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エリア:
- アジア > 中国 > 天津(テンシン)
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テーマ:
- 鉄道・乗り物
朝、宿をチェックアウトすると、道をはさんで向かいにある団地の入口に出ていた屋台で、露天のテーブルの横に荷物を置いて、朝食に、豆乳やワンタンスープを取る。中国最後の朝に、湯気とともに漂うようこの雰囲気を、しみじみと味わう。
「○×○△◎…?」
「???」
市バスに乗って、早目に港に行って、チェックインカウンターが開くのを待っていると、突然、おじさんとお姉さんに、ハングル語(韓国語)で話し掛けられる。
我々の様子を見て、韓国人ではない事が分かった様だ。
「日本人ですか?」
日本語が喋れるようだ。
「アルバイトをしませんか。荷物を運んでもらうと、1人50000ウォン(5000円)です。税関は問題ありません。韓国に着いた後、少し時間が掛かります。」
見ると、そのおじさんとお姉さんの仲間らしき人達が、客船ターミナルの建物の前で、何やら荷物をダンボールから出して、大き目の手提げに小分けに梱包している。その手提げを、韓国行きのフェリーの乗客に、バイト代を払って運んでもらうつもりのようだ。
荷は、くつか何かの様に見える。周りを見渡すと、どうやら船の乗客のほとんどは韓国人。そのあやしげなバイトを頼んでいるのも受けるのも韓国人だ。
でも我々は日本人、税関は問題ないと言われても、韓国語はわからないし、くつの様に見えても実際何を運ばされているのか分からない。
だいたい、ただ荷を運ぶだけで5000円のバイト代は、割が良すぎる気がする。上手い話程気を付けなければ。
「ごめんなさい。」
と、お断り。
ただでさえ、天津の街のそちこちにはハングル文字が見られ、朝鮮半島が近付いて来たなと思わせられていたのだが、船に乗り込んで見ると、中国の天津に停泊中にも係らず、もうそこはすっかり韓国の雰囲気だ。
乗客、乗員は皆韓国人、船内の表示は全てハングル文字、そして、レストランでは韓国料理のメニューが並び、全て料金表示は、韓国通貨のウォンになっている。自動販売機では、日本のコインとそっくりの、ウォンのコインのイラストが描かれている。レストランから立ち込める、コチジャンの臭いがたまらない。
船は中々立派なもので、我々は一番安いエコノミー切符だったのだが、指定席ならぬ指定ベッド、共同浴場やカジノまである。
ロビーのTVでは韓国のWow Wowのような衛星放送で、次から次へとひっきりなしに映画が放映されている。韓国映画やハリウッド映画に混じって、シャル・ウィ・ダンス他、日本映画も字幕付で放映されている。韓国では日本の映画は上映禁止だと聞いていたが、それはあくまでも一般的な映画館での話らしく、もう長く、このような形や、ビデオでなら、公然と黙認されているらしい。
「海の上に出ちゃえば、船から見える景色は、インド洋も地中海もここも、そう変らないね」
船の丸い窓の外に、暗み行く、何だか不気味にも思える、えんえんとくねり動き続ける広大な海原を見ながら、ロビーのソファーに腰掛けて、暇つぶしにくつろいでいると、後ろから、
「日本人ですか?」
またあやしいバイトか何かの話かと思って振り向くと、若い女性が2人、にこにこしている。彼女達は大学生で、夏休みを利用して中国を旅行した帰りだそうだ。
一人は学校で日本語を勉強していたそうで、お互い暇な船上と言う事もあって、カタコトの日本語であれこれ談笑にふける。
「韓国は初めてですか?」
「はい、初めてです。」
「韓国では何をしますか?」
「おいしい物を色々食べたいですねぇ。キムチにカルビ、プルコギにチジミ…」
「よかったらソウルに着いたら連絡下さい。案内しますよ。」
と、電話番号とe-mailアドレスをメモしてくれる。
何だか幸先いいね。
アフリカから旅を始めて11ヵ月余り、ついに日本のお隣、この旅最後の国、韓国に入る。
最後の最後、おいしい物をいっぱい食べて、いっぱいゆっくりして行こう。
【食事】
朝:揚げパン、豆乳、ワンタン、麻花(天津の名物のお菓子)
昼:チーズパン、クッキー、月餅
夜:チャーシュー、パン
【トラベルメモ】
1$=8元(中国元)
・天津→韓国・仁川 11:00発 翌14:30着 両替は船のカウンターでしてくれる。又、韓国の中国大使館前のおばさんもしてくれるそうだ。
「○×○△◎…?」
「???」
市バスに乗って、早目に港に行って、チェックインカウンターが開くのを待っていると、突然、おじさんとお姉さんに、ハングル語(韓国語)で話し掛けられる。
我々の様子を見て、韓国人ではない事が分かった様だ。
「日本人ですか?」
日本語が喋れるようだ。
「アルバイトをしませんか。荷物を運んでもらうと、1人50000ウォン(5000円)です。税関は問題ありません。韓国に着いた後、少し時間が掛かります。」
見ると、そのおじさんとお姉さんの仲間らしき人達が、客船ターミナルの建物の前で、何やら荷物をダンボールから出して、大き目の手提げに小分けに梱包している。その手提げを、韓国行きのフェリーの乗客に、バイト代を払って運んでもらうつもりのようだ。
荷は、くつか何かの様に見える。周りを見渡すと、どうやら船の乗客のほとんどは韓国人。そのあやしげなバイトを頼んでいるのも受けるのも韓国人だ。
でも我々は日本人、税関は問題ないと言われても、韓国語はわからないし、くつの様に見えても実際何を運ばされているのか分からない。
だいたい、ただ荷を運ぶだけで5000円のバイト代は、割が良すぎる気がする。上手い話程気を付けなければ。
「ごめんなさい。」
と、お断り。
ただでさえ、天津の街のそちこちにはハングル文字が見られ、朝鮮半島が近付いて来たなと思わせられていたのだが、船に乗り込んで見ると、中国の天津に停泊中にも係らず、もうそこはすっかり韓国の雰囲気だ。
乗客、乗員は皆韓国人、船内の表示は全てハングル文字、そして、レストランでは韓国料理のメニューが並び、全て料金表示は、韓国通貨のウォンになっている。自動販売機では、日本のコインとそっくりの、ウォンのコインのイラストが描かれている。レストランから立ち込める、コチジャンの臭いがたまらない。
船は中々立派なもので、我々は一番安いエコノミー切符だったのだが、指定席ならぬ指定ベッド、共同浴場やカジノまである。
ロビーのTVでは韓国のWow Wowのような衛星放送で、次から次へとひっきりなしに映画が放映されている。韓国映画やハリウッド映画に混じって、シャル・ウィ・ダンス他、日本映画も字幕付で放映されている。韓国では日本の映画は上映禁止だと聞いていたが、それはあくまでも一般的な映画館での話らしく、もう長く、このような形や、ビデオでなら、公然と黙認されているらしい。
「海の上に出ちゃえば、船から見える景色は、インド洋も地中海もここも、そう変らないね」
船の丸い窓の外に、暗み行く、何だか不気味にも思える、えんえんとくねり動き続ける広大な海原を見ながら、ロビーのソファーに腰掛けて、暇つぶしにくつろいでいると、後ろから、
「日本人ですか?」
またあやしいバイトか何かの話かと思って振り向くと、若い女性が2人、にこにこしている。彼女達は大学生で、夏休みを利用して中国を旅行した帰りだそうだ。
一人は学校で日本語を勉強していたそうで、お互い暇な船上と言う事もあって、カタコトの日本語であれこれ談笑にふける。
「韓国は初めてですか?」
「はい、初めてです。」
「韓国では何をしますか?」
「おいしい物を色々食べたいですねぇ。キムチにカルビ、プルコギにチジミ…」
「よかったらソウルに着いたら連絡下さい。案内しますよ。」
と、電話番号とe-mailアドレスをメモしてくれる。
何だか幸先いいね。
アフリカから旅を始めて11ヵ月余り、ついに日本のお隣、この旅最後の国、韓国に入る。
最後の最後、おいしい物をいっぱい食べて、いっぱいゆっくりして行こう。
【食事】
朝:揚げパン、豆乳、ワンタン、麻花(天津の名物のお菓子)
昼:チーズパン、クッキー、月餅
夜:チャーシュー、パン
【トラベルメモ】
1$=8元(中国元)
・天津→韓国・仁川 11:00発 翌14:30着 両替は船のカウンターでしてくれる。又、韓国の中国大使館前のおばさんもしてくれるそうだ。