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ねこたんの足あと

~あちこち行って。いろんなもの見て聞いて歩いて食べて。~

プロフィール

ニックネーム:
yummy
居住地:
東京都
性別:
女性
自己紹介:
本業は小説を書くかたわら、
占いとヨガのサロンを主宰しています。

占いは手相とタロットカード。
ヨガは南インド ケララ州で州公認のインストラクター資格を取得しました。
少人数制のクラスを展開しています。
ご興味のある方は、
http://alvayu.jp
にアクセスしてみてくださいね。


小さい頃からアフリカに憧れていて、海外旅行デビューはエジプト。それからケニアへ行き、念願のサバンナに。アフリカのあとにアジアに行き始め、人からはよくルートが逆だよ、と言われました。

私はその国の何かひとつでも見たいものがあれば、どこへでも行きます。それがきっかけですが、あとは行き当たりばったり。何かをするため、にその国へ行くわけではなく、ただただその国に浸かるような旅をします。
だからこそ、生きた情報をその場で得ることができるのだと思います。

どちらかといえばカオス的な国を旅するのが好きですが、でも近年ヨーロッパも堪能しました。先進諸国もきっちり知り、その両方を知ることが大事だと思ってますから、あまり偏ることもありません。

もうずっとヨガ修行をするため、定期的にインドへ行っています。一回の旅行期間は約2ヶ月ほど。滞在型なのでその地については精通していきます。前回は昨年11月に、今年もまた秋に訪れる予定です。

私が旅先で出会ったできごとや人たち、おいしいものやホテルやショッピング、交通事情、失敗談や病気になったこと、コワかったことなどのトピックや情報が旅する人たちの役に立てばとてもうれしいです。

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ダダール駅ホームにて
インド生リポ ●エローラ&アジャンタ編#2 ダダール駅狂騒曲
エリア:
  • アジア>インド>ムンバイ
テーマ:街中・建物・景色 鉄道・乗り物 
投稿日:2012/02/02 19:38
コメント(0)
2011/10/12


冷房の効いた高級レストラン(トイレはイマイチ)で心身ともにリフレッシュした私たちは、いざ、ダダール駅構内へ。
駅のゲートにある電光掲示板で再度、列車を確認。
私たちのシャダブディ・エクスプレスは20分後の出発だが、同じホームから出る列車がまだ2本出発していない。時間を確認するととっくに出発しているはずなのだが。
若干の不安を胸にホームへおりる。

インドの駅のホームは果てしなく長い。
毎度感じることだが、ホームへ降りた瞬間にいつも途方に暮れる。
それはホームのどこが自分たちの乗り場なのか、さっぱりわからないからだ。
インドの列車は日本の電車と違い、車両から車両へ中を通って移動することができない。
同じクラスの車両はOKなのだが、違うクラスの車両間は連結部分でクローズされているのだ。これは主に盗難防止のためだそうだ。
そのため、ホームのどこに自分が乗る車両が着くのかを、見極めるのが大事だ。
しかし、およそインドの駅ほど不親切なものはない。
かろうじて番線の表示はあるものの、日本の駅のように車両の表示はない。それらしき小さな電光掲示板はあるのだが、しばらく見ていても“S”“N”や“GEN”といった略称しか出てこない。その略称がいったいなんの略なのかもさっぱりわからない。
私たちが乗るシャダブディ・エクスプレスはインド的には短距離移動の急行列車で寝台は付いていない。今回はAC付セカンドクラス・チェアをとっている。が、そうしたハイクラスの車両はだいたい1両か2両ほどしかない。だから乗る場所をまちがえると青ざめることになる。

ホームには一応エンクワアリー&パトロールのブースがある。
そこにいる女性スタッフに車両のことを訊いてみた。が、彼女たちは英語が通じない。それでもなんとか意志の疎通ができ、「あなたたちの乗る車両はこの辺に止まるよ」と教えてくれた。甚だ不安だったが、それを信じるしかない。

電光掲示板にはまだ私たちの乗る列車名は表示されない。時間はまさに今なのだが、前の前の列車がまだ来ていない。
遅れそうだ。それは受け入れないといけないらしい。
ホームには人がわんさかいて、みな大きな荷物と一緒に地面に座り込んでいる。すでに横になっている人もいる。スナックスタンドには人だかり。みなこれからの長旅に備えて、食うわ、飲むわ……。

いつも混んでいるスタンド。
今食べとかないと、という気持ちはわかる。
駅のスナックスタンド


やがて列車が入ってきた。
青と水色に塗られた長距離列車だ。案の定長い。
先頭に近い車両はたいがいファーストクラスで、黒い大きなシェイドガラスがはめられている。それからセカンドクラス。こちらはいくぶん窓は小さくなるが、やはり薄茶色のシェイドガラス。AC付車両の窓ははめ殺しで開かないしくみ。
そのあとはスリーパーと呼ばれる3等寝台。こちらはACとノンACがある。割合的にはノンAC3等寝台が一番多い。
そしてそのあとに続くのは恐怖のイス席。つまり予約なしで乗れる車両。テレビなどでよく見る、デッキからはみ出さんばかりの満員電車はコレ。
コスト的にも大幅に安い。ファーストクラスとイスだと新幹線と山手線ほどの差がある。
この車両に乗りたいとも思わない。
よくこれに乗ることこそインドの旅の醍醐味だと聞いたり読んだりするが、私は全然そう思わない。そういう経験をすることは悪くないと思うが、それが自慢のタネになり、自分はインドを知っていると勘違いする輩は本当に困る。
ただでさえインドでの移動は大変なのだ。余裕があるなら上クラスの列車や飛行機を使って何が悪い。

列車がゆっくりホームに止まる。
車体には“varanasi-munbai”と書かれたプレートが。
うわぁバラナシから来たのかーーー。
二日半かけてここまで来たのかーーー。いやーおつかれおつかれ。

バラナシ〜ムンバイの長距離列車
なんだか旅愁を感じてしまう。
列車入線



その列車が去ったあと、もう一本列車が来て、そのあとが私たちの番だ。
だが、そのもう一本はなかなか来なかった。

私たちは待ちくたびれてホームにあるベンチらしきものに座り込む。隣には同じように待ち続けるインド人家族。
暑くうるさいホームで軽く一時間。
ようやくそのもう一本がやって来た。
どっと人が降り、どっと人が乗りこむ。
いよいよ次が私たちの列車だ。
しかし待てども待てどもアウランガーバード行きのシャダブディ・エクスプレスは来ない。どうなってるんだ、だいたいこのダダール駅のひとつ前の駅、CST(チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス)駅が始発のはずだろ。途中で止まったりとかそういうことはありえないハズ。

いずれにしても待つしかない……。

待っている間、「世界一すさまじいムンバイの駅」をナマで見ることができた。
ホームには長距離列車が着く間合いにローカルが頻繫にやって来る。日本でいう、いわゆる山手線や中央線的な電車だ。
はじめそれとはわからずに、ホームの線路際に人が集まり膨れ上がるのを見て、私たちはいよいよ自分らの列車が来るのかと思い、人だかりに近寄った。
するとそばにいたインド人青年が、
「キミたち、ローカルに乗るの? それなら女性専用車両に乗った方がいいよ」
ローカル? いや、乗らないけど。
「そう、それなら下がってた方がいいよ。ここは危険だ……来たッ。キミたち、もっと下がってーーそ、それじゃ!」
私たちが呆気にとられていると、滑り込んできたローカル電車に青年は駆け寄っていった。……というより人の渦に飲み込まれていった。
人の一丸が怒涛のように電車のデッキに押し寄せる。
聞こえてくる怒号と絶叫。我先にデッキに足をかけようとするインド人を、他のインド人が突き飛ばし手すりを掴もうとする。が、他のインド人がその手を払いのける。
すごい殺気。
なんとか電車内におさまるインド人たち。が、ものすごいぎゅうぎゅう。日本の満員電車もすごいが、それ以上。まるで秩序がないのだ。
デッキから人がはみ出したまま、電車は発車する。当然ドアは手動で開けっぱなし。
電車が去ると、ホームは落ち着きを取り戻す。
そしてまた数分後、さっきと同じように人が集まりだし、ローカルがやって来て、再び怒号と絶叫。すごい迫力。
これが延々と繰り返されるのだ。

以前、某女タレントがTV番組のロケで、この満員電車に乗ったそうだ。もちろんはちゃめちゃになったのは言うまでもない。
いやー女の子にはムリでしょ。
あの密着度、スリはもちろん、他に何されるかわからないし、何もされなくても死にそうになる。
そう、だからなるほどちゃんと「女性専用車両」があるのだ。
意外に思うかもしれないが、インドでは痴漢は重罪なのだ。

そんなインドの通勤通学風景を見ながら、私たちは辛抱強くエクスプレスを待った。
午後4時、ゆうに2時間遅れて、シャダブディ・エクスプレスはその姿を現した。
最近は、あまり電車は遅れないと聞いていたが、改めてここはインドだと実感。遅れてすみません、なんていうアナウンスも当然ないしね。

腹が立つとかそうはならずに、ああ電車が来てくれてよかった〜〜と思わされてしまうところこそが、インドのスゴイところ……か。


シャダブディ・エクスプレス AC付2ndチェア
けっこう座り心地のよかったシート。
けど座りっぱなしの6時間はやはりだる〜〜。
シャダブディエクスプレス内1
シャダブディエクスプレス内2

ダダール駅前から
インド生リポ ●エローラ&アジャンタ編#1 14年ぶりのムンバイ
エリア:
  • アジア>インド>ムンバイ
テーマ:街中・建物・景色 鉄道・乗り物 
投稿日:2012/01/20 15:55
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2011/10/12


コヴァラムからエローラ&アジャンタ5日間のウィークデートリップを決めた私たち。
重いスーツケースは常宿のSEA VIEW PALACEに預けていく。また戻ってくるから、部屋とっといてね。そうお願いするとマネージャーのジーバンは快くOKしてくれた。常連だと、こういうときに強い。
持っていくのはサブバッグとして使っている中サイズのバックパック。そこに4泊分の荷物を詰める。
……もうはちきれんばかり。ラップトップは置いていく。しかし、ぶ厚い「歩き方」は持っていかないわけにはいかない。それでもなんとか収まった。けっこうパッキングが上達したのかも。

出発の日。
まずは午前8時発のTRV(トリヴァンドラム)発のインディアン・エクスプレスでムンバイへ。
インディアン・エクスプレスはインドのナショナルフラッグであるエア・インディアに属するエアラインであるようだ。他の国内航空会社よりもかなり安く、しかも早く、おあつらえ向きだった。ちなみにムンバイまで4000ルピーほど。

コヴァラムでは毎朝だらだら9時だの10時だのに起きていたので、この日の早起きは辛かった。出るのが若干遅れ、しかもてっきりドメスティックだと思い、TRVの国内線空港へ行ってみると、インディアン・エクスプレスは国際線空港から飛ぶという事実を知り、がーーーん! 慌てて国際線空港へ向かうハメに。
考えてみればTRVの国際線空港へそれまで行ったことがなかった。
焦って拾ったリキシャのドライバーは、ここからだと20分くらいかかり、料金は200ルピーだと言う。

200ルピー???
べらぼうに高い。
コヴァラムから国内線空港までは20〜30分で100ルピーかからなかった。
こいつ、足元見やがって。
けれどもう時間がなかった。しかたない。

ところがリキシャに乗ってから、空港まで見送ってくれるというインド人の友人がドライバーに食ってかかり始めた。

「おい、200ルピーはどう考えても高すぎるだろ。ちゃんとした値段にしろよ。……ガソリンが高くなったから、だって? そんなこたぁオレだって知ってるよ。それにしたって高すぎる。あんたさぁ、彼女たちがツーリストだからってふっかけようとしてんだろ? ふざけんなよ。……空港から戻ってこなくちゃならないから? 何ゆってんだよ、それがあんたの仕事だろうが。そんなことゆうなら、リキシャの運転手なんてやめろよ。
じゃあ180ルピーにするって? バカじゃねーの、オレは知ってるの、政府が決めた料金っていうのを。1km=10ルピーなんだよ。あそこからインターナショナルまで10kmもねーんだよ。めちゃくちゃボッてるじゃねーか。
あのなぁ、あんたみたいなヤツがいるから、いつまでたってもインドは先進国になれねぇんだよ、わかるか、この」

……的な内容の会話を彼とドライバーは英語とマラヤラム語のちゃんぽんで怒鳴りあっていた。
結局、彼の剣幕に押され、ドライバーは200ルピーを撤回した。
彼は私に、「70ルピー以上払う必要ないから」
ドライバーは哀れな表情で恨めしそうに私たちを見ていた……。

こんな珍事があったが、私たちは無事にインディアン・エクスプレスに乗ることができた。
が、インドの国内線でのセキュリティチェックはとても厳しい。
最近、あちこちでテロが起きているせいで過敏になっているのだ。
ゲートで、もうあと出発まで15分もないというのに、友人はせっかく詰めたバックパックからほとんど全てを引っ張り出されてしまった。セキュリティのインド人男たちは彼女のポーチまでひとつひとつ開けていった。
けど、彼らは楽しそうで、どうも半分は興味本位で開けているようだ。
その証拠に相棒の荷物チェックに時間をかけすぎたせいで、私のバックパックを見る時間がなくなってしまい、私の荷物チェックはおざなりだったのだ。それでもうっかり入れてきてしまった眉毛カット用の小さなハサミを取り上げられてしまった。あぁ迂闊。

インディアン・エクスプレスの飛行機は、エア・インディアそのものだった。
機内に入ってみると、シートの色やシートカバー、全体的な雰囲気がなぜか懐かしい。席に座り、リクライニングを操作しようとしたがバカになっていて動かない。
そのとき記憶がよみがえった。
これはかつてのエア・インディアの航空機だ。
私が初めてエア・インディアに乗った頃のあの飛行機。まだムンバイがボンベイと呼ばれていた頃の。
リクライニングや肘掛けの部分がよく壊れていたっけ。
それはトイレに入ったときに確信に変わった。狭く古くさいトイレ……。
まちがいない、インディアン・エクスプレスの航空機はエア・インディアの払い下げなのだ。……ちゃんと飛んでくれればいいが。

2時間後、機は無事にムンバイの空港に着陸した。
機内の冷房のあまりの強さに相棒は鼻をぐずぐずさせている。空港内もピーンと冷房が効き、ストールを手離せない。
が、ムンバイの空港には目を見張った。
私がかつて訪れたときの空港とは、まるで変わっていたのだ。
昼間でも薄暗い、灰色のコンクリートの壁に囲まれたあの空港とは。そもそもにおいが違う。あの強烈な脱臭剤のにおいはどこにもない。明るく広々としたロビー、そして玄関を出てまた驚いた。
かつては玄関前にリキシャが列をなし、客引きであふれていた。が、今はロータリーがきちんと整備され、花壇やコジャレたカフェスタンドもある。みすぼらしい格好をした客引きの姿もリキシャもどこにもなく、わかりやすい場所にプリペイドタクシーのカウンターがあるだけだった。
そしてにおい。
かつての空港を取り巻いていた排泄物のにおいも全くない。

ムンバイ チャオラパティ・シヴァージー国際空港玄関前
チャオラパティ・シヴァージー国際空港1
チャオラパティ・シヴァージー国際空港2

カフェスタンドもあり
カフェスタンド


ムンバイからアウランガーバードへはシャタブディ・エクスプレスという急行列車で行く。ムンバイにはいくつか主要駅があるが、私たちはそのなかのダダールという駅からのチケットを予約していた。
ダダールはムンバイの中心地から北寄りにある。なので今回は以前訪れたインド門やマリーンドライブにはお目にかかれない。
プリペイドタクシーのカウンターでダダールまでのタクシーを頼む。エアコン付きかナシかを訊かれ、エアコンなしを選択。所要40分で150ルピー。それほど高くない。
時刻は11時近い。列車はダダール発14時。まず問題はないだろう。
小型のタクシーに乗り、空港を出た。
空港周辺はどこも工事中だった。だだっ広い土地に大きなクレーン車やトラックが砂塵を巻き上げている。さしずめ大規模開発中というところか。
ああ、ここら辺一帯にはかつて巨大なスラムがあった。
汚れたテントが隙間なく並び、下半身まるだしの小さな子供が走りまわり、大人が側溝に小便をしていた。すぐに物乞いがバスを取り囲むので、ドライバーはわざとスピードを上げて、スラムを突っ切るように走った。
そんな風景は今ではどこにも見当たらない。
あと数年もすればこの一帯はデリーのようにエアポートエクスプレスが走り、ホテルが立ち並ぶようになるのだろう。
ムンバイは確実に変化しているのだ。
スラムなどない方がいいし、スラムなど必要ないくらい人々の生活が豊かになった方がもちろんいい。が、あのとき私が受けた衝撃を、これから初めてムンバイを訪れる人たちに与えられないのは、少しだけ残念な気がする……。相当勝手な言い草だが。


空港周辺は全工事中
大規模開発中1

10年前はここら一帯はスラムだった。
大規模開発中2


市内に出ると道路が混んできた。
クルマが止まってしまうと、開けた窓からどっと埃が入ってくる。窓を閉める。途端に社内の温度は急上昇。また窓を開ける。埃。マスクをつける。よかった、マスクをバックパックに入れておいて。だが、暑い。蒸し暑い。さすがムンバイ。
「エアコン付きにすりゃよかったね」相棒が言う。確かに。
ほんの数十ルピーをケチッただけで不快な思いをする……インドとはそういうところなのだ。
定期的に現れるマクドナルドの看板。オレオの入ったマックフルーリーの写真がでかでかと載っている。
以前はバンガロールにしかなかったマックも今では大都市にフツーにあるのだ。デリーの空港にもムンバイの空港にもあった。先進国のファストフードの味が懐かしく、ベジタリアンだというのにダブルチーズバーガーとフライドポテトが無性に食べたくなった。
インドのレストランにはバーガーもフライドポテトはあるのだが、マックのように細く絶妙な塩味は、ない。
インドの変化の象徴であるマックの看板の向こうに、今にも崩れ落ちそうな汚れたマンションが折り重なるように建ち、赤や青のサリ-がひらひらとベランダに干されてあった。

タクシーは繁華街に入っていく。
小さな店が増えるにつれ、道行く人々も増えていく。路上では野菜が売られ、所々にはチャイ屋も見える。
いくら都市開発が進んでも、庶民の生活はやはり庶民の生活だ。こんな風景を見るとホッとする。もう駅が近いのだろう。人もクルマもリキシャもぎゅうぎゅうになってきた。
ダダール駅の前でタクシーを降りる。結局空港からここまで1時間以上かかってしまった。時間に余裕があってよかった。
しかし、降り立った瞬間、人込みと熱気と騒音に圧倒された。
さすがインド第二の商業都市ムンバイだ。TRVの喧騒などかわいいものだ。タクシーの客引きの声、クルマのクラクション、めまいを起こしそうなほどの人、人、人の数。ただでさえ暑いのに、それらがいっそう不快指数を上昇させた。
1秒もじっとしていられない。
私たちは自分たちの列車番線を確認するとすぐに駅前の高級そうなレストランに逃げ込んだ。

ドアマンがドアを開けてくれるようなレストランだった。
中に入った途端、気持ちのいい冷房に生き返る。白い清潔なテーブルクロスと静かな音楽、落ち着いた照明。私はおなかが減り、ノドが渇いていたことに急に気が付いた。
出発の14時まではまだ2時間ほどある。
私たちはここでゆっくりごはんを食べ、リラックスすることに決めた。


ダダール駅前には高僧ビルが
ダダール駅前から

駅前にある高級レストラン。上階はホテル。
隣には庶民はベジレストランがあった。
ダダール駅前のレストラン

※詳細情報
チャオラパティ・シヴァージー国際空港〜ダダール駅
プリペイドタクシー ACナシ 200rs
AC付き 250rs
所要40分〜1時間

駅前レストラン…ロータリ-を挟んだ向かい側
カレー90rs〜 少々高いが量はがっつり
冷房の効き目は上々
名前は忘れてしまいました。

ビーチのカフェ
インド生リポ ●コヴァラムビーチ編#3 ●ウィークデートリップでムンバイ
エリア:
  • アジア>インド>コヴァラム
テーマ:観光地 街中・建物・景色 ビーチ・島 
投稿日:2012/01/17 23:57
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2011/10/11


コヴァラムにいると時間が水のようにさらさらと流れていく。
何もしない怠惰な毎日。ぬるま湯につかりながら、目に映るのは、青い海とインド人男。
退屈だけど退屈ではなく、忙しくないけど時間は音もなく過ぎていく。

いかん、これでは。

そもそも今回はコヴァラムに長逗留するのはやめようと決めていた。
前回はアーユルヴェーダを学ぶという目的があり、毎日せっせとスクールに通っていたので、コヴァラムに滞在する理由があった。が、今回は特に目的がない。だからまだ見ていないインドの部分をまわろうと計画していたはず。
このままだらだらしていると、すぐに帰国する日になってしまう。

ビーチ沿いのカフェで海を眺めながら、のんびりネットなんかしてると、ハッと我に返り危機感を覚える。

そういうわけで相棒とミーティング。

彼女もコヴァラムが大好きなので、離れることに難色を示した。が、インドへ来る前に彼女自身も他に行きたい場所を挙げていたので、やはりこのままここにいるのはしょうがないという気持ちも強かった。
私も同じだ。移動すべき。でも、やはりここを離れたくない。
どうしようか。
行こうと思っている場所はいろいろある。
プーナ、ムンバイ、エローラ、アジャンタ、ゴア。そして北。
私の最大の目的はバンダウガルでトラを見ること……。

二人で意見が一致する一番の場所はエローラ&アジャンタだった。
そこにはムンバイを経由して行く必要がある。
けれどエローラ、アジャンタに滞在するのはせいぜい四日もあればいい。そのためにスーツケースを持って動くのはなんとも難儀だ。
私たちは地図を広げる。
地図の上ではコヴァラム〜TRV〜エローラ・アジャンタは10cmほど。
「ねぇ」私は突然閃いた。
「エローラ・アジャンタに行って、またコヴァラムに戻ってくるってのはどう?」
スーツケースは置いていけばいい。ホテルに頼めばきっと預かってくれるだろう。3泊か4泊分の荷物をバックパックに詰め込んで、出かけるのだ。身軽になれば移動もラク。
「ショートトリップできそうじゃない? 飛行機と汽車をうまく使えば」
相棒はそれを聞くと、すぐにラップトップを開け、エローラ・アジャンタへの道を調べ始めた。
「行けるよ、ユミ。TRVからムンバイに飛んで、そこからアウランガーバードまで汽車で行けば。行きは朝出れば、夜にはアウランガーバードに着ける」
アウランガーバードはエローラ・アジャンタ観光の拠点になる町だ。
「帰りは?」
「帰りは……」彼女はキーボードをタップする。
帰りはムンバイまで夜行列車で戻り、そこから飛行機でTRVへ。すると午後にはコヴァラムへ戻れる旅程があった。
「そうしようよ」
「そうだね、これで行こう、4泊ぐらいで」
相棒はインドのトラベルサイト、cleartripにアクセスし、さっそくブッキングにとりかかった。

ウィークエンドトリップならず、ウィークデートリップ。
コヴァラムに戻ってこられるとわかった途端、私たちは俄然やる気がでてきた。
これでまた埃と喧騒のインドの町へ出かけていける……。

実はヨギニです
インド生リポ ●アシュラム編#1 アシュラムで風をひく
エリア:
  • アジア>インド>ティルヴァナンタプラム(トリバンドラム)
テーマ:街中・建物・景色 歴史・文化・芸術 
投稿日:2011/12/23 17:04
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2011/10/02〜


夕方の便でデリーからアシュラムのある南インドのケララ州、トリヴァンドラム(TRV)へ。
飛行機はおなじみのエア・インディア(AI)だ。
ここ数年、AIの料金はうなぎのぼり。国内線も例外ではない。
デリーからTRVまではフライトで4時間。列車なら3日間。そう考えるといかに距離があるかわかるのだが、それにしても片道だけで2万円近くかかる。
が、今回はマイルが貯まっていたので、ラッキーなことに片道はタダだった。

余談だが、本当は必要なマイル数に足りてなかったのだが、問い合わせをすると足りない分はルピーで払えばよいとのことだった。それを了承したら、とてもラッキーなことがあった。AIのマイルが貯まってる人は、ぜひお試しを。いいことがあるかもしれないよ。

何度となく使っているTRV国内線空港。
外に出るとケララらしい、みずみずしくやわらかな空気が肌に触れる。
タクシーのドライバーたちが集まってきてあれこれ言ってくるが、控えめな客引きと人なつこい笑顔に、デリーで北のインド人にくさくさしていた私の心もほぐれていく。

--やっぱりケララはいいなぁ。
たったこれだけのことでそう思ってしまう。

空港からアシュラムへはプリペイドタクシーで行く。
私と相棒以外の友人たちは初めてのインド、初めてのアシュラムなので準備に余念がない。今夜アシュラムにチェックインしたあとはシャワーは使えない旨を伝えると、空港のトイレで30分かけて洗顔&スキンケアをしていた。銃をかついだセキュリティのおっさんたちも苦笑。

アシュラムへ向かう間、寝静まった小さな町や村を通り抜けながら、初めてアシュラムへ来たときのことを思い出していた。
1ヶ月間のティーチャーズ・トレーニングコース(TTC)。何をするのか、やらされるのか、どんな勉強ができるのかという期待と不安。
苦しくとも充実した時間だった。
けれど二度とTTCは受けたくない。
もし万が一次があるとすれば、アドバンスに挑戦してみるかもしれないが。
タクシーはいつのまにか山道を上り始めている。ヘッドライトだけを頼りに右に左に車体が揺れる。
今回はTTCでもなんでもない、ただのYogaVacationヨガ・バケーション(ヨガバケ)だ。
朝夜のサットサン(瞑想など)と朝と夕方のヨガクラスに参加することだけ。これらさえも任意だ。昼間には哲学などのレクチャーがあるが、もちろん参加自由。どうしてもやらなければならないのは、カルマヨガと呼ばれる奉仕活動だけ。これはアシュラムでそれぞれ仕事を振り分けられる。
ヨガバケは、ただアシュラム生活を楽しめる。規則さえ守れば、あとは何もない。逆にいえば、どんなふうに過ごすかは自分次第であり、アシュラムが合うか、合わないかが自分ではっきりわかってくる。

私にとっては、アシュラムは実家のようなものだ。
なつかしくリラックスできるけど、そんなに長くいたいとは思わない。めんどくさいこともあるけど、近くまできたら顔を出さないわけにはいかない場所。
そしてやはり離れるときは、また来ようと思ってしまう場所--だ。


アシュラムにチェックインし、ドミトリーに荷物を運び、ベッドの準備をし終えたときには、すでに深夜1時近かった。
ドミにはもちろん先客が何人かいたので、彼女たちを起こさないように気をつけながらの準備だった。その夜は思った以上に涼しく、天井のファンを回す必要はなかった。
私はベッドに横になった途端、意識を失うかのようにすぐに眠りに落ちた。
早朝、毎朝5時20分に鳴り響く鐘の前に、目が覚めた。
寒くて、目が覚めたのだ。腕時計を見るとまだ5時前。
チェックインしたときに、アシュラムから枕、シーツ2枚、蚊帳を渡されるのだが、前回来たときはからだに何もかけなくても暑いくらいだった。が、今朝はシーツ1枚では寒く、私は持ってきたストールを重ねる。
そのあとは、あの恐怖の鐘が鳴るまでうつらうつらしただけだった。
遅く着いた翌朝なので、今朝は6時からのサットサンには出ず、8時からのヨガクラスから活動を始めるつもりでいた。が、結局鐘の音のあとはもう寝ていられず、6時には起きてしまった。

ノドが痛い。

イヤな兆候だ。頭もスッキリしない。からだも重い。
寝不足のせいか……。

ゆうべはシャワーを浴びていないが、あとでヨガクラスに出るので、とりあえず洗顔だけする。水はひんやりし、ドミ内はまだ涼しい。
7時半になり、ヨガウェアに着替えてから中庭へ。
この時間は朝のティータイムでチャイが飲める。
温かく甘いインド式ミルクティーは全インド共通の飲み物で、インドではこれが一番おいしい。
友人たちも集まってきた。みな寝不足だろうに溌剌とした顔をしている。が、一人だけ欠けている。彼女はどうしたの、と尋ねると、おなかの調子が悪いみたい、という回答。
あちゃ。さっそくインドの餌食……いや、洗礼を受け始めたか?

ヨガクラスはビギナーとアドバンスのふたつのクラスがある。
私はアドバンスクラスを受け、たっぷり2時間近くからだを動かした。
その後すぐにブランチなのだが、私はいったんドミに戻り、シャワーを浴びた。アシュラムでは例外なく水シャワーだ。慣れるまではやはり冷たい。
からだはスッキリしたが、やはり体調がいまいちなのか、ノドの痛みはおさまらず、くしゃみも出始め、そしてダルい。

どうやら完全に風邪を引いてしまったらしい。
インド入りしてまだわずか四日。体調を崩すなんて想定外だった。

NoPhoto
インド生リポ ●デリー編#1 じいさん、現る
エリア:
  • アジア>インド>デリー/ニューデリー
テーマ:街中・建物・景色 鉄道・乗り物 
投稿日:2011/12/06 18:08
コメント(0)
2011/10/01


正直デリーは好きではない。
できることならホテルから出ないで、翌日すぐに移動したい。が、今回はインドが初めての友人が数人いるので、彼女たちのために少しだけデリーで時間をとった。パハールガンジのメインバザールを歩いてもらえば、まずはインドの雰囲気を味わってもらえることだろうから。

デリーにインした翌日、友人たちを迎えにインディラ・ガーンディ国際空港へ再び行った。友人たちは時間差でデリーに着くので、まずは最初の一人を迎える。
が、私は少々遅れてしまった。すでに友人は到着ロビーを出たロータリーの約束の場所にぽつんと立っていた。不安にさせてごめん、と謝ると、
「大丈夫。親切な人がさっきまで一緒にいてくれたから」
日本人?
「そう。機内で隣の席だったの。ごはんのときに私がCAの英語を聞き取れなくてまごまごしてたら、助けてくれて。その人、インドに会社があるらしくて」
その日本人男性は自分の連れのトランジットを手伝いに行き、間もなく戻ってくるのだという。
「迎えがいなかったから、その人すごく心配してくれてね。もし、友達と会えなかったら、僕の知ってるホテルに連れていってあげるって言ってた」
それはそれはずいぶんとご親切に。でも、私が遅れたので、そう言われてしまってもしかたがない。インドが初めてで英語も話せない日本人の女の子を放っておけない、と思う気持ちはよくわかる。
しかも友人はかわいいのだ。
そこまで心配してくれたのなら、このまま無視していくのは憚られる。とりあえず挨拶ぐらいはしていこうか。

しばらくしてその日本人男性がやって来た。
35〜40歳の間というところか。中肉中背のごく普通の日本人だ。
ご迷惑おかけしてすみません、と挨拶すると、彼は快活に笑い、
「いやぁ、まぁよかった。彼女、泊まるホテルの名前もわからなかったみたいで。初めてのインドでそれじゃかわいそうだから。あ、僕、Y田です」
はぁ、すみません。
「インドはねー、いろいろ危ないところだから女の子はね特に。僕はもうインド長いから、助けてあげられるところは助けてあげようと」
……はぁ。いろいろどうも。
じゃ、私たちはこれで、とそう言おうとした瞬間に、
「ホテルまで送りますよ。僕のドライバーが迎えに来てるんで」
見ると、彼の後ろにじっと立っているインド人がいる。彼がそのインド人に何事かいうと、インド人は慇懃に頷いた。
いえ、いいですよ、これ以上ご迷惑かけるのも……。
「いやいや大丈夫。ホテルはどこ?」
パハールガンジの方ですけど。
「あ、そう。僕はコンノートプレイスにあるホテルなんだけど、パハールガンジならそこから近いし。送っていきますよ」
私は咄嗟に計算した。
友人は大きなスーツケースを持っている。
予定では空港からエアポートエクスプレスでニューデリー駅まで行き、そこからホテルまで歩くつもりでいた。駅からホテルまでは距離的には遠くはないが、エアポートエクスプレスのニューデリー駅を降りてから、長距離列車のターミナルを越えていかねばならない。ターミナルは階段しかないので、大きな荷物を持っていると大変なのだ。
ならば、これは利用させてもらった方がいいかもしれない。
男は私の友人から目を離さない。それから私に向かって、
「ホテルの名前は?」
「コテージ・イエス・プリーズってホテルなんですけど」
「イエス・プリーズ?」
彼は怪訝な顔をして首をひねる。
「聞いたことないな。パハールガンジの? イエス・プリーズねぇ」
しばらく考えてから、私を見ると、
「わからないな。そのホテル、本当に大丈夫? インドは危ないホテルも多いからね」と、友人に目をやる。
「いえ、心配ないです。以前にも泊まっているので」
男はあれ? という顔をし、
「あなたはインド初めてじゃないの」
「もう何度か来ています」
「あぁ、そうなんだ。じゃあ彼女もあなたがいれば大丈夫だね」
はぁ、まぁ。
彼はそこでくるりとインド人運転手に向き直ると、早口の英語で「イエス・プリーズというホテルの場所を確認してくれ」
その頃になって私は面倒になってきた。
場所がわからないのでは時間がかかるだろう。しかもすでに午後7時近い。ちょうどデリーは渋滞の時間で、空港からパハールガンジまで1時間はかかるだろう。エアポートエクスプレスなら20分で着く。
友人の表情にも疲れがみえる。私はY田に、
「あのー、もし場所がわからなければ、けっこうですよ。エクスプレスでもすぐですし」
「いや、大丈夫。今、確認とってるから」
「えーっと、クルマ渋滞してると思いますし、Y田さんもお疲れでしょう。だから送っていただかなくても……」
「心配しないで。じゃ、とりあえずクルマまで行きましょうか」
彼はくるりと向きを変えると、ドライバーと共にパーキングへ向かって歩き出した。手にはケータイを持ち、しきりに「イエス・プリーズ」「イエス・プリーズ」と大声で話している。
友人が私に耳打ちしてきた。
「なんだかかえってごめんね。私、クルマじゃなくていいよ、なんかめんどくさい」
「私もクルマよりAPの方が早くホテルに着くとは思うんだけど。でも今さら悪くない? 私より、あなたが気を使うんじゃない?」
友人は首を振り、
「いいよ、別に。もう二度と会わないし。それに全然興味ない」
私たちは顔を見合わせた。

パーキングは空港内の、AP乗り場へ行く途中で分岐する先にある。
Y田たちは迷いもなくパーキング方面の動く歩道に乗り、ずっと先にいた。
「このまままっすぐ行くと、もうAP乗り場なんだけど」私が言うと、友人は、
「いいよ、電車で行こうよ、私、Y田さんに断ってくる」
彼女はY田を追って走り出した。私も後を追う。
そしてパーキングに入り、ほら、あれが僕のクルマ、と振り向いたY田に向かって、
「ごめんなさい、やっぱり送ってもらわなくてけっこうです。ありがとうございました!」友人はぺこりと頭を下げ、彼に背を向けた。
私たちも愛想笑いを贈って、きびすを返す。
えーーーーー!!! 背後から追ってくるY田の声。
「それならそうともっと早く言ってくれよ。せっかくホテルの場所もわかったのに。ねぇーーー!!!」
友人はもう一度振り返ると、
「本当にありがとうございましたぁ。お元気でー」
ちょっとぉおお〜〜〜いぃぃ……Y田の声が遠くなっていった。

いい人だった……と思う。
しかし、どうも上から目線なおせっかい、という印象しか残らない。
まるで「最近の若いモンはなにも知らん」が口癖のじいさんのようだった。
まぁ確かにこちらもコズルイことを考えたので申し訳なかったけど。
でもあの強引な感じは、途中からインド人かと思わされた。

コンノートプレイスあたりに泊まるような人にとっては、パハールガンジもメインバザールもインドの貧困や悪の巣窟というイメージだろうけど、いいところも楽しいところもあるんだよー。
あなただけがインドを知っているわけじゃないんですよーー。

どうもインドが長い日本人は親切がインド人化している気がする。
すなわち、親切とおせっかいのボーダーがわからなくなっているってことか。それと空気を読めなくなりつつあるというか……。

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