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今日も旅する!!ファイブスタークラブ世界探検隊

~お客様の代わりにファイブスタークラブ社員が世界中をチェックしてレポートしてきました。~

プロフィール

ニックネーム:
ファイブスタークラブ
居住地:
東京都
会社名:
ファイブスタークラブ
会社英字名:
Five Star Club
会社所在地:
東京都
会社電話番号:
03-3259-1511
業種:
旅行業
自己紹介:
1.全コース1名より催行保証。ツアーキャンセルはありません。(ごく一部のコースを除く)
2.アレンジ自由自在。延泊や減泊、ホテルグレードUP、航空会社指定、何でもできます。
3.基本的に少人数でのツアーで団体旅行のわずらわしさはありません。(ごく一部のコースを除く)
3.遊牧民のゲルにホームステイやサハラ砂漠でキャンプなど、その国でしかできないユニークなオリジナルツアーを企画。
3.毎週土曜日、各方面の専任スタッフが説明会を実施。疑問、質問は何でもどうぞ。(予約制)

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ブラジル
世界一美しいスノーケリングポイントはここ!美しき青きボニート 新しい世界に会えるブラジル紀行
エリア:
  • 中南米>ブラジル>イグアスフォールズ
  • 中南米>ブラジル>リオデジャネイロ
  • 中南米>ブラジル>ブラジルその他の都市
テーマ:観光地 マリンスポーツ 自然・植物 
投稿日:2017/03/08 11:22
ブラジルの最大の魅力は雄大な自然にある。イグアスの滝、アマゾン川、パンタナールなど日本では出会えない、地球の圧倒的なスケールを感じることができる。ただブラジルは広いのでほとんどの人は一度で全ての魅力的な場所を訪れることはできない。イグアス滝観光とリオの滞在は外せないし・・・・。うーん。これに加えてどこに行こうか。皆さん同じように悩むと思うがスノーケリングが大好きな私は今回ボニートに行くこととなった。行ってみてここがなんとまぁ素晴らしいこと!とても思い出に残る体験となった。世界で一番きれいなスノーケリングポイントは私の中では波照間だったがその結論が覆るほどの美しく、新しい世界がボニートにあったのだ。

イグアスからサンパウロ(VCP)にて乗り継ぎカンポグランジに到着。イグアス、サンパウロと時差は1時間。航空会社はアズール航空(AD)でブラジルの国内線の中では一番サービスが良い。小さい袋に入ったポテトチップス、グミ、クッキーを欲しいだけくれる。9時過ぎにカンポグランデ空港を出発し、車で約3時間でボニート近郊のプラッタ川のスノーケリングセンターに到着。ボニートはまだ外国人で訪れる人は少ないがブラジルでは人気沸騰中で誰もが憧れる美しい自然と風景が楽しめる。中でもプラッタ川、天然水族館でのスノーケリングは石灰分が不純成分を川底に落とすため、信じられないほどの透明度なのだ。このプラッタ川を含むエリアは私有地で牧場主がここのスノーケリングツアーを催行している。
周りはどこまでも続く広大な牧場


スノーケリングは各個人が自由に行うのではなく、大体30分に1本くらいの割合で8人ほどがひとグループとなり、そのグループに一人のガイドが引率する形となる。それは旅行者の安全のため、環境の保護のためだ。まずはここで昼食をとる。ブッフェスタイルでお肉だけでなく、サラダの種類も豊富で美味しい。
ランチを食べる

更衣室で水着に着替え、貴重品を含む荷物をロッカーにいれ、鍵をかける。ウェットスーツとブーツ、スノーケリングのギアは貸してくれる。ライフジャケットは任意。ガイドが色々なルールを説明するが大切なことは川底に足をつけてはいけないし、バタ足をしてはいけない。進むには手で水をかいて進む。
ガイドが説明してくれる


ガイドが植生などを説明してくれる


まずはスノーケリングのスタートポイントの水源まで山道を歩く。途中ガイドは植生などを説明してくれる。
まずはここでスノーケリングができるかチェック


スタート地点の水源ではまずスノーケリング自体の練習で、ガイドがチェックする。ここでは禁漁となっているので魚は人を怖がらず、我々の目の前を悠々と泳いでゆく。幻想的な川の中でたくさんの魚たちとのスノーケリングは海でのスノーケリングとは違った新しい世界だ。澄み切った深碧の水中では川底まで日光が差し込み、水草の影と魚の大群が幻想的な世界を創り出している。川でスノーケリングができるのはボニートならではで、下流へと進んでいくので余計な力はいらない。ただ魚になったつもりでいればいい。約1時間半のスノーケリングは夢のように過ぎていく。今回、たくさん魚が見れたと思ったけど1,2日前の大雨の増水の影響でいつもみれる魚の量よりかなり少なかったそうだ。














翌日、午前にラーゴ・アズール鍾乳洞へ。ここも環境ほどのため、入場者の人数をコントロールするためグループとなりガイドが引率する。入場者は鍾乳石の落下に備え、ヘルメットを着用。太陽の光が差し込む鍾乳洞はとても神秘的。湖の碧さも際立つ。
ガイドが説明


いざ、鍾乳洞へ


神秘的な世界


午後は天然水族館と呼ばれるボニートから7キロ東にあるスノーケリングのポイントへ。ここも川でのスノーケリングなのだが、プラッタ川よりスノーケリングの時間は少し短め。同じようにウェットスーツを着てロッカーに荷物を預ける。ここではライフジャケット着用はマスト。
ウェットスーツとライフジャケットを借りる


プールでスノーケリングができるかチェックと練習。
プールでスノーケリングの練習


その後、ジャングルの中を歩く。
山道を歩く


スノーケリングをスタートするところは水源となっているのだが、ここが天然水族館の一番のハイライトでたくさん魚が集まっている。
上からみると普通の川だけど・・・


澄み切った水の中でたくさんの魚が見えるのがまるで水族館のようなので、「天然水族館」と呼んでいるそうだが良く言ったもので本当にここは天然の水族館。素晴らしい。






















ここはポイントごとにカメラマンが待ち受けていて水中やツアーの様子を動画、写真で撮ってくれる。それを最後に見せてDVDとして販売しているのだ。

ボニートは今ブラジルで一番注目されているスポットで、リオやイグアスでボニートに行くと話すととてもうらやましがられた。プラッタ川、天然水族館のスノーケリング、ラーゴ・アズール鍾乳洞はいずれもいつも混んでいるので事前予約が必要だ。ボニートに到着してからの申し込みでは遅い。特に混むのは12,1月の夏休み。この時期はよっぽど前に予約を入れないと手配が難しいのだ。時間が許せばもう1泊ボニートの滞在を増やして浮輪ラフティングなどのアクティビティーの追加も可能だ。他にはないボニートならではの自然の美しさをあなたも是非堪能してほしい。
ボニートの街自体は小さな町だけど色んなアクティビティーの拠点となる町だ。昼は観光客はツアーに出かけているので静かで、夜、お土産屋さんやレストランがオープンする。ちょっとおしゃれなレストランなどが立ち並びこじゃれた街となったのもほんのここ数年だそう。ブラジルの大都市は治安が悪いけどこの町は安全。サンパウロなどに住むブラジル人も治安の悪さに閉口してボニートに移り住む人もいるのだとか。観光客にとっても自分の足で街歩きが楽しめるのはブラジルでは少ないので、この町の存在はとても貴重だ。メイン通りから数本隣の道を歩けばご近所同士が井戸端会議をしたり、おじいちゃんおばあちゃんが椅子をだしてアイスクリームを食べたりしている光景に出会えて、町と人々の息吹を感じることもできる。
ボニートにあるポサーダ・ジ・アグアスのプール


ボニートにある魚の形の公衆電話


ボニートのシンボル 魚のモニュメント


3日目、少しホテルを早めに出発しカンポグランデの街の中へ。カンポグランデは沖縄からの移民が多いそうだ。市場は月、水、土と出店が立ち並ぶがその中の数店は沖縄のソーキソバと出すのだ。日曜の昼は特別に数店が営業しているのだがその日がたまたま日曜だったのでここに立ち寄ることにした。品揃えはこのソーキソバ以外に焼きそば、カレー風味のから揚げ、ブラジル料理などなど。地元の人のそばを食べる様子を見ているとフォークでくるくると食べる。私は箸でずずっと食べる。日本が豊かになる前の昔に、遠いブラジルまで移住し何もないところからスタートし、文化をも定着させている人々がいることに胸の中で感動がおこる。
カンボグランデの市場 鳥居がモデル


サクラというお店


ブラジルでソーキソバを食べる


イグアスでの思い出をさらに特別にするならマクコサファリ
ブラジル側の観光はもちろん、アルゼンチン側の滝観光は迫力満点の悪魔の喉笛は絶対に追加アレンジして行くべき。普通の観光では物足りない、もっとアクティブな体験をしたいという方にはマクコボートサファリがおすすめ。ボートからの滝の眺めを楽しめるのはもちろん、ジャングルでの電動車での探検、ジェットコースターさながらのスリリングなボートライディング、そしてなんと言ってもボートで滝の中への突入するのはドキドキ体験!滝の中で滝に打たれるのは目もあけてられないほどでみんなの楽しい悲鳴がとまらない。ボートツアーで普通の観光だけではない楽しい体験をマクコサファリでしてみるのはいかがでしょうか。
電動車でジャングル探検


滝が見えてきました


すごい迫力


滝の中へ行くよ!


滝の中で何が何だかわからないけど何だか楽しい


大人も子供もおおはしゃぎ


今日はあなたもリオっ子に!自然と街に癒されるリオデジャネイロ
リオで生まれ育った人は自分達のことをカリオカと呼ぶ。リオは大都会だがビーチや自然、有名サッカークラブもあり、美しい街であることはカリオカの誇りなのだ。
コルコバードの丘にて


ポンジアスカールにて


ポンジアスカールにて


リオに来たならそんなカリオカに交じって早朝のコパカバーナビーチ沿いをランニングやウォーキングをしてみてはいかが?海から上がる朝日が海とビーチ、街を照らし、爽やかな潮風の中のランニングは最高!ただし、カメラなどは持たず手ぶらで出かけよう。お土産でお勧めなのはHavaianasのビーチサンダル。ハリウッド俳優のCMで大ブレイクし、今やおしゃれなカリオカ達の足元を彩るのはこのサンダルなのだ。
鮮やかなHavaianasのサンダル


活気あるリオでの滞在でブラジル人の底抜けに陽気なパワーを感じることができる。またお肉が大好きな肉食系女子にはたまらないのがシュラスコ。色んな部位が食べ放題で肉そのものの美味しさを味わうことができる。
肉食系女子(?)にはたまらない


定番のブラジル旅行に体験型アクティビティーを加えて心も体もハッピーで、あなただけの思い出を残してみてはいかがでしょうか。

<おすすめ>
ボニートのスノーケリング★★★★★ 信じられないほどの透明度の川の中で魚になって泳ごう!
イグアス滝のマクコサファリ★★★★ 滝に打たれておおはしゃぎ!イグアスでの滝での思い出も倍増!
リオでのコパカバーナビーチでの早朝ランニング ★★★ リオっ子にまじって走ってみよう♪手ぶらで!!

(2017年2月 辻理恵子)

PNG
マッドマンに会いたい!忘れざる太平洋戦争と民族を巡る、パプアニューギニア!
エリア:
  • オセアニア>パプアニューギニア>ポートモレスビー
  • オセアニア>パプアニューギニア>ラバウル
  • オセアニア>パプアニューギニア>ゴロカ
テーマ:マリンスポーツ 歴史・文化・芸術 自然・植物 
投稿日:2017/01/13 16:15


パプアニューギニアと聞いてどんなイメージを持つだろうか。
第二次世界大戦、多種多様な民族、つい数十年前まで石器時代のような暮らしをしていた未開の土地・・・
そんなイメージを抱いていた。とにかく謎に満ちた国!いつかは行ってみたいと心の隅で思っていたものの、まさかその機会が訪れようとは!
ありがたい事に視察旅行で憧れのパプアニューギニアに行く機会を頂いた。

ついこないだまで石器時代の暮らしをしていたと聞くと、どれほどの秘境かと思うが実は日本からはとても近い。
成田から週に2便も直行便が飛んでいて、6時間ほどで首都、ポートモレスビーに到着した。時差はたったの1時間。あまりにあっさりと到着するので、秘境にやって来たという感じは全くしない。
早朝到着であるにもかかわらず、タラップに降りると南国らしいムァツとっした熱気に包まれた。
イミグレーションで、これまたあっさりとビザを取得。(ビザは2016年12月現在、無料)
パプアニューギニアに入国する際、気を付けなければならないのは食べ物の持ち込みだ。生モノ類以外は持ち込みが許可されているが、入国カードの“食べ物をもっていますか”の問いに“いいえ”として、万が一スーツケースからお菓子など見つかろうもんには、罰金を取られるかもしれない。私たちのグループも4名中3名はスーツケースをあけられていたので、高確率でスーツケースの中身チェックがあるだろう。
さて今回は・・・
初日 日本発
2日目 ポートモレスビー着後、朝食
空路にてラバウル、戦跡めぐり
3日目 AM:ドルフィンウォッチング
空路にてポートモレスビーへ
4日目 空路にてゴロカへ
マッドマン・ダンスショー観光
5日目 帰国
という、5日間の限られた日程だ。

2日目
国内線でラバウルへ。ラバウルはソロモン諸島を攻略するための一大基地として、9万にも及ぶ航空隊員が派兵された。ラバウルを占領した日本軍は、ガダルカナルなどの戦いに向け、至る所に地下要塞も作ったのだ。
海から約200mも離れたところに作られた大発格納庫には5隻の船が今も格納されたままだ。爆撃機は現在、緑と花とヤシの木に囲まれている。かつて人々の命を奪っていた恐ろしい殺戮マシーンであったことを忘れ、ようやく平和な眠りについたようだった。
大発格納庫


爆撃機


あの山本五十六が戦死する前日まで作戦会議をしていた海軍司令部地下壕、山本バンカーへ。地下に潜ると壁には、慰霊に来た人の名前や山本五十六が作戦会議をしていた際の地図などがそのままに残されていた。中は空気が通らないので蒸し暑く、ものの数分でじっとりと汗をかき始める。こんな環境で兵士たちは過ごしていたのか・・・


山本バンカー


小橋桟橋にむかうと、朽ち果てた日本戦からだいぶして遊ぶ子供たちに出会った。




小橋桟橋で遊ぶ子供たち


魚雷


戦車


ゼロ戦


緑に囲まれた爆撃機や、朽ちた戦艦で遊ぶ子供たち・・・あまりの今の平和さとのギャップに、戦争がいかに無意味だったのかと胸が締め付けられる思いになる。

3日目
ドルフィンウォッチングへ


ラバウルには戦跡以外にも見所は多い。
今日はガラッと気分を変えて、ドルフィンウォッチングへ出かけた。
天候は曇天…イルカが見れるのか、波は荒くないのか、不安がよぎるが、いざ出航!
ボートから海水に触れてみると、想像以上に水温が高い。31度くらいあるそうだ。
15分くらい走ればイルカの集まるポイントに着くという事だが、目当ての場所に着くもイルカは見当たらない。別のポイントにボートを走らせるが、途中、限界に達した雨雲から大粒の雨が。スコールを抜けさらに30分ほど走ったところで、ようやくイルカの群れに出会う事が出来た!
イルカの群れ


ボートの先頭の左右に鉄の棒を装着。そこに大きなネットをつけ、ネット上にドボン!
ネットに捕まりながら、船がゆっくりとイルカの群れを探して進んでくれる。イルカは船と並走して遊ぶのだそうだ。すごい近くにイルカが!すごい、私、一緒に泳いでる〜(実際にはネットに捕まっているだけで泳いでないが)




イルカの群れ


インストラクターさんの言葉を借りると、目の前はまるでナショナルジオグラフィックの世界。海の中でイルカの鳴き声が聞こえたことに超感動!
そして次なる目的地、ポートモレスビーへ。
また国内線に乗らなければならない・・・のだが、どうやらオーバーブッキングをしているようで、私たちが飛行機に搭乗できたのはなんと出発時刻の10分前。
このフライトに乗れないと、楽しみにしていたゴロカに行けなくなってしまうのでほっと胸をなでおろした。
首都ポートモレスビーは想像以上に都会だった。
ちょうどU-20のFIFA女子ワールドカップが開催されていて、日本はくしくも準決勝でフランスに敗れたところだった。
そんな中、ポートモレスビーを車窓観光していると、作りかけの立派なサッカー場が。現地スタッフ曰く、今回のワールドカップに向けて新しいサッカー場をつくっていたのだが、途中で資金が足りなくなり、ゴール裏の観客席が1面作れなかったそう。FIFAに見せたら、こんなところで試合は出来ない(当たり前(笑))と言われ、4面のうち、1面が足りないまま放置されているのだそうだ。
だってこれじゃ、チケット買わなくても外からよく見えるもんね。チケット買う意味ないよね。なんで途中でお金なくなっちゃうんだろ、パプアニューギニア人て面白いな。
ここで現地スタッフの方から聞いた面白い小話をもう一つ。
パプアニューギニアに来て驚かされるのは、人々の人懐こさ。カメラを向けると誰でも微笑んでくれて、気軽に話しかけてくれる。本当に邪気を感じないのだ。みんなとても優しい。でも彼らは喜怒哀楽の感情が非常に激しいのだそう。ケンカになると弓や槍を持ち出す人が未だにいて(狩りかよ!)、夫婦げんかで家を燃やすとか、逃げてきた近隣の嫁さんを匿ったら、夫が押しかけてきて包丁沙汰になったりすることもあったらしい。後日その夫婦は豚をもって謝罪に来たという。彼らにとっての豚とは、時に結納金、時に部族間の闘争を収めるための保証の品である。またもしも仮に交通事故を起こして、相手が瀕死の重傷に陥った場合、ドライバーの起す行動は、まず逃げること。逃げて安全を確保するのだ。なぜかというと、悪いことをしたドライバーが、周りの人たちからリンチに合うため。結局ドライバーに暴行した人たちは法の下に裁かれるのだが、世間の目は違う。あぁ、あれはドライバーが悪いよ、周りの人に殴り殺されても仕方ない、と判断するらしい。
今のこの時代でも本当に精霊や黒魔術を信じているし、いろいろな意味でピュアで混じりけが無いのだ。




カメラを向けると屈託のない笑顔を返してくれる人々


4日目
最後の目的地にして、最大の目的地、ゴロカへ。
ゴロカもまた国内線を使うのだが、ここでもまたトラブル。2時間前に空港に着くが、待てど暮らせどチェックインが出来ない。あっという間に搭乗時間30分前で、それでもまだチェックインできそうな見込みがない。というか列はこの1時間、全く進んでいない。
現地スタッフの方が航空会社の偉い人に電話をかけてくれ、列に並ぶ人を無視して、別ルートからチェックインをさせてもらい、事なきを得た。
オーバーブッキングで人が溢れているのかと思いきや、出発10分前に機材に乗り込むと、半分以上空いているではないか!なんだったんだ!?とイラッとした気持ちにさせられるが、ここパプアでそんなことに腹を立ててもしょうがない。無事に乗れたことに感謝し、心にくすぶる疑問マークは消し去った。
ゴロカ空港のバゲージクレームはかなり質素


ゴロカの標高は約1500mなので、これまでとうって変ってとても涼しい!とはいえ日中の日差しはすさまじく、油断しているとかなり日に焼けてしまう。
本日ゴロカではマッドマンによるショーを見に行く。
マッドマンとはアサロ渓谷に住む人々が泥を塗って戦いに挑んだとき、相手部族が亡霊と思い込み逃げて行ったことに由来している。マッドマンはあまり強い部族ではなかったが、その独特な風貌で、戦わずして土地の奪還に成功したのだ。
マッドマンの部族が暮らす村




まずはスパイが偵察に来る・・・


マッドマンは音も立てずにやって来る




マッドマン


子供のマッドマンもいる!


泥のマスクは意外と重い


音もなくマッドマンが現れ、観客に向かってサービスをしてくれる。
前にばかり気を取られていると、背後の竹やぶからもマッドマンが現れてびっくり!
時々手に持った葉っぱを目の前にかざす仕草をしている。何か意味があるのかと思ったら、ただ単に蚊をよけているだけ(笑)。
マッドマン達は心優しく、日本人の私たちに向け、日本流のお辞儀で来てくれたことへの感謝の意を表してくれた。
お辞儀するマッドマン


ショーを楽しんだ後は、伝統料理のムームーランチ。土の上にバナナの皮をひき、そこに葉っぱやイモ、チキン(チキンは彼らにとってはめったに食べられない御馳走)を蒸し焼きにしたものだ。
ムームーランチの準備をしてくれるマッドマン達・・・優しい




ムームーランチ


キャベツ、カボチャの葉、シダなどたくさんの葉っぱが入っている。シダ((;゜Д゜)!と思って恐る恐る食べてみたけど、無味無臭。それよりもタピオカイモが、もさもさしていて、とても食べるのが辛かった。ゴロカ名産のさつまいもは甘くて美味。

アサロ渓谷から戻り、ローカルマーケット見学。
とても活気があって、人がごった返している。ムームーランチでおなじみのシダもたくさん売っていた。


活気あふれるゴロカマーケット


こうしてあっという間の5日間が過ぎた。
今回初めてのパプアニューギニアだったが、早くも次に行きたい場所、見たい民族、体験したいお祭りなどが頭の中を巡っている。
そう遠くない将来、この笑顔あふれる島で、国内線のチェックインの遅さにイライラしつつも、それを楽しんでいる自分がいる気がしてならない。
マッドマンの村にて


オススメ度
ラバウル ★★★★★ 日本人が忘れてはいけない過去。海のアクティビティーも楽しい。
ポートモレスビー ★★ 観光する場所はあまり多くない、治安もあまりよくない
ゴロカ ★★★★★ マッドマンは必見!その他、多様な民族が多く暮らしている。

(2016年11月 久保井奈々子)

クック諸島
南太平洋にひっそりと浮かぶ島国クック諸島&ゴーギャンの愛したタヒチ 〜これが絶景エメラルドグリーンの海〜
エリア:
  • 南太平洋>タヒチ>ボラボラ島
  • 南太平洋>クック諸島>ラロトンガ
  • 南太平洋>クック諸島>クック諸島その他の都市
テーマ:観光地 ビーチ・島 マリンスポーツ 
投稿日:2017/01/13 10:20
どこまでも続くアイツタキのラグーン


さて。実は南太平洋の国々については、どの辺にどの国があるのかさえも定かではなかった私。実に意識の低いエリアの一つであった「南太平洋」。
強いて言えば、カップルやハネムーナーが行く国だよね、と思っていたかも。
そんな南太平洋知識レベルの低い私を変えるべく訪ねる事になりました。
ボラボラのラグーン


今回の目的地はクック諸島とタヒチ。日本からのフライトはニュージーランド航空利用となります。この時期のオークランドでの乗り継ぎは曜日によって約10時間空くので、ついでにオークランド見学も可能です。
オークランド空港と市内を結ぶ「SKY BUS」は約10〜15分間隔で出ており、市内まで約40〜50分往復32ドルで結びます。
10時間空くフライトをご利用の場合は市内まで出るのをオススメしますが、くれぐれもラロトンガ行きの飛行機に乗り遅れないようにご注意下さい。
SKY BUS


クイーンズ・ワーフ(オークランド)

さて、オークランドでの滞在10時間後、いよいよラロトンガへ、約3時間半のフライトです。このフライト、何とほぼ満席!オージー(オーストラリア人)やキウイ(ニュージーランド人)でいっぱい。そうです、彼らにとってクック諸島は、日本人にとっての沖縄やグアムみたいな場所なのです。
オークランドは時差が4時間プラス、ラロトンガは着いたら23時間マイナスの時差。もはや何が何がだか…。
ラロトンガ到着は深夜0時半。真っ暗の中、空港から5分と近い「ウェッジウォーターリゾート」で即寝。

【ラロトンガ】
熟睡後目覚めた朝、部屋のカーテンを開けると目の前には海!ブルーが綺麗過ぎる!クック諸島に来た!と一人で感動。もちろん海は凄く綺麗だと聞いていましたが、やはり目の前にすると感動するものです。
ホテルバルコニーからの眺め


今日午前中はラロトンガのホテルインスペクションがたっぷり入っていたので、ここでリゾートを紹介します。

●ウェッジウォーターリゾートedgewater resort & Spa


空港から5分のカジュアルリゾート。目の前が海。ファミリー利用も多くアットホームな雰囲気です。
ビーチにはお子様の姿も


●ノーチラス・リゾート&レストランNautilus Resort & restaurant


落ち着いて洗礼された雰囲気のリゾート。大人っぽいリゾートながら、子供も宿泊可能です。
インテリアも上品


●ムリビーチ・リゾートMuri Beach resort


ノーチラスの隣にある、同系列の少しカジュアルなリゾートです。温かみのあるインテリアでカップルでも、家族とでもゆっくり過ごせます。
居心地のよいリビング


●テ・マナヴァTe Manava


5つ星の全てビラタイプ。部屋は13室のみです。部屋は様々なタイプがあるので、それぞれのシーンに合わせて選ぶのもオススメです。
開放的なベッドルーム


●テ・ヴァカロア・ビラズTe Vakaroa Villas


たった6室しかない、長めの滞在にオススメのホテルです。12歳以外はステイ出来ませんので、夫婦やカップルでゆったり過ごしたい方に。


●パシフィック・リゾートPacific Resort


4星の広い敷地を持つ大型リゾート。キッチンとリビングがついたゆとりのお部屋です。2ベッドルームもあるのでファミリーにも人気です。
ポリネシアンらしいインテリア


●ムリビーチ・クラブMuri beach club


こちらは16歳以下のステイは不可となっています。パーティなどが出来るスペースがあり、大人を中心としたグループにオススメです。


たっぷりホテルを見た後、ムリビーチにあるカジュアルレストラン「モーニング・カフェ」でランチです。
ムリビーチに宿泊の場合はホテルの食事だけではなく外食もお試しください。ツナ(マグロ)のグリルサンドウィッチは見た目は凄く大きいですが、魚だけにあっさりしているので、ペロリと。
開放的なカフェ


大きいツナサンドウィッチ!ポテトも山盛


【ラロトンガ→アイツタキ】
今日午後はアイツタキ島へ向かいます。国内線は約40人乗りの小型機で荷物検査もなく10分前に搭乗して、約45分でアイツタキに到着です。預け荷物は23キロまでOKなので、ラロトンガに置いて行く必要はありません。
Air Rarotonga


40人乗り位の小型飛行機


アイツタキに近づくと真っ青な海に突然現れるラグーン。


アイツタキでの宿泊は島の最南端にある「アイツタキ・ラグーンリゾート&スパ」。アイツタキで唯一水上バンガローを持つリゾートです。ロケーションは抜群で割とカジュアルではありますが、子供の宿泊が不可となっています。
プレミアム・ビーチフロント・バンガロー


目の前の海


ホテル近くのレストラン「ボートシェイド・レストラン」で夕食。アイツタキに来たら期待通りにお魚を。
マグロとココナツミルクで和えたサラダ


翌日、アイツタキに来たら必須の「ラグーンクルーズ」に参加です。朝10時頃、宿泊ホテルにクルーズボートが迎えにきて、3つの小島を巡るツアーでよりアイツタキのラグーンを楽しめます。
ボートに乗ってクルーズです


あいにく風が強く、少し曇っている天気の中、晴れる様にと祈りながら出発しました。ボートのキャプテンがアイツタキの伝説などを話してくれたり、音楽を演奏してくれたり、移動中も飽きさせません。
ラグーンの中を走ります


ボート内


まず到着したのはAKAIAMI島。白い砂浜が恐ろしく美しい島です。
どこまでも続くラグーン




次はMOTURAKAU島、この島には緑も多く残り珍しい鳥が生息しています。外敵がいないため、鳥は人が近づいても逃げません。
木の幹にとまる白い鳥


途中のラグーン内でスノーケリングタイムがありますが、ここでも大きな魚やカラフルな魚にに出会えます。
大きい魚と一緒に泳ぐ


ひと泳ぎしたあとはお待ちかねのランチタイム。ラロトンガの野菜を使った、素朴な料理が並びました。
ビュッフェは女性優先


クックの野菜を使った料理


最後にTAPUAETAI(ワンフットアイランド)に上陸、郵便局がある無人島でハガキも投函できるので、是非お試しください。
(島内にもハガキは売っていますが高いので、事前に購入しておくと便利です。)
※ちなみに、日本国のパスポートにワンフットアイランドのスタンプを押すのはオススメしていません。トラブルの原因にもなります。
無人島の郵便局


どこまでも続くラグーン


約6時間のラグーンツアーでアイツタキの魅力をたっぷり楽しむのもいいものです。
透明度が半端ない美しいラグーン


今夜のディナーはアイツタキで一番のデラックスリゾート「パシフィック・リゾート・アイツタキ」でのマオリのダンスを楽しみながらのビュッフェディナーです。
マオリのダンス


ビュッフェディナー


5つ星のパシフィック・リゾート・アイツタキはナチュラルモダンなインテリアで落ち着いた雰囲気。27室ある客室は常に満室状態、早目の予約をオススメします。
落ち着いたインテリア


テラスには海を臨むチェアー


2泊のアイツタキももう終わりです。
ここでまたホテルをご紹介。

●アイツタキ・エスケイプAitutaki Escape


限定3部屋の隠れ家的リゾート。キッチンやバーベキューグリルもあるので、少し長めのステイ向きのホテルです。オーナー夫婦が色々アレンジしてくれるので何でも聞いてみて。
プライベートプール付


●エトゥ・モアナ・ビーチ・ヴィラEtu moana beach Villas


限定10部屋の大人のリゾート。綺麗に整えられたガーデンから望むアイツタキの海は最高に美しい。優雅なステイが出来ること間違いなしのホテルです。
朝食もこのプールサイドで


マネージャーさん。ホテルのビーチ


●タマヌ・ビーチTamanu Beach


広い敷地内にヴィラが点在し、プライベートがしっかり守られながらカジュアルで居心地のいいリゾート。
マネージャーさん。ホテルのビーチ


ナチュラルなヴィラ


今回はクック諸島に3泊しか出来なかったのが悔やまれますが、兎にも角にも、日本人旅行者が少な過ぎです。また中国、韓国からの旅行者もほとんど見かけません。
ニュージーランドからたったの3時間半のフライトで行ける秘境リゾート、今行かないと!
クック諸島でも人気の(フライ版)


こちらはフィッシュ&チップスのベイクド版


【ラロトンガ→パペーテ】
クック諸島の海&リゾートとタヒチの海&リゾートを比べるために(!?)タヒチへ向かいました。
利用したのはAIR TAHITI。ラロトンガから約2時間半のフライトです。初めて経験したのですが座席はフリーで、好きな席をチョイス。
座席フリーのAIR TAHITI


パペーテでの宿泊はマナバスイートホテル。空港から5分の比較的新しいリゾートです。目の前がビーチで、タヒチには珍しいインフィニティプールがあります。お部屋はゆとりのある作りで、長期滞在にも対応可能なキッチン付きのお部屋も。町まではシャトルバスがあるので便利です。


ビーチに面した部屋が人気


インフィニティプール


【パペーテ→ボラボラ島→パペーテ】
翌朝は朝5時半に出発、日帰りでボラボラへ。国内線は朝から何便も飛ぶので空港には人が沢山、フアヒネ島行きなど日本人には馴染みがない島ですが、欧州人には人気です。
座席はまたフリーでしたが快適なフライトでした。
ボラボラ島に近づく


ボラボラ空港の船着場


今日参加するツアーは、ピュアシュノーケリングツアー。半日シュノーケルを中心に行うツアーです。今日の参加者は6人で、インストラクターと共にスピードボートでポイントへ向かいます。
早く飛び込みたい海!


さあ行くぞ!と皆海へ。インストラクターについて行くと珊瑚と無数のカラフルな魚の群れが!またポイントを変えると何とマンタ発見!しかもオスメス5匹位が優雅に泳いでいます!海で泳いでいる姿を初めて見ましたが、かなりサイズが大きかったです。
なるほど、ダイバーの気持ちが少しだけ理解出来ました。
マンタの親子(?)


魚の群れ


BORA BORAの文字が!


シュノーケルをたっぷり味わった後はお待ちかねのホテルインスペクション(笑)
2つのインターコンチネンタルホテルをご紹介します。

●インターコンチネンタル・ボラボラ・リゾート&タラソスパ


全室水上ヴィラという贅沢なホテル。ホテル名にあるようにスパが充実しています。また、ホテル内のチャペルも海を基調にロマンチックな作りに。二人だけのウェディングにもオスメスです。
海中を見ながら受けられるスパ


メインプール


食事も美味しい


●インターコンチネンタル・ボラボラ・ル・モアナリゾート
水上ヴィラ


こちらには水上だけでなく、ビーチフロントヴィラもあり、タラソより少し気軽な感じです。それでも高級感はそのまま。美しいマティラ・ビーチがすぐ側です。姉妹のタラソへのシャトルボートがあるので、スパも楽しめます。
ビーチフロントヴィラ


夕方また飛行機でパペーテへ戻ります。日帰りボラボラって可能でした…。

【パペーテ→モーレア島】
タヒチ3日目モーレアに行ってみます。その前にパペーテホテルのインスペクション。

●ル・メリディアン・タヒチ


空港から南に約10キロのところにあり、広く美しいビーチを持つラグジュアリーリゾートホテル。ロビーはスタイリッシュなインテリアですが、部屋はナチュラルな雰囲気でゆったりした広さです。プールサイドも白砂というラグーンの様なプールです。




メインプールも開放的


●ホテル・タヒチヌイ


パペーテ中心部に徒歩圏内の3つ星ホテルで、モダンな雰囲気。ショッピングを楽しみたい方にはオスメスです。
オシャレなレストラン


●ホテル・サラ・ヌイ


フェリー乗り場に近く、町に近い割りに静かなホテル。少し古いですが、リノベーションも順々に行なっているので、部屋は割とモダンに。スタッフが気さくで話しやすいです。


モーレアへはフェリーで向かいます。所要時間は約30分です。
Terevauのフェリー


タヒチ島から離れて行く


モーレア島が近づいてきた


モーレア島でもホテルインスペクションは続きます。

●モーレア・マナバ・ビーチ・リゾート


ザ・ポリネシアンスタイルホテルで、オスメスは水上バンガロー。魚が泳ぐ珊瑚の海へ部屋から直接入れるので人気です。


生魚も美味しくアレンジ


日本人スタッフがいるので安心


●ソフィテル・モーレア・イア・オラ・ビーチ・リゾート


広い敷地内にはガーデンバンガローと水上バンガローがゆったりと配置されていて、目の前のビーチは美しく、モーレアで一番とも言われます。割と日本人利用が少ないリゾートです。
水上バンガロー


●ヒルトン・モーレアラグーン・リゾート&スパ


水上バンガローはもちろんですが、ガーデンプールバンガローも年齢層関係なく幅広く人気です。水上にあるカフェでは焼き立てのクレープが楽しめます。ロケーションも良く珊瑚も多いので、水上バンガローはより楽しめます。
ガーデンプールバンガロー


水上バンガロー


●インターコンチネンタル・モーレア・リゾート&スパ


島の西側山とラグーンに囲まれた高級リゾート。敷地内にはドルフィンセンター、ウミガメケアセンターなどもあり、子供連れにも楽しめます。スパも充実しているので是非お試しください。また、曜日によって様々なディナーショーを用意。何泊しても飽きる事がありません。
海が目の前のプールも気持ちいい


水上バンガロー


ラナイルーム


●モーレア・ビーチ・ロッジ


夫婦二人で経営する12ヴィラのみのアットホームなリゾート。目の前はラグーンが広がるプライベートビーチでとても静か。入口も見逃してしまいそうな隠れ家的リゾートで、長期滞在を好む欧米人に人気のリゾートです。
小さいリゾートながらお部屋はモダン


●ハイビスカス・リゾート


広いガーデンの中にヴィラが点在する、中級レベルのリゾート。ラグーンが見えるヴィラはラグーンビューカテゴリーとなり人気です。目の前にはモツ(小島)もあり、海が穏やかな日は泳いで渡る事も可能です。
ガーデンバンガロー


目の前の小島が


水上バンガローは景色(ロケーション)によってカテゴリーが分かれます。桟橋の先端や、ボラボラはオテマヌ山&ラグーンのビューが高めの設定です。

モーレア島では1泊して少しだけのんびりしました。最後にヒナノビール&バナナの葉包み蒸し魚で無事タヒチの旅は終了です。
ヒナノビール


白身魚蒸し


南太平洋はポリネシアンの緩やかな雰囲気が居心地よく、非日常を味わうには最高の国々です。クック諸島もタヒチもハネムーナーだけでなく、ちょっと特別な旅行を考える時、また、ちょっと時間が出来てどこか行こうかと思った時、是非候補に入れて頂けると嬉しいです。

【今回の旅 国際線フライト所要時間】
成田→オークランド 10時間
オークランド→ラロトンガ 3時間半
ラロトンガ→パペーテ 2時間半
パペーテ→オークランド 5時間半
オークランド→成田 10時間半

【スタッフオスメス度】
●ラロトンガ(クック諸島)・・・★★★★★
まだまだ素朴さ満載のうちに訪れて欲しい!
●アイツタキ(クック諸島)・・・★★★★★L
行くべき絶景!
●ボラボラ(タヒチ)・・・★★★★★L
行くべき絶景!
●モーレア島(タヒチ)・・・★★★★★
手軽に島を味わうならここ!

(2016年11月 能祖文子)

NoPhoto
人の還る場所~極彩色のパプアニューギニア~
エリア:
  • オセアニア>パプアニューギニア>カビエン
  • オセアニア>パプアニューギニア>ラバウル
  • オセアニア>パプアニューギニア>ゴロカ
テーマ:ハイキング・登山 マリンスポーツ 歴史・文化・芸術 
投稿日:2016/01/04 17:07








5月末、念願のパプアニューギニアに行く機会を得た。

パプアニューギニアが「発見」されたのは1950年代後半。オーストラリア統治時代、豪州の地方行政官がゴロカショー(各部族がシンシンを踊り続け競い合う祭り)を主催したことでパプアニューギニアの世にも珍しい部族の風習が全世界に知られることとなった。それでも発見されたのはごく一部の部族たちだけで、内陸部の地域では険しい山々やジャングル、マラリアが行く手を阻み、60年代まで欧米諸国に発見されることのなかった部族もいる。つまり戦争が終わり、日本が高度経済成長真っ只中の時代においても原始時代の生活をしているような人々がいたということになる。数十年ときを経た今でも、部族の伝統を守り続け特有な衣装やユニークなダンスを披露してくれる。
また彼らはその素朴さも失っていない。見知らぬ同士でも挨拶を交わす。部族抗争のあった名残か、敵意がないことを示す意味でも挨拶が日常となっているそうだ。もちろん観光客に対してもすべての人々が暖かい笑顔でむかえてくれる。外国人観光客と見るやふっかけてくる商売人や自己保身のために都合のいい嘘をつくガイドはここにはいない。
そして手付かずの自然、人の手が入っていない沿岸地域の美しいビーチやハイランド地方の山々。さらには極楽鳥やポッサムなど世にも珍しい動植物。各国を行き尽くしたダイバーや写真家がパプアには何度も訪れるという。一度来訪したらその魅力に取り付かれずにはいられない魅惑に溢れた国なのだ。

蛇足だが私とパプアニューギニアの出会いは10数年前の大学生時代。とある写真を見て衝撃を受けた。それはザ・ポップグループというイギリスの70年代UKポストパンク・ニューウェーブ期を代表するロックバンドのレコードのジャケットだった(もちろん私が後追いした時はCDだったが)。マッドマンの集団が奇声をあげながら今にも飛び上がらんばかりの写真だった。当時は「マッドマン」という言葉も知らなかった私は、スピーカーから飛び出すポップグループの粗暴で原始的且つリズミカルな音楽性にも驚愕した。グループ名と相反した商業主義からかけ離れた音楽性はマッドマンの写真と相まって私の心に突き刺さった。当時大学の休みに合わせてバックパッカーの真似事をしていた私は、いつかマッドマンのような文明がいまだ届いていないような民族に会ってみたいと思うようになっていった。
次なるマッドマンとの出会いは弊社に就職したとき。何気なくパンフレットをめくっていたときに、CDのジャケットと同じような姿の民族の写真が。マッドマンは一般な観光旅行でも出会えることを知った。(ぜひ「最後の警告」でググってみてください。)
いつかマッドマンに出会えることを夢見て旅行社に勤務し続けようやくこの機会を得ることが出来た。

私が旅した行程は下記の通り。
1日目 夜成田発
2日目 ゴロカ観光
3日目 ゴロカ観光
4日目 ラバウルへ移動
5日目 ラバウル戦跡観光
6日目 ラバウルにてシュノーケリング、その後ケビエンに移動
7日目 ケビエン観光
8日目 帰国


1日目 ホノルル気分

午後、伊丹空港から成田空港行きの全日空に乗り込む。
定刻通りに成田空港に到着。成田空港では全日空は第1ターミナルに到着。
荷物を受け取って国際線の搭乗手続きをしようと出発フロアに移動。
しかし今回利用するニューギニア航空は第2ターミナルだった。成田空港の無料ターミナル移動バスはあるものの第3ターミナルもできたことでターミナル間の移動に思ったよりも時間を要した。乗り継ぎ時間には十分猶予を持っていたので良かったものの成田乗り継ぎの際は国内線の到着ターミナルは要確認だと再認識した。

第2ターミナル内の無料のラウンジで時間を潰し、午後7時にニューギニア航空にチェックイン。ポートモレスビー到着後そのままゴロカに乗り継ぎだが荷物は一旦ポートモレスビーにて受け取るようだ。
成田の出国手続きを終え、出発ゲートへ。ポートモレスビー行きのゲートは71番。向かいの72番ホノルル行きと同じフロアになっており、明らかに行くお客さんの層とテンション違いがちょうど真ん中あたりでぱっくりわかれており、異様な雰囲気。ホノルル行きのお客さんはすでに自撮り棒なんか取り出してキャピキャピしている。一方でポートモレスビー行きは帽子を目深に被り静かに座っている人が多い。おぉぉ、すでに旅は始まっているなぁとその光景を見て興奮気味の私。

ほぼ定刻通りに機内へ乗り込む。期待した以上に立派なテレビがついており、日本の映画も数本あった。食事も美味しく満足。


2日目 モコモコ

約6.5時間のフライトの後、ポートモレスビーに到着。
入国審査はパプアニューギニア国民とそれ以外の国籍のビザ保持者とビザなしの3レーンにわかれていた。私はアライバルビザを取得するためにビザなし(アライバルビザ取得)の列に並ぶ。英文の日程表を見せるとなんと無料でビザ取得できた(2014年の初め頃から無料になったそうだ。また英文の日程表でなくてEチケットでも最後の出発日が確認できるものであればいいらしい)。
荷物検査は思っていたよりも厳しい。カバンの中はもちろんスーツケースも開けられる。入国カードの税関申告の欄に食べ物を持ち込んでいるか否かの項目があるので、なにか持ち込むのであれば必ず「はい」にチェックすること。他の項目は多額の現金を持ち込んでいるかどうかなど一般的には全て「いいえ」の質問ばかりなので食べ物の欄も「いいえ」にしそうだが、虚偽申告と難癖をつけられることもあるそうなので注意。

ポートモレスビーではPNGジャパン現地代表をしていらっしゃる上岡さんと合流。国内線にチェックインを済ませ、両替。1週間の滞在の場合だとは2万円はあったほうがいいとの情報を聞いていたので2万円を両替。
乗り継ぎ時間にかなり余裕があるため空港近くのゲートウェイというホテルに朝食を食べに行くことに。そのゲートウェイホテルの朝食が朝6時から開くそうなのでそれまで空港のベンチで上岡さんにパプアのことをいろいろ伺っていた。そこへ私と同じニューギニア航空に搭乗していたと思われる上岡さんとお知り合いの日本人の女性がいらっしゃった。上岡さんはその方を私に、旅行作家さんなんですよ、と紹介していただいた。あまり私は本を読まないため存じ上げず申し訳ないなぁと思っていたら、なんと私が空港の待ち時間で読んでいたパプアニューギニアについての本の著者の山口さんであった。出発前に電子書籍の中から今回の旅に役立ちそうな本をいくつか購入した中に山口さんの著書があり、ついつい読み入ってしまいパプアニューギニア到着前に読み終えていたのだった。私のような若輩者が上岡さんと山口さんというパプアニューギニアについての超エキスパートの方とご一緒出来るなんて幸運なことだろう。(実際、山口さんの作品はこの紀行文を書くのにもためになりました。ありがとうございます。)
ホテルでパンとコーヒーの朝食をいただき(20キナ、約1000円)、空港へ戻り国内線の搭乗手続き。国内線の荷物検査も結構厳しい。上岡さんにはありがたいことに搭乗ゲートまでお見送りしていただいた。

ゲートウェイホテルのレストラン


ゴロカ行きの飛行機


<ゴロカ>
パプアニューギニアの中で真っ先に訪れるべき町を挙げるのであればゴロカであろう。800を超える言語と多様な民族が存在するというパプアニューギニアおいて中には、観光客に神聖な舞踊を見せることは古代から伝承されたしきたりに背くこととしてタブー視する部族も数多いが、その点ゴロカでは奇抜でユニークな民族達の踊りと暮らしを手軽に垣間見ることができる貴重な村が多数存在する。その部族の中でも特に有名なのがマッドマンだ。およそ10キロもあると言われる大きな泥のマスク。全身には泥を塗り、まるで亡霊か精霊のような出で立ち。もちろん観光は少数民族だけではない。パプアニューギニア最高峰・ウィルヘルム山登山の拠点であり、賑わいを見せる町中の青空市場、名産のコーヒー工場。そして一大観光地であるにも関わらずそこに住まう素朴でフレンドリーな人々にきっとあなたも魅了されるはず。

ポートモレスビーからゴロカは約1時間のフライト。
到着したゴロカの空港はこれまで旅した中でも、これが本当に空港?と聞きたくなるほどの小屋のような建物。もちろん荷物を受け取るベルトコンベアはないので空港のスタッフがテーブルの上にどんと置き、一つ一つ渡していく。素朴だなぁ。

素朴なゴロカ空港


ゴロカの空港ではPNGジャパンのゴロカ支店の見形さんがいらっしゃってくださった。ゴロカの街は空港を中心に広がっており、すぐ近くにスーパーマーケットに携帯電話ショップや銀行、郵便局さらにラジオ局がある。空港を中心に街が形成されているのは飛行機が主な交通手段だというパプアニューギニアならでは。
ポートモレスビーの空港付近は全く見かけなかった赤土と緑の山々のコントラストと人々のエネルギー溢れるカオスな雰囲気をゴロカではすぐに感じられ、パプアニューギニアに来たことを実感した。
空港から車で約2分のホテル、パシフィックガーデンホテルにチェックイン。

<パシフィックガーデンホテル>
ゴロカの中心部に位置する自然に囲まれたロッジ風のホテル。ゴロカ周辺の部族をモチーフにしたアート作品が展示されておりなかなかお洒落。広めの室内にはテレビに冷蔵庫、湯沸し器、アイロン、ドライヤーがあり、いたって清潔。室内で無料のWIFIもあるが速度は遅い。バスタブはなくシャワーのみ。水圧は強くないがお湯は比較的すぐに出た。スリッパやセーフティーボックスはなかった。レストランではソフトドリンクはもちろんビールもあった。食事も美味しい。

しばらくホテルでシャワーを浴びて休んだ後、昼食のジンジャービーフ(30キナ、約1500円)を食べて、午後の観光に出発。

パシフィックガーデンホテルお部屋


パシフィックガーデンホテル外観


パシフィックガーデンホテルのレストランはなかなか旨い


<グルポカ山ハイキングとモコモコダンス>
ホテルから唯一の舗装された道を走ること約20分。赤土むき出しの脇道の前に車を停める。ここが村の入り口だとは、一般の通りすがりの人たちには分からないだろう。
車を降り乾燥した土埃が舞い上がる道を歩くこと数分、グルポカ山の麓にあるコレコレト村の村人たちの姿が見えてくる。
村人たちにアピヌンと挨拶すると向こうも柔らかい笑顔であいさつを返してくれる。パプアニューギニアの公用語ビジン語の挨拶「アピヌン」とはアフタヌーンが訛った言葉らしい。なので基本英語が元になっており簡単な英単語さえわかればなんとなく現地の人ともコミュニケーションが図れる。
村ではこれからグルポカ山を案内してくれるという部族の少年がすでに伝統的な出で立ちで我々を待っていた。大事な部分を守るためのバナナの葉っぱで作ったまわしをつけている以外は裸で、全身には泥や炭で描いたボディーペイント。否が応でも期待が高まる(何が?)。
コーヒーやバナナ、サツマイモの農園のある山道を抜け、急勾配の坂道を登ること数十分。途中、生贄を捧げるために使ったとされる岩場がある。村から豚や人間をこの山の中腹まで連れてきて殺してその頭を岩の上に置くことで、神からのパワーを授けられると信じられていたそうだ。また人食を行ったと言われる洞窟もある。カニバリズムについて話にはよく聞くことはあるが、ここがその現場ですと言われると、俺生きて帰れるかなぁ、となんだか暗い気持ちになった。山から帰ったら食事の準備なんかしていて、今日の食材は「俺」だったりするのかなぁとマンガみたいなことを考えた。

ガイドの男の子


さすがは戦士だけあってどんどん登って行く


さすがは戦士だけあってどんどん登って行く


畑の農作物や途中の説明を聞きながらゆっくり山を登ったので、トータル1時間ほどだろうか、頂上に到着した。グルポカ山の頂上には十字架があり、カトリック信者が多い現在はお祈りの場としても使われるそうだ。頂上からはゴロカ一帯の、険しい山並みの連なる壮大な風景を一望できる。なぜゴロカからポートモレスビーまでの幹線道路が敷かれておらず、飛行機での移動手段がメインなのかが理解できる光景である。

グルポカ山からのゴロカの眺め


カニバリズムのおこなれたという洞窟


グルポカ山頂上


帰り道


下山して村に戻ると、次はモコモコダンスを見せてくれるという。モコモコダンスとは何だろう?と思いながらも村の広場まで連れてこられ、木製の手作りベンチに腰掛けてしばらく待つ。広場の中心では焚き火がパチパチを音を立てて煙が上がり始めた。そうすると煙の奥から全身ボディーペイントの仮面をつけた戦士が現れた。両手には槍のような武器を持っている。ダンスといっても機敏な激しいものではなく、身体を上下させたり槍を突き上げて小走りしたりするのがほとんど。徐々にこちらに近づいてきて、小声でモコモコ言っていることに気づいた。モコモコモコモコ…..モコッ!!.... モコモコモコモコ…..モコッ!!と時々何かを思い出したように後ろを振り返る。そのするうちに別の戦士も集まり大所帯になった。大人数になっても踊り方は先ほどと同じ。仮面の戦士が中心となって皆口々にモコモコ言いながら身体を上下に揺らし小走りする。
モコモコダンスは部族闘争の戦いから村に帰還した男たちが、祝いの踊りとして行うそうで、男女の出会いの儀式の意味もあるそうだ。勇ましさというよりも我々旅行者から見ると可愛らしさを感じるかもしれない。

煙の中から現れる


モコモコモコ・・・・


人数が増えた


モコ言いながら小走り


モコモコモコ・・・・・モコッ


モコモコダンスのメンバー


モコモコダンスのメンバー


モコモコズのメンバーと


モコモコダンスのメンバーの股間


モコモコダンスを楽しんだ後は村人ハンドメイドのお土産を物色する。パプアニューギニアのカバンとして知られるビルムや貝殻のネックレスなどが売られていた。こういう観光地ではかなり商売熱心だったりするものだが、パプアニューギニアの人々はあまり押し付けがましくなく、何も買わなくともフレンドリーな笑顔を振りまいてくれるのが嬉しい。素朴な人々にあって私の心も洗われたような気分になってコレコレト村を後にした。

コレコレト村の女の子


コレコレト村の男性


町中のスーパーマーケットに立ち寄り、飲み物を購入してホテルに戻った。
夜はホテルのレストランでヒレ肉のペッパーソースステーキ(50キナ 2500円)とビール(10キナ 500円)で夕食。
この日私の頭のなかはモコモコモコ・・・と、つい口からでそうなほどモコモコダンスのことが忘れられなかった。

3日目 ザ・マッドダンス

朝8時半に朝食。イングリッシュブレックファースト(38キナ 1900円)。
9時にガイドさんと合流して観光に出発。
この日はマッドマンダンスとシンブー地方の伝統文化を観光する予定だ。

まず向かったのは町中のマーケット。昨日ガイドさんにマーケットで写真を撮らせて!とお願いしたのだ。
マーケットで最初に向かったのはビートルナッツ売り場。日本語だと檳榔。台湾でセクシーなお姉さんが売っているやつというと知っている方も多いかもしれない。ビートルナッツを口の中でくちゃくちゃしながらマスタードの茎に石灰をつけかじる。口の中でこれらの3つが混じり合うとなぜか口の中で真っ赤になる。タバコのような嗜好品だそうで噛んでいるとフワフワとした陶酔感をえられるそうだ。口の中に溜まった水分をペッ、ペッと吐き捨てるため道のいたるところには赤い唾の跡が。景観的によろしくないので公共の場ではブアイ禁止の張り紙をちらほら見かける。私もトライしようと思ったが今から観光に行くのに口の中を真っ赤にしたくなかったのでビートルナッツを少しかじっただけで諦めた。
ブアイ実際噛んで見せてくれた男性 うれしそうだ


マスタードの茎を売るおじさん


ゴロカのB級グルメストリート


ゴロカの娯楽 ダーツ


マーケットではダーツ屋さんも見かけた。町の人たちの数少ない娯楽の一つのようで数多くの大人の男性がダーツに興じていた。五本投げて規定の点数よりも良いスコアが取れたなら賞金や景品がもらえるそうだ。私もトライしたがまず的に当てるのが精一杯。それに比べ地元のおじさんたちはすべて的の中に的中させていた。うまいなぁ。
ゴロカのマーケットでは写真を撮っていると、いろんな人から俺もとってくれ、俺もとってくれと言われる。それを見たまた別の人から、俺をとってくれ攻撃が始まる。見形さんは申し訳なさそうな声で、消していいですよ、おっしゃってくれた。

ゴロカのマーケット


ビートルナッツ売りのおばさん


髭のおじいさん


芋をたべていたおじいさん


こら!俺のバナナも撮ってくれ


たのまれてとった写真1


たのまれてとった写真2


たのまれてとった写真3


たのまれてとった写真4


たのまれてとった写真5 ほかにもたくさん


マーケットを後にしてマッドマン観光に向かう途中、ハイランドハイウェイで最も標高が高いダウロ峠へ。標高は約2500m。ここまで来ると全く気温が違う。その後、ガイドさんの知り合いにハイランド地方の伝統的なお家を見せてもらった。ハイランド地方は標高の高さから朝夜は冷え込む。そのため円形のお家を作り室内の真ん中には焚き火ができるスペースがある。

ハイランド地方の伝統的な住宅


草木も生き生きしているようにみえる


<マッドマンダンスとムームー料理>
ついにこの時がやってきた。自分の目でマッドマンを確かめる時が!パプアニューギニアに来たのはこのマッドマンダンスを見るためだといっても過言ではない。
アサロ渓谷の村に到着。ゴロカで一番の観光地だというのに大げさな看板などは一つもない。村に入るとまずハワイでいうレイのような花の首飾りをかけてくれて歓迎してくれる。その後村の案内を受け、サツマイモやトウモロコシ、ババナ、レモンの農園や村の内部を一通り見学した。見学が終わるとマッドマンダンスの行われる広場まで連れて行かれる。
まず登場したのは弓矢を持った戦士。獲物を狙っているようでそろりそろりと近づいてくる。獲物を発見!と思ったら獲物は私のようで弓を引いて追いかけてきた。観光客のつかみはこれでOKなのだろう。
狩りのパフォーマンスのあとは火おこしのパフォーマンス。太い木の枝と木の皮の摩擦で、枯れ木にものの数分で見事に火をつけた。火おこしのパフォーマンスはこれまで何度か他の国でも見たが最も原始的な道具にもかかわらず短時間であったように思う。昨日のモコモコダンスと同様に枯れ葉に火をつけ煙がもくもくと上がるとマッドマンのシンシン開始。
煙の向こうから現れたマッドマン。動きはスローモーション。マッドマンの表情はそれぞれ個性的で怒っているような顔や笑っているような顔、おとぼけ顏や無表情まで様々だ。手には弓や槍、長く尖った爪に棍棒など様々な武器。焚き火の燃える音だけが聞こえる静寂の中、物音も立てずに迫り来るマッドマン。我々はこれらがパフォーマンスだと分かっているから少しコミカルに思えるがこれが日の暮れた時間帯に行われたらどうだろう。暗闇の中から現れた白いマッドマン達は神秘的で神の使いか自然の精霊のように感じられただろう。

マッドマンダンス


無言


日本にもこういう怖い人いますよね


爪が伸びてる


マッドマンの成り立ちを説明しよう。部族闘争がさかんな時代、土地を奪われた部族がアサロ渓谷の沼地まで追いやられたところから始まる。沼地で偶然転んだ戦士。身体中が泥だらけになった。そこへ追いかけてきた敵対する部族はその真っ白な身体に驚いて、お化けだと勘違いして逃げていったそうだ。
昨日訪れたグルポカ山では生贄を捧げていた場所があったというから、ここに住む部族達は自然の中に神の存在を信じていたと考えて間違いはないだろう。彼らにとって自然や人間を超越した精霊や亡霊というものは畏怖の対象だったのである。
そのため マッドマンダンスと言いながらも、お化けなので音も立てないし動きもゆっくりなのである。モコモコダンスは戦士の踊りであり求愛の要素もあったからマッドマンのそれとはそもそも目的が違うのだ。
今度は暗闇の時間帯にマッドマンショーを見てみたいと思った。

マッドマン達と集合写真を撮ったあとはみんなでムームー料理。
ムームー料理とはイモや鶏肉、野菜をバナナの葉を幾重にも重ね、その上から焼いた石で覆い蒸し焼きにする料理である。イモや野菜はすべて地のもので来客や祝いの席では鶏肉や魚が入ることもあるそうだ。バナナの葉っぱの芳しい香りに誘われて美味しくいただく。パパイヤやパイナップルなどの果物も美味しい。

村の人々に別れを告げ、次なる目的地に移動する。

マッドマン達と集合写真


マッドメン


マッドマン


ムームーはなこうやって食べるのがうまいんだ!


どうだ!


ムームーに狂喜するマッドメンと村人


<シンブー地方の伝統文化観光>
マッドマンの村から車で数分。シンブーというゴロカのあるイーストハイランド州の隣の州の民族の伝統を伝える村がある。
村のガイドさんが村の中を一通り案内してくれる。例にもれずこの村も農園に溢れ、美しく手入れされている。
村の広場で最初に披露されたのが歓迎の踊り。これまで踊るのは男性ばかりだったので半裸の女性が出てきてびっくりした。紐状のスカートに、腕には花の飾り、首には貝殻のネックレス、頭には鳥のカラフルな羽。これまでの男性的なシンプルな装飾から一転華やかな衣装だ。
次に顔のペイントを実演してくれる。植物や泥など自然の素材でメイクをする。もちろん私もペイントしてもらった(割と現地の人がウケてくれるのでこのままホテルに戻るまでメイクはとらなかった)。
そして植物から繊維を取り出し糸を紡ぐ方法や弓矢の実演、伝統的な楽器の実演を見せてくれる。かつて楽器は仲間を呼ぶ手段として使われていたが今は携帯があるので、こういった楽器は悲しいかな、今つかうことはないそうだ。そして男女が互い違いに座って歌を歌うカリムレックというお見合いの儀式に参加し、最後に演者全てが集まってシンシンをして終了。

シンブー州の伝統メイク


植物から繊維を取り出し編み物を作る


自然と手元より胸に視線が行く


シンブー州の伝統的な弓矢の実演


シンブー州の伝統的な楽器の実演 低くビィィィィンという


怒ってる?


怒ってない


くわっ


これにて今回のゴロカの観光は終了。明日はラバウルに旅立つ。

4日目 穏やかな人々

フレンチトーストの朝食(28キナ)をとったあと朝8時15分にホテルの入り口にて見形さんと合流。町中の空港へ。
この日はゴロカからポートモレスビーを乗り継いでラバウルへ。
ゴロカの空港にてチェックイン。通常だと国内線同士の乗り継ぎだとそのまま目的地(今回の場合はラバウル)までスルーでチェックインできるそうなのだがこの日はシステムダウンらしくポートモレスビーで一旦荷物を引き取って再度チェックインしてくれとのことだった。
見形さんと2日間お世話になったガイドのアレックスに別れを告げて一路ポートモレスビーへ。
約1時間のフライトのあと空港では現地人の係の方がお出迎え。荷物をピックアップして、ラバウル行きにチェックイン。ラバウル行きの出発まで約4時間あるので、初日と同様、ゲートウェイホテルのエアコンが効いたレストランで出発の時間までレポートを書いたり本を読んだりして過ごした。
ボーディングタイムの45分前にホテルから空港へ向けて出発。今回もお見送りのスタッフの方が搭乗するまで見届けてくれた。アナウンスはあるものの何を言っているか分からず、電光掲示板もないのでこうしてスタッフの方が来てくれるのは心強い。
ラバウル行きはゴロカ行きよりも少し広めの2-3の配列だった(ゴロカ行きは2-2)の配列。といってもゴロカ行きの方が便数が多い。
約1時間半のフライトの末、ラバウルにオンタイムで到着。飛行機から降りると海に囲まれているからか湿った生温かい空気がほほを撫でつけるのを感じた。到着した飛行機はラバウルに経由したあとそのままケビエンに飛び立つ。
空港ではこの日宿泊するココポビーチバンガローリゾートのスタッフが迎えに来ていてくれた。ラバウルではゴロカでは見ることがなかったヤシの木がたくさん並んでいた。ラバウルに関しては小説などで多少馴染みがあったのでここを拠点として日本軍がガダルカナル島での死闘を戦ったと思うと胸から込み上げるものがあった。

元々は日本軍の戦闘機の発着地だったというラバウル空港


<ココポビーチバンガローリゾート>
ラバウル空港から約15分。ココポの町の中心部にココポビーチバンガローリゾートはある。ココポビーチバンガローリゾートはその名の通りブランチ湾のビーチに面した数棟のバンガローを要するリゾートホテルだ。レセプションは中央の建物で行う。バンガローは木製の温かみのある造りでかなり広め。天井にはシーリングファン、テラスからの眺めはパーシャールシービュー。バスタブ、ドライヤーやスリッパはないが冷蔵庫、セーフティーボックス、アイロン、湯沸かし器、エアコンも完備。室内ではWIFIは使えないがメインビルディングのロビーやレストランでは無料で使える。レストランからのビーチの景観も素晴らしく、リラックスしたひとときを過ごせること間違いなし。かつて福岡に住んでいたという日本語を話せる現地スタッフもおり何かと安心。

ココポビーチバンガローリゾート


ココポビーチバンガローリゾートのレストラン


ホテルのチェックインを終えて、ホテル周辺をうろうろ散歩。ホテルに面しているビーチ沿いをあてもなく歩いた。
野生的な雲と山の形、それに重なるように生い茂った深緑、そして夕日に照らされて金色に輝く海。幻想的な風景が続く中、地元の人々や国内の旅行者が思い思いに過ごしている様子を眺めた。そこには戦争という言葉など微塵も感じさせない穏やかで幸せな笑顔が溢れていた。

ホテルに戻り夕食のガーデンサラダとフライドポテトを食べた(12キナx2)。

ホテル近くのビーチにて 子供


ホテル近くのビーチにて 貝をほっていた女性


ホテル近くのビーチにて つりに興じる男性 つれていなかった


「これが我が家の自家用車」


5日目 ジロー戦

朝8時半に朝食のトーストとフルーツを食べてロビーに集合。
英語のうまいローレンスとかつて香川県に住んでいたという日本語は下手だけど気のいいガイド、チャーチルの二人のホテルスタッフと一緒にラバウルの戦跡を巡った。

<ラバウルの戦跡観光>
ラバウルはパプアニューギニアの北東部に浮かぶ、ニューブリテン島の北部に位置する小さな港町。ヤシの木が生い茂るトロピカルな植物相とタブルブル火山、ブルカン火山など噴煙を上げる光景はまさに映画の世界のようだ。このラバウルは第二次世界大戦時に日本軍が南太平洋諸島への侵攻の一大拠点としてガダルカナルの戦いなどに挑んだことで知られている。連合軍の最新鋭の兵器、豊かな物資と豊富な人員を前に日本軍はただ消耗を強いられ疲弊していくなか、輸送路を断たれた日本軍になす術はなく、終戦まで連合軍に占領されることはなかった。そのため町の中には戦時中のバンカーや爆撃機など貴重な戦跡が状態良く数多く残っている。

ココポ戦争博物館
展示の中で大部分を占めるのが第二次世界大戦時に日本軍が残していった軍事品の数々。戦車に高射砲、大砲、飛行機のエンジンにコクピットまで。ラバウル中に散らばっていたものを集めてきたらしい。中でも目を引くのはゼロ戦の綺麗な残骸。思ったよりも小さい。ガイドがゼロ戦のことをジロー戦、ジロー戦と呼ぶのでまさか設計者の堀越二郎への敬意からゼロ戦をあえてジロー戦と呼ぶことがここでは一般的なのか、と思ったがただ訛っていただけだった。

ズパパパパパパ!!!!


おちゃめな管理人


戦車1


戦車2


ブルーラグーン(又の名をワーフトンネル)
青く透き通った入り江のそばにあるトンネルで、かつて日本軍が食料を備蓄したり生活する場としても活用したそうだ。奥にはさらに深いトンネルがあり別のトンネルとつながっている。いまはコウモリたちの巣窟となっている。

艀の格納トンネル(又の名を大発トンネル)
波止場と本船の間を往復する小型船の格納庫。奥は暗闇となって見えにくいが5隻格納しているらしい。特に一番手前のトンネルから見える艀は状態が良い。

5隻も格納されているトンネル


トンネル近くに住む人


ラバウル旧飛行場
かつて日本軍が使っていた東飛行場。1990年代の相次ぐ噴火により都市機能を北部のラバウルから南東に約20キロ離れたココポに移転した。空港も同様で今は全く使っておらずそのためさら地状態。近くに爆撃機の残骸(連合軍からの通称から現地の人々からはBetty Bomberとも呼ばれている)がある。苔むしたその姿からはかつての殺戮兵器だったころの面影はなく、むしろ芸術的な気品さえ感じられる。

ベティボンバー


ベティボンバー付近を掃除するいかついおじさん


南太平洋戦没者の碑
日本政府とパプアニューギニア政府が共同で建立した、南太平洋で命を落とした戦士たちの記念碑。シンプルなつくり。

ヤマモトバンカー
海軍司令部の地下壕。連合艦隊司令長の山本五十六がブーゲンビル島上空にて撃墜されるまでここで指揮をとっていたそうだ。中は10畳くらいの広さのスペースで幾つかの司令室らしき小部屋に枝分かれしている。じっとしているだけで汗が出てくるくらい蒸し暑い。

山本バンカー


山本バンカー内


ニューギニアクラブ
ヤマモトバンカーのすぐ近くには日本軍の士官食堂だったニューギニアクラブがある。現在はオーストラリア軍、ドイツ軍、日本軍の資料館となっている。もともとはドイツ統治下時代の建物で現在は90年代に改築されたもの。

その後、ラバウルの町のメインストリートであったという大通りに未だ一軒だけ営業しているというラバウルホテルにて昼食。ラバウルホテルのレストランはチャイニーズコロニアル的な内装で、食事も鶏肉とインゲンなどの野菜炒めで中華風だった。

ラバウルレストランの中華料理


集合時間まで少し時間があるのでテレビを見る。パプアニューギニアのテレビチャンネルは一つだけであった。そのテレビ番組では中学生くらいの算数の授業を中継していた。内容は半径7cmの円の面積を求めよ、など幾つかの問いがあり各2分の制限時間が与えられる。時間になるとクラスの生徒が先生にあてられる。昼間に誰が見るんだこんなテレビ。
昼食の間、雨が一気にザザぁとふってきた。すぐに弱まったが午後からは小雨が降る中の観光となった。

昼食後、ラバウルのマーケットをそぞろ歩き。売っているものはゴロカとあまり変わらない。変わったものとしては巻きスカートのラプラプやタバコの葉っぱは細切れでなくて束で売られていたこと。

ラバウルのマーケットの女性


ゴロカよりもこじんまりしているマーケット


ラプラプうりのおばさん


たぶんファンキーなおばさん


マルマルアン展望台
ラバウルのマーケットを車で山道を走ること10分。ラバウル全景を見渡せるスポットへ。火山の形が美しい。

ラバウル全景


スズキバンカー
ラバウルから約1時間、ココポを抜け、さらに南に悪路の中車を走らせる。誰もこないような寂しげな海岸沿いにスズキバンカーと呼ばれる掩蔽壕がある。終戦後、このバンカーの中からミイラが発見された。どうやら戦時中、このバンカーに隠れて敵の攻撃から身を潜めていたらしい。しかし爆撃による攻撃か、もしくは飢えによってなくなり、ミイラ化した遺体がこのバンカーから発見された。身の回りのものからはスズキという名前はわかったそうだ。ガイドブックやWEB上には細かい情報はなく、ガイドのチャーチルに聞いてもそれ以上のことは分からなかった。

スズキバンカー


悲しげな流木


ビタパカ戦争墓地
オーストラリア兵士の合葬墓地。日本のものよりよく手入れされている。

ビタパカ戦争墓地


戦時中の日本の兵器や施設は日本では滅多に目にするとはないため私のような戦争を知らない世代にも興味深く見ることができた。しかし思ったよりも保存に関しては現地人に任せっきりなのが気になった。日本、そして全世界の負の遺産として状態よく維持できないものだろうか。特にゼロ戦や爆撃機の残骸など誰かが装甲をはがしたりすることもできなくはない。それに雨ざらしになっているので今後このままだと腐食が進んで原型をとどめられるのも時間の問題だろう。

地元の小学生と遭遇


一緒に記念撮影


ホテルに戻る途中スーパーマーケットに立ち寄って飲み物を買う。この日の夕食も昨日と同じガーデンサラダとフレンチフライ。

6日目 シャローゼロ
朝6時に起床。この日は半日シュノーケリングツアーに参加する。
朝食後、朝7時にフロントに集合。昨日と同じチャーチルと一緒にホテル面しているビーチへ。すでに小型のモーター船がスタンバイしている。

<半日シュノーケリングツアー>
ラバウルの海は美しい珊瑚礁と豊かな生態系を持つ世界屈指のダイビング・シュノーケリングスポットである。途中イルカ達の華麗な泳ぎで歓迎を受けながら、ホテルからモーターボートで移動すること約40分、ピジョン島に到着。その名の通り島の住人は鳥のみの無人島。ピジョン島は大小の2つの島からなり、島付近は潮の流れが良く、水質は大変クリア。手付かずの珊瑚礁やクマノミなどカラフルな魚達が突然の来訪者達を楽しませてくれる。浅瀬からドロップオフポイントまでバラエティ豊かな地形のためシュノーケリング初心者でもOK。お昼ご飯も持ってきてここでピクニックランチもいいだろう。

ラバウルの海の楽しみはこれだけではない。旧日本軍の南太平洋の一大拠点であった歴史から数多くの沈没船が未だ海底に眠っている。そのためダイバー達にはレックダイビング(沈没した戦闘機や輸送船などの難破船を見ることを目的としたダイビング)のメッカとして知られているのだ。その多くが海底の30mから40mなど初心者には難しい深さなので気軽には見ることはできないが、ラバウル新空港近くにシャローゼロ(shallow zero)と呼ばれる水深約3mに沈んだゼロ戦の残骸を見ることができるポイントがある。もちろんシュノーケリングでも、水面からもかつて世界最強と恐れられていたその雄姿を確認できる。

火山と地元の漁師


イルカも見れる


イルカと追いかけっこ


見事なサンゴ礁に囲まれた ピジョン島


火山とピジョン島


シャローゼロ


昨日と今日のラバウル観光でラバウルの歴史と自然を地上からも水中からも満喫したこととなった。

ホテルに戻ったのは11時。部屋に戻りチェックアウトの準備。
12時に部屋をチェックアウトした後はケビエン行きの飛行機に乗るため、午後3時までホテルのレストランにて休憩。

3時前にホテルをでてラバウル新空港へ。
ラバウル空港からケビエン行きの飛行機に乗り込み35分のフライト。
これまでよりも一層こじんまりしている素朴なケビエン空港に到着。
空港ではリセナンアイランドリゾートのスタッフ、野崎さんが迎えに来てくれていた。預け荷物を手渡しで受け取り、リセナンアイランドリゾートへ。

ケビエン空港


黄昏の船乗り場


<リセナンアイランドリゾート>
ケビエン空港から車とボートで約30分。見えてくるのが緑のヤシの木に囲まれたリセナンアイランドリゾート。一目見てここがオシャレなリゾート島だと分かる人はいないはず。島内には高い建物だけでなく、街灯ももちろんない。電気はあるものの、雨水を再利用するためホットシャワーはなく自然の熱を利用したシャワーという環境に配慮したつくり。夜は静かな波の音が心地よく響き、朝は鳥の声で目覚める。一つの島に、それもたった7部屋しかない、まさに自然と一体になった感覚を体験できるリゾートと言えるだろう。
また見渡す限りの白い砂とペパーミントグリーンの海、貴重な青珊瑚の群生が目の前に広がる世界指折りの美しいスポットとして知られ、オーストラリアのダイビング雑誌では2012年から2年連続でベストダイビングアイランドにも選ばれた経歴がある。更には時には夕食には巨大なロブスターや牡蠣、刺身まで供されることもあるという。ダイバー、シュノーケラー憧れの島ありながら日本人スタッフもいるというお勧めの隠れ家的リゾートなのだ。
室内は可愛らしい、温もりのある室内には虫除けの蚊帳とシーリングファンがある程度のシンプルな造り。冷蔵庫、ドライヤー、スリッパ、テレビ、湯沸かし器などはない。WIFIはオフィス周辺であれば無料で利用できる。

リセナンアイランドリゾート


近海でとれたロブスター 特別な食事ではなく普通の夕食です。


夜7時に夕食を食べにレストランへ。
レストランではこんなに大きいの初めて見たくらいのロブスター。
結婚式場でも食べたことのない大きさに興奮。

7日目 牡蠣と海ブドウと私
朝7時半に朝食。トーストとシリアル、目玉焼き。
シュノーケリングギアをレンタルしてコテージの前のビーチにてシュノーケリングをして楽しんだ。
朝10時にホテル前のビーチからシュノーケリングツアーに出発。

リセナンアイランドリゾートにいたカニ


どこまでも犬かきで追いかけてくるリセナンアイランドリゾートの飼い犬


<マングローブ牡蠣採りとBBQ&ラル島のシュノーケリングツアー>
まず向かうのはホテルからボートに揺られ約30分、マングローブの生い茂る島。ただ船に乗っているだけでは面白くない、移動中はルアーフィッシングしながらお昼のメインディシュを釣り上げるのがケビエン流。マングローブ林に到着。ここで目にするのが岩牡蠣ならぬマングローブ牡蠣。日本の牡蠣よりも大ぶりなマングローブ牡蠣はナイフで枝からこそぎ落とす。近辺の岩場では、これまた日本人の大好物、海ぶどうが自生している。食べる分だけの牡蠣と海ぶどうを仕入れたら、BBQの舞台ラル島へルアーフィッシングをしながら向かう。ラル島は徒歩5分で一周できるくらいのサイズの無人島。枯れ木を集め火をおこすところからスタート。ホテルから準備してきた食材をBBQスタイルで皆とワイワイ調理。牡蠣は生でも焼きでもお好みで。食後は腹ごなしに手付かずの珊瑚と多種多様な魚が溢れる透明な海でシュノーケリング。まさにケビエンの自然にどっぷり浸かったワイルドな体験だ。

マングローブ牡蠣


牡蠣ハンター


海ブドウもある


ラル島でBBQ ロブスターはホテルから持参


リセナンアイランドに到着したのは午後4時過ぎ。
シャワーを浴びたあとはビーチへ赴き、暮れなずむ夕日を見ながらリラックスしたひと時を過ごす。

この日の夕食は大きな白身魚。

8日目 義務教育
5:50のポートモレスビー行きのフライトに乗るため、朝4時にリセナンアイランドを出発。野崎さんが朝食のサンドイッチを持たせてくれた。
ボートと車を乗り継ぎ空港へ。まだ真夜中の海上を高速で爆走するモーターボートはジェットコースターのようにスリル満点だった。
ケビエン発の飛行機は往路と同様、ラバウルを経由してポートモレスビーへ。同日で成田行きに乗り継ぐ予定だが、国際線へのスルーチェックインはできなかった。
ポートモレスビーに到着後、一旦ポートモレスビーにて荷物の受け取りと国際線のチェックインを済ませる。成田行きのフライトまでかなり時間があるのでPNGジャパンのエミリーさんがポートモレスビーにて簡単な市内観光をしてもらった。

<ポートモレスビー市内観光>
もし乗り継ぎに充分時間があるのなら是非ポートモレスビーでの市内観光をお勧めしたい。特にバードサンクチュアリと言われるパプア国内から珍しい鳥類を集めた公園は国内外の観光客に大人気。こじんまりした園内に放し飼いをしており、餌付けしているためパプアの国鳥である極楽鳥を間近で見られることも。
手付かずの自然と原始時代からの風習を守る民族がいる一方で、高度経済成長を遂げるポートモレスビー。ウォーターフロントエリアには大型スーパーマーケットが建ち、高層ビル群を建設中だ。パプアニューギニアの経済的な一面を知ることになるだろう。

観光終了後、空港に到着しドライバーさんからの見送りを受け、お別れ。
成田行きはほぼ定刻通りに出発。

8日間パプアニューギニアを旅して、人間の原風景というものがあれば、パプアニューギニアこそがそれそのものなのではないかという気がした。損得勘定などない素朴でフレンドリーな人々、そして自然を畏れ神のスピリットを信じ、借り物でない独自の文化をもち続ける彼らを見ると彼らが特殊な慣習・文化をもっているのではなく、我々が不自然な生き方をしている気がした。先輩社員のほめ言葉を借りるなら「義務教育にして日本人全員いかせたい」と思わせた国である。
本来の自分の心のありようを確かめるという意味で、心の洗濯をするには最適な国だと思う。人間はやっぱりいいね。

予算・物価・お土産
物価は日本と同程度か少し高い。食事の予算は飲み物込みで1回40キナ程度(2000円)。お酒を飲むのであれば1缶10キナするので多めに心がけよう。チップは不要。お土産はブルーマウンテンコーヒーの粉末パックが人気で1つ15キナほど。ホテルや外国人観光客が利用するお店では大抵ビザかマスターのクレジットカードが利用できる。

ネット環境
ホテルでは無料のWIFIが大抵利用できるが、速度は大変遅い。SIMカードは空港や町中の至る所に売られている。

治安
ガイドと歩く分には全く問題ない。しかし特に都市部(ポートモレスビー)では一人歩きは控えたい。もし行きたい場所があるのであればガイドやドライバーに相談しよう。地方(ゴロカなど)では一人歩きする場合には夜中や暗い時間帯は控え、高価なカメラや時計はせず、手持ちのお金もごく一部に心がけよう。

マラリア
ポートモレスビーやハイランド地方では不要。セピック川・フライ川流域ではマラリア予防薬の服用をお勧めする。またそれ以外の地域でも念のため服用をしたほうが確実だが副作用もあるため服用しない観光客も多い。その場合は虫除けスプレーや蚊取り線香、長袖・長ズボン、黒の洋服を着ないように徹底したい。

今回の旅行ではパプアニューギニア政府観光局の山田様、ニューギニア航空の鈴木様、そして文中にもお名前を出させていただいた現地にてご活躍中の皆様の御協力にて無事終えることができました。心より御礼申し上げます。

(2015年5月 橋本康弘)

パプアニューギニア
人の還る場所~極彩色のパプアニューギニア~
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テーマ:ハイキング・登山 マリンスポーツ 歴史・文化・芸術 
投稿日:2016/01/04 17:07








5月末、念願のパプアニューギニアに行く機会を得た。

パプアニューギニアが「発見」されたのは1950年代後半。オーストラリア統治時代、豪州の地方行政官がゴロカショー(各部族がシンシンを踊り続け競い合う祭り)を主催したことでパプアニューギニアの世にも珍しい部族の風習が全世界に知られることとなった。それでも発見されたのはごく一部の部族たちだけで、内陸部の地域では険しい山々やジャングル、マラリアが行く手を阻み、60年代まで欧米諸国に発見されることのなかった部族もいる。つまり戦争が終わり、日本が高度経済成長真っ只中の時代においても原始時代の生活をしているような人々がいたということになる。数十年ときを経た今でも、部族の伝統を守り続け特有な衣装やユニークなダンスを披露してくれる。
また彼らはその素朴さも失っていない。見知らぬ同士でも挨拶を交わす。部族抗争のあった名残か、敵意がないことを示す意味でも挨拶が日常となっているそうだ。もちろん観光客に対してもすべての人々が暖かい笑顔でむかえてくれる。外国人観光客と見るやふっかけてくる商売人や自己保身のために都合のいい嘘をつくガイドはここにはいない。
そして手付かずの自然、人の手が入っていない沿岸地域の美しいビーチやハイランド地方の山々。さらには極楽鳥やポッサムなど世にも珍しい動植物。各国を行き尽くしたダイバーや写真家がパプアには何度も訪れるという。一度来訪したらその魅力に取り付かれずにはいられない魅惑に溢れた国なのだ。

蛇足だが私とパプアニューギニアの出会いは10数年前の大学生時代。とある写真を見て衝撃を受けた。それはザ・ポップグループというイギリスの70年代UKポストパンク・ニューウェーブ期を代表するロックバンドのレコードのジャケットだった(もちろん私が後追いした時はCDだったが)。マッドマンの集団が奇声をあげながら今にも飛び上がらんばかりの写真だった。当時は「マッドマン」という言葉も知らなかった私は、スピーカーから飛び出すポップグループの粗暴で原始的且つリズミカルな音楽性にも驚愕した。グループ名と相反した商業主義からかけ離れた音楽性はマッドマンの写真と相まって私の心に突き刺さった。当時大学の休みに合わせてバックパッカーの真似事をしていた私は、いつかマッドマンのような文明がいまだ届いていないような民族に会ってみたいと思うようになっていった。
次なるマッドマンとの出会いは弊社に就職したとき。何気なくパンフレットをめくっていたときに、CDのジャケットと同じような姿の民族の写真が。マッドマンは一般な観光旅行でも出会えることを知った。(ぜひ「最後の警告」でググってみてください。)
いつかマッドマンに出会えることを夢見て旅行社に勤務し続けようやくこの機会を得ることが出来た。

私が旅した行程は下記の通り。
1日目 夜成田発
2日目 ゴロカ観光
3日目 ゴロカ観光
4日目 ラバウルへ移動
5日目 ラバウル戦跡観光
6日目 ラバウルにてシュノーケリング、その後ケビエンに移動
7日目 ケビエン観光
8日目 帰国


1日目 ホノルル気分

午後、伊丹空港から成田空港行きの全日空に乗り込む。
定刻通りに成田空港に到着。成田空港では全日空は第1ターミナルに到着。
荷物を受け取って国際線の搭乗手続きをしようと出発フロアに移動。
しかし今回利用するニューギニア航空は第2ターミナルだった。成田空港の無料ターミナル移動バスはあるものの第3ターミナルもできたことでターミナル間の移動に思ったよりも時間を要した。乗り継ぎ時間には十分猶予を持っていたので良かったものの成田乗り継ぎの際は国内線の到着ターミナルは要確認だと再認識した。

第2ターミナル内の無料のラウンジで時間を潰し、午後7時にニューギニア航空にチェックイン。ポートモレスビー到着後そのままゴロカに乗り継ぎだが荷物は一旦ポートモレスビーにて受け取るようだ。
成田の出国手続きを終え、出発ゲートへ。ポートモレスビー行きのゲートは71番。向かいの72番ホノルル行きと同じフロアになっており、明らかに行くお客さんの層とテンション違いがちょうど真ん中あたりでぱっくりわかれており、異様な雰囲気。ホノルル行きのお客さんはすでに自撮り棒なんか取り出してキャピキャピしている。一方でポートモレスビー行きは帽子を目深に被り静かに座っている人が多い。おぉぉ、すでに旅は始まっているなぁとその光景を見て興奮気味の私。

ほぼ定刻通りに機内へ乗り込む。期待した以上に立派なテレビがついており、日本の映画も数本あった。食事も美味しく満足。


2日目 モコモコ

約6.5時間のフライトの後、ポートモレスビーに到着。
入国審査はパプアニューギニア国民とそれ以外の国籍のビザ保持者とビザなしの3レーンにわかれていた。私はアライバルビザを取得するためにビザなし(アライバルビザ取得)の列に並ぶ。英文の日程表を見せるとなんと無料でビザ取得できた(2014年の初め頃から無料になったそうだ。また英文の日程表でなくてEチケットでも最後の出発日が確認できるものであればいいらしい)。
荷物検査は思っていたよりも厳しい。カバンの中はもちろんスーツケースも開けられる。入国カードの税関申告の欄に食べ物を持ち込んでいるか否かの項目があるので、なにか持ち込むのであれば必ず「はい」にチェックすること。他の項目は多額の現金を持ち込んでいるかどうかなど一般的には全て「いいえ」の質問ばかりなので食べ物の欄も「いいえ」にしそうだが、虚偽申告と難癖をつけられることもあるそうなので注意。

ポートモレスビーではPNGジャパン現地代表をしていらっしゃる上岡さんと合流。国内線にチェックインを済ませ、両替。1週間の滞在の場合だとは2万円はあったほうがいいとの情報を聞いていたので2万円を両替。
乗り継ぎ時間にかなり余裕があるため空港近くのゲートウェイというホテルに朝食を食べに行くことに。そのゲートウェイホテルの朝食が朝6時から開くそうなのでそれまで空港のベンチで上岡さんにパプアのことをいろいろ伺っていた。そこへ私と同じニューギニア航空に搭乗していたと思われる上岡さんとお知り合いの日本人の女性がいらっしゃった。上岡さんはその方を私に、旅行作家さんなんですよ、と紹介していただいた。あまり私は本を読まないため存じ上げず申し訳ないなぁと思っていたら、なんと私が空港の待ち時間で読んでいたパプアニューギニアについての本の著者の山口さんであった。出発前に電子書籍の中から今回の旅に役立ちそうな本をいくつか購入した中に山口さんの著書があり、ついつい読み入ってしまいパプアニューギニア到着前に読み終えていたのだった。私のような若輩者が上岡さんと山口さんというパプアニューギニアについての超エキスパートの方とご一緒出来るなんて幸運なことだろう。(実際、山口さんの作品はこの紀行文を書くのにもためになりました。ありがとうございます。)
ホテルでパンとコーヒーの朝食をいただき(20キナ、約1000円)、空港へ戻り国内線の搭乗手続き。国内線の荷物検査も結構厳しい。上岡さんにはありがたいことに搭乗ゲートまでお見送りしていただいた。

ゲートウェイホテルのレストラン


ゴロカ行きの飛行機


<ゴロカ>
パプアニューギニアの中で真っ先に訪れるべき町を挙げるのであればゴロカであろう。800を超える言語と多様な民族が存在するというパプアニューギニアおいて中には、観光客に神聖な舞踊を見せることは古代から伝承されたしきたりに背くこととしてタブー視する部族も数多いが、その点ゴロカでは奇抜でユニークな民族達の踊りと暮らしを手軽に垣間見ることができる貴重な村が多数存在する。その部族の中でも特に有名なのがマッドマンだ。およそ10キロもあると言われる大きな泥のマスク。全身には泥を塗り、まるで亡霊か精霊のような出で立ち。もちろん観光は少数民族だけではない。パプアニューギニア最高峰・ウィルヘルム山登山の拠点であり、賑わいを見せる町中の青空市場、名産のコーヒー工場。そして一大観光地であるにも関わらずそこに住まう素朴でフレンドリーな人々にきっとあなたも魅了されるはず。

ポートモレスビーからゴロカは約1時間のフライト。
到着したゴロカの空港はこれまで旅した中でも、これが本当に空港?と聞きたくなるほどの小屋のような建物。もちろん荷物を受け取るベルトコンベアはないので空港のスタッフがテーブルの上にどんと置き、一つ一つ渡していく。素朴だなぁ。

素朴なゴロカ空港


ゴロカの空港ではPNGジャパンのゴロカ支店の見形さんがいらっしゃってくださった。ゴロカの街は空港を中心に広がっており、すぐ近くにスーパーマーケットに携帯電話ショップや銀行、郵便局さらにラジオ局がある。空港を中心に街が形成されているのは飛行機が主な交通手段だというパプアニューギニアならでは。
ポートモレスビーの空港付近は全く見かけなかった赤土と緑の山々のコントラストと人々のエネルギー溢れるカオスな雰囲気をゴロカではすぐに感じられ、パプアニューギニアに来たことを実感した。
空港から車で約2分のホテル、パシフィックガーデンホテルにチェックイン。

<パシフィックガーデンホテル>
ゴロカの中心部に位置する自然に囲まれたロッジ風のホテル。ゴロカ周辺の部族をモチーフにしたアート作品が展示されておりなかなかお洒落。広めの室内にはテレビに冷蔵庫、湯沸し器、アイロン、ドライヤーがあり、いたって清潔。室内で無料のWIFIもあるが速度は遅い。バスタブはなくシャワーのみ。水圧は強くないがお湯は比較的すぐに出た。スリッパやセーフティーボックスはなかった。レストランではソフトドリンクはもちろんビールもあった。食事も美味しい。

しばらくホテルでシャワーを浴びて休んだ後、昼食のジンジャービーフ(30キナ、約1500円)を食べて、午後の観光に出発。

パシフィックガーデンホテルお部屋


パシフィックガーデンホテル外観


パシフィックガーデンホテルのレストランはなかなか旨い


<グルポカ山ハイキングとモコモコダンス>
ホテルから唯一の舗装された道を走ること約20分。赤土むき出しの脇道の前に車を停める。ここが村の入り口だとは、一般の通りすがりの人たちには分からないだろう。
車を降り乾燥した土埃が舞い上がる道を歩くこと数分、グルポカ山の麓にあるコレコレト村の村人たちの姿が見えてくる。
村人たちにアピヌンと挨拶すると向こうも柔らかい笑顔であいさつを返してくれる。パプアニューギニアの公用語ビジン語の挨拶「アピヌン」とはアフタヌーンが訛った言葉らしい。なので基本英語が元になっており簡単な英単語さえわかればなんとなく現地の人ともコミュニケーションが図れる。
村ではこれからグルポカ山を案内してくれるという部族の少年がすでに伝統的な出で立ちで我々を待っていた。大事な部分を守るためのバナナの葉っぱで作ったまわしをつけている以外は裸で、全身には泥や炭で描いたボディーペイント。否が応でも期待が高まる(何が?)。
コーヒーやバナナ、サツマイモの農園のある山道を抜け、急勾配の坂道を登ること数十分。途中、生贄を捧げるために使ったとされる岩場がある。村から豚や人間をこの山の中腹まで連れてきて殺してその頭を岩の上に置くことで、神からのパワーを授けられると信じられていたそうだ。また人食を行ったと言われる洞窟もある。カニバリズムについて話にはよく聞くことはあるが、ここがその現場ですと言われると、俺生きて帰れるかなぁ、となんだか暗い気持ちになった。山から帰ったら食事の準備なんかしていて、今日の食材は「俺」だったりするのかなぁとマンガみたいなことを考えた。

ガイドの男の子


さすがは戦士だけあってどんどん登って行く


さすがは戦士だけあってどんどん登って行く


畑の農作物や途中の説明を聞きながらゆっくり山を登ったので、トータル1時間ほどだろうか、頂上に到着した。グルポカ山の頂上には十字架があり、カトリック信者が多い現在はお祈りの場としても使われるそうだ。頂上からはゴロカ一帯の、険しい山並みの連なる壮大な風景を一望できる。なぜゴロカからポートモレスビーまでの幹線道路が敷かれておらず、飛行機での移動手段がメインなのかが理解できる光景である。

グルポカ山からのゴロカの眺め


カニバリズムのおこなれたという洞窟


グルポカ山頂上


帰り道


下山して村に戻ると、次はモコモコダンスを見せてくれるという。モコモコダンスとは何だろう?と思いながらも村の広場まで連れてこられ、木製の手作りベンチに腰掛けてしばらく待つ。広場の中心では焚き火がパチパチを音を立てて煙が上がり始めた。そうすると煙の奥から全身ボディーペイントの仮面をつけた戦士が現れた。両手には槍のような武器を持っている。ダンスといっても機敏な激しいものではなく、身体を上下させたり槍を突き上げて小走りしたりするのがほとんど。徐々にこちらに近づいてきて、小声でモコモコ言っていることに気づいた。モコモコモコモコ…..モコッ!!.... モコモコモコモコ…..モコッ!!と時々何かを思い出したように後ろを振り返る。そのするうちに別の戦士も集まり大所帯になった。大人数になっても踊り方は先ほどと同じ。仮面の戦士が中心となって皆口々にモコモコ言いながら身体を上下に揺らし小走りする。
モコモコダンスは部族闘争の戦いから村に帰還した男たちが、祝いの踊りとして行うそうで、男女の出会いの儀式の意味もあるそうだ。勇ましさというよりも我々旅行者から見ると可愛らしさを感じるかもしれない。

煙の中から現れる


モコモコモコ・・・・


人数が増えた


モコ言いながら小走り


モコモコモコ・・・・・モコッ


モコモコダンスのメンバー


モコモコダンスのメンバー


モコモコズのメンバーと


モコモコダンスのメンバーの股間


モコモコダンスを楽しんだ後は村人ハンドメイドのお土産を物色する。パプアニューギニアのカバンとして知られるビルムや貝殻のネックレスなどが売られていた。こういう観光地ではかなり商売熱心だったりするものだが、パプアニューギニアの人々はあまり押し付けがましくなく、何も買わなくともフレンドリーな笑顔を振りまいてくれるのが嬉しい。素朴な人々にあって私の心も洗われたような気分になってコレコレト村を後にした。

コレコレト村の女の子


コレコレト村の男性


町中のスーパーマーケットに立ち寄り、飲み物を購入してホテルに戻った。
夜はホテルのレストランでヒレ肉のペッパーソースステーキ(50キナ 2500円)とビール(10キナ 500円)で夕食。
この日私の頭のなかはモコモコモコ・・・と、つい口からでそうなほどモコモコダンスのことが忘れられなかった。

3日目 ザ・マッドダンス

朝8時半に朝食。イングリッシュブレックファースト(38キナ 1900円)。
9時にガイドさんと合流して観光に出発。
この日はマッドマンダンスとシンブー地方の伝統文化を観光する予定だ。

まず向かったのは町中のマーケット。昨日ガイドさんにマーケットで写真を撮らせて!とお願いしたのだ。
マーケットで最初に向かったのはビートルナッツ売り場。日本語だと檳榔。台湾でセクシーなお姉さんが売っているやつというと知っている方も多いかもしれない。ビートルナッツを口の中でくちゃくちゃしながらマスタードの茎に石灰をつけかじる。口の中でこれらの3つが混じり合うとなぜか口の中で真っ赤になる。タバコのような嗜好品だそうで噛んでいるとフワフワとした陶酔感をえられるそうだ。口の中に溜まった水分をペッ、ペッと吐き捨てるため道のいたるところには赤い唾の跡が。景観的によろしくないので公共の場ではブアイ禁止の張り紙をちらほら見かける。私もトライしようと思ったが今から観光に行くのに口の中を真っ赤にしたくなかったのでビートルナッツを少しかじっただけで諦めた。
ブアイ実際噛んで見せてくれた男性 うれしそうだ


マスタードの茎を売るおじさん


ゴロカのB級グルメストリート


ゴロカの娯楽 ダーツ


マーケットではダーツ屋さんも見かけた。町の人たちの数少ない娯楽の一つのようで数多くの大人の男性がダーツに興じていた。五本投げて規定の点数よりも良いスコアが取れたなら賞金や景品がもらえるそうだ。私もトライしたがまず的に当てるのが精一杯。それに比べ地元のおじさんたちはすべて的の中に的中させていた。うまいなぁ。
ゴロカのマーケットでは写真を撮っていると、いろんな人から俺もとってくれ、俺もとってくれと言われる。それを見たまた別の人から、俺をとってくれ攻撃が始まる。見形さんは申し訳なさそうな声で、消していいですよ、おっしゃってくれた。

ゴロカのマーケット


ビートルナッツ売りのおばさん


髭のおじいさん


芋をたべていたおじいさん


こら!俺のバナナも撮ってくれ


たのまれてとった写真1


たのまれてとった写真2


たのまれてとった写真3


たのまれてとった写真4


たのまれてとった写真5 ほかにもたくさん


マーケットを後にしてマッドマン観光に向かう途中、ハイランドハイウェイで最も標高が高いダウロ峠へ。標高は約2500m。ここまで来ると全く気温が違う。その後、ガイドさんの知り合いにハイランド地方の伝統的なお家を見せてもらった。ハイランド地方は標高の高さから朝夜は冷え込む。そのため円形のお家を作り室内の真ん中には焚き火ができるスペースがある。

ハイランド地方の伝統的な住宅


草木も生き生きしているようにみえる


<マッドマンダンスとムームー料理>
ついにこの時がやってきた。自分の目でマッドマンを確かめる時が!パプアニューギニアに来たのはこのマッドマンダンスを見るためだといっても過言ではない。
アサロ渓谷の村に到着。ゴロカで一番の観光地だというのに大げさな看板などは一つもない。村に入るとまずハワイでいうレイのような花の首飾りをかけてくれて歓迎してくれる。その後村の案内を受け、サツマイモやトウモロコシ、ババナ、レモンの農園や村の内部を一通り見学した。見学が終わるとマッドマンダンスの行われる広場まで連れて行かれる。
まず登場したのは弓矢を持った戦士。獲物を狙っているようでそろりそろりと近づいてくる。獲物を発見!と思ったら獲物は私のようで弓を引いて追いかけてきた。観光客のつかみはこれでOKなのだろう。
狩りのパフォーマンスのあとは火おこしのパフォーマンス。太い木の枝と木の皮の摩擦で、枯れ木にものの数分で見事に火をつけた。火おこしのパフォーマンスはこれまで何度か他の国でも見たが最も原始的な道具にもかかわらず短時間であったように思う。昨日のモコモコダンスと同様に枯れ葉に火をつけ煙がもくもくと上がるとマッドマンのシンシン開始。
煙の向こうから現れたマッドマン。動きはスローモーション。マッドマンの表情はそれぞれ個性的で怒っているような顔や笑っているような顔、おとぼけ顏や無表情まで様々だ。手には弓や槍、長く尖った爪に棍棒など様々な武器。焚き火の燃える音だけが聞こえる静寂の中、物音も立てずに迫り来るマッドマン。我々はこれらがパフォーマンスだと分かっているから少しコミカルに思えるがこれが日の暮れた時間帯に行われたらどうだろう。暗闇の中から現れた白いマッドマン達は神秘的で神の使いか自然の精霊のように感じられただろう。

マッドマンダンス


無言


日本にもこういう怖い人いますよね


爪が伸びてる


マッドマンの成り立ちを説明しよう。部族闘争がさかんな時代、土地を奪われた部族がアサロ渓谷の沼地まで追いやられたところから始まる。沼地で偶然転んだ戦士。身体中が泥だらけになった。そこへ追いかけてきた敵対する部族はその真っ白な身体に驚いて、お化けだと勘違いして逃げていったそうだ。
昨日訪れたグルポカ山では生贄を捧げていた場所があったというから、ここに住む部族達は自然の中に神の存在を信じていたと考えて間違いはないだろう。彼らにとって自然や人間を超越した精霊や亡霊というものは畏怖の対象だったのである。
そのため マッドマンダンスと言いながらも、お化けなので音も立てないし動きもゆっくりなのである。モコモコダンスは戦士の踊りであり求愛の要素もあったからマッドマンのそれとはそもそも目的が違うのだ。
今度は暗闇の時間帯にマッドマンショーを見てみたいと思った。

マッドマン達と集合写真を撮ったあとはみんなでムームー料理。
ムームー料理とはイモや鶏肉、野菜をバナナの葉を幾重にも重ね、その上から焼いた石で覆い蒸し焼きにする料理である。イモや野菜はすべて地のもので来客や祝いの席では鶏肉や魚が入ることもあるそうだ。バナナの葉っぱの芳しい香りに誘われて美味しくいただく。パパイヤやパイナップルなどの果物も美味しい。

村の人々に別れを告げ、次なる目的地に移動する。

マッドマン達と集合写真


マッドメン


マッドマン


ムームーはなこうやって食べるのがうまいんだ!


どうだ!


ムームーに狂喜するマッドメンと村人


<シンブー地方の伝統文化観光>
マッドマンの村から車で数分。シンブーというゴロカのあるイーストハイランド州の隣の州の民族の伝統を伝える村がある。
村のガイドさんが村の中を一通り案内してくれる。例にもれずこの村も農園に溢れ、美しく手入れされている。
村の広場で最初に披露されたのが歓迎の踊り。これまで踊るのは男性ばかりだったので半裸の女性が出てきてびっくりした。紐状のスカートに、腕には花の飾り、首には貝殻のネックレス、頭には鳥のカラフルな羽。これまでの男性的なシンプルな装飾から一転華やかな衣装だ。
次に顔のペイントを実演してくれる。植物や泥など自然の素材でメイクをする。もちろん私もペイントしてもらった(割と現地の人がウケてくれるのでこのままホテルに戻るまでメイクはとらなかった)。
そして植物から繊維を取り出し糸を紡ぐ方法や弓矢の実演、伝統的な楽器の実演を見せてくれる。かつて楽器は仲間を呼ぶ手段として使われていたが今は携帯があるので、こういった楽器は悲しいかな、今つかうことはないそうだ。そして男女が互い違いに座って歌を歌うカリムレックというお見合いの儀式に参加し、最後に演者全てが集まってシンシンをして終了。

シンブー州の伝統メイク


植物から繊維を取り出し編み物を作る


自然と手元より胸に視線が行く


シンブー州の伝統的な弓矢の実演


シンブー州の伝統的な楽器の実演 低くビィィィィンという


怒ってる?


怒ってない


くわっ


これにて今回のゴロカの観光は終了。明日はラバウルに旅立つ。

4日目 穏やかな人々

フレンチトーストの朝食(28キナ)をとったあと朝8時15分にホテルの入り口にて見形さんと合流。町中の空港へ。
この日はゴロカからポートモレスビーを乗り継いでラバウルへ。
ゴロカの空港にてチェックイン。通常だと国内線同士の乗り継ぎだとそのまま目的地(今回の場合はラバウル)までスルーでチェックインできるそうなのだがこの日はシステムダウンらしくポートモレスビーで一旦荷物を引き取って再度チェックインしてくれとのことだった。
見形さんと2日間お世話になったガイドのアレックスに別れを告げて一路ポートモレスビーへ。
約1時間のフライトのあと空港では現地人の係の方がお出迎え。荷物をピックアップして、ラバウル行きにチェックイン。ラバウル行きの出発まで約4時間あるので、初日と同様、ゲートウェイホテルのエアコンが効いたレストランで出発の時間までレポートを書いたり本を読んだりして過ごした。
ボーディングタイムの45分前にホテルから空港へ向けて出発。今回もお見送りのスタッフの方が搭乗するまで見届けてくれた。アナウンスはあるものの何を言っているか分からず、電光掲示板もないのでこうしてスタッフの方が来てくれるのは心強い。
ラバウル行きはゴロカ行きよりも少し広めの2-3の配列だった(ゴロカ行きは2-2)の配列。といってもゴロカ行きの方が便数が多い。
約1時間半のフライトの末、ラバウルにオンタイムで到着。飛行機から降りると海に囲まれているからか湿った生温かい空気がほほを撫でつけるのを感じた。到着した飛行機はラバウルに経由したあとそのままケビエンに飛び立つ。
空港ではこの日宿泊するココポビーチバンガローリゾートのスタッフが迎えに来ていてくれた。ラバウルではゴロカでは見ることがなかったヤシの木がたくさん並んでいた。ラバウルに関しては小説などで多少馴染みがあったのでここを拠点として日本軍がガダルカナル島での死闘を戦ったと思うと胸から込み上げるものがあった。

元々は日本軍の戦闘機の発着地だったというラバウル空港


<ココポビーチバンガローリゾート>
ラバウル空港から約15分。ココポの町の中心部にココポビーチバンガローリゾートはある。ココポビーチバンガローリゾートはその名の通りブランチ湾のビーチに面した数棟のバンガローを要するリゾートホテルだ。レセプションは中央の建物で行う。バンガローは木製の温かみのある造りでかなり広め。天井にはシーリングファン、テラスからの眺めはパーシャールシービュー。バスタブ、ドライヤーやスリッパはないが冷蔵庫、セーフティーボックス、アイロン、湯沸かし器、エアコンも完備。室内ではWIFIは使えないがメインビルディングのロビーやレストランでは無料で使える。レストランからのビーチの景観も素晴らしく、リラックスしたひとときを過ごせること間違いなし。かつて福岡に住んでいたという日本語を話せる現地スタッフもおり何かと安心。

ココポビーチバンガローリゾート


ココポビーチバンガローリゾートのレストラン


ホテルのチェックインを終えて、ホテル周辺をうろうろ散歩。ホテルに面しているビーチ沿いをあてもなく歩いた。
野生的な雲と山の形、それに重なるように生い茂った深緑、そして夕日に照らされて金色に輝く海。幻想的な風景が続く中、地元の人々や国内の旅行者が思い思いに過ごしている様子を眺めた。そこには戦争という言葉など微塵も感じさせない穏やかで幸せな笑顔が溢れていた。

ホテルに戻り夕食のガーデンサラダとフライドポテトを食べた(12キナx2)。

ホテル近くのビーチにて 子供


ホテル近くのビーチにて 貝をほっていた女性


ホテル近くのビーチにて つりに興じる男性 つれていなかった


「これが我が家の自家用車」


5日目 ジロー戦

朝8時半に朝食のトーストとフルーツを食べてロビーに集合。
英語のうまいローレンスとかつて香川県に住んでいたという日本語は下手だけど気のいいガイド、チャーチルの二人のホテルスタッフと一緒にラバウルの戦跡を巡った。

<ラバウルの戦跡観光>
ラバウルはパプアニューギニアの北東部に浮かぶ、ニューブリテン島の北部に位置する小さな港町。ヤシの木が生い茂るトロピカルな植物相とタブルブル火山、ブルカン火山など噴煙を上げる光景はまさに映画の世界のようだ。このラバウルは第二次世界大戦時に日本軍が南太平洋諸島への侵攻の一大拠点としてガダルカナルの戦いなどに挑んだことで知られている。連合軍の最新鋭の兵器、豊かな物資と豊富な人員を前に日本軍はただ消耗を強いられ疲弊していくなか、輸送路を断たれた日本軍になす術はなく、終戦まで連合軍に占領されることはなかった。そのため町の中には戦時中のバンカーや爆撃機など貴重な戦跡が状態良く数多く残っている。

ココポ戦争博物館
展示の中で大部分を占めるのが第二次世界大戦時に日本軍が残していった軍事品の数々。戦車に高射砲、大砲、飛行機のエンジンにコクピットまで。ラバウル中に散らばっていたものを集めてきたらしい。中でも目を引くのはゼロ戦の綺麗な残骸。思ったよりも小さい。ガイドがゼロ戦のことをジロー戦、ジロー戦と呼ぶのでまさか設計者の堀越二郎への敬意からゼロ戦をあえてジロー戦と呼ぶことがここでは一般的なのか、と思ったがただ訛っていただけだった。

ズパパパパパパ!!!!


おちゃめな管理人


戦車1


戦車2


ブルーラグーン(又の名をワーフトンネル)
青く透き通った入り江のそばにあるトンネルで、かつて日本軍が食料を備蓄したり生活する場としても活用したそうだ。奥にはさらに深いトンネルがあり別のトンネルとつながっている。いまはコウモリたちの巣窟となっている。

艀の格納トンネル(又の名を大発トンネル)
波止場と本船の間を往復する小型船の格納庫。奥は暗闇となって見えにくいが5隻格納しているらしい。特に一番手前のトンネルから見える艀は状態が良い。

5隻も格納されているトンネル


トンネル近くに住む人


ラバウル旧飛行場
かつて日本軍が使っていた東飛行場。1990年代の相次ぐ噴火により都市機能を北部のラバウルから南東に約20キロ離れたココポに移転した。空港も同様で今は全く使っておらずそのためさら地状態。近くに爆撃機の残骸(連合軍からの通称から現地の人々からはBetty Bomberとも呼ばれている)がある。苔むしたその姿からはかつての殺戮兵器だったころの面影はなく、むしろ芸術的な気品さえ感じられる。

ベティボンバー


ベティボンバー付近を掃除するいかついおじさん


南太平洋戦没者の碑
日本政府とパプアニューギニア政府が共同で建立した、南太平洋で命を落とした戦士たちの記念碑。シンプルなつくり。

ヤマモトバンカー
海軍司令部の地下壕。連合艦隊司令長の山本五十六がブーゲンビル島上空にて撃墜されるまでここで指揮をとっていたそうだ。中は10畳くらいの広さのスペースで幾つかの司令室らしき小部屋に枝分かれしている。じっとしているだけで汗が出てくるくらい蒸し暑い。

山本バンカー


山本バンカー内


ニューギニアクラブ
ヤマモトバンカーのすぐ近くには日本軍の士官食堂だったニューギニアクラブがある。現在はオーストラリア軍、ドイツ軍、日本軍の資料館となっている。もともとはドイツ統治下時代の建物で現在は90年代に改築されたもの。

その後、ラバウルの町のメインストリートであったという大通りに未だ一軒だけ営業しているというラバウルホテルにて昼食。ラバウルホテルのレストランはチャイニーズコロニアル的な内装で、食事も鶏肉とインゲンなどの野菜炒めで中華風だった。

ラバウルレストランの中華料理


集合時間まで少し時間があるのでテレビを見る。パプアニューギニアのテレビチャンネルは一つだけであった。そのテレビ番組では中学生くらいの算数の授業を中継していた。内容は半径7cmの円の面積を求めよ、など幾つかの問いがあり各2分の制限時間が与えられる。時間になるとクラスの生徒が先生にあてられる。昼間に誰が見るんだこんなテレビ。
昼食の間、雨が一気にザザぁとふってきた。すぐに弱まったが午後からは小雨が降る中の観光となった。

昼食後、ラバウルのマーケットをそぞろ歩き。売っているものはゴロカとあまり変わらない。変わったものとしては巻きスカートのラプラプやタバコの葉っぱは細切れでなくて束で売られていたこと。

ラバウルのマーケットの女性


ゴロカよりもこじんまりしているマーケット


ラプラプうりのおばさん


たぶんファンキーなおばさん


マルマルアン展望台
ラバウルのマーケットを車で山道を走ること10分。ラバウル全景を見渡せるスポットへ。火山の形が美しい。

ラバウル全景


スズキバンカー
ラバウルから約1時間、ココポを抜け、さらに南に悪路の中車を走らせる。誰もこないような寂しげな海岸沿いにスズキバンカーと呼ばれる掩蔽壕がある。終戦後、このバンカーの中からミイラが発見された。どうやら戦時中、このバンカーに隠れて敵の攻撃から身を潜めていたらしい。しかし爆撃による攻撃か、もしくは飢えによってなくなり、ミイラ化した遺体がこのバンカーから発見された。身の回りのものからはスズキという名前はわかったそうだ。ガイドブックやWEB上には細かい情報はなく、ガイドのチャーチルに聞いてもそれ以上のことは分からなかった。

スズキバンカー


悲しげな流木


ビタパカ戦争墓地
オーストラリア兵士の合葬墓地。日本のものよりよく手入れされている。

ビタパカ戦争墓地


戦時中の日本の兵器や施設は日本では滅多に目にするとはないため私のような戦争を知らない世代にも興味深く見ることができた。しかし思ったよりも保存に関しては現地人に任せっきりなのが気になった。日本、そして全世界の負の遺産として状態よく維持できないものだろうか。特にゼロ戦や爆撃機の残骸など誰かが装甲をはがしたりすることもできなくはない。それに雨ざらしになっているので今後このままだと腐食が進んで原型をとどめられるのも時間の問題だろう。

地元の小学生と遭遇


一緒に記念撮影


ホテルに戻る途中スーパーマーケットに立ち寄って飲み物を買う。この日の夕食も昨日と同じガーデンサラダとフレンチフライ。

6日目 シャローゼロ
朝6時に起床。この日は半日シュノーケリングツアーに参加する。
朝食後、朝7時にフロントに集合。昨日と同じチャーチルと一緒にホテル面しているビーチへ。すでに小型のモーター船がスタンバイしている。

<半日シュノーケリングツアー>
ラバウルの海は美しい珊瑚礁と豊かな生態系を持つ世界屈指のダイビング・シュノーケリングスポットである。途中イルカ達の華麗な泳ぎで歓迎を受けながら、ホテルからモーターボートで移動すること約40分、ピジョン島に到着。その名の通り島の住人は鳥のみの無人島。ピジョン島は大小の2つの島からなり、島付近は潮の流れが良く、水質は大変クリア。手付かずの珊瑚礁やクマノミなどカラフルな魚達が突然の来訪者達を楽しませてくれる。浅瀬からドロップオフポイントまでバラエティ豊かな地形のためシュノーケリング初心者でもOK。お昼ご飯も持ってきてここでピクニックランチもいいだろう。

ラバウルの海の楽しみはこれだけではない。旧日本軍の南太平洋の一大拠点であった歴史から数多くの沈没船が未だ海底に眠っている。そのためダイバー達にはレックダイビング(沈没した戦闘機や輸送船などの難破船を見ることを目的としたダイビング)のメッカとして知られているのだ。その多くが海底の30mから40mなど初心者には難しい深さなので気軽には見ることはできないが、ラバウル新空港近くにシャローゼロ(shallow zero)と呼ばれる水深約3mに沈んだゼロ戦の残骸を見ることができるポイントがある。もちろんシュノーケリングでも、水面からもかつて世界最強と恐れられていたその雄姿を確認できる。

火山と地元の漁師


イルカも見れる


イルカと追いかけっこ


見事なサンゴ礁に囲まれた ピジョン島


火山とピジョン島


シャローゼロ


昨日と今日のラバウル観光でラバウルの歴史と自然を地上からも水中からも満喫したこととなった。

ホテルに戻ったのは11時。部屋に戻りチェックアウトの準備。
12時に部屋をチェックアウトした後はケビエン行きの飛行機に乗るため、午後3時までホテルのレストランにて休憩。

3時前にホテルをでてラバウル新空港へ。
ラバウル空港からケビエン行きの飛行機に乗り込み35分のフライト。
これまでよりも一層こじんまりしている素朴なケビエン空港に到着。
空港ではリセナンアイランドリゾートのスタッフ、野崎さんが迎えに来てくれていた。預け荷物を手渡しで受け取り、リセナンアイランドリゾートへ。

ケビエン空港


黄昏の船乗り場


<リセナンアイランドリゾート>
ケビエン空港から車とボートで約30分。見えてくるのが緑のヤシの木に囲まれたリセナンアイランドリゾート。一目見てここがオシャレなリゾート島だと分かる人はいないはず。島内には高い建物だけでなく、街灯ももちろんない。電気はあるものの、雨水を再利用するためホットシャワーはなく自然の熱を利用したシャワーという環境に配慮したつくり。夜は静かな波の音が心地よく響き、朝は鳥の声で目覚める。一つの島に、それもたった7部屋しかない、まさに自然と一体になった感覚を体験できるリゾートと言えるだろう。
また見渡す限りの白い砂とペパーミントグリーンの海、貴重な青珊瑚の群生が目の前に広がる世界指折りの美しいスポットとして知られ、オーストラリアのダイビング雑誌では2012年から2年連続でベストダイビングアイランドにも選ばれた経歴がある。更には時には夕食には巨大なロブスターや牡蠣、刺身まで供されることもあるという。ダイバー、シュノーケラー憧れの島ありながら日本人スタッフもいるというお勧めの隠れ家的リゾートなのだ。
室内は可愛らしい、温もりのある室内には虫除けの蚊帳とシーリングファンがある程度のシンプルな造り。冷蔵庫、ドライヤー、スリッパ、テレビ、湯沸かし器などはない。WIFIはオフィス周辺であれば無料で利用できる。

リセナンアイランドリゾート


近海でとれたロブスター 特別な食事ではなく普通の夕食です。


夜7時に夕食を食べにレストランへ。
レストランではこんなに大きいの初めて見たくらいのロブスター。
結婚式場でも食べたことのない大きさに興奮。

7日目 牡蠣と海ブドウと私
朝7時半に朝食。トーストとシリアル、目玉焼き。
シュノーケリングギアをレンタルしてコテージの前のビーチにてシュノーケリングをして楽しんだ。
朝10時にホテル前のビーチからシュノーケリングツアーに出発。

リセナンアイランドリゾートにいたカニ


どこまでも犬かきで追いかけてくるリセナンアイランドリゾートの飼い犬


<マングローブ牡蠣採りとBBQ&ラル島のシュノーケリングツアー>
まず向かうのはホテルからボートに揺られ約30分、マングローブの生い茂る島。ただ船に乗っているだけでは面白くない、移動中はルアーフィッシングしながらお昼のメインディシュを釣り上げるのがケビエン流。マングローブ林に到着。ここで目にするのが岩牡蠣ならぬマングローブ牡蠣。日本の牡蠣よりも大ぶりなマングローブ牡蠣はナイフで枝からこそぎ落とす。近辺の岩場では、これまた日本人の大好物、海ぶどうが自生している。食べる分だけの牡蠣と海ぶどうを仕入れたら、BBQの舞台ラル島へルアーフィッシングをしながら向かう。ラル島は徒歩5分で一周できるくらいのサイズの無人島。枯れ木を集め火をおこすところからスタート。ホテルから準備してきた食材をBBQスタイルで皆とワイワイ調理。牡蠣は生でも焼きでもお好みで。食後は腹ごなしに手付かずの珊瑚と多種多様な魚が溢れる透明な海でシュノーケリング。まさにケビエンの自然にどっぷり浸かったワイルドな体験だ。

マングローブ牡蠣


牡蠣ハンター


海ブドウもある


ラル島でBBQ ロブスターはホテルから持参


リセナンアイランドに到着したのは午後4時過ぎ。
シャワーを浴びたあとはビーチへ赴き、暮れなずむ夕日を見ながらリラックスしたひと時を過ごす。

この日の夕食は大きな白身魚。

8日目 義務教育
5:50のポートモレスビー行きのフライトに乗るため、朝4時にリセナンアイランドを出発。野崎さんが朝食のサンドイッチを持たせてくれた。
ボートと車を乗り継ぎ空港へ。まだ真夜中の海上を高速で爆走するモーターボートはジェットコースターのようにスリル満点だった。
ケビエン発の飛行機は往路と同様、ラバウルを経由してポートモレスビーへ。同日で成田行きに乗り継ぐ予定だが、国際線へのスルーチェックインはできなかった。
ポートモレスビーに到着後、一旦ポートモレスビーにて荷物の受け取りと国際線のチェックインを済ませる。成田行きのフライトまでかなり時間があるのでPNGジャパンのエミリーさんがポートモレスビーにて簡単な市内観光をしてもらった。

<ポートモレスビー市内観光>
もし乗り継ぎに充分時間があるのなら是非ポートモレスビーでの市内観光をお勧めしたい。特にバードサンクチュアリと言われるパプア国内から珍しい鳥類を集めた公園は国内外の観光客に大人気。こじんまりした園内に放し飼いをしており、餌付けしているためパプアの国鳥である極楽鳥を間近で見られることも。
手付かずの自然と原始時代からの風習を守る民族がいる一方で、高度経済成長を遂げるポートモレスビー。ウォーターフロントエリアには大型スーパーマーケットが建ち、高層ビル群を建設中だ。パプアニューギニアの経済的な一面を知ることになるだろう。

観光終了後、空港に到着しドライバーさんからの見送りを受け、お別れ。
成田行きはほぼ定刻通りに出発。

8日間パプアニューギニアを旅して、人間の原風景というものがあれば、パプアニューギニアこそがそれそのものなのではないかという気がした。損得勘定などない素朴でフレンドリーな人々、そして自然を畏れ神のスピリットを信じ、借り物でない独自の文化をもち続ける彼らを見ると彼らが特殊な慣習・文化をもっているのではなく、我々が不自然な生き方をしている気がした。先輩社員のほめ言葉を借りるなら「義務教育にして日本人全員いかせたい」と思わせた国である。
本来の自分の心のありようを確かめるという意味で、心の洗濯をするには最適な国だと思う。人間はやっぱりいいね。

予算・物価・お土産
物価は日本と同程度か少し高い。食事の予算は飲み物込みで1回40キナ程度(2000円)。お酒を飲むのであれば1缶10キナするので多めに心がけよう。チップは不要。お土産はブルーマウンテンコーヒーの粉末パックが人気で1つ15キナほど。ホテルや外国人観光客が利用するお店では大抵ビザかマスターのクレジットカードが利用できる。

ネット環境
ホテルでは無料のWIFIが大抵利用できるが、速度は大変遅い。SIMカードは空港や町中の至る所に売られている。

治安
ガイドと歩く分には全く問題ない。しかし特に都市部(ポートモレスビー)では一人歩きは控えたい。もし行きたい場所があるのであればガイドやドライバーに相談しよう。地方(ゴロカなど)では一人歩きする場合には夜中や暗い時間帯は控え、高価なカメラや時計はせず、手持ちのお金もごく一部に心がけよう。

マラリア
ポートモレスビーやハイランド地方では不要。セピック川・フライ川流域ではマラリア予防薬の服用をお勧めする。またそれ以外の地域でも念のため服用をしたほうが確実だが副作用もあるため服用しない観光客も多い。その場合は虫除けスプレーや蚊取り線香、長袖・長ズボン、黒の洋服を着ないように徹底したい。

今回の旅行ではパプアニューギニア政府観光局の山田様、ニューギニア航空の鈴木様、そして文中にもお名前を出させていただいた現地にてご活躍中の皆様の御協力にて無事終えることができました。心より御礼申し上げます。

(2015年5月 橋本康弘)

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