツケースを持っている。
予定では空港からエアポートエクスプレスでニューデリー駅まで行き、そこからホテルまで歩くつもりでいた。駅からホテルまでは距離的には遠くはないが、エアポートエクスプレスのニューデリー駅を降りてから、長距離列車のターミナルを越えていかねばならない。ターミナルは階段しかないので、大きな荷物を持っていると大変なのだ。
ならば、これは利用させてもらった方がいいかもしれない。
男は私の友人から目を離さない。それから私に向かって、
「ホテルの名前は?」
「コテージ・イエス・プリーズってホテルなんですけど」
「イエス・プリーズ?」
彼は怪訝な顔をして首をひねる。
「聞いたことないな。パハールガンジの? イエス・プリーズねぇ」
しばらく考えてから、私を見ると、
「わからないな。そのホテル、本当に大丈夫? インドは危ないホテルも多いからね」と、友人に目をやる。
「いえ、心配ないです。以前にも泊まっているので」
男はあれ? という顔をし、
「あなたはインド初めてじゃないの」
「もう何度か来ています」
「あぁ、そうなんだ。じゃあ彼女もあなたがいれば大丈夫だね」
はぁ、まぁ。
彼はそこでくるりとインド人運転手に向き直ると、早口の英語で「イエス・プリーズというホテルの場所を確認してくれ」
その頃になって私は面倒になってきた。
場所がわからないのでは時間がかかるだろう。しかもすでに午後7時近い。ちょうどデリーは渋滞の時間で、空港からパハールガンジまで1時間はかかるだろう。エアポートエクスプレスなら20分で着く。
友人の表情にも疲れがみえる。私はY田に、
「あのー、もし場所がわからなければ、けっこうですよ。エクスプレスでもすぐですし」
「いや、大丈夫。今、確認とってるから」
「えーっと、クルマ渋滞してると思いますし、Y田さんもお疲れでしょう。だから送っていただかなくても……」
「心配しないで。じゃ、とりあえずクルマまで行きましょうか」
彼はくるりと向きを変えると、ドライバーと共にパーキングへ向かって歩き出した。手にはケータイを持ち、しきりに「イエス・プリーズ」「イエス・プリーズ」と大声で話している。
友人が私に耳打ちしてきた。
「なんだかかえってごめんね。私、クルマじゃなくていいよ、なんかめんどくさい」
「私もクルマよりAPの方が早くホテルに着くとは思うんだけど。でも今さら悪くない? 私より、あなたが気を使うんじゃない?」
友人は首を振り、
「いいよ、別に。もう二度と会わないし。それに全然興味ない」
私たちは顔を見合わせた。

パーキングは空港内の、AP乗り場へ行く途中で分岐する先にある。
Y田たちは迷いもなくパーキング方面の動く歩道に乗り、ずっと先にいた。
「このまままっすぐ行くと、もうAP乗り場なんだけど」私が言うと、友人は、
「いいよ、電車で行こうよ、私、Y田さんに断ってくる」
彼女はY田を追って走り出した。私も後を追う。
そしてパーキングに入り、ほら、あれが僕のクルマ、と振り向いたY田に向かって、
「ごめんなさい、やっぱり送ってもらわなくてけっこうです。ありがとうございました!」友人はぺこりと頭を下げ、彼に背を向けた。
私たちも愛想笑いを贈って、きびすを返す。
えーーーーー!!! 背後から追ってくるY田の声。
「それならそうともっと早く言ってくれよ。せっかくホテルの場所もわかったのに。ねぇーーー!!!」
友人はもう一度振り返ると、
「本当にありがとうございましたぁ。お元気でー」
ちょっとぉおお〜〜〜いぃぃ……Y田の声が遠くなっていった。

いい人だった……と思う。
しかし、どうも上から目線なおせっかい、という印象しか残らない。
まるで「最近の若いモンはなにも知らん」が口癖のじいさんのようだった。
まぁ確かにこちらもコズルイことを考えたので申し訳なかったけど。
でもあの強引な感じは、途中からインド人かと思わされた。

コンノートプレイスあたりに泊まるような人にとっては、パハールガンジもメインバザールもインドの貧困や悪の巣窟というイメージだろうけど、いいところも楽しいところもあるんだよー。
あなただけがインドを知っているわけじゃないんですよーー。

どうもインドが長い日本人は親切がインド人化している気がする。
すなわち、親切とおせっかいのボーダーがわからなくなっているってことか。それと空気を読めなくなりつつあるというか……。

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