記事一覧
1 - 5件目まで(142件中)
- 〜ストリートアートで息を吹き返したペナン島ジョージタウンで『フォト・ジェニック・スポット』を探す!〜
-
エリア:
- アジア>マレーシア>ペナン島
- アジア>マレーシア>マレーシアその他の都市
- テーマ:買物・土産 世界遺産 グルメ
- 投稿日:2017/03/10 17:26
マレーシア西海岸に浮かぶ島ペナン島。18世紀後半英国東インド会社によってジョージタウンが建てられ、ヨーロッパと中国との交易を中継する貿易港として栄えました。
ジョージタウンは当時に建てられたイギリスのコロニアル建築だけでなく、中国系、インド系、イスラム系の文化も融合され、独特のエキゾチックな街となり世界遺産にも登録されました。
近年、その街におしゃれなカフェや壁アートなどが出来、「フォト・ジェニック・スポット」として注目され始めています。
今回、その変化を続けるペナン島を20年ぶりに見て来ようと娘と弾丸3泊4日女子旅に出ました。
◆◇information◆◇
クアラルンプール国際空港に到着後、国際線サテライトからメインターミナルにエアロトレインで移動します。下車したらすぐ後方にある国内線乗り換え専用イミグレーションで入国審査を受け、ゲートでお待ち下さい。
ペナン国際空港に到着後タクシーでジョージタウンへ。夜だからか道路は少し混雑しましたが、約30分で到着しました。しかし、20年前の風景は全く覚えていませんが、こんなに高層マンションはなかったなぁと成長に驚き。タクシーの運転手さんにも20年前⁉︎全く違うだろ〜?と言われました。笑
◆◇information◆◇
タクシーチケットカウンターで行き先を告げれば定額料金を教えて貰えます。
・ジョージタウンまでの44.7リンギット(約1300円)
・バトゥ・フェリンギまで74リンギット(約2200円)
料金を支払ってクーポンを貰い、ドライバーに渡せばOKです。
ペナン国際空港到着ロビーにあるタクシーチケットカウンター
今夜は『ベイビュー・ホテル・ジョージタウン』に宿泊。E&Oのすぐそば、スタンダードクラスながらお部屋は広く快適です。最上階にあるレストランは眺めがいいと人気。
人気のフードコート屋台『レッドガーデン』も徒歩すぐです。
◆◇information◆◇
フードコートでは好きなメニューを各お店でオーダーし、自分のテーブルを伝えます。出来上がるとお店の人が運んできてくれて、そこで代金を支払います。尚、ビールなどのドリンクはドリンク担当の人達が、テーブルを回っているのでその人に注文。同じくテーブルで支払います。
ベイビューホテル
レッドガーデン
ペナンラクサ 初めての味 笑 5RM(140円)
翌日はペナン島のホテル視察と世界遺産旧市街散策です。
〜〜ホテル案内in RESORT AREA〜〜
ペナン島のビーチリゾートエリアと言えば、バトゥ・フェリンギ、タンジュン・ブンガになります。
【バトゥ・フェリンギ】
○●ベイビュー・ビーチリゾート・ペナン○●
ファミリー向けの大型リゾートホテル。リーズナブルでありながら、敷地が広くプールもゆったり、目の前には海が広がります。少し中心部から離れますが、静かでリゾートを満喫したい方にはオススメです。
○●ローン・パイン●○
モダンでオシャレなインテリアの大人のホテル。敷地こそ広くはありませんが、隠れ家的なリゾートです。
○●ゴールデンサンズ●○
シャングリラ系の大型リゾートホテル。プールも広く、目の前には海が広がります。比較的ファミリーも多く、家族で楽しめリゾートです。
○●シャングリラ・ラサ・サヤン●○
ペナン島のビーチリゾートを代表する老舗ホテル。緑に囲まれたプールの前にはビーチが広がります。シャングリラらしい洗練されたリゾートでペナンでの優雅な休息をお過ごし頂けます。
【タンジュン・ブンガ】
○●レインボーパラダイス●○
ファミリーが多く、リーズナブルなアットホームなホテル。敷地は狭めなので、プールは小さいが目の前にはビーチがあるので海遊びも。
○●コプトーンオーキッド○●
ファミリーだけでなく、友達同士でも楽しめるリーズナブルなリゾート。ビーチから地上へは高さがあるので、地上にあるプールからの眺めは最高です。ホテルの近くにはローカルのフードコート屋台もあるので食事も楽しめます。
〜〜世界遺産ジョージタウン街歩き〜〜
ジョージタウンではイスラム教のモスクやキリスト教の教会、中国の廟や寺院など多様な文化が入り混じっています。チャイナタウン、インド人街、旧市街の中は歩けば歩くほど色々な文化を見ることが出来ます。
○●旧市街内の異文化建造物(歴史的建造物)●○
カピタン・クリン・モスク
クー・コンシー
観音寺
セント・ジョージ教会
マハ・マリアマン寺院
そして、今流行りのストリートアート&針金アートを発見!
○●ストリートアート●○
旧市街のところどころに書かれているアート。『フォト・ジェニック・スポット』として人気です!
○●針金アート●○
こちらも旧市街のいたる所に!
〜〜ホテル案内in GEORG TOWN〜〜
さて旧市街のフォト・ジェニック・スポットを探しつつ散策し、ホテルへ。今日の宿泊は今回のメインホテル、歴史的建造物にも指定されている「チョンファッツィ・マンション」通称「ブルーマンション」です。
〇●ブルーマンション●〇
チョンファッツィは19世紀末のペナンを牛耳っていた「東洋のロックフェラー」とも呼ばれていた人物。彼が愛妻の為に残したこの建物は風水を取り入れたプラナカン建築で、鮮やかなインディゴブルーで染められています。現在1日に3回のガイドツアー(英語)があり、一般に公開されています。ただ宿泊エリアが更に見応えがあるので是非宿泊して頂きたい!
〇●イースタン&オリエンタル・ホテル●〇
1885年創立の由緒ある白亜のホテル。かつて「スエズ運河以東で最上のホテル」と称される程で、多くの著名人滞在したことで有名です。古き良き時代よりジョージタウンの歴史を見守り続けているホテルです。
◆◇information◆◇
ペナン島へ行くのならオススメしたいプランをあげると…
・ビーチに2泊、ジョージタウンに1泊の3泊5日プラン
・ジョージタウンに3泊してオプショナルでサピ島へ行って海を楽しむ5日プラン
など「ビーチ&シティ」をオススメします。
さて、3日目はクアラルンプールへ。
◆◇information◆◇
空港からは「KLIAエクスプレス」が便利。空港地下階から乗車出来、約30分でKLセントラル駅に到着です。ただ昨年急に値上りし、現在55リンギット(約1800円)なので、2名以上の場合はタクシーの方が安くなるかもしれません。
空港駅プラットホーム
KLIAエクスプレス車内
20年ぶりに訪れたクアラルンプール、メインステーションまで変わっていました。
●○クアラルンプール最新オススメスポット○●
・KLタワー
夜景を眼下に見れるスカイデッキがオススメ!ツインタワーをバックに空中に浮かぶような体験が楽しめます。
迫り出しています
定員2名!
・ヘリポートバー
元ヘリポートバーをバーとして営業、知る人ぞ知る隠れ家バーです。夜景に映えるツインタワーを眺めながらお酒を楽しむのはきっといい思い出になります。
美しい夜景を見ながらお酒が飲めます
目の前にはKLタワー
《最後に》
急に思い立って行ったマレーシア3泊4日も時間がない分詰め詰めで内容が濃い充実した旅行となりました。
土日にプラス2日の有休で4日間の旅が出来るのもアジアならでは。クアラルンプールまで約7時間かかりますが、機内のエンターテイメントは充実していますし、以外に遠くありません。ビーチでのんびりは出来ませんが、アクティブ派の方にはちょっとした息抜きにいかがでしょうか?
【スタッフのオススメ】
○ペナン島・・・★★★★★
この夏ペナン島でビーチ&シティを!ジョージタウンでは『フォト・ジェニック・スポット』探しを是非!
○KLタワー・・・★★★★
ツインタワーは登るより眺める方が美しい!是非KLタワーから眺めてみてください!
(2017年3月 能祖文子)
- タンザニアでワンランク上のサファリ体験を!〜ケニアとの違いはなぁに?〜
-
エリア:
- アフリカ>タンザニア>アルーシャ
- アフリカ>タンザニア>ンゴロンゴロ
- アフリカ>タンザニア>セレンゲティ
- テーマ:世界遺産 動物
- 投稿日:2017/03/10 17:20
ケニアにサファリに行ったのは約6年半前。もうそんなに経ったんだと思いつつ、今回のタンザニアの旅へ出かけた。前々から思っていた疑問、ケニアとタンザニアの違いって何、という答えを自分なりに見つけようということを一つの目的にした。
なんとなくのイメージでタンザニアの方がより自然に近い形で動物を観られる、というぼやっとした表現しか思いつかない。もちろん時期によって観られる動物や天候も違うので一概には比べられないのは承知だが、できるだけ具体的に書き連ねていこうと思う。
私が旅した行程は以下の通りだ。
*******************************************
1日目(2/19)カタール航空にて夜成田発(機内泊)
2日目(2/20)アルーシャ到着 (アルーシャ泊)
3日目(2/21)マニャラ湖を経由してンゴロンゴロ近くへ (ンゴロンゴロ泊)
4日目(2/22)ンゴロンゴロ経由して ンドゥトゥへ到着 (ンドゥトゥ泊)
5日目(2/23)セレンゲティを1日サファリ (ンドゥトゥ泊)
6日目(2/24)ンゴロンゴロのクレーターへ (ンゴロンゴロ泊)
7日目(2/25)ンゴロンゴロにてウォーキングサファリ、その後アルーシャへ(アルーシャ泊)
8日目(2/26)アルーシャ郊外観光 そして空港へ(機内泊)
9日目(2/27)帰国
*******************************************
2月20日
日本を出発して約24時間後、キリマンジャロ空港到着。暑い!タラップを降りた瞬間私は暑さで顔をしかめた。「キリマンジャロ空港」という名前から涼しげな場所を想像していた。日本から飛行機に乗り込んだ後は外気に触れることなく飛行機の中でほとんど過ごしたものだから、機内ではヒートテックとダウンジャケットとウインドブレーカーを重ね着していた。キリマンジャロに到着すると一刻も早くそれらを脱ぎたくなった。
空港に到着して、まずは入国カードを記入する。特に難しい質問はない、同じ飛行機に乗っていた欧米人達はほとんどビザを空港にて取得するようで、私のように出発前に取得していた人はあまりいなかった。そのため入国の列に並ぶことなくスムーズに入国できた。荷物をピックアップしてガイドのラマさんと合流。
ラマさんは日本語が大変上手。時々言葉を知らないこともあるがイントネーションが何より自然なので聞きづらさはない。なぜこのように離れた土地でこんなに日本語が流暢に喋れる人がいるのか不思議なほどである。もちろん日本には来たことがない。最初は日本に住んでいたというケニア人の先生に1年半ほど習い。その後、日本人経営(弊社もお世話になった大串さん)の旅行社で勤務しており、そこでも週に2回ほど日本語のレッスンを受けていたそうだ。ちなみにラマさんの名前は断食のラマダンがその名前の由来だそうである。なるほどタンザニアではイスラム教徒が多く、宗教はキリスト教とイスラム教が二分しているようである。アルーシャにもモスクが多い。これはキリスト教が圧倒的大多数を占めるケニアとは大きな違いだ。
キリマンジャロ空港を出て1時間かけてアルーシャを向かう。これまで北アフリカを除くアフリカの国ではエチオピアやケニア、南アフリカなどの南部アフリカには訪れたことがある。それらのゲートシティとなるような空港にはアフリカと言っても近代的な幹線道路が引かれていたので想像していたよりも都会で驚いたが、今回到着したキリマンジャロ空港はまさにサバンナの真ん中にあるような空港でサファリに来たな〜という気分を高めてくれる。街に近づくに連れて乗合バスやスクールバスなどたくさんの人を乗せた車が多くなってくる。また道路を拡張工事しているようで交通渋滞が起きていた。サバンナの広がる空港から、忙しそうな街へと徐々に景色が移り変わる。
本来であればこのまま空港から直接アルーシャ郊外のホテルに向かう予定だったがラマさんにお願いして民芸品や鉱石タンザナイトなどが売られているお土産屋さん「カルチャル・ヘリテイジ」と市内のスーパーマーケットに立ち寄ってもらった。「カルチャル・ヘリテイジ」は旅行客向けのお土産屋さんで木彫りの置物やマサイ族が書いたような絵などが売られていた。タンザナイトの原石も見せてもらったが気軽に購入できる値段ではなかったので特に何も買わずスーパーマーケットへ向かった。タンザニアの市民はあまりスーパーマーケットでは購入はせず青空市場で野菜や果物を農家から直接購入するそうなので基本的には品揃えは少なめ。そのため生鮮食品というよりも加工食品がメインの品揃えである。スナック類やアイスクリーム、ソフトドリンクにアルコール類。その他キッチン用品などの生活雑貨も売っていた。お土産になりそうなオシャレなパッケージで売っていたコーヒー豆もあったのでお土産にはこれを買おうと思った。私はホテルで飲む用のアルコールやソフトドリンクを購入。ビールは1缶約1ドルなので日本と比べて安い。
街で買い出しを終えてこの日のホテル、MOIVARO LODGEへ。
<MOIVARO LODGE モイバロロッジ>
アルーシャ近郊、モイバロ山の裏手に位置するホテル。いかにもタンザニアらしい茅葺き屋根と土塗りの壁の建物ながらも色使いやインテリアがオシャレでいて落ち着きのある雰囲気。モイバロ山の山道が悪路だったため正直そんなに期待していなかったのだが、こんなにセンスの良いホテルがこの場所にもあるのだなぁと何だか不思議だった。客層はサファリ帰りやこれからサファリに出発するような欧米外国人観光客たち。部屋はそれぞれ1棟1部屋のロッジタイプになっており開放感がある。室内には冷蔵庫やテレビ、ドライヤーなど機械類はない(電源はある、念のため)。天蓋付きのベッドに、バスタブとシャワー、無料の水。それくらい。スリッパもなし。WIFIはメインの建物だけ無料で利用可能で室内では使えない。メインの建物にはレストランに、バー、それにちょっとした図書コーナーがある。メイン館の側には小規模なプールと売店がある。スタッフもフレンドリーですれ違うとジャンボ!と挨拶を交わしてくれる。夜7時からのブッフェの夕食もとっても美味しかった。市内中心部までは車で20分程度。私基準で星4つ(★★★★)。
*後日再訪した時はバスタブのない部屋だった。
スーパーで買ったビールを飲み就寝。
2月21日
鳥たちの鳴き声で目がさめる。日本では決して聞かないだろう一定の間隔で金属を打ち付けるような変わった鳥の鳴き声もある。どんな鳥なのだろうか。
7時から朝食なので、7時ぴったりにレストランへ。すでに他の宿泊客たちで賑わっていた。
トーストやコンフレーク、卵焼きを食べたあとは荷造りを終えて朝9時にチェックアウト。
この日はアルーシャからマニャラ湖国立公園を経由して、ンゴロンゴロそばのホテル・ンゴロンゴロファームハウスへ目指す。
まずはアルーシャからマニャラ湖へ。最初ラマさんはマニャラ湖まで約2時間と言っていたが、結局お茶を飲んだり、赤バナナが名産の村で試食の休憩を挟んで約3時間かかった。さらに国立公園の駐車場で入場許可を受けるのに1時間ほど待ち、入口の休憩所でボックスのランチを取った後でサファリに出発。結局サファリを開始したのは午後2時ごろだ。
<マニャラ湖国立公園>
アルーシャからンゴロンゴロへ抜ける途中にあるため、ツアーに組み込まれていることの多い国立公園。タンザニアの中でも規模は小さめの国立公園ではあるが敷地の3分の1を占める湖からグレートリフトバレーまでの複雑な地層、そしてサバンナから沼地、森へと移り変わる植物の多様性を見られるという点で非常に興味深い国立公園である。かつては木登りライオンで有名だったが昨今は滅多に見られないそうだ(私が行った時には木登りどころかライオンすら遭遇しなかった)。ライオンに次いでこの国立公園の目玉になっているのがカバ。公園内にはヒポプールと呼ばれるカバの水浴びの池がある。しかし私が行った2月は雨季のため、ヒポプールに来なくとも池はそこら中にあるとのことで、ヒポプールにはカバは全くいなかった(ヒポプール前には「ここがヒポプールですよ」とアピールするためのカバのイラストの大型看板があったのだが無残にもへし折られていた。ラマさんは風の影響と言っていたがきっと観光客が怒りに任せておったのだと思う)。正直期待はずれの部分はあったにせよ、サファリカーの通り道にたくさんの象たちを見られた。マニャラ湖のアフリカゾウは大人しいのかサファリカーが目前に近づいても呑気に草を食んでいたのでじっくり鑑賞するには良かった。
このマニャラ湖ではタンザニアでは珍しいナイトサファリも行われているそうなので、もし時間に余裕があればここで1泊してナイトサファリをするという選択肢もありかもしれない。
*******マニャラ湖で見かけた動物*******
バブーン
ブルーモンキー
カバ
サバンナモンキー
エジプトガン
アフリカトキコウ
ペリカン
サギ
マサイキリン
イボイノシシ
バッファロー
アフリカゾウ
フラミンゴ
ブッシュバック
インパラ
ヌー
**************************
マニャラ湖を後にしてお土産産に立ち寄った後は約40分離れた、ンゴロンゴロそばのホテルへ。
<Ngorongoro Farm House ンゴロンゴロファームハウス>
その中の通り、ンゴロンゴロ自然保護区近くの農園をまるごと宿泊施設にしたようなホテル。広大な敷地に色とりどりに咲く植物が美しい。茅葺き屋根と真っ白な壁が印象的なメインビルディング。1棟2部屋のロッジタイプの部屋になっており、各部屋の目の前にサバンナのパノラマが広がっている。室内も天井が高くゆとりのある造り。天蓋付きのベッドにサバンナの風景を描いたタペストリー、精巧な彫刻の施されたインテリア。高級なのだろうが敷居の高さを感じさせない雰囲気のよさ。タンザニアにこんなホテルがあったなんて。電話やドライヤー、セーフティーボックスあり。バスタブやスリッパはない。無料のWIFIはレストランなど共有エリアのみ利用可能だ。ホテル内で栽培した豆を利用した無料のコーヒーや夕食前のローカルダンスショーなどさりげないゲストへのホスピタリティが嬉しい。細かい点を言えば、シャワーのお湯の出る蛇口が触ると火傷しそうなほど熱くなったので浴びるときに少々てこずったくらいか。私見で星4.5(★★★★☆)
2月22日
昨日の夜はひどい雨だった。室内の音が全て雨の音でかき消されるほどだった。2月は雨季の手前の季節とはいえこんなにも雨が降るんだなと思った。何より心配だったのは、翌日も土砂降りにならないことだ。
迎えた朝は何事もなかったように青空が広がり鳥の鳴き声が聞こえ爽やかだった。朝食を食べてランチボックスの用のサンドイッチを作ってもらう。そうファームハウスはランチボックス用のカウンターがあってそこで自分の好きなサンドイッチを注文できたり、ビスケットやフルーツを好きなだけ詰め込んでもいいのである。ランチボックスはホテルや旅行社によって当たり外れがあるのでこういった自分でセレクトできるシステムは面白い。
今日はンゴロンゴロを経由してセレンゲティの入り口のエリア「ンドゥトゥ」を目指す。8時にチェックアウトまず向かうのはンゴロンゴロ自然保護区。ファームハウスから車で約5分だ。ンゴロンゴロにて受付をしている間、入り口の博物館を見学。受付が終わりようやくンゴロンゴロの中に突入だ。
<ンゴロンゴロ自然保護区>
セレンゲティ国立公園に隣接する、8300㎢もの広さを持つンゴロンゴロ自然保護区。アルーシャからセレンゲティへ向かう際の通り道になっており、タンザニアの観光スポットの中でハイライトの一つになっている。中でも動物たちの絶好の観察ポイントとなっているのがクレーターと呼ばれる大きな火口原。300㎢、山手線内3つ分がおさまるというこの巨大なクレーターの中にはライオンをはじめアフリカに生息するほとんどの種類の動物を見ることができる。クレーター内部では湖や湧き水が出るためほぼ1年中緑が生い茂っており、草食動物に関してはここで一生を過ごす動物が多い。そのため季節に関わらず確実にたくさんの動物を見ることができるのがこのンゴロンゴロの特色なのである。なおマサイ族が住む地区であることから国立公園ではなく自然保護区という扱いになっている(タンザニアでは国立公園では人は住んではいけない決まりとなっている)。狩猟をしないマサイ族と野生の動物達の共存、古代からの景色がこのンゴロンゴロにはまだ残っているため、ンゴロンゴロ自然保護区は世界複合遺産として登録されている。
<ンゴロンゴロ(クレーター外)>
前振りが長かったのに恐縮だが、この日はクレーターには降りない。クレーターに降りるにはガイドやドライバーの代金の他に1日300$という車両通行料を入場料とは別に払わないといけないのでたっぷり1日観光をできる日でないと損なのである。セレンゲティとンゴロンゴロの境のエリア「ンドゥトゥ」まではンゴロンゴロの入り口から車で約2時間。車でまっすぐいけばさほど遠くない場所ではあるが、ンゴロンゴロのクレーター外にも見所がいくつかあるのでそこを経由しながらンドゥトゥを目指した。(クレーター内に関しては「2月24日」に訪問)
・展望台
まず訪れたのはゲート付近にある展望台。ここからの景色でンゴロンゴロのクレーターの形が手に取るようにわかるため、これからクレーターへ向かう前に訪れたい。ただし我々が訪れたのは雨季の手前の時期のため雲が多く、あいにく全景はうっすらとしかわからなかった。
・オルドパイ渓谷
ンゴロンゴロの入り口からガタガタ道を行くこと約1時間。世界で最初の人類と言われるアウストラロピテクスの骨や足跡が見つかったとされる場所。エチオピアからケニアやタンザニアを経由してモザンピークを抜けるグレードリフトバレーには人類の初期の遺跡が数多く見つかっている。中でもこのオルドバイ渓谷には人類の祖先が住んでいたという証拠の他に獲物を仕留めるための武器や作業用の道具など生活のための石器が次々を出土した。この「オルドパイ文化」は今から180万年から次の人類が出てくる数十万年前まで続いたと言われるから驚きだ。渓谷のすぐ近くにはミニ博物館がある。中でも面白かったのはニール・アームストロングの足跡の写真と比べてアウストラロピテクスの足跡を「地球の第1歩」と題したパネル。ちなみにオルドパイという名称はこの付近に自生している植物から取られている。なおアメリカ大陸の最南端から人類発祥の地であるこのオルドパイまで自転車で旅した日本人冒険家・関野吉晴氏を讃えたミニギャラリーもある。
・ンドゥトゥ
セレンゲティとンゴロンゴロのちょうど境に位置するエリア。このあたりはンドゥトゥと呼ばれ、特に12月から2月はヌーの通り道となっている。ヌーはこの地のミネラル分を含む草を好むことと見渡す限りの平原が続くエリアなので見通しがよく天敵が襲ってくるのにも気付きやすいという利点があり(逃げ足だけ早い気持ち悪い奴だと思っていたけど、頭いいんだなぁヌーって)ヌー達は好んでこのルートを通るとか。そのためンドゥトゥはヌーの大移動を見たい人々にとってはお勧めなスポットなのである。さらにンドゥトゥエリアはンゴロンゴロのクレーターやマニャラ湖、セレンゲティ等と違い特に決められた道はなくオフロード走行OK。動物にもかなり近づける。大人数の団体ツアーではあまり立ち寄らない場所なので、セレンゲティやンゴロンゴロよりもサファリカーの数も少なくより自然に近い体験が楽しめるのが嬉しい。ヌー以外にもライオンやチーター、キリン、ガゼルや鳥類など動物達の宝庫となっている。360度地平線が広がるサバンナを動物を探しにガタガタの道無き道をひた走ることもあるため酔い止めや汚れてもいい服や靴を持って行こう。私はこのンドゥトゥで貴重な瞬間を見ることができたのでそれを紹介したい。
1つは木陰で休んでいたライオンの親子。親子は仔ライオンとお乳を飲ませる牝ライオンで、仔ライオンはびっくりするほど小さくてぬいぐるみみたい。仔ライオンが寝ているお母さんのおっぱいをまさぐってミルクをどうにか飲もうとする仕草が可愛い。そんな仔ライオンの奮闘をもろともせずスヤスヤ眠る母ライオン。
2つ目はチーターの家族。チーターはケニアで見ることができなかったため私は大興奮。スルリと伸びた4本の足とすらっとした胴体、そしてゴージャスな細かな斑点はやはりこの動物を特別なものと感じる。まさに「サバンナの女王」という称号があったらきっとぴったりだろう。チーターは昼間に狩りをするらしいが、残念ながら狩りの瞬間見られなかった。
3つ目、これはセレンゲティからアルーシャに戻る別の日でのタイミングだったが、ヌーの群れを見ることができた。キチンと列をなして遠くから草原のさらに先まで列が続いている様子は圧巻だ。なぜ本能だけでこんなにも整然と統制が取れた動きができるのだろうか。まさに「生命の不思議」だ。また一匹だけ仔ヌーが群れに取り残されたようで、探し回るでもなくじっと周りを見渡していた。ガイドのラマさん曰く「ああなったらもうおしまいです。後はハイエナなどに見つかったら餌食になります」。なんとまぁ厳しい自然界。人間だったら迷子になっても誰かしら助けてくれるだろうが、動物であればそうはいかない。子供であろうが些細なミスが命取りになる。ああ、人間でよかった。
*******ンドゥトゥで見かけた動物*******
ライオン
チーター
マサイキリン
シマウマ
ジャッカル
トムソンガゼル
グランツガゼル
ハゲワシ
アフリカハゲコウ
アフリカオオノガン
ヌー
ハイエナ
**************************
ンドゥトゥエリアをサファリした後はセレンゲティ国立公園内にあるNDUTU UNDER CANVASへ向かう。
<NDUTU UNDER CANVAS ンドゥトゥアンダーカンバス>
ンドゥトゥのサバンナと悪路を越えて突然車を止めるドライバー。一体どこにホテルがあるの?と感じずにはいられない見渡す限りの大自然の中、ホテルのユニフォームらしく、統一された身なりの人達が我々の車を目指してやってくる。どうやらホテルスタッフらしいがここからではホテルらしき建物は見えない。しばらくスタッフの向かう方向に歩くと徐々に見えてくるテント。どうやらここがメインエントランスのようだ。
ンドゥトゥにある宿はほとんどがこうしたテントを利用した隠れ家ロッジなのだ。なぜテントなのか?実はンドゥトゥのホテルはヌーの移動の時期に合わせて年2回移動しているのである。そのためヌーの大移動を一目見ようとタンザニアにくる欧米のサファリ愛好家に移動式のテントロッジは大人気なのである。テントといってもンドゥトゥのテントはとってもラグジュアリー。各客室にはお手洗いやシャワーは完備、照明など最低限の電源は確保。夕食もいわゆる「キャンプご飯」のような簡単なものでなくアルーシャから運んできた野菜や新鮮なお肉を専属のシェフが調理、一般的なホテルの夕食よりもよほど美味しい。そして何よりセレンゲティの大自然と一体化した環境での宿泊。ホテルのように大きな場所を必要としない移動式テントロッジは宿泊人数は限られているものの、一般の人々が足を踏み入れられないとっておきのサバンナの景色をゲストのみで独占できる。設備の整ったホテルに宿泊するよりも、タンザニアの動物たちの世界にどっぷり浸かるにはこれ以上ない選択なのである。
なおNDUTU UNDER CANVAS ではアルコールを含めた飲み物代金は全て含まれている。充電は室内でなく受付のみ可能。WIFIはないがネットの世界よりも夢中にさせてくれる生き生きした素晴らしい世界がすぐその前に広がっている。なおシャワーはスタッフがバケツで温かいお湯をテントの後ろから補給してくれるので予約制となっている。なお私が宿泊した時は客5組に対してスタッフが7人ほどが働いていた。特に感動的だったのはエントランスを抜けたところに湖が広がっているのだがそこに野生の象達がいたこと。評価は星5つ(★★★★★)。
夜7時にシャワーを浴びて、7時半に夕食をとり就寝。
2月23日
あいにくの土砂降り。しかも今日は朝まで続いていた。仕方なく朝スタッフが置いておいてくれた傘をさしレストラン会場へ。すでにガイドのラマさんとドライバーのアンドリューさんが朝食を食べて待っていてくれた。
ラマさんに思わず尋ねる。「雨が降っていてもサファリはできるの?」。
「雨でもサファリはできます。でも肉食動物は木の上や物陰に隠れるので見つかりにくくなります。草食動物であればさほど問題はありません。それにセレンゲティは広いです。ある場所で雨が降っていても他の場所では降っていないこともよくあります」。
「そうですか・・・・」。今日のサファリに関しては絶望に近いものを感じていたがラマさんの言葉を聞いて少しばかり期待が出てきた。待ってろセレンゲティ!
<セレンゲティ国立公園>
サファリで最も有名な場所と言えば、セレンゲティ国立公園の名前がまず最初に挙がるだろう。タンザニア北東部に位置する14,763㎢もの広大な敷地は、人気を二分する隣接するケニアのマサイマラ国立保護区と比べてその規模は約8倍というから驚きだ。マサイ語で「果てしない大地」の意味が語源というこの国立公園の特徴はまず何と言ってもその広さ。見渡す限り360度の地平線のサバンナが永遠と続く様はまさにサファリのイメージにぴったりだ。そして「ヌーの大移動」はここセレンゲティの目玉の一つである。ヌーは草を求めて、6月前後にマラ川を渡りマサイマラへ。そして11月頃に再度セレンゲティにやってくる。11月から6月まではゆっくりセレンゲティを一周してまたマサイマラへ向かうのだ。つまりヌーの大群がマサイマラにいるのは7〜10月のだけでそのほかの季節はセレンゲティにいるのである。現在旅行者がマサイマラからセレンゲティへの通り抜けはできないようになっているので、必ずヌーの大群を見たい!という方には圧倒的にセレンゲティの方がおすすめなのだ。ざっくり言えば夏休みに旅するならマサイマラ、それ以外ならセレンゲティと考えていればほとんど100%の確率でヌーの大移動を見ることができるだろう。もちろんセレンゲティの良さはヌーだけではない。あまりに広大な国立公園のため数多くの動物達が生息しており、観光客の憧れビックファイブの遭遇率も高い。個人的な経験でいうとマサイマラではライオンとバッファロー、象、サイを見ることができたがヒョウやチーターはどうしても発見できなかった。しかしセレンゲティではマサイマラで見ることができなかったヒョウやチーターを1日目で簡単に見ることができた。国立公園の敷地が広いのでそれぞれの動物の縄張りも多いため、貴重な動物を観れる確率も必然的に高まる。それに一種類の動物にサファリカーが殺到することもマサイマラと比べてまだ少ないように感じる。圧倒的な広さとその動物の数、これこそがセレンゲティがサファリNo. 1スポットと言われる所以なのである。
我々は朝9時ごろにセレンゲティ国立公園のゲートを出発し、たっぷり時間をかけて午後1時半くらいにセレンゲティの中心地セロネラに到着しランチ。その後午後4時半ごろにセレンゲティのゲートを出てホテルを戻ってきた。サファリを楽しんだのは実質6時間ほど。
ラマさんがいう通り、セレンゲティの入り口付近までは雨が降っていたもののセロネラに到着した頃には雨が降っていたことが嘘のような快晴で、暑いほどだった。
*****セレンゲティで見かけた動物*****
ライオン
トピ
コンゴニ
カバ
サバンナモンキー
バブーン
ミナミジサイチョウ
チーター
ヒョウ
ハゲワシ
リードバック
イボイノシシ
ヌー
シマウマ
ジャッカル
キノボリハイラックス
***********************
NDUTU UNDER CANVAS に戻ってきて、偶然にもホテルから見下ろすサバンナにいた象の群れに大感動。景色をつまみにビールを飲む。最高。
昨日と同様、7時にシャワーを浴びて7時半から夕食を食べて就寝。宿泊客は多くないので夕食のメニューは昨日と同じかな、と思っていたが違うメニューだった。さすがである。
2月24日
朝7時に起床し、朝食。今朝は幸いにも雨は降らず、気持ちの良い朝を迎えることができた。
朝食の後はいつものようにランチボックスに好きなものを詰めて、さぁ出発。
本日からは来た道を戻るようなルートでアルーシャへ向かう。
そして今日はセレンゲティと並ぶタンザニアのもう一つのハイライト、ンゴロンゴロ自然保護区のクレーターの中をサファリする。
NDUTU UNDER CANVAS を出発して、まずはンドゥトゥのエリアを軽くサファリドライブ。このタイミングでヌーの群れを見ることができた(詳しくは「2月22日」の項目で)。
セレンゲティの管理事務所に行き、ンゴロンゴロに入るための手続きを行って、ンゴロンゴロへ出発。セレンゲティの入口からンゴロンゴロのクレーターの入口は約2時間。それもデコボコ道なのでウトウト寝てられない。何かの拍子で岩でも踏んづけたら窓に頭をぶつけてしまうからだ。
<ンゴロンゴロ自然保護区 クレーター>
ンゴロンゴロ自然保護区内に位置する標高約1800m、総面積300㎢ほどのカルデラ。標高2300〜2400mの外輪山に囲まれたこの火口原にはキリンとインパラを除く多種多様な野生動物が生息しているという。特に草食動物に関しては、クレーター内に湖や湧き水が出ることから草もみずみずしく、ほぼ食べるものに困ることはないためクレーターの中だけで一生を終える動物も多い。そして何より青々とした高い峰と草原に囲まれた中で遊ぶ動物達は幸せそうだ。「動物達のサンクチュアリ」があるとしたらきっとこのような場所のことを指すのだろう。サファリ目当ての観光客にとっても他の国立公園や保護区と比べて面積が狭く、動物が隠れるための木も多くないことから効率よく沢山の種類の動物を見ることができる。タンザニア観光においてはセレンゲティに並び必ず訪れたい場所だ。
ちなみに私が訪れた際には特にライオンとの遭遇率が高かった。クレーターの中でも3回ほど写真を撮るチャンスに恵まれた。もっともとても気持ち良さそうに居眠りをしていたので写真ではあまり威厳のある姿を撮るとはできなかったが。。。
*****ンゴロンゴロ自然保護区クレーター内にて見ることができた動物*****
トムソンガゼル
アオアシコ
ゴマバラワシ
サバンナモンキー
ソウゲンワシ
バブーン
イボイノシシ
クロサイ
カンムリヅル
ダチョウ
アルマジロ
ライオン
カバ
アフリカオオノガン
***************************************
<NGORONGORO WILDLIFE LODGE ンゴロンゴロ・ワイルドライフロッジ>
ンゴロンゴロの外輪山、クレーターを見渡す位置にある高級ホテル。ンゴロンゴロの老舗ホテル、まるで貴族の館かのようなコロニアル調の気品溢れる造りで、一つ一つの調度品も長年使い込まれた匠の品であることが目に見えてわかる。特に素晴らしいのが客室からと開放感あふれたレストランからのクレーターの眺め。窓いっぱいに広がるクレーターの眺めはゲストだけの特等席。室内はこれまでのホテルと比べると少し狭めで、ベッドは硬い。しかしながら設備面は充実、湯沸かし器・ドライヤー・冷蔵庫・セーフティーボックス・バスローブ、バスタブあり。スリッパはない。WIFIは室内では利用不可。共有スペースのみ利用でき、無料なのは最初の15分のみ。その後は1時間5$、10時間10$で利用できる。なお電気の供給は午後5時から夜11時、翌朝は午前5時から昼の11時までに限られている。不便さがないわけではないがこの景色の前ではいかなることも些細なものに感じられてしまうほどの絶景。ラマさんに後から確認したところこちらのホテルはもともと国営ホテルで、ンゴロンゴロの中でももっとも最初に造られたホテルだそうだ。そのためとても立地がよく、景色に関しては他の料金の高いンゴロンゴロのホテルと比べてもワイルドライフロッジがピカイチとのこと。星5(★★★★★)
夕食を食べた後は就寝。
2月25日
朝5時に起床し7時に出発。残念ながら雨季に差し掛かるこの季節は朝靄が厚く、見事なクレーターの絶景は見ることができなかった。
この日は午前中マサイ族とウォーキングサファリをし、その後アルーシゃのホテルへ向かう。アルーシャのホテルに着くのは午後1時だという。どうして午後1時にはアルーシャに着いてしまうのにもっと遅めにホテルを出発しないの?とラマさんに聞くと、どうやらンゴロンゴロ自然保護区の滞在時間は24時間以内でそれ以上滞在する場合はもう1日分の入場料が必要らしい。だから昨日(2月24日)は直接ンゴロンゴロのクレーターに向かわずまずンドゥトゥのサファリをしたのか、と合点がいった。ちなみにクレーターの中をサファリするにはンゴロンゴロ自然保護区の入場料とは別に車両通行料が300$ほど別途必要だ。
<マサイ族とウォーキングサファリ>
実はタンザニアでウォーキングサファリができるところはそこまで多くない。セレンゲティは禁止、ンゴロンゴロのクレーターの中もできない。しかし自分の足で歩いて自分の目線で動物たちを間近に見る方がリアルで、サファリカーよりもドキドキ感があることはいうまでもない。私は一度ケニアのナイバシャ湖の三日月島でウォーキングサファリをしたことがある。その時の楽しさが忘れられず、今回も期待に胸躍らせてウォーキングサファリを楽しみにしていた。
クレーターの入り口にてマサイ族のレンジャーと合流。マサイ族出身ではあるがマサイ族の伝統衣装ではなくレンジャーの制服とライフルを持っているので一見マサイ族に見えないのは残念。しかしマサイ族出身のレンジャーは多いらしい。マサイ族の人々は動物が襲って来た時の対処に慣れているので、その事実は理にかなっているのである。そのためレンジャーのみならずホテルが雇うセキュリティースタッフは確かにマサイ族の人々が多い。
ウォーキングサファリ中、ここぞとばかり私はマサイ族のレンジャーに様々な質問を投げかけた。
1、マサイ族に生まれて都会に働きに行く人は多いのですか?→はい、多いです。
2、働きに出るのは女性と男性どちらが多いですか?→男性です。女性はほとんど都会に出ません。
3、男性ばかり働きに出るとマサイ族で過疎化が進みませんか?→進みますが、マサイ族は一夫多妻制なので、そこまで進みません。
4、街に働きに出るマサイ族は長男でなく次男が多いのでしょうか?→そうとも限りません。
5、ではマサイ族は長子相続ではないでしょうか?→基本男系相続で、遺産に関しては男兄弟で均等分配されます。
そのほかいろいろな質問をしたが話を聞く限りにおいてではあるが、男性については特にマサイ族生まれであるから不便ということはなさそうだ。レンジャーになった彼はちゃんと動物に関しての専門学校にも通わせてもらったらしい。
ンゴロンゴロを散歩している途中、横に果てしなく続く大きな溝を見つけた。どうやらマサイ族の村に水道管を引くらしい。「でもそんなことしたら放牧できなくなりませんか?」「最近のマサイ族はあまり移動しません、子供の学校のこともあるし」「でも家畜は放牧させなければなりませんよね?」「その場合はお父さんだけ移動します」「日本だといわゆる単身赴任ですね、しかし身の回りの世話は誰がするのでしょうか」「お父さん自身です」。
たとえマサイ族であってもお父さんの取り巻く環境は厳しいのだった。
約1時間半のウォーキングサファリで見ることができたのは結果、シマウマとヌーだけ。正直動物にはがっかりだが、マサイ族のレンジャーにいろいろ質問ができたのが興味深かった。
ンゴロンゴロ自然保護区を抜けて約2時間、アルーシャへ向かう。
途中、往路でも立ち寄った赤バナナが名物の村ムト・ワ・ンブにて車を降りる。ドライバーのアンドリューが赤バナナを買うためだ。せっかくなのでバナナ売りのおばちゃんに写真を撮らせてもらった。ちなみにタンザニアの人々を写真を撮るときは了承を得なければならない。そのときは大抵お金を請求されるそうだ。今回はバナナを購入したのでお願いして特別に撮らせてもらった。
またガイドのラマさんにお願いして、ムト・ワ・ンブ近くの街・カラトゥ(Karatu)にて庶民的なローカルマーケットに立ち寄り、写真も撮らせてもらった。
タンザニアでは一般的な旅行者はあらかじめ決められたルートでしか旅をしないので、どうしても素顔のタンザニアやそこの住まう人々の様子がわからない。王道な観光地も好きだけど、一方でローカルな雰囲気が感じられないとどうしても旅が消化不良に思うのは私だけではないはずだ。
アルーシャに到着し、土産物屋のベンチでランチボックスの昼食。その後、初日と同じアルーシャのホテル・モイバロロッジ(MOIVARO LODGE)へ。
まだ午後の2時もまわってないので、アルーシャ市内ものぞいて見たいと思いガイドのカストロさんにお願いした。実はこの日までお世話になったラマさんはご家族に不幸があったためアルーシャ市内でお別れし、急遽ピンチヒッターとしてアテンドしたのがカストロさんなのだ。
このカストロさん大変口は達者なのだが、ちょっと私と性格が合わず一悶着あった。
というのは市内に行くために友人だというタクシーに乗せられ、宿泊したモイバロロッジからアルーシャ市内中心部まで往復で30$だというのである。いくらモイバロロッジがアルーシャから少し離れているとはいえども片道10キロもない。30$するなら行かなくともいい、と車を降りる私。何ドルならいく?と聞くカストロさん。相場をしらない私に聞くのも私からすれば意味不明。10$ならこれくらい、30$ならここまでいけます、というのがガイドでしょ?と聞くも口が達者なだけにケムに巻かれ余計に腹がたつ。結果10$で行ってもらいチップはあげなかった。ラマさんが素朴な人柄なだけにちょっと後味が悪い出来事だった。再認識したのは「フレンド」といってくるガイドは私にとってハズレが多い、ということ。
アルーシャ市内ではクロックタワーと欧米観光客に人気のアフリカフェ、それにマサイマーケットと呼ばれる「Mt Meru Curios & Crafts Market」に立ち寄る。正直「これ!」というお勧めできるお土産物屋さんはなかったが、いわゆる旅行者向けのお土産が一堂に揃い、品揃えも豊富なのでタンザニアらしいお土産をお探しの方にはお勧めだ。到着初日に訪れた「カルチャル・ヘリテイジ」よりもカジュアルな感じ。
市内に立ち寄った後はホテルに戻り、ラウンジでゆったり過ごし夕食をとり就寝。
2月26日
この日は午後2時半までフリータイム。事前にラマさんにどこかオススメないですか?と聞くとコーヒーファームはなかなか面白いですよ、とのこと。なるほどコーヒーファームか。実はアルーシャ市内にて何か面白そうなものがないかペラペラとガイドブックをめくってみたものの特に気をひくものはなかった。本場のキリマンジャロコーヒーならお土産にもうってつけだし、コーヒーは好きなのでせっかくだから行ってみようかな、という気になった。後日ラマさんとコーヒーファームの迎えの時間を確認するために電話した時、日本語ガイドつけるかどうかと聞かれたが、昨日カストロさんと喧嘩別れしたこともあって、いらないと答えた。
コーヒーファームのお迎えは午前9時半。観光の後にシャワーを浴びたいなと思ってフロントに9時くらいに行くとすでにお迎えは来ていた。フロントに2時まで使わせてくれる了承を得て、出発。
<コーヒー農園(TENGERU CULTURAL TOURISM)訪問>
モイバロロッジから車で約10分。幹線道路から途中の脇道にそれ、しばらくガタガタ道を進むと立派なお屋敷が見えてくる。これが農場の建物のようだ。すでに欧米人の先客がいた、なんでも彼らはドイツ人の家具職人で椅子のデザインのアイデアを得るために夫婦でここにしばらく滞在しているとのこと。ホテルに迎えに来てくれたスタッフの一人のエリックさんは農家兼家具職人であるので、ドイツ人夫婦はエリックさんと意見交換をしているそうだ。変わった経緯で来る人もいるのだなぁ。
まずはタンザニア伝統のおかゆとお茶でもてなしをうけ、コーヒー農園のガイドから簡単な今後の流れの説明を受けた。どうやらコーヒー農園とは聞いていたものの、コーヒー以外にも多彩な食べ物を生産しているそうである。
シコクビエFinger milletとミルクのおかゆ
タンザニアのさつまいもはカボチャのようなオレンジ色
レモングラスとしょうがを煮詰めたタンザニアのお茶
最初に向かったのは家畜小屋。仔牛も合わせて合計4頭の牛たち。もちろん牛のミルクを摂るのも目的の一つだが、他にも理由はある。牛の糞尿からはメタンガスが発生するため、牛たちの糞尿を攪拌してメタンガスだけを抽出する。そのメタンガスはガスコンロやガス灯のエネルギーとして利用されているのだ。残った糞尿は作物の肥料として無駄なく使われる。化学日肥料は一切使っていないそうだ。つまり100%ナチュラルな資源で、農作物のみならず部屋の明かりや料理さえもできるのである。
「ミルクからガスまで」活躍する牛
メタンガスを抽出するパイプ
「残りもの」は肥料に
100%ナチュラル原料のガス灯とガスコンロ
その後はプランテーションを散策。プランテーションはなだらかな丘陵に沿って約1.5エーカーにわたって広がっている。キリマンジャロ付近で作られているコーヒーの品種はほとんどがアラビカ種でこの種は高地の栽培に適しているため、街に近く標高が比較的低い場所にはアボガドをはじめとしてジャックフルーツ、パッションフルーツなど、標高が高い場所にはコーヒーというように場所のよって種を変え栽培している。なおコーヒーはバナナと一緒に植えられることが多いとのこと。それはバナナの背の高い木と葉っぱがコーヒーの良い日除けになるそうだ。
この辺に住む子供達はアジア人が珍しいのか、私の手をとってじっとみる。タンザニア人の真っ黒な手と違うから興味深いのだろう、やけにフレンドリーだった。
農園を一通り散歩(約1時間)した後は収穫したコーヒー豆からどのように一杯のコーヒーを作るかを一緒に実演して教えてくれる。
1・コーヒーの実の皮をむいて乾燥させる
2・乾燥したら薄皮をむくために臼で突く(コーヒーの種は硬いので割れない)
3・薄皮と生の豆を分ける(ザルを使い薄皮を空気で飛ばす)
4・生の豆をローストする
5・黒くなってツヤが出て来たら臼で粉になるまですり潰す
6・コーヒーの粉のできあがり
機械のいらないとても原始的な作業であるがとにかく労力のいる作業だ。
最後にコーヒーの粉を5分ほどボイルしてコーヒーを作る。タンザニアではフィルタリングするよりも煮ることの方が一般的だそうだ。そして出来上がったコーヒーをみんなで飲む。やはり自分が手にかけたものは出来合いのものよりも数倍美味しく感じた。余ったコーヒーの粉はお土産用にパックで包んでくれた。
コーヒーをいただきながらTENGERU CULTURAL TOURISMの今後の活動について教えてくれた。TENGERU CULTURAL TOURISMはサファリに来るお客さんにもっとタンザニアのローカルな人たちと触れ合える場を作ろうというのが目的だそうだ。サファリの観光はあらかじめ決められたルートでしか旅をせず、そこにはローカルの人々と出会う機会はない。しかしTENGERU CULTURAL TOURISMは観光の一環として、地元の農家を接することでタンザニアの美味しい果物やコーヒーなどを味わってもらうことでサファリだけでなく、別の面からもタンザニアを知ってもらおうと試みているのだ。今回私はコーヒー農園観光というプログラムで訪れたが他にもローカルマーケット巡りや小学校訪問など多彩なプログラムを用意しているとのこと。さらには農園内にはゲストハウスもあるので長期間の農業体験もできる。それにより得た利益は、干ばつが激しい村での井戸掘りや、緑化活動、学校支援などに利用されているとのこと。
こういう取り組みをするのは素晴らしいことだと思うし、たくさんの観光客にも訪れてほしい、しかし何より私が感動したのは「援助」「ボランティア」という枕詞がないとしても、今回参加したプログラムは私にとって大変興味深いものだったし、実際楽しかったということ(これまでコーヒー工場には行ったことがあるがここまで丁寧にレクチャーしてくれるところは初めてだった)。「援助」「ボランティア」という言葉でなんとなく胡散臭いと思うかもしれないが(私がそうなので)、それに取り組む農園のスタッフのなんとまぁフレンドリーでホスピタリティ溢れ、気持ちがいい人々なこと。お金は多少かかったが全く惜しいとは感じなかった。
アルーシャにてもし時間があればぜひ訪れてみてほしい。
午後2時前にホテルに戻り、シャワーを浴びてチェックアウト。
サファリをともにしたドライバーのアンドリューさんが迎えに来ていてくれた。
ホテルからキリマンジャロ空港へは約1時間。無事到着し、アンドリューさんと別れカタール航空にチェックイン。
こうして私のタンザニアの旅は無事に終わった。
以前のケニアの旅はホテル視察が中心だったので、ビッグファイブを制覇することはできなかったが今回のタンザニアの旅ではビッグファイブ+チーターも見ることができたので動物に関しては大満足。そしてケニアと比較することでタンザニアの良さが色々見えてきた。
●タンザニアの良さ
とにかく広大な自然(セレンゲティはマサイマラの約8倍の大きさ)
ケニアよりも観光客の密度が少ないのでよりナチュラルな雰囲気でサファリが楽しめる
セレンゲティの見渡す限り地平線とンゴロンゴロのクレーターの絶景
希少動物の遭遇率の高さ
食事や宿泊施設は全体的にレベルが高く、ラグジュアリーなホテルは天井知らずの値段と豪華さ
ヌーやシマウマの群れは一部の期間(7月〜10月頃)を除きセレンゲティ・ンゴロンゴロにいる
●ケニアの良さ
タンザニアのよりも国立公園や自然保護区の入場料や安いため比較的お手軽にサファリができる
特に5つ星ロッジはタンザニアの相場の半額以上にリーズナブル
バリエーション豊かなサファリができる(サファリクルーズのナイバシャ湖、フラミンゴの大群のナクル湖、ホテルに居ながら動物を観察できるアバーディア国立公園など)
動物とふれあいが楽しめる(ジラフセンター、ケニア山国立公園)
夏休みの旅行中はヌーやシマウマの群れはマサイマラに入る確率が高い。
上記の理由から、ちょっとサファリに興味ある方やアフリカへの旅ってどういうもんだろ?というお考えの方にはケニアを、予算もあって動物達をがっつり見たいという方にはタンザニアをお勧めしたい。私の好みはどちらかって?今はタンザニアです。次にまた来る機会があればセレンゲティで動物を「目撃する」だけでなく、ビールでも飲みながら、時間をかけてじっくり生態を観察したいなぁ。
セレンゲティ国立公園 ★★★★★L 希少動物やヌーの群れを見たいならココ!まさにサファリ愛好家達のメッカ。
ンゴロンゴロ自然保護区 ★★★★★ 絶景のクレーターと多種多様な動物達に効率よく遭遇できる。
マニャラ湖国立公園 ★★★★ アルーシャからセレンゲティへの通り道。比較的カバやゾウの遭遇率が高いことで知られている。
コーヒー農場見学 ★★★★☆ タンザニアのローカルな人々の暮らしを垣間見れる体験。本場手作りのキリマンジャロコーヒーのお土産も嬉しい。
アルーシャ ★★★ 小規模な博物館やお土産屋さんのマーケットはあるものの寂しい町。特に時間を割かなくとも良い。時間があるなら農園観光などの方がお勧め。
(2017年2月 橋本康弘)
- かわいい見所とポルトガルスイーツに舌鼓☆リスボン・シントラ・ポルトの旅
-
エリア:
- ヨーロッパ>ポルトガル>リスボン
- ヨーロッパ>ポルトガル>シントラ
- ヨーロッパ>ポルトガル>ポルト
- テーマ:世界遺産 グルメ 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2017/03/08 11:28
2月にヨーロッパへの旅行ということで、少しでも暖かいところを求め、ポルトガルにやってきた。直航便もなく、なかなかの長旅となる。
リスボン空港から市内まではメトロで30分ほど、地上は石畳みでスーツケースを転がしにくく、しかも坂道だらけ。やっとホテルに到着した。
そこからサント・アントニオ教会やバラ窓のステンドグラスが美しいカテドラルを見に行った。リスボンらしいかわいい黄色の市電に乗ったのだが、ものすごい混み具合と長旅の疲れからか、なんと早速スリに遭ってしまった。紙幣と小銭を綺麗に抜き取り、レシートだけは残してあって、その華麗さにも驚いた。お金は小分けにしてあったので、幸い被害は少額ですんだ。
リスボンにきたら、やっぱりサンタ・ジュスタのエレベーターに登りたい。週末や夕暮れ時は並んでいたので、平日の朝行ったら並ばず登れて、展望台もすいていた。リスボンが一望できる。ヴィヴァ・ヴィアジェンというカード(東京でいうsuica)をメトロや市電の24時間乗り放題券として買えるのだが、これでエレベーターも乗り放題になる。リスボンではこれらの移動手段が便利なので乗り放題券がオススメ。
それから、サンタ・アポローニャ駅の近くで火曜日と土曜日だけ泥棒市と呼ばれる蚤の市が開かれている。ガラクタからお土産、アンティークな小物など様々なものが並び、見てまわるだけでもとても楽しいし、ついつい買ってしまう。
この泥棒市の広場の真ん中にあるカフェのホットチョコレートが美味しい。肌寒い風にちょうど良い温かさで、風味豊かな味わい。
リスボンからちょっと移動して、ベレン地区も欠かせない。テージョ川に出航する船のような「発見のモニュメント」にはエンリケ王子やヴァスコ・ダ・ガマ、マゼラン、ザビエルなど大航海時代を築いた歴史上の人物が並ぶ。
世界遺産であるベレンの塔とジェロニモス修道院もここにある。ジェロニモス修道院は南門のレースのように繊細な彫刻や、壮麗な教会に見入ってしまうし、オレンジ色の木漏れ日の差す回廊は心安らぐ空間だ。
ベレンからの帰り道には絶対「パステイス・デ・ベレン」に寄りたい!ここはポルトガル伝統のお菓子エッグタルトの老舗。エッグタルト(ポルトガル語でナタ)はあちこちで売っているが、ここはポルトガル一と言われるほどの美味しさ。甘さ控えめでとろっとろになめらかなクリームが、パリパリのパイの皮に包まれている。持ち帰りもできるが、できたてをコーヒーと共にいただきたい。
ついでだが、ベレンから戻る途中のカイス・ド・ソドレ駅前におしゃれなフードコートがある。100年以上前からあるリベイラ市場をリニューアルしたもので、ポルトガル料理やハンバーガー、日本食もあり、生ハムやチーズ、ワインも楽しめる。
郊外の町にも見所は多い。世界最大の波がくるという港町ナザレや、オビドスの町で城壁を歩いたり。原宿みたいなおしゃれな通りがあって、サクランボの甘いお酒ジンシャが飲める。チョコレートでできた小さなカップに入れてもらって、1杯1ユーロ。
ユーラシア大陸最西端のロカ岬に行ったら、お目当ての最西端到達証明書を入手。
シントラでは宮殿を改装した宮殿ホテル「パラシオ・デ・セテアイス」に宿泊。ポルトガルにはポサーダと呼ばれるこのような宮殿ホテルが複数ある。内装もまさに宮殿にいるかのように整えられていて、ゆっくりとアフターヌーンティーを楽しめば、もう貴族のような気分になれる。
ここから徒歩数分で行かれるレガレイラ宮殿のお庭には、地中深くまでつながるらせん階段や、いくつもの洞窟が造られ、本格的なアスレチックのようなところだ。
シントラで必見なのが山頂にあるペーナ宮殿。赤、黄、水色とカラフルな色使いで、おもちゃの宮殿のようでかわいらしい。
様々な様式が取り入れられているのもおもしろく、ここからの眺めも素晴らしい。町からはバスかトゥクトゥクで行かれる。
お土産はあのカラフルなニワトリの他にも、アズレージョという装飾タイルやコルク製品、レトロなパッケージの石けんや魚の缶詰、ポートワインやオリーブオイルなどがある。野菜モチーフの食器がかわいくて買ってしまった。
今回、ポルトの街も訪れた。リスボンからは列車で約2時間半。こちらも街中が坂道と階段で、幾度となく登ったり降りたり…かなり立体的な街だ。徒歩でまわれるくらいの範囲内に、たくさんの教会がある。なかでもサン・フランシスコ教会は独特の雰囲気で見応えがある。ただ残念ながら教会内での写真撮影は禁止。カテドラルのアズレージョも繊細で綺麗だ。
ポルトは風味豊かなポートワインでも有名だ。ドウロ川の対岸に並ぶワイナリーでは見学ツアーにも参加できる。川にかかるドン・ルイス1世橋から眺めるポルトの街はとてもきれいで、特に夕陽にあたるオレンジの家々や、夜景がとてもロマンチック。
ポルトでは中心部から少し離れた宮殿ホテルと、中心部のホテルに泊まった。ポサーダ・ド・ポルトは18世紀のフレイショ宮殿を改装したもの。ドウロ川に面し、スパやプールも完備されたリゾートホテル。割りと新しく綺麗に整備されている。
ポサーダ・ド・ポルトから見たドウロ川の夜景
もう一箇所はサン・ベント駅近くのホテルNHコレクション・ポルトを利用した。ここは元々郵便局だった建物で、はがきで埋め尽くされた壁紙や、切手モチーフが使われていたり、真っ赤な外観もかわいいホテルだ。駅近だけど、駅からホテルへは上り坂なので少し大変で徒歩10分くらい。下りはもっと楽だ。
ポルトではおすすめのグルメが2つある。一つはポルト発祥のB級グルメ、フランセジーニャ。ハムチーズサンドにたっぷりのチーズと半熟の目玉焼きをのせて焼き、トマトソースをかけたもの。中身はベーコンやステーキだったりもして、軽食というにはボリューミーだ。あちこちのカフェで食べられる。
もう一つはチョコレートショップ、エクアドル。レトロなパッケージの板チョコやチョコレートバーがかわいい。トリュフやガナッシュを一粒ずつ選んで買うこともできる。
そして前々から行ってみたかったのが、「世界の美しい書店ベスト10」に選ばれたレロ・エ・イルマオン。「ハリーポッター」のモデルにされたとも言われ、アンティークな内装に入り組んだ階段、天井のステンドグラスから差し込むオレンジ色の光があの世界の雰囲気を醸し出している。世界各地からやってきた観光客で賑わっていて、10時半に訪れると既に多くの人が入っていたので、10時の開店直後が良いのかもしれない。
旅の始まりはちょっとショッキングだったが、かわいいものと甘いものに溢れるポルトガルの旅はとても満ち足りたものになった。日本にあったら通いたいおしゃれなお店もたくさんあって、女子旅にぴったりなので、友達にすすめたくなる国だった。
オススメ度
リスボン…★★★★★黄色い市電のかわいく見所満載
シントラ…★★★★★山中の貴族の別荘地「この世のエデン」
ポルト…★★★★★ドウロ川に面した坂道と教会の街
(2017年2月 増田里紗)
- <ノ・エンティエンド・ビエン・エスパニョール!!ニカラグア・グアテマラ2国で4つの世界遺産探訪>
-
エリア:
- 中南米>グアテマラ>パナハッチェル
- 中南米>グアテマラ>ティカール
- 中南米>ニカラグア>マナグア
- テーマ:世界遺産 歴史・文化・芸術 自然・植物
- 投稿日:2017/02/13 16:17
人生最初の海外旅行はアメリカだった。大した計画も目的もなくただアメリカで暮らしたくてとりあえず
旅行会社に就職した。暮らすことは叶わなかったが何度か行くほどアメリカが好きだ。なのにメキシコから南は行きたいと思ったことがない。知らず知らずのうちにこれといった理由のない壁を心の中に作ってしまっていたような気がする。スペイン語が全くわからないということも理由の1つかもしれない。そんなラテンアメリカに無関心で無知な自分にようやく機会が巡ってきた。
アエロメヒコでメキシコへ
乗り継ぎ時間を含めグアテマラまではおよそ18時間半、決して近くない。なかなか乗る機会のないキャリアに乗れたのは貴重だ。往路に限ってサッポロの黒ラベルを積んでいる、しかもいい感じに冷えているのが嬉しいし、食事もシンプルで期待以上に美味しく乗務員の動きも他エアラインに比べて良いのでポイントが高い。
ただし機内のエンターテイメントはX。 長距離な割にソフトの揃えがよろしくない。何とか長時間のフライトにも耐えメキシコシティに無事着陸。トランジットで他国に行く場合であってもいったんメキシコに
入国し税関申告書を記入提出しバゲージを取ってまた預けるという面倒さがある。そしてその後のセキュリティチェックは結構厳しく時間がかかる。
さて、訪問順序はグアテマラが先だったが目的の重要度から、後半に訪れたニカラグアから先にレポートしたいと思う。
美しい湖と火山の国・ニカラグア
グアテマラに行ったことがある人は社内に数名いるがニカラグアは少ない。そこで今回は観光の実態をチェックするのが大きな目的。まずそもそも、ニカラグアってどこだよ?何があるの?と思っている人が多いのではないだろうか。恥ずかしながら自分もその一人であった。ニカラグアは北西にホンジュラス、南にコスタリカと国境を接する中米の真ん中に位置し中米国の中では最も大きくその面積は日本のおよそ3分の1に相当する。経済的には中南米最貧国の一つと言われていて基礎的社会インフラが整備されていない地域が多い。また地震などの自然災害も多く、さらに内戦の傷跡も依然として残っているなど様々な問題を抱えている。
主な産業は農業。観光は5位と比較的重要なポジションにある。
サイトなどで検索すると概ね、火山と美しい湖が多い自然あふれる国と言われている。地震も多いそうなので日本と共通点が多いかもしれない。
空港から最も近い首都のマナグアは見どころが少ない上に、一部治安が悪い地域(マルサ・ケサダ地区)がある。今回泊まったホテルもそのエリアに近いためガイドから絶対に歩いて出かけるなと注意を受ける。
どうしても出たいならタクシーを使えと何度も念を押される。少しくらい良いだろうとホテルを出たらスタッフが追いかけてきて戻るよう注意される。なので街歩きは全くできなかった。が、しなくて良かった。
帰る日の朝、ホテルの近くで強盗があって銃撃戦があり犯人逃走中、要注意といったメッセージが外務省(旅レジ)から送られてきた。脅しでなく本当に危ない、そんなマナグアは寝るだけの場所として割り切ればよい。
後述するが観光資源は第2の都市であるレオンや古都グラナダに多くある。
古都グラナダ
グアテマラから飛んでマナグア空港に到着。ビザは要らないが入国時に現金$10を払わなければならない。
全く何も訊かれない。意外に審査はユルいと感じた。ガイドの迎えをうけてニカラグア湖へ。距離は空港から車でおよそ40分。ウィキペディアによるとこの湖はラテンアメリカではチチカカ湖に次いで2番目に広い湖、そして世界で10番目に大きい淡水湖とのこと。
30分くらいボートクルーズを楽しんだ後は古都グラナダへ。車で移動したが、すぐそばなので歩いて移動できる距離。ここは16世紀にスペイン人がニカラグアで最初に作った街で中心はコロン公園とその前に建つ大聖堂(カテドラル)
16世紀の終わりに建てられ、その後何度か再建された。現在の建物は100年前に建設されたもの。
ツアーで訪れる際にはず立ち寄る観光名所で治安も悪くないので安心して歩ける。
コロン公園を中心にコロニアル様式の色鮮やかな建物や教会が建ち並んでいてその周りを観光馬車が
走っている、そんなとてもレトロなヨーロッパの雰囲気を楽しむことができる。
写真だけを見たらヨーロッパと間違えるかもしれない。
コロン公園でやたら明るい野球少年に遭遇。
ニカラグアはサッカーより野球がさかんらしい。まだWBCに出てくるほどのレベルではないがいずれ日本と対戦する日が来るかもしれない。またひょっとしたら彼らの中から未来のメジャーリーガーが出るかもしれない?
メルセー教会の上からの眺めはお勧めの撮影ポイント。
人目気にせずいちゃつくカップルも多く、地元のデートスポットと化しているようだ。
私は地元の床屋を覗くのが好きだ。美容師でもないし髪を切ってもらうこともないのだがなぜか床屋にその国の文化を感じるので必ず写真を撮らせてもらうよう心掛けている。
葉巻工場見学
ニカラグアはキューバ、ドミニカ、ホンジュラスと並ぶ葉巻生産4大国。グラナダの観光で
予定にはなかったが、興味があると伝えたところ葉巻ショップにガイドさんが案内してくれた。
奥が工場になっていて少数精鋭スタッフが黙々とモク作りに励んでいる。
箱詰めまですべて手作り。皆やさしくて感じが良い。撮影にも快く応じてくれた。
マサヤ火山国立公園
グラナダ郊外にあるマサヤは民芸品の町として有名。様々なおみやげが売られていてニカラグアに来たらほぼここでみやげは手に入る。自分のようなショートトリップ、時間のない人には便利な場所。
(もし忘れてもマナグア空港でも買えるが・・・)
みやげ屋の先にマサヤ火山国立公園がある。ここの頂上にある展望台からは活火山の火口のクレーターまで見下ろせるというちょっと驚きのスポット。
世界最大級の火口サンティアゴ・クレーター。
とにかく臭いのクセが凄い。マスクなしで長時間は厳しいかもしれない。
ここでベルギーから来た人たちと記念撮影。
そういえばこのニカラグアでは日本人、中国人をまったく見かけなかった。
1つめの世界遺産・レオンビエホ
2017年現在、ニカラグアには2つの世界遺産がある、
1つはレオンビエホ、もう1つカテドラル。どちらもエリアとしてはレオンにある。
レオンビエホへはマナグアのホテルから車でおよそ1時間半、旧レオンという意味のレオンビエホの遺跡群は16世紀にスペインからの入植者たちによって作られたが17世紀に起きたモモトンボ火山の噴火と地震によって壊滅し廃墟となった。
その後集落が現在のレオンに移された。なのでこちらが旧市街ということになる。(そしてこの後訪れる方が新市街)ここには当時の生活の様子が伺える住居跡や教会が残っていてその建築の重要性からニカラグアで最初に世界遺産に指定された。
バブリングマッド・泥のプール視察
遺跡から車で30分くらいのところにあるテリカ山の麓、サンハシントという村では窪んだ地面の泥の中からモクモクと湯気があがる”バブリングマッド”というちょっと不思議な光景が楽しめる。こちらは世界遺産でも何でもない、ガイドブックにも載っていないような、つまり知られていないリアルな穴場。
まわりに柵も門もないけれど入口のようなところで一応お金を払わなければならない。すると頼んでも
いないのにチップ目当てにおてんばなちびっこガイドがぞろぞろついてくる。
まず遠目に湯気が上がっているのが見える。
近づくにつれて熱い。土の隙間から温風が吹き出てくる赤茶の地面の周りは熱い、そして深く呼吸をすると匂いが鼻の奥をアタックする。
ガイドの説明が要領を得ないので科学的な正しい知識は得られなかったが地熱で水が過熱されて高温ガスが湧き上がっているらしい。ロープも注意看板もないので実は非常に危険!以前に観光客が油断して
穴に滑りはまり皮が削げ落ちるほどの大やけどをしたらしい。恐っ!
そりゃやけどするわな!ってくらいグツグツ煮えたぎるニカラグアの”地獄の門” 危険で人は住めないので住民は皆避難させられたらしい。ここの泥はお肌にとても良いらしく土産として売っている
きっちり商売をしているところがたくましい。
2つめの世界遺産・レオンのカテドラル
泥の村から30分でいわゆる新市街のレオンへ。ここはニカラグアを代表すする詩の巨匠ルベンダリオ生誕の地としても有名でメインはカテドラル。
2011年にニカラグアで2番目に世界遺産に指定されたこのカテドラルは中米で最も大きい教会でルベンダリオが眠っていることでも知られている。
バロック様式から新古典様式の移行期である18世紀中ごろから100年の歳月をかけて建てられた。
正面にはレオンの象徴であるライオン。
内部の撮影もOK。
またこの教会は昇って街を一望することが出来る。(有料・土足厳禁)
360度レオンのパノラマ風景を楽しめた。
ニカラグアのひとたちの笑顔
レオンの街並みは碁盤の目のように区画されているのでわかりやすく歩きやすい
中央市場で見かけた人たち。ここの人たちはみな愛想がよく気軽にカメラに反応してくれた。
グアテマラに比べてニカラグアの人たちの方はリアクションがいいと感じた。
世界遺産・ティカル遺跡1泊2日ツアー
ここからはグアテマラ。最初に観光ハイライトのティカル遺跡へ
国内線の空港は国際線とは別でこれが空港か?という普通のオフィスのような、じみ-な建物
TAGの搭乗券も使い回しでもちろん自由席(8)。窓側がいいとガイドに勧められるので言われたとおりに座る。
が、いきなりのアクシデントにより飛行途中で引き返すことに。大丈夫かいなと不安な気持ちのままさらに小さな飛行機に乗換えて予定より3時間遅れてフローレス空港に到着。 ここでガイドとミートしスペイン語と英語のお客さんと同じバスに1時間ほど乗って遺跡の入口まで行く。ここでスペイン語チームと別れる。英語チームには内田裕也さんに顔と声がよく似たガイドがつく。
グアテマラ北部にある古代マヤの代表的な都市遺跡ティカルは中米最大規模。広大なジャングルの中に潜む多くの遺跡巡りはまさに探検気分。その素晴らしさをたっぷり味わうには日帰りでは不十分ということで遺跡の入口にあるロッジに1泊。泊まることで昼間のツアーでは体験できないサンライズとサンセットを鑑賞できるのがメリットだからだ。
まずは昼間のツアーから。たまたま他に英語客がいたので英語だったが基本はスペイン語になるので、私みたいにまったくダメな方は多少の予習とガイドブックが必要だろう。気温は高いが木陰を歩くのであまり汗はかかない。
入口から中央の1号神殿のあるエリアまでは20分くらいかかるほど広い。
日頃の運動不足を解消するにはちょうどいい広さかもしれないが急な斜面と階段は想像以上にかなりしんどい。
体力を求められるのでもっと若い時に来るべきであると実感する。
最も美しいと言われるのが1号神殿
グランプラザを中心に東西南北、遺跡が多く見られる。
観光客にまぎれてハナグマやワイルドターキーも。
4号神殿の上からの眺めが最も良い
主だった神殿をひととおり見たらランチを摂ってツアーは終了。
車に戻ってホテルにチェックイン。ガイドにチケットを返してもらうのを忘れてしまった。持っていれば16時前に再入場して夕陽が見られるところだったのでダメもとで交渉をして再入場を果たした。
夕方はほとんどの日帰り観光客が帰ってしまうのでとても静になり孤独感をたっぷり味わった。
本日2度目の4号神殿。登ってサンセット鑑賞。
陽が沈むとあっという間に暗闇になる。そんな基本的なことを想定せず大した準備をしなかったことを悔やむほど暗くて何も見えない。目も慣れて来ない。いよいよこれはやばいぞと携帯電話のライトをつける。
ホテルまでの距離は明るい時間に普通に歩いても20分くらいかかる、その距離を真暗闇というハンデの中、
来た道を細いライトと勘だけをたよりに逃げるような急ぎ足で歩く。時々立っている目印で方角が間違っていないことを確認する。もしここで襲われたら全部失うんだろうな、などという恐怖を感じながらなんとかホテルに戻った。そして翌朝は3時半起きの4時集合。
まだ真っ暗の中、トランプに投票したというアメリカ人男性と英語ペラペラの中国人女性、そして英語のガイドの4人で出発。鳥のさえずり、サルの鳴き声、冷え切った空気、そして真暗闇・・・寝ぼけているわけではないがまだ眠っているようなまるで夢の中を歩いているような気分であった。鬱蒼とした樹木のさらに上に聳え建つ今回3回目の4号神殿の上からサンライズ眺めることに。だが待てど陽は見えない。たった1度の朝なのに運悪く曇りで見られなかった。
遺跡のロッジ・ジャガーイン
質素で自然を大切にしたにホテル。
電気の供給制限があって夜9時を過ぎると真っ暗になる。
なので冷蔵庫やテレビはない、というかここでは必要ない。ロビーでWIFIが使えるが動画は一切見られないくらい電波もひ弱い。日本語を勉強しているというスタッフが美人でフレンドリー。
忘れられないホテルだ。
遺跡への拠点・湖畔の町フローレス
ティカル遺跡への玄関となるのがフローレス空港。遺跡への拠点としてフローレス島にはホテルがいくつかある。行きはスルーしたが帰りはツアーの混載送迎車であったため、ホテルに戻る他のお客さんを送るついでにたまたま訪れることが出来た。もともと予定にない滞在時間わずか30分だったがこれがなかなか中身の濃い30分であった。青い湖が綺麗などこかのんびりしたこの空気が自分にはどストライク
湖畔を歩き小道に入って酒屋でビールを立ち飲み。美味い!昼ビーは旅の基本である。
チチカステナンゴ・先住民キチェの市場
グアテマラシティから車で2時間。チチカステナンゴへ向かう。ここで毎週木曜と日曜に催される露店市には周辺の村からカラフルな衣装を身にまとった先住民キチェ族が集まるので当然ながらあえて開催曜日を狙っての訪問。
地元で採れたての新鮮な野菜、肉などの食品から日用品、民芸品までものすごい数のお店と品物が所狭しと並ぶ。モノだけでなく人の数も夥しい、そのカオスでエネルギッシュな空気はここでしか体感できないだろう。町のシンボルであるサントトマス教会を中心に迷路のように店が並ぶ。
この教会は16世紀に建てられたカトリック教会でマヤの聖典であるホポルブフーが見つかった場所として知られている。
旅の宿・マヤインホテル
ホテルというより旅の宿という表現の方がふさわしいと思うほど古い。
寝転がって天井を眺めその歴史を感じる、
そもそも部屋は広い。一人だからなおさら広く感じる。バスタブはあるが、テレビ、冷蔵庫、セーフティーボックスといった”現代的”のものが一切ない。代わりに暖炉、ろうそくとマッチが置いてある。ランプもあるがせっかくなのでろうそくに火を灯して就寝。
久しぶりに硫黄の匂いを嗅ぎちょっと懐かしい気分に浸る。都会のホテルにはない何かがここにはある。
先住民の町パナハチェルとアティトラン湖
翌日はパナハチェルへ。チチカステナンゴから車でおよそ1時間半、アティトラン湖を見渡せる展望台に到着。
世界一美しい湖と称賛されるアティトラン湖は、青い空と水面のコントラスト、そして標高3000メートルを超えるトリマン火山(手前)とアティトラン火山(奥)が重なって聳え立つ姿が絶妙。
世界中の湖を見たわけではないので1番かどうかわからないがこの素材のハーモニーは確かに美しい。展望台から左下に小さな町パナハチェルが見える。
ここはグアテマラ有数の観光スポットでサンタンデール通りを中心に民族衣装や手製の民芸品などを揃えた、たくさんのお土産屋さんやレストランが軒を連ねている。
昨日のチチカステナンゴもそうだったがシャイな人が多く、簡単に写真を撮らせてもらえない。トラブルにならないようガイドに確認した上で必ず目で許可を取るようにしている。
2つめ世界遺産のアンティグア
グアテマラと言えばコーヒー。初めて飲んだのは高校生の時。ろくに味もわからないくせに気取ってオーダーしたことを思い出す。本場グアテマラのコーヒー栽培で賑わうアンティグアはかつてのグアテマラの首都。
植民地時代の教会や修道院などが多く残っていてその歴史的価値から1979年に世界遺産となった。まずはアンティグアの街並みが一望できる十字架の丘へ
バックにアグア火山が見える絶景ポイント
次いで市街へ。コロニアル調の街並みが印象的。
石造りの重厚な史跡はさすが世界遺産と感じる
時計台が街の象徴
中央公園のユニークな噴水
カテドラル
とサンフランシスコ教会
碁盤の目のように区画されているのでわかりやすい。
それほど広くないので1日あればゆっくり見て周れるだろう。アンティグアにはスペイン語学校が数あることで旅人の間では有名。
ここで数日間レッスンを受けて力をつけて旅立っていく人も多いらしい。
カフェでは本場のグアテマラコーヒーではなくガジョで一服。ささやかな幸せである。
以上、いつもの出張と比べて距離も遠く日数も長かったがあっという間にしかも淡々粛々と時間が過ぎて行ってしまったというのが率直な感想です。現実なのに現実感が薄く、夢を見ていたようなそんな感覚でこのレポートを書いています。その不思議な感覚がこの国の魅力なのかもしれません。心の壁は消えてなくなったので機会が
あればホンジュラスなどの近隣国も制覇したいと考えています。
<おすすめ>
サンハシントの泥の村★★★ ニカラグア版・地獄の門。あふれるバブルの体験を是非!
マサヤ火山国立公園★★★★ 世界最大級の火口サンティアゴ・クレーター。その迫力を肉眼で!
レオンのカテドラル★★★★ 中米最大の教会。屋上からの眺めも必見のニカラグアが誇る世界遺産。
ティカル遺跡★★★★★ 行くなら日帰りではなく泊まってサンライズを。説明不要のジャングル遺跡。
(2017年2月櫻本竜一)
- 変わるキューバ、変わらないキューバ〜キューバ世界遺産の街めぐり ハバナとトリニダー〜
-
エリア:
- カリブ海>キューバ>ハバナ
- カリブ海>キューバ>トリニダー
- カリブ海>キューバ>バラデロ
- テーマ:街中・建物・景色 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2017/02/08 14:05
ゲバラの肖像でおなじみの革命広場はライトアップされる夜に行くのがオススメ!
バラデロビーチの青い空と透き通る海にはただただ息をのむばかり
バラデロビーチの青い空と透き通る海にはただただ息をのむばかり
カメラを向けると皆ノリノリなのがキューバのいいところ
ここ最近、「激動」というワードがここまでふさわしい国もないと思う。経済の一部自由化、54年ぶりのアメリカとの国交正常化、それに伴うアメリカ定期直行便の運航開始、そして一時代を築いたフィデル・カストロの死・・・。そんなキューバにこのたび行かせていただくことになった。
訪問都市は首都のハバナ、世界遺産の古都トリニダー、そして外国人観光客でにぎわうビーチリゾートのバラデロの3都市で、やはり初めてのキューバならこの3都市を周遊するのがおすすめ定番ルート。今回はバックパッカープランということで現地では全てフリープラン、各都市移動も長距離バスを利用したが、何事にもおおらかなラテンの国ゆえいろいろ戸惑うところはあったものの順調に旅を進めることができた。
ただ興味深い歴史に加え、街を歩いていると厚切りジェイソンばりに「Why Cuban people!!!!!」と突っ込みたくなるキューバ特有の光景が多々あったのでやはりガイドさんがいた方が楽しいと思う。また今回ハバナは旅程前半2泊、後半1泊の滞在だったが、とにかく見所が多いためもっと時間が欲しかった!
<200万人が暮らす街全体が生きた博物館 首都ハバナ>
キューバの旅はほとんどの場合首都ハバナから始まる。その見どころはなんといっても植民地時代の面影を残す豪勢な建造物と、タイムスリップしたような街並み。
またキューバ名物ともいえるアメ車や旧共産圏のクラシックカーもまだまだ健在で、街並みとからめてカメラを構えれば、あっと驚くシブい写真が誰にでも撮れる。
カピトリオ(旧国会議事堂)と馬車とクラシックカー
カバーニャ要塞とキューバ国旗
ライトアップされたガルシア・ロルカ劇場
じっくり街並みを眺めてみると、ヨーロッパとも他の中南米とも、もちろんアジアとも全く違ったものなのに気づく。一見ヨーロッパの中世の旧市街チックなのだが、よく見るとぼろぼろで廃墟に近いのもある。建物の大部分が欠けていたり窓が壊れていたりするところもあるけれど、そこでも人々は元気に生きている。革命のとき、またはそれ以前からずっとここに住み続けてきたのだろうか・・・。
そんな儚い街並みとたくましい人々とのギャップが、またハバナの街を魅力的に見せてくれる。
一見廃墟だが市場として使われている
私のような「洗濯物がはためく旧市街フェチ」にはたまらない!
ご存じの通りこの国は数少ない社会主義国で、スローガンやグラフィティなども随所に見られるが、
Viva Cuba Libre=キューバの自由万歳
毎日開かれるアルマス広場の古本市では、革命関連の本やポスターが・・・
やっぱりゲバラはキューバ人に愛されてるんだなあ
経済の一部自由化に伴って自営業も認められるようになり個人経営のレストランや民宿がどんどん増えた。旅の楽しみが増え、一気に旅行しやすくなった印象がある。
特に旧市街のレストランはキューバのイメージを覆すようなオシャレな店が増加中で、キューバのご飯は評判があまり良くないから期待できない・・・と思っている方こそぜひ行っていただきたい。
雰囲気のいい旧市街のレストラン「O’Reilly」
なんと日本食も!旧市街入口近くの「日本食堂」にて
そのためか旧市街はどこにいっても個人、団体を問わず多くの旅行者が目に付いた。やはり皆、今激動のときを迎えるキューバの歴史の目撃者になろうとしているのだろうか・・・。
もはやキューバは「知る人ぞ知る」国ではない、立派な観光大国なのだと認識を改めた。
夕方にはぜひ海岸沿いのマレコン通りへ。昔も今も、そしてこれからも変わらないであろう最高の夕焼けを毎日眺めることができる。そこで目に付く釣り人やカップルも、流しのミュージシャンも、どんなにハバナの街が変わってもここにいるのだろう。
写真撮って!と声をかけてきたカップル
ハバナの街で必ず見かける陽気なミュージシャン
驚くほど美しいマレコン通りの夕焼け
<ありのままのキューバに触れる 古都トリニダー>
世界遺産の街でキューバ中部に位置するトリニダーは、なんといっても植民地時代の面影を色濃く残す石畳の街並みが有名。
特に中心部のサンティシマ教会やマヨール広場周辺は、18〜19世紀に建てられたサトウキビ農園主らの見事な邸宅が保存され、クラシックカーや馬車も走っているのでどこを撮っても絵になる風景が見られる。
コインの絵柄にもなっている風情ある街並み
市立歴史博物館の屋上から街並みを眺める
やはりここも観光客が急増中で、中心部は現地人よりも数が多いのでは?と思うほど。さすが世界遺産の一大観光地、活気があふれていた。
ガイドブックに載っている有名店「ラ・カンチャンチャラ」では名物カクテルを飲みながら生演奏が聴ける
観光客が集まる野外ミュージックショー、カサ・デ・ラ・ムシカは毎晩大盛り上がり!
ただハバナと違ってここは人口7万ほどの田舎町。街歩きすると、とにかく現地人との距離が近くありのままのキューバが楽しめる!という印象だった。街を歩くたびに新たな発見があり、全く飽きないのだ。
市場ではラム酒の量り売り!
ラム酒をおごってくれたおじさん。言葉は通じないはずだがなんとなーく意思疎通できた
こまを回す少年
そんなありのままのキューバの最もたるものが野球。キューバといえば野球!というイメージをお持ちの方も多いはず。
中心部から少し離れた野球場に行ってみると、なんとちょうど試合が行われるとのこと。もちろん観戦させてもらう。
「マツザカ」と「イチロー」を知っていた球場の職員さん
遠くカリブ海を望む絶好のロケーション。地域リーグかなにかのようでそこまでレベルは高くなく、観客も多くなかったが、ひたむきにプレーする選手やそれに賛辞(+ときどきヤジも)を送る観客を眺めながら、どれだけ野球というスポーツがこの国に根ざしているか実感することができた。
しかし最近はサッカーの方が人気になっているようで、実際のところ公園などでサッカーをしている子供はよく見かけたものの野球少年は一度も見かけず、車や街などにヨーロッパサッカーチームのエンブレムが描かれているのも目に付いた。政治経済だけでなく、文化の面でもキューバは変わりつつある。
夜は宿の近くの広場で、音楽に合わせて百人ほどの市民が踊りまくっているところに遭遇する。さすがサルサやルンバの本場、キューバ人は音楽が流れると踊り出さずにいられないようだ。夜中の広場で大爆音、そしてひたすらダンスという日本では考えられない異様な光景を前にしてこちらまで楽しくなってしまう。そして自分も自然に彼らに混じって踊り出してしまうのだった。飲んで、踊って、飲んで、踊って・・・。
広場の脇では豚の丸焼きが
真夜中に宿に戻ったが、明け方4時ぐらいまでずっとこの大爆音は鳴り止むことがなかった。恐るべしキューバ人のスタミナとパッション・・。観光客でにぎわう街で、そんなキューバ人の着飾らないありのままの姿を間近で見られたことを幸せに思った。
キューバのどんなところが変わりつつあるのか、という点に注目してきた今回の旅だったが、「人がある場所には音楽があり、音楽がある場所には笑顔がある」という一番キューバらしい光景は旅行中いつでもどこでも見ることができた。キューバという国家がこの先どんなに変わっていっても、これだけはずっと変わることなく続いていくはず。そしてキューバならではのこの光景がこれからも旅行者を魅了してくれるに違いない。
<フリープランで旅するなら知っておきたい、キューバお金・交通・ネット事情>
先ほども書いたとおり、キューバは国のシステムが他国といろいろ異なり、もしかすると旅慣れている人ほど戸惑う所があるかもしれません。ガイド付きのツアーなら問題ありませんが、フリープランで旅するならちょっとした予備知識が必要かと思います。
まずはお金事情。キューバ旅行の計画を立てている方は、「キューバには2つの通貨がある」と知り戸惑う方が多いかと思います。旅行者用の兌換ペソ(CUC)と現地人用の人民ペソ(CUP)、という表記が多いですが実際旅行者も人民ペソを使えますし、逆もしかりです。「贅沢品用の兌換ペソ、庶民用の人民ペソ」といった方が正確でしょう。
旅行者と現地人との間の高い壁がある(たぶんこのシステムが一番旅行者を戸惑わせているのでは・・・)キューバでは、旅行者が普段利用するレストランやタクシー、また観光地などはすべて兌換ペソ払いで料金が設定されているため、これだけあればすべて事足ります。しかし後で述べる市バスやフェリーに乗りたい!、ローカルのご飯を食べてみたい!という方は人民ペソが必要になります。1CUC=24CUPのレートで両替でき、ローカルのお店でCUP支払いをするとお釣りがCUPで返ってこともあります。ローカルのお店は物価がかなり安いですが、「外国人=お金持ち」という固定観念が染みついているキューバでは外国人がCUPを使いまくるのも考えもの、とのことです。
ちなみにトリニダーで見た野球の試合チケットの価格は1CUP(約5円)。1CUC(約120円)ではありません。
外国通貨から兌換ペソ、そして兌換ペソ・人民ペソ間の両替は、街中のカデカ(CADECA)と呼ばれる両替所や銀行の利用が一般的。けれども両替所はなぜかいつもどこでも行列ができており、しかも皆順番を守って文句も言わず並んでいるので感心します。ここまで行列に並ぶのに慣れている民族は日本人とキューバ人くらいでは・・・と思うほど。
(そもそもどこでもこんなに行列ができる光景が異様なのでは・・・という突っ込みは置いといて)
これが両替所のマーク
なおハバナ空港の両替所では日本円から兌換ペソへの両替所が可能ですが、地方都市では日本円の取り扱いがしていないことがあり、アメリカドルは多額の手数料が取られるのでユーロやカナダドルからの両替をおすすめします。
ちなみに写真を撮り忘れましたが、3人民ペソ札はゲバラの肖像が描かれており兌換ペソしか使用しない観光客にも大人気。それゆえなかなか手に入りにくいようですが、トリニダーの両替所で人民ペソを入手するときに熱心にお願いしたら(しぶしぶながら)10枚ほど新札を混ぜてくれました。
つぎに交通事情。都市間移動ではバス利用がほとんどになりますが、現在外国人が乗車できるのは「ビアスール(Viazul)」社のバスのみ。バスターミナル(ハバナでのターミナルは中心部から遠く、タクシーで移動することになります)にて出発の1時間〜30分前にカウンターでチェックインをしてチケットを発券してもらい、目当てのバスが来たら荷物を預けてバスに乗車。時間はほぼ定刻通り、というか逆に満席になってもいないのに定刻より早く出発することもあるので要注意です。どうもキューバ人はのんびりした所がある反面、仕事をさっさと終わらせたい傾向にあるようです。
設備は日本の高速バスとあまり変わらず、快適な移動が期待できます。しかし冷房が効きすぎていることが多いため上着や毛布の持ち込みをおすすめします。(私が乗ったときも乗客はほぼ外国人旅行者でしたが、冷房のことは了解済みのようで全員上着や毛布を羽織っていました)
食事の時間をまたぐと路線のみ食事休憩があるようで、今回はハバナからトリニダーへ行く際に途中のレストランに立ち寄りました。10CUCのビュッフェの他サンドイッチもあり。
キューバ周遊の旅で頼りになるビアスールバス
街歩きだけでは見られないキューバの田舎の風景を眺めるのも楽しみですね。
一面に広がるサトウキビ畑
カストロが我が町にやってきた!とアピールする看板
また街中の移動(ハバナ新市街から旧市街など)は、外国人はタクシー利用が主流です。これが意外と高く付き、15分ほど乗って10〜15CUC(約1200〜1800円)。けれど運がいいとクラシックカーに乗れることもあり、そのアトラクションを含めた料金だと思えば納得できるかも。
またハバナやバラデロでは1日5CUCで乗り放題のオープンバスも走っています。
ごく普通にタクシーとして使われるクラシックカー
変わった形のココタクシー。運転手に声をかけると試乗(?)させてくれた
バラデロのオープンバス、「バラデロビーチツアー」。ビーチで遊んだ後はこれで街を一周してみては?
CUPを持っていれば市民の足の市バスにも乗れるので、時間があればチャレンジしてみては?たいてい混み合っていて行き先も判別するのが難しいですが、バス停にいる人や運転手に自分の目的地を言ってみるとどれに乗れば良いか親切に教えてくれます。これも旅の醍醐味ですね。
運転席にゲバラのステッカーが
またハバナ旧市街からハバナ湾対岸のカバーニャ要塞近くまで、同じく市民の足のフェリーが通っています。15分ほどの船旅ですが、自転車をそのまま乗せたり船内から釣りをしたりとなかなか珍しい光景が見られておすすめ。市バス、フェリーともたったの1CUP。
自転車を持った人がごく普通に乗っているフェリー船内
最後にネット事情ですが、他の国では一般的なフリーwifiがキューバではほぼ存在しません。通信会社「ETECSA」オフィスでカード(1時間利用可能で2CUC)で買い、電波の入るところ(ところどころ大勢の人がスマートフォンをいじっている場所があるのですぐ分かる)でカードに記載のIDとパスワードを入れてつなぐようになりますが、オフィスの数は多くなく、しかもやはりキューバ名物の行列ができており非常に不便。主なホテルでも買えるほか、電波が入る場所でカードの闇売人(?)がうろうろしており、ちょっと高値ですが待つことなく買うことができます。ネットの速度は問題ありません。
ハバナ旧市街のメインストリート、オビスポ通りにある「ETECSA」オフィス
ここ最近人気急上昇中の旅行先にもかかわらずなかなか情報が少ないキューバですが、最低限の予備知識があれば誰でもしっかり楽しめます!
【スタッフおススメ度】
●ハバナ ★★★★★
見事な歴史的建造物や博物館をひととおりまわるだけでも一日がかりで、気の向くまま街を歩きまわるだけでも楽しい。どこか儚い街並みと笑顔あふれるハバナっ子とのギャップがまた旅行者を魅了してくれる。
●トリニダー ★★★★★
観光客でにぎわう古都で見応えのある博物館が多い。小さい街なので地元の人の生活に触れる旅もおすすめ。ライブスポットも多く、夜はどこからか楽しげな音楽が聞こえてくる。
●バラデロ ★★★★
キューバいちのビーチリゾートで、ここまで透明な海はなかなかお目にかかれない。オールインクルーシブの豪華ホテルが立ち並ぶほか、誰でも入れる公共ビーチもある。
(2017年1月 伊藤卓巳)
1 - 5件目まで(142件中)