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プロフィール

ニックネーム:
ファイブスタークラブ
居住地:
東京都
会社名:
ファイブスタークラブ
会社英字名:
Five Star Club
会社所在地:
東京都
会社電話番号:
03-3259-1511
業種:
旅行業
自己紹介:
1.全コース1名より催行保証。ツアーキャンセルはありません。(ごく一部のコースを除く)
2.アレンジ自由自在。延泊や減泊、ホテルグレードUP、航空会社指定、何でもできます。
3.基本的に少人数でのツアーで団体旅行のわずらわしさはありません。(ごく一部のコースを除く)
3.遊牧民のゲルにホームステイやサハラ砂漠でキャンプなど、その国でしかできないユニークなオリジナルツアーを企画。
3.毎週土曜日、各方面の専任スタッフが説明会を実施。疑問、質問は何でもどうぞ。(予約制)

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奴隷貿易の舞台となったギニア湾沿い3国を周遊!ディープなアフリカへ!ガーナ・トーゴ・ベナン10日間

2017/01/16 16:57
ガーナ
エリア:
  • アフリカ > ガーナ > エルミナ
  • アフリカ > トーゴ > トーゴその他の都市
  • アフリカ > ベナン > ベナンその他の都市
テーマ:
  • 観光地
  • / 世界遺産
  • / 歴史・文化・芸術
久しぶりのアフリカ、動物以外のアフリカ。最近秘境・辺境と呼ばれる所に行っていなかったので、久しぶりの辺境にどきどき、わくわく。近世の時代に奴隷海岸と呼ばれたギニア湾沿い3国を10日間で周遊してきました。
露店の女性たち


ブードゥー教の儀式で使う呪術品


***今回の10日間の西アフリカ周遊の旅程***
1日目 夜発 香港・アジスアベバ経由アクラへ <機中泊>
2日目 アクラ観光 <アクラ泊>
3日目 クマシへ移動 クマシ観光 <クマシ泊>
4日目 国境を越えロメへ移動 <ロメ泊>
5日目 ソコデへ移動 ソコデ観光 <ソコデ泊>
6日目 国境を越えナティティングー移動 途中世界遺産観光<ナティティングー泊>
7日目 アボメーへ移動 アボメー観光、<アボメー泊>
8日目 コトヌーへ移動 途中ガンビエ観光 <コトヌー泊>
9日間 コトヌーを出発
10日目 帰国


〇1日目 機中泊
成田夜出発。香港経由だかアジスアベバまで直行便のエチオピア航空を利用。エチオピア航空と言えば、ドリームライナーと呼ばれるボーイング787を比較的早く導入し、運航している。成田・アジスアベバ間はこの787での運航だった。受領したのは2012年と既に4年経っておりさんざん使っているのか、最新鋭という印象は全く受けなかった。機材エンターテイメントは日本語なし。映画も日本語字幕が一本もない。日本の映画は3本のみ。あえて名前は出さないが金曜ロードショーでやってたとしても恐らく見ないであろう映画。USBはあるがシート電源はコンセントはあるものの使えず。成田・香港間が5時間、香港で1時間駐機の後、アジスアベバまでは約11時間。私は3DSやら動画やら万全の体制で時間つぶしの準備をしていたので、寝たりゲームしたり映画見たりと時間を潰せたが、これから搭乗予定の方は暇つぶしの道具があった方が確実に無難。なお機内は日本のグループの方が多数、その他成田・香港間のみ利用する方や香港からアジスアベバ間のみを利用する方など香港での乗り換え人がかなり多かった。

〇2日目 アクラ泊
朝、アジスアベバ到着。計17時間かかったが意外に寝れたのでそこそこ元気。実は前日出発時点で既に25分遅れており、元々の乗継時間が45分しかなく一体次の便に乗れるのかと少し不安に思いながらのアジスアベバ到着だった。到着するとゲートでグランドスタッフが待っており、セキュリティーも受けず通過し一目散に次の便のゲートへ。なんと25分の乗継でも間に合ってしまった!次のフライトはアジスアベバから約6時間のフライトでガーナのアクラへ。心配していた荷物もきちんとアクラに到着。意外とできる航空会社かも知れない?エチオピア航空。

野口英世研究所跡
アクラには日本の偉人野口英世が晩年黄熱病の研究を行った研究所跡がある。コルレブ病院の1部を研究所として使用していたが、現在その当時使った顕微鏡や写真などその当時英世がどのような事をしていたのか分かる展示がされている。今でも空路で24時間かかるこのガーナに来るだけでもその当時はえらく大変だったに違いない。故郷から遠く離れたこの地で黄熱病で死を遂げた彼はきっと故郷に帰りたかったに違いない。展示物の中には黄熱病罹患後の英世の体温の計測記録も残っており、高熱にうなされながら何を思ったのだろうと考えてしまう。また荒れてはいるが、研究所そばには日本庭園もあり英世の銅像を見る事ができる。
野口英世研究所跡


黄熱病に罹患後の野口英世の体温測定結果


野口英世研究所跡にある日本庭園


ガーナの治安
ちょうど到着の2日前にガーナの大統領選挙が行われたせいで、町の中はかなりあわただしかった。どこかのおじさんとは違い、ある程度支持をされていた候補に決まったようで治安が悪いというよりかは、良い意味での賑わいがあった。この後のトーゴ、ベナンも同様だか、少なくともツアー中に危険を感じる事やその雰囲気を感じる事すらなかった。アフリカ大陸と言ってもかなり広大で、日本人からするとどうしてもひっくるめてアフリカは危ないと感じてしまう人もいるだろうが、少なくともこの3国に関してはその危険性は少ないと思われる。ただし日が暮れてからの出歩きはしない方がよいと言われたし、トーゴの首都ロメでは夜に海岸は絶対歩くなと注意をされた。他の国と同様に、一般的な注意をしていれば問題なく楽しめるのではないかと思う。

〇3日目 クマシ泊
アクラから世界遺産エルミナ城へ(約4時間)
朝アクラを出発し、世界遺産エルミナ城のあるエルミナへ車で向かう。道は舗装され通行には全く問題がない。それもそのはずこの道はギニア湾に面する各国への道路で、コンテナを運ぶトラックなどが頻繁に通る道で、エルミナまできれいに舗装された道が続いていた。そのまま進むとコートジボワールに行くことができる。陸続きの国境がない日本から来ると不思議な感覚を覚える。
アクラからクマシへ向かう道。きれいに舗装されている。


世界遺産エルミナ城
エルミナ城は1482年にポルトガル人によって築かれた城塞で、金や奴隷の貿易の拠点として使われた。このあたりのギニア湾海岸線が奴隷海岸と言われた由来である。17世紀にはオランダ人が占領し、その後1871年には大英帝国が占領。大英帝国が奴隷貿易を中止するまで大西洋奴隷貿易の主要交易地としてこのエルミナ城は使われました。城は大きく手を加えられることもなく、当時使われた要塞がそのまま残されています。中には奴隷を入れておく部屋や船を積むための要塞からの出口など見学する事ができ、その当時の雰囲気を知る事ができます。教科書に書いてあった奴隷海岸にいると思うとなんだか感慨深いものがありました。世界遺産の割には観光客がほとんどおらず、貸し切り状態で見学ができました。日本語のガイドブックはないですが、英語のガイドブックがあるので興味があれば買ってみてもいいかも知れません。

当時奴隷が入れられていた部屋。


奴隷はこの扉から海岸に連れ出され、船に積まれていった。


奴隷を拘束する為の拘束具


この海岸から多くの奴隷がヨーロッパに連行されていった。


エルミナからクマシへ(約4時間)
ガーナの海岸から内陸部へ入っていき、ガーナ第2の都市クマシへ、クマシは17世紀末から19世紀までアシャンティ王国の首都であった街で、このアシャンティ王国の伝統的建築物群は1980年に文化遺産として世界遺産に登録されています。ちなみにこの後も同じ悩みを抱えるのだが、通常写真位は取れるよね?という所がことごとく写真NGでこのクマシの世界遺産も同様であった。もちろんルールなので従うが、ここまで来て写真が取れないというのは少しストレスであった。ちなみに写真のデータやUSBなどがあればいいのだか、そういったものは一切なくガイドブックのみ。なぜかひと昔前を思い出してしまう品揃えであった。ヨーロッパで17世紀と言えばバロック様式の建築が始まった頃で、この地で同時期に土煉瓦で住居を作っていたと考えると文明の差をまざまざと感じてしまう。
クマシ博物館


王宮博物館


アシャンティ王国の伝統的建築


〇4日目 ロメ泊
クマシから国境を越えトーゴに入国、首都のロメへ(約8時間)
クマシから一路トーゴの首都・ロメへ。この日はほとんど車移動で終わってしまった。道は舗装されているので、比較的快適だがなんせ遠い。車窓から通り過ぎる村や自然を眺めて過ごす。ちなみにトレイだが公衆トイレはほとんどなく、路上で済ますことが多かった。ツアーで女性が来る事ももちろんあるのでどうするのか確認した所、①ガソリンスタンドなどはあれば寄る ②民家にお願いして借りる ③青空の下でお願いする と①から順番に考えるとの事だった。田舎とは言え今回の3国は衛生面が悪くなく、場所を考えればむしろ良い方ではないだろうか。③はともかく、①・②に関してはまず嫌な思いをせず使えると思って大丈夫だろう。ただし道中スタンドや民家のない所を走る事も多く、今回に関して言えば青空で済ます事が多かった。
路上でトイレ休憩


バナナ運搬車になる。
ガイドが全く何もない道でいきなり車を止めた。よく見ると路上でバナナを売っている。聞くところによるとこのあたりはバナナが有名で、アクラよりかなり安く買うことができるらしい。ガイドがバナナの交渉をしている間にトイレと一服を済ます。交渉が成立したようで多量のバナナがトランクに積み込まれる。私のスーツケースとバナナが占める比率がどうもおかしい。いつの間にかバナナ運搬車のようになってしまった。ちなみに青バナナは揚げたりして食べると大変おいしいらしい。
ガイドがバナナを大量購入


バナナ以外に野菜やとうがらしなども売っている


車のトランクがバナナで埋まる。


ガーナとトーゴの国境
日本では絶対できない陸路国境越え。ガーナとトーゴの国境越えは比較的簡単で全てガイドが手伝ってくれる。まずガーナの出国手続きを済ます。するとガーナ側にトーゴ側のガイドと車が来てくれているので、荷物を乗せ換えガーナ側のガイドとドライバーとさよならをする。トーゴ側の車で踏切のような国境を越えすぐの駐車場に車を止め、トーゴの入国手続きをする。すべて行って大体30分くらいで国境越えが完了した。ちなみに写真は一切取れず、もし取った場合SDカードごと没収されてしまう場合もあるとの事なので要注意。
また国境はあまり治安が良くない為、両替はガイドに相談すればホテル到着後闇両替商を呼んでくれます。ガーナの通貨やドル、ユーロでの両替が可能。
以前フランスの植民地だった事からトーゴから公用語がフランス語に変わります。すぐそこの国境を隔てて、さらにイギリスでもフランスでもない国で、公用語がいきなり英語からフランス語に変わるのは一種驚きでした。

トーゴの首都・ロメ
ロメは世界でも珍しい国境がある首都。国境で入国手続きしトーゴに入国するとすぐにロメの街に入ります。既に時間は夕方。トーゴの国教はブードゥー教で、その儀式に使う品物を売っている呪術マーケットと博物館を見学。呪術マーケットは取りあえず骨、また骨、たまに鳥のはく製となかなか衝撃的。ちなみにブードゥー教は1部怪しい黒魔術のように思われていますが、これは奴隷としてアメリカに渡った人たちがハイチなどで広めているブードゥーでトーゴやベナンで親しまれているブードゥー教とは全く異なるもの。確かに怪しげな品物を使いますが、基本的には人々の幸福を願う安全な宗教です。後日ブードゥー教の儀式も見学しました。
ロメにある呪術マーケット


儀式に使う怪しげな品々


ロメ独立記念広場


ロメのホテルからガーナ側を眺める


〇5日目 ソコデ泊
トーゴの北部にある世界遺産・バタマリバ人の土地クタマクを見るために、クタマクの途中にある町ソコデを目指します。クタマクまではかなり距離がある為、ソコデで1泊して夜炎の儀式を見学します。ソコデはロメから車で約7時間、トーゴの北部にある小さな街です。ドイツの植民地時代に建てられたコロニアル様式の建物がある以外、特に見るものはない街です。早めに宿に入り、夜の儀式に備えます。
フフと呼ばれるトーゴ料理


ソコデ博物館


ソコデの街並み


炎の儀式(ファイアーダンスショー)
現地手配会社から来た日程表にはファイアーダンスショーと書かれていた。以前添乗員の仕事をしていた事もあり、各地の名物ダンスショーやディナーショーを多数見てきた私は、このファイアーダンスショーと書かれた儀式を甘く見ていた。ショーというからにはそれなりの舞台で、それなりの事をするのかと思っていたのだが、ソコデの街の小ささにそんな舞台があるとも思えず、また観光客の姿も見る事がないので本当に行われるのか疑問でした。夜7時30分にホテルを出発、ホテルから15分位の所で見るとの事。ガイドにほかの観光客もいるのか?と聞いた所人気の儀式なので観光客も見るとの事。ソコデの街には観光客の姿もいなかったのに?と疑問に思っていると会場に到着。いや会場というよりかはただの村の道端だ!でも独特なドラムがなっている!ガイドに促され木で作られたベンチに座る。落ち着いてあたりを見てみてもやはり道端。ここで儀式が行われるのか?と疑問に思いながら待っているとぱらぱらと集まってくる人々。やがて火が付き始めた所に恐らくガソリンをかけて火力増加でファイアーダンスショー開始。詳しくは動画をご参照ください。ボリューム要注意。結果から申し上げるとアフリカの田舎町の片隅で、迫力のあるドラムのリズムを聞きながら見るファイアーダンスショーは、色々な所で見たショーよりも圧倒的に上でした。最終的にはあたりの村人も見に来てえらい数の人々に取り囲まれました。ちなみに儀式の由来ですがこのソコデ周辺に今も住む部族に伝わる儀式で、炎に精霊がいると信じられており、その精霊を体に入れる事で敵の部族に打ち勝ったり、病気を退けられたリできると信じられているそうです。火のたいまつを体につけたり、口に入れる事で精霊を宿すことができると信じられています。
炎の儀式の会場。というかただの街中。


徐々に人が集まってくる。


かなりの迫力


目がどこかに行ってしまっておりました。


最終的にはえらい数の人々が集まる。久々の完全アウェー感。



〇6日目 ナティティングー泊

世界遺産クタマクの伝統的家屋
ソコデから世界遺産バタマリバ人の土地クタマクへ出発。約3時間位で到着。クタマクはトーゴ北部にある非常に小さな集落で、タタソンベと呼ばれる独特な家屋を作り生活しています。このタタソンベですがすべて土で作られており、17世紀前後に初めて作られたタタソンベからほとんど作り方も変わっていないそうです。小さく見えても2階建てで、1回には家畜を入れる部屋とキッチンがあり、2階には寝室やバスルーム(というか雨どい)、収穫物の貯蔵庫などがあります。1家族1つのタタソンベを作り、ある程度の集団で生活しています。家族の男子が成長し、独立する際にはヤリもしくは弓矢を打ち、その落ちた所に新しいタタソンベを作るのが風習となっているようです。世界遺産に指定された今でも実際に部族が住んでいて、その生活を見る事ができます。今回はクタマクという土地に行きましたが、ここはベナンの国境も近くタタソンベ自体はベナン側でも多く見られるとの事です。ちなみにタタソンベという名前はベナンでの呼び名となり、トーゴではタタソンベヤマと呼ばれています。今でこそ猛獣やほかの部族の襲撃はないものの、このタタソンベは襲撃を考えられた作りになっており、1階には弓矢をいる銃眼、2階には1階に侵入した敵に湯や槍をいる穴が開けられています。襲撃が大規模な場合、独特のフエで周辺にいる仲間の部族を呼んだそうです。このタタソンベはバオバブの木を模して造られたそうで、このような住居ができる前は大きなバオバブの木の空洞に生活していたとの事です。なかなか他の地域では見た事のない住居の形で大変興味深かったです。
世界遺産クタマクの伝統的家屋


2階にある寝室に入ってみる。


1階にある監視穴。敵が来た場合ここから弓矢や槍で戦う


一家族に1つタタソンベが作られる。


タタソンベを作る前に住んでいたバオバブの木の中


トーゴとベナンの国境
クタマクの観光を終えた後、国境を越えベナンに入ります。地方なので大きな国境はなく、トーゴ側では警察官が1名しかいない詰所のような所でスタンプを押してもらいました。ベナン側では詰所に警官がおらず、少し待ちましたが時間が無駄なのでナティティングーにある税関で入国手続きを行いました。共に10分程度の処理で簡単に入国ができました。
ゆるいトーゴの国境チェックポイント


ワチと呼ばれる米に豆を混ぜたトーゴ料理


7日目 アボメー泊
ナティティングーから一路アボメーへ。
アボメーはベナン唯一の世界遺産であるアボメイの王宮群がある街で、かつての古都です。フォン人によって作られた王国は17世紀に始まり、19世紀にフランスに征服されるまで続きました。相変わらずの写真NGな世界遺産ですが、入り口のみ写真を撮る事ができます。アボメー王国は奴隷貿易で繁栄し、武器をヨーロッパから購入していたそうです。同じ地域の同じ人種を奴隷として売っていたなんて少し驚きです。また女性兵士の武装集団もいたそうでアマゾンと呼ばれていました。王宮群にはその当時のレリーフなども残されています。
アボメーへ向かう道中。物売りの女性たち


アボメー王宮群


アボメー王宮群 来客用の広間


ブードゥー教の儀式に参加
ブードゥー教は1部黒魔術のように思われている方もいらっしゃいますが、本来は精霊に健康や幸福を祈る平和な宗教です。アメリカ方面に連れて行かれた奴隷が中南米でこのブードゥー教を呪術のように広めたのが黒魔術のいわれらしく、現地の方もその宗教はマジックだと言っておりました。ブードゥーは迷った時など気軽に相談するようで、全く黒魔術の雰囲気はありませんでした。生きた鳥の血を司祭が祭壇にかけるので、ヨーロッパ人からしたら怪しい呪術のように見えるかも知れません。ガイドが司祭に相談する事があるので同行して見学させてもらいました。日本でも何か祈りごとがあると神社やお寺に行きますが、それと同じ感覚です。ちなみに私は後厄だったので司祭に幸福を祈っていただきました。
ブードゥー教の祭壇


ガイドが司祭に幸福を祈ってもらう



8日目 コトヌー泊
ゲートオブノーリターン
今は1970年に建てられた記念碑が残されているだけですが、当時の奴隷貿易の姿が見える場所があります。アボメーからコトヌーに向かう途中にあるヴィダという街で、広場で買われた奴隷が海岸にある船までどのように連れて行かれたか分かります。まず奴隷は変われるとフォゲットネスツリーという木に連れて行かれます。この木の周りを男性は9回、女性は7回回ると今までの記憶をなくし、従順な奴隷となります。その後奴隷たちは2週間密室に閉じ込められ、最低限の水しか与えられないそうです。これはこの後に乗る航海の準備で、耐えられない奴隷は船に乗せない様にするのです。海岸に連れて行く前にリターンツリーという木の周りを3回回ります。この木は奴隷が行った先で死んだあと、魂が故郷に再び戻ってくることができるのです。この儀式を終えるといよいよ海岸に向かい、船へと乗せられます。その当時には門などなかったのですが、現在門が建てられゲートオブノーリターンと呼ばれています。
奴隷が売り買いされた広場


フォゲットネスツリーがあったとされる場所


リターンツリー


奴隷が船に積まれたとされる場所。ゲートオブノーリターン。


アフリカのベネチアとも呼ばれる ガンビエ水上集落
ガンビエはアフリカ最大の水上都市で、経済的首都のコトヌーから近いノコウエ湖の水上にあります。この水上都市は16世紀から17世紀にかけてトフィヌ人が、その当時奴隷貿易で強大な権力を誇っていたフォン人の奴隷狩りから逃れる為に、安全な湖の水上に移り住んだのがこのガンビエの始まりとされています。奴隷狩りから逃れるために水上に街を作るなど、なかなかパワフルですね。今でも多くの人々が住んでおり、病院や学校などインフラも整っています。ホテルもあるので宿泊もできたりします。ただしこのガンビエの住人はかつて写真を撮られ許可なく本などに掲載された為、写真を撮られる事を極度に嫌がります。望遠でかなり遠くから撮影しようとしても、気配を察してかすぐに顔を隠します。まあ自分も勝手に取られたらいい気分はしないので、いたしかたないのかも知れません。あとこのガンビエ水上集落はミャンマーのインレー湖にある水上集落とそっくりでした。まあ水上にある集落なので、似ていて当然かもしれません。
ガンビエ水上集落 物売りの女性たち


ガンビエ水上集落


ガンビエ水上集落 ホテルもある。


ガンビエ水上集落 市場(マルシェ)


あとがき
日本から片道乗継も入れて24時間。ガーナ、ベナン、トーゴは非常に魅力のある国でした。出発前は正直な所かなり不安もありましたが、実際治安もそこまで悪くなく、ガイドが同行すれば問題なく楽しめる国々でした。教科書で学んだ奴隷海岸にまさか自分が行くとは思っていませんでした。不満と言えば写真撮影にかなり制限があり、撮らせてくれてもいいのに!と思う事が多々ありました。色々な国に旅行をして、久々に旅行のドキドキを味わいたいという方には大変お勧めな国々です。

ブードゥー教の司祭と記念写真


世界遺産クタマクで戦士の帽子をかぶる。


世界遺産エルミナ城:★★★★
使われた当時からそのままのお城。派手さが一切なく無骨な感じが意外に魅力。
クマシ:★★★
時間があれば寄りたい街。写真がほとんど取れず残念。
炎の儀式:★★★★★
ショーではあるがかなりリアルな迫力があり、久々に感動した。
世界遺産クタマク:★★★★★
秘境感がメチャメチャあり久々に海外旅行に来たという実感を感じ、大変お勧め。
アボメイの王宮群:★★★★
17世紀から19世紀まで土壁で街が作られていた。ヨーロッパの当時の建築からすると
かなり原始的だが、こちらも秘境感を感じる事ができる。
ゲートオブノーリターン:★★★★
その当時のものは残されていないが、奴隷が船に乗せられるルートとかリアルすぎる。
ガンビエ水上集落:★★★★
奴隷狩りから逃げて水上集落を作るなどかなりパワフル。

(2016年12月 菅原幸介)
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