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エリア:
- アフリカ > ウガンダ > ウガンダその他の都市
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テーマ:
- 鑑賞・観戦
朝、小鳥のさえずりを聞いて、ロッジの木窓を開ける。何と…快晴だ。空には雲一つない。雨季だっていうのに信じられない。
毎日申し訳なさげに小さくなって公園ゲートの隅でウェイティングしていた我々だが、今日は自分達の番だ。
堂々と胸を張って、公園オフィスの敷居をまたぐ。
他の4名はまだ来ていない。どうやら我々が一番乗りのようだ。
Junkoの風邪もすっかり良くなって、咳もほとんど出なくなった。もしもの時の為に、アメと水も準備。ノドがムズムズしてきたり、咳が出そうになったら、すかさずアメと水分で咳を抑える作戦だ。
公園オフィスで支払いを済ませ、屋外のブリーフィングポイントで出発を待つ。
すると、また信じられない事が起きる。
これまでの丸4日間、毎日定員6人ほぼ満員だったのに、この日のトレッキング参加者は我々2人だけだと言うのだ。これはラッキー。
「ゴリラには5m以内に近付かないように。ゴリラに会ったら、飲食は避けるように…。」
と注意事項のブリーフィングが始まる。
「咳やくしゃみは出ませんか。」
とガイドが聞いてきた。
「はい、出ません。」と伝えたいので、日本人の悪いクセでつい、「Yes」と危うく答えそうになるも、寸での所で飲み込んで、
「No.Not at all」
と声高らかに返答する。ふう、危ない、危ない。
そして、いよいよ出発。
トレッキングにはガイドの他に、武装した護衛の兵士が数人付く。
ここはルワンダ、ウガンダ、コンゴ三国の国境地帯。別の国立公園ブウンディでは、かつて観光客がゲリラに襲われて殺害されるという事件も起きているのだ。
おとといの朝などは、ロケットランチャーで完全武装するアーミー達の姿も目にしている。
山を登り始めて2時間程は上りも緩やか。
トレッキングコースは草が刈られ良く整備されているし、何と言っても景色が素晴らしい。登れば登るほど、朝のまばゆい陽射しにくっきりと照らされた水と緑の大パノラマ。
すっかり爽快で全く疲れを感じさせない。眼下にはコンゴの大地も見える。
それでも、たっぷりと水を含んだ草が積もる道はソフトで、時折足も取られ、それなりに汗をかかせられる。
気持ち良い汗を程良くかいた頃、いよいよゴリラ探しに道なき森へ分け入る。
辺りは竹が生い茂り、山菜やぜんまい、キノコが顔を出す険しい森。
行手でアーミーが大型のナイフで茂みをカットしてくれる。
その後ろから我々が続くも、上下左右から鋭いササの葉やトゲトゲの木の枝、足元にはナイフでカットされた竹の切り株などがあり、身をかがめ、顔の前に両手で手刀を作って、ブッシュから上半身を防御し、湿った草の上を一歩一歩慎重に踏みしめながらついて行く。
湿った草の上を歩いているので、クツはもうビショビショだ。
所々細く若い竹が何本もへし折られ、草の上に横たわっている。ゴリラが食べた後だと言う。ゴリラのウンチも現れだした。
ゴリラが食べ散らかした竹やウンチの跡を追い、更に深く分け入って行くと、
「いた。」
大きく背中が銀色のマウンテンゴリラが腹ばいになって横たわっている。
その隣の茂みからザワザワと音がするので、周り込んで近付いて行ってみると、いました。マウンテンゴリラのファミリー。
大きなオスが一匹。小柄なメスが3匹、そしてカワイイ、カワイイ、ベイビーが2匹も。
実際に見ると、野生のゴリラは動物園の不機嫌そうなゴリラとは全く違う。もちらん、今見ているのはマウンテンゴリラ、動物園にいるのはローランドゴリラ、という違いはあるのだが、それ以上に、明らかに違うのは、野生のゴリラは毛並みがいい、フサフサのツヤツヤ。そして何より活き活きしている。
気持ち良さそうに、のんびりと寝返りを打つ黒光りしてフサフサの体の大人のゴリラたち。
ベイビーゴリラはそのまわりで転がり、枝にぶら下がり、竹のまわりをぐるぐる追いかけっこしたり、つかみ合いのケンカをしたり。皆、気が付いたように、時折、若い竹をむしって、ムシャムシャ食べている。
しばらく眺めていると、一匹のベイビーが我々に気づいて、竹の枝をスルスル伝って、こっちにやって来るではないか。
Junkoの目の前まで来ると、潤んだ瞳で何か訴えている。あいさつにでも来たのだろうか。すいっと手を前に出し、手のひらをこちらに向けて広げて、まるで握手でも求めているかのようだ。「カワイイ!」 もう、自分もJunkoも目がハート状態。 でもゴリラには触れてはいけない事になっているので、握手は我慢。
ゴリラのベイビーとは、ほんの数cmの大接近。少し離れた所にいる大人のゴリラ達とも2m程しか離れていない。、
「(事前の注意では)5m以上近付いちゃいけなかったんじゃなかったっけ?」
険しいブッシュの間からその様子をのぞいているので、何人もいたら見えにくかっただろうなと思うと、本当に今日は2人きりで天気も良く、ラッキーだ。
ゴリラというと、巨体でノソノソとしたイメージしかないが、こんなぬいぐるみのようなツヤツヤでフサフサの毛に包まれたカワイイのが深い森の中で、日々コロコロとでんぐり返りをしたり、側転をしたりしているのかと思うと、ゴリラは正に森の妖精だ。
1時間、たっぷりと森の妖精達との時間を楽しんだ後、興奮覚めやらぬまま、夕日の澄んだ斜めの陽射しに輝く緑の森に包まれた山を下りる。
夜は久しぶりにレストランでディナー。コーラで祝杯を揚げる。
【食事】
朝:パン、バナナ
昼:パン
夜:チキンシチュー、豆スープ、ごはん、アボガド
【トラベルメモ】
1US$ ≒ 1500Ush(ウガンダ・シリング)
・ムガヒンガ国立公園ゴリラ・トレッキング 予約はカバレ、又はキソロの公園事務所で受付。料金はパーミッション175US$+入場料15US$/1人。キャッシュ払のみ。定員は1日6人 8:30に公園ゲート集合。トレッキングは9:00〜14:00位。 ブウンディはなかなか予約が取れないそうだが、ムガヒンガは1週間以内程度なら予約可能。料金もブウンディより安くてオススメ。
ルワンダの国立公園は予約は取りやすいが、料金が高い。コンゴ観光も難しい。今、アクセスのし易さから言っても、ゴリラ/トレッキングにはここムガヒンガがベスト。 ただ、問題は雨(これは、どこの国立公園にも言える事だが)。ゴリラは食料の豊富な雨季を好み、山を国境に関係なく移動しているとの事。つまり、雨季の方がゴリラに会い易いようだが、それなりの雨対策が必要。 また、フラッシュ撮影は厳禁なので、高感度フィルムのほうが良い。
・ムガヒンガ→キソロ 材木トラックをヒッチ 10000Ush/2人 1台片道10000Ushが相場と決まっているらしい。今回、偶然我々2人だけだったが、通常他の旅行者とシェアできる。
・ミニバス キソロ→カバレ 8000Ush/1人 3時間
【宿】(カバレ)Visitors Hotel 今回も2人でシングルに泊まらせて欲しいと言ったら、Wの部屋をシングル料金(2500Ush/1室)で使っていいよと言ってくれた。なんて親切な。感謝!!
毎日申し訳なさげに小さくなって公園ゲートの隅でウェイティングしていた我々だが、今日は自分達の番だ。
堂々と胸を張って、公園オフィスの敷居をまたぐ。
他の4名はまだ来ていない。どうやら我々が一番乗りのようだ。
Junkoの風邪もすっかり良くなって、咳もほとんど出なくなった。もしもの時の為に、アメと水も準備。ノドがムズムズしてきたり、咳が出そうになったら、すかさずアメと水分で咳を抑える作戦だ。
公園オフィスで支払いを済ませ、屋外のブリーフィングポイントで出発を待つ。
すると、また信じられない事が起きる。
これまでの丸4日間、毎日定員6人ほぼ満員だったのに、この日のトレッキング参加者は我々2人だけだと言うのだ。これはラッキー。
「ゴリラには5m以内に近付かないように。ゴリラに会ったら、飲食は避けるように…。」
と注意事項のブリーフィングが始まる。
「咳やくしゃみは出ませんか。」
とガイドが聞いてきた。
「はい、出ません。」と伝えたいので、日本人の悪いクセでつい、「Yes」と危うく答えそうになるも、寸での所で飲み込んで、
「No.Not at all」
と声高らかに返答する。ふう、危ない、危ない。
そして、いよいよ出発。
トレッキングにはガイドの他に、武装した護衛の兵士が数人付く。
ここはルワンダ、ウガンダ、コンゴ三国の国境地帯。別の国立公園ブウンディでは、かつて観光客がゲリラに襲われて殺害されるという事件も起きているのだ。
おとといの朝などは、ロケットランチャーで完全武装するアーミー達の姿も目にしている。
山を登り始めて2時間程は上りも緩やか。
トレッキングコースは草が刈られ良く整備されているし、何と言っても景色が素晴らしい。登れば登るほど、朝のまばゆい陽射しにくっきりと照らされた水と緑の大パノラマ。
すっかり爽快で全く疲れを感じさせない。眼下にはコンゴの大地も見える。
それでも、たっぷりと水を含んだ草が積もる道はソフトで、時折足も取られ、それなりに汗をかかせられる。
気持ち良い汗を程良くかいた頃、いよいよゴリラ探しに道なき森へ分け入る。
辺りは竹が生い茂り、山菜やぜんまい、キノコが顔を出す険しい森。
行手でアーミーが大型のナイフで茂みをカットしてくれる。
その後ろから我々が続くも、上下左右から鋭いササの葉やトゲトゲの木の枝、足元にはナイフでカットされた竹の切り株などがあり、身をかがめ、顔の前に両手で手刀を作って、ブッシュから上半身を防御し、湿った草の上を一歩一歩慎重に踏みしめながらついて行く。
湿った草の上を歩いているので、クツはもうビショビショだ。
所々細く若い竹が何本もへし折られ、草の上に横たわっている。ゴリラが食べた後だと言う。ゴリラのウンチも現れだした。
ゴリラが食べ散らかした竹やウンチの跡を追い、更に深く分け入って行くと、
「いた。」
大きく背中が銀色のマウンテンゴリラが腹ばいになって横たわっている。
その隣の茂みからザワザワと音がするので、周り込んで近付いて行ってみると、いました。マウンテンゴリラのファミリー。
大きなオスが一匹。小柄なメスが3匹、そしてカワイイ、カワイイ、ベイビーが2匹も。
実際に見ると、野生のゴリラは動物園の不機嫌そうなゴリラとは全く違う。もちらん、今見ているのはマウンテンゴリラ、動物園にいるのはローランドゴリラ、という違いはあるのだが、それ以上に、明らかに違うのは、野生のゴリラは毛並みがいい、フサフサのツヤツヤ。そして何より活き活きしている。
気持ち良さそうに、のんびりと寝返りを打つ黒光りしてフサフサの体の大人のゴリラたち。
ベイビーゴリラはそのまわりで転がり、枝にぶら下がり、竹のまわりをぐるぐる追いかけっこしたり、つかみ合いのケンカをしたり。皆、気が付いたように、時折、若い竹をむしって、ムシャムシャ食べている。
しばらく眺めていると、一匹のベイビーが我々に気づいて、竹の枝をスルスル伝って、こっちにやって来るではないか。
Junkoの目の前まで来ると、潤んだ瞳で何か訴えている。あいさつにでも来たのだろうか。すいっと手を前に出し、手のひらをこちらに向けて広げて、まるで握手でも求めているかのようだ。「カワイイ!」 もう、自分もJunkoも目がハート状態。 でもゴリラには触れてはいけない事になっているので、握手は我慢。
ゴリラのベイビーとは、ほんの数cmの大接近。少し離れた所にいる大人のゴリラ達とも2m程しか離れていない。、
「(事前の注意では)5m以上近付いちゃいけなかったんじゃなかったっけ?」
険しいブッシュの間からその様子をのぞいているので、何人もいたら見えにくかっただろうなと思うと、本当に今日は2人きりで天気も良く、ラッキーだ。
ゴリラというと、巨体でノソノソとしたイメージしかないが、こんなぬいぐるみのようなツヤツヤでフサフサの毛に包まれたカワイイのが深い森の中で、日々コロコロとでんぐり返りをしたり、側転をしたりしているのかと思うと、ゴリラは正に森の妖精だ。
1時間、たっぷりと森の妖精達との時間を楽しんだ後、興奮覚めやらぬまま、夕日の澄んだ斜めの陽射しに輝く緑の森に包まれた山を下りる。
夜は久しぶりにレストランでディナー。コーラで祝杯を揚げる。
【食事】
朝:パン、バナナ
昼:パン
夜:チキンシチュー、豆スープ、ごはん、アボガド
【トラベルメモ】
1US$ ≒ 1500Ush(ウガンダ・シリング)
・ムガヒンガ国立公園ゴリラ・トレッキング 予約はカバレ、又はキソロの公園事務所で受付。料金はパーミッション175US$+入場料15US$/1人。キャッシュ払のみ。定員は1日6人 8:30に公園ゲート集合。トレッキングは9:00〜14:00位。 ブウンディはなかなか予約が取れないそうだが、ムガヒンガは1週間以内程度なら予約可能。料金もブウンディより安くてオススメ。
ルワンダの国立公園は予約は取りやすいが、料金が高い。コンゴ観光も難しい。今、アクセスのし易さから言っても、ゴリラ/トレッキングにはここムガヒンガがベスト。 ただ、問題は雨(これは、どこの国立公園にも言える事だが)。ゴリラは食料の豊富な雨季を好み、山を国境に関係なく移動しているとの事。つまり、雨季の方がゴリラに会い易いようだが、それなりの雨対策が必要。 また、フラッシュ撮影は厳禁なので、高感度フィルムのほうが良い。
・ムガヒンガ→キソロ 材木トラックをヒッチ 10000Ush/2人 1台片道10000Ushが相場と決まっているらしい。今回、偶然我々2人だけだったが、通常他の旅行者とシェアできる。
・ミニバス キソロ→カバレ 8000Ush/1人 3時間
【宿】(カバレ)Visitors Hotel 今回も2人でシングルに泊まらせて欲しいと言ったら、Wの部屋をシングル料金(2500Ush/1室)で使っていいよと言ってくれた。なんて親切な。感謝!!