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- あれ、ここ地球だよね?奇跡の絶景ウユニ塩湖へ
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エリア:
- 中南米>ボリビア>ラパス
- 中南米>ボリビア>ウユニ
- 北米>アメリカ東部>マイアミ
- テーマ:買物・土産 観光地 自然・植物
- 投稿日:2017/01/30 12:07
塩湖をひた走るワゴン
あれは確か私がまだ高校生の頃だっただろうか。
ピンクのワゴンに乗って若者たちが世界を旅しながら、恋人を探すという人気番組があった。当時その番組にハマっていた私。かわるがわるワゴンの中で繰り広げられる恋愛模様と一緒に、ブラウン管越しに海外を楽しんでいた、まだ海外旅行なんて行ったことのない私。
ある時、その番組のオープニングでこんなものを目にした。
ピンクのワゴンが、永遠に続くのかと思われるほど広大な、鏡張りの湖を延々と走る映像。
なんじゃこりゃぁ!!!!
テレビで見たその映像は後に何年も私の心の中に残ることとなる。どこか分からないけれど、とても綺麗なところ。私も行ってみたいなぁ…、なんて叶うわけがないと思いつつ、そんなことを夢想していた。
そして時はたち、私は旅行会社に入社。
ティーン時代から十数年の時を経て、あの頃の私の夢が現実となる。
高校生の時の私に教えてあげたい“あんた行くよ、行くんだよ!その場所ウユニ塩湖って言うんだよ”と。きっと泣いて喜ぶだろう。
前置きが長くなってしまったが、まだ海外なんて縁のない私を一瞬にして虜にしてしまった、あのウユニ塩湖に行く機会を得たのだ。
憧れの地、ウユニがあるのは南米ボリビア。ボリビアへの道は長い。
成田を出発し、LA、マイアミと乗り継いで、翌朝ボリビアの首都ラパスに到着する予定だ。
意気揚々とLAに出発し、大急ぎでアメリカの乗継を終え、マイアミに到着・・・したものの、到着の時点でボリビア行フライトのボーディングタイムが過ぎている。フライトが遅延したのだ。出発まで残り20分!?うそでしょ。CAさんに頼んで、ラパス行きのゲートに遅れる旨伝えてくれと懇願するも、“それは出来ん、走れ”という無慈悲なご回答。言われるがままにダッシュしてゲートに行くも時すでに遅し。既にゲートは閉まった後だ。誰もいなくなったゲート。なんてこったい。
チケッティングカウンターでネゴシエーションするも、この日はもうラパス行きのフライトが無く、明日、今日と同じ時間のフライトに乗らざるを得なかった。なんてこったい。
とりあえずマイアミの空港ホテルに宿をとり、翌日たっぷりマイアミでも観光するとしよう。
いきなりマイアミ観光となってしまったので予備知識がゼロだったが、マイアミ空港は市内から近く意外と観光しやすそうだ。
まずはムーバーと呼ばれるモノレールとメトロとバスを乗り継いて、リトルハバナへ出かけた。その名の通り、マイアミにある小さなキューバだ。
広場でドミニに興じる人々
リトルハバナのシンボル、ニワトリ
街の雰囲気も良く、そこら中をスペイン語が飛び交っている。シガーショップもあり、どこからか常に音楽が流れてくるあたり、確かにキューバっぽいような気がしないでもない。
レストランでキューバ名物のモヒートを飲みながら一休みした後、やっぱりマイアミビーチ見なきゃ!とバスを乗り継ぎ、ビーチへ赴く。
ところで、この日のマイアミはとても気持ちの良い気候。暑すぎず、のんびりするにはちょうど良かった。とはいえ、私の出で立ちは厚手のロングTシャツにロングスカート、そしてトレッキングシューズ。ビーチではとびきり浮いていた。昨日、スーツケースを受け取ることが出来なかったのだからしょうがない。まさかビーチ来るとは思ってないし。
マイアミビーチ
マイアミにはたくさんのショッピングモールがあり、お買い物にも事欠かない。巨大なモールをふらついた後、今日のフライトは逃すまいと、早めに空港に戻った。
さてさて棚からボタモチならぬ、棚からマイアミを楽しみ、翌朝無事ラパス空港に降り立った。丸1日遅れの到着だ。
本来の行程であれば、ラパス1泊→ウユニ2泊→ラパス2泊→ダラス1泊→帰国の予定だが、初日のラパス1泊はやむなくカット。ラパス到着後はそのままボリビア国内線に乗り継ぎ、ウユニへ飛んだ。
ところで、ラパスは世界で最も高所にある首都として知られている。(正確には首都はスクレという街だが、事実上の首都はラパスとのこと)標高はなんと3650m!ウユニの標高もラパスとほぼ変わらない。高山病にかかってしまうのだろうか。。。
心の片隅に不安を残しつつ、ボリビア初日、ウユニのツアーの始まりだ。
まずは列車の墓場へ。
かつて塩や鉱物を運んでいた蒸気機関車や貨物車両が放置されているのだ。なんとも哀愁を感じる佇まい・・・
鉄道の墓場
そしてウユニの塩産業を独占しているコルチャニ村へ。コルチャニ村の主な産業は塩。村の中には製塩所があり、ウユニの塩を買って帰ることもできる。驚くほど安いのだが、塩は重く、たくさん買って帰れないのが残念だ。
村の入り口にはたくさんのお土産物屋さんが軒を連ねる。ここではアルパカのセーターや帽子、民芸品などいろいろ揃えることができる。
私はここでアルパカのセーターとカラフルな帽子をゲット。これからの旅に役立ちそうだ。
コルチャニ村の製塩所
コルチャニ村
そしていよいよ、念願のウユニ塩湖へ!
塩湖の淵はまだ水が張っていても、地表は茶色い。車を10分位走らせると、ついに憧れてきたような映像が広がってきた。
絶景のウユニ塩湖
高校生の時、テレビで憧れたあの風景!想像を超える絶景を前に、すごい・・・の連発。私の驚きと感動を伝えるにふさわしい言葉がそれ以外に出てこなかった。
さてさて、ウユニ塩湖に来たらやりたかったこと。それはトリック写真撮影。
だがその前に腹ごしらえということで、塩湖のど真ん中でピクニックランチ。ドライバーさんとガイドさんが私の為にテーブルをセットしてくれる。
塩湖でピクニックランチ
簡単だが美味しいランチで空腹を満たし、いよいよ写真撮影スタート。
12月から2月にかけて雨季になるウユニでは、塩湖上に水が張りそれがまるで鏡のようになるのである。ただし運が悪ければ水が十分でないこともある。ひろーい塩湖の中をドライバーさんとガイドさんがベストポイントを探してくれる。
鏡張りに移る私
塩湖でトリック写真撮影
鏡張りの写真を撮るには、ちょうどいい感じの量の雲(多すぎても少なすぎてもダメ)と無風が求められるのだが、残念ながら初日は風が強く、雲が少し多かった。
ウユニは高地だけあって、天候が非常に変わりやすい。特に雨季では日中に雨が降ることもあるので、ウユニには2泊ないと不安だ。
この日このままサンセットツアーも行ったが、ちょうど太陽の沈む位置に雲がかかり、いい感じの写真を撮る事は出来なかった。
ダカールラリーのモニュメントと私
微妙な感じの夕陽
本日マイアミから夜行便で到着したばかりの私は、高所のせいもありかなり疲労がたまっていた。夕飯を摂ることもできず、ベッドになだれ込んだ。
翌日は星空と朝日鑑賞があるので、深夜3時半にホテル発だ。つかの間の休息をとり、深夜目を覚ますと、頭が重い・・・なんか気持ち悪い・・・うぅぅ〜これが高山病か。
だるい体を無理やり起こし、ツアーに備える。事前情報ではとにかく寒いとあったので、タイツの上に毛糸のパンツ、裏起毛のあったかズボン、上半身はヒートテックにロングTシャツ、ユニクロのインナーダウンにモコモコのマウンテンパーカ。靴下は2枚重ね+両つま先にホッカイロをプラス。お手元にもホッカイロ2個持ちでニット帽をオン。
スーパーモコモコ状態でツアーに出かけたが、ガイドさんは昼間の洋服にダウンを着ているだけ。ずいぶんラフだ。
移動中も軽い頭痛を感じていたが、いざ塩湖に到着すると、痛みは一瞬のうちに遥かかなたに消え去った。私にとっては高山病より、よっっっぽど二日酔いの方が辛い。でも人ぞれぞれ、その日のコンディション次第だろう。若くてもなる人はなるし、おじいちゃんおばあちゃんでも元気な人は元気だ。
夕方、かなり雲の量が多かったので、星空観賞には一抹の不安を頂いていたが、やっぱりイマイチな星空だった。(先日、ニュージーランドのポカラで超絶すごい星空を見てしまったからかも知れないが、正直この日のコンディションは想像以下だった)
雲が多い星空・・・
でも夜のウユニの楽しみ方は星だけではない!私はある秘密兵器を日本から持参していた。ペンライト〜〜〜!!
百均で売っているペンライトだ。これを使って、暗闇に文字を書き、なおかつ鏡張りの湖に文字を照らし出す、そんな写真を撮りたい!
ただ、ふつうこういうのは大人数でやるもの。一人一文字ずつ書くのが一般的。一人でやるにはかなり体力がいる。カメラを30秒の撮影にして、暗闇に反転文字を書いていく。もちろんシャッターが下りるまでうまくいっているかどうか分からない。
一生懸命一人で闇夜に向かってペンライトを振っては消し、横に移動して書いてを繰り返す姿はちょっぴりシュール。
全然ダメ。失敗作
残念、途中で時間切れ
yes!成功!
こちらは反転をさらに逆に書き、湖面に文字を映しこんでいる。
スーパーモコモコ状態で上下左右に運動するもんだから、かなり汗ばんだ。実際ウユニが最も寒いのは5月頃だそう。このころはマイナス10度くらいになるとか。
徐々に日が昇るにつれ、雲も消えて行った。そして無風。絶好のコンディション到来!
朝と夜の間の時間
真っ暗だった世界が徐々にピンクに色づいていく・・・
朝が夜に溶け込んでいくような、まどろみの時間。空なのか地上なのか分からない不思議な風景。言葉に出来ないほどの美しさ。
朝日鑑賞
満足すぎる星空&朝日ツアーを終え、朝食を食べにホテルへ戻った。ホテルと言えば、今回私は塩湖周辺にある、塩のホテル“ルナサラダ”に宿泊していた。ホテルは壁やベッドの台などがすべて塩のブロックで出来ている。廊下にも塩が撒かれ歩くとザクザクという感触が楽しい。雰囲気満点のユニークなホテルだ。
塩で出来た壁
室内
こちらはまた別の塩のホテル、パラシオ・デル・サル
素敵な室内
塩のホテルでおいしい朝食を食べ、この日も引き続きウユニ塩湖観光。
塩湖に行く前に、まずはコケサのミイラを見に出かけた。
竪穴住居のようなところにミイラがドーンと寝ていて、お供え物が散乱している。
なんていうか、、、ありのままだな(笑)
コケサのミイラ
樹齢200年のサボテン
今日は昨日よりももっとコンディションが良い!
程よい雲と青空、風もなし!
ウユニの水量は非常に変わりやすく、昨日あたり一面鏡張りだったところが、今日の午前中にはすべて水が干上がっている。昨日よりも更に塩湖を走り回り、鏡張りのポイントを探してもらった。それにしても広大な広さに張っていた水が一晩にしてなくなってしまう不思議。本当に神秘に満ちた湖だ。
絶好のコンディション
トリック写真撮影
我がウユニ旅行に一遍の悔いなし!
存分にウユニを楽しみ、翌朝ウユニを立ち、首都ラパスへ飛んだ。
既に初日、1泊分のラパス泊を失っているため3日分の観光を2日間に詰め込んでいる。
チチカカ湖クルーズ、ティワナク遺跡、月の谷と駆け足で巡った。
チチカカ湖クルーズは浮島に上陸しても全く人がおらず、閑散としていた。ペルーサイドのイメージをもって行くとかなり期待は裏切られる。
チチカカ湖の浮島 どんより天気が寂しさに拍車をかける
世界遺産のティワナク遺跡
その名の通り、月面のような月の谷
月の谷にいたチョリータと一緒に
ラパスの街は前述の通り、世界で最も高所にある首都だ。街全体大きなすり鉢状になっていて、そこに行くほど裕福な人が暮らしているそう。高低差の多いラパスの街で市民の足となっているのがロープウェイである。このロープウェイは2014年に開通したばかりで、現在3区間のロープウェイが走っている。このロープウェイはとってもお勧め!
すり鉢状の斜面に並んだ赤レンガの家々がそれはもう見事に見渡すことができる。始発から終点まで乗ると、途中乗継を含めて30分ほど。ラパスの街の大パノラマを楽しむことができる。現在新たに2区間を建設中で、更に標高の高い隣町まで行けるようになるという。
そして、夜はミラドール・キリキリ展望台へ夜景を見に行った。これがまたすごい!すり鉢状に街が広がっているので、夜景に取り囲まれたような絶景なのだ。そう、ラパスの夜景は上から見下ろすのではなく、下から眺める夜景なのだ。下からとはいっても、キリキリ展望台は高台にあり、郊外までよく見える。でもそれ以上に高い位置にも夜景が見えるというわけだ。世界に有名夜景スポットは数あれど、包まれるような夜景に出会えるのはラパスだけ(多分!)だろう。
ミラドール・キリキリからの夜景
そしてラパスで私が一番心ときめいたもの、それはショッピング。
南米でも物価の安いラパスはまさに買い物パラダイス!アルパカセーター1500円、エケコ人形400円、南米らしいカラフルなマンタと呼ばれる大判の布600円、アルパカの磁石50円etc・・・。この独特の色使い、たまりません!もっと買いたかった〜
土産物屋が並ぶサガルナガ通り
三つ編み&ハットのチョリータ
十数年の時を経て辿りついたボリビア。
百聞は一見にしかず、何もかもが想像以上だった。まるで違う星に来たかと思うような絶景の連続に、何度言葉を失ったことか。
例え帰国の際、ボリビアを出発するフライトが運休になって、2時間も3時間も待たされて、航空会社に明後日までフライトはないと言われて、なぜかペルーを経由して帰ることとなろうとも、おつりがくるくらい素晴らしい経験となった。
マイアミ ★★★★ ビーチにショッピングになんでも楽しめる!
ウユニ ★★★★★ これぞ絶景!一生忘れることのできない風景がそこに
ラパス ★★★★★ 買い物天国。街中を歩くチョリータも素敵
(2017年1月 久保井奈々子)
- ブラジルだけじゃない! ボリビアのアマゾン「ルレナバケ」の魅力に迫る!! 野生動物の楽園パンパスでアナコンダ探し・ピラニア釣り・カピパラ、メ
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エリア:
- 中南米>ボリビア>ボリビアその他の都市
- テーマ:ハイキング・登山 自然・植物 動物
- 投稿日:2017/01/16 11:25
リスザル(ヤクマ自然保護区)
ついにアマゾンを訪れる時が来た。しかもボリビアのアマゾン。ボリビア=ウユニ塩湖のイメージが強いと思いますが実はボリビアの国土の半分がアマゾンジャングル地帯。しかもボリビアのアマゾン地帯は野生動物の楽園で、特にめずらしい野鳥がたくさんいるのです。今回その場所を視察して参りましたのでその様子をご紹介いたします!
なぜボリビアのアマゾンなのか
アマゾンといえば、どこでも野生動物を見られるように思われがちですが、実際には野生動物を多く見られる場所はわずかです。各地で開発が続き、野生動物の生息域は日に日に狭められているのが現実だからです。たとえば、ブラジルのアマゾンではマナウスが有名ですが、本当の野生を体験するためには何日も上流へ上がる必要があります。そこには中流域のアマゾンとしての別の魅力があります。
簡単に野生動物を見られる場所に行けて、なおかつ冒険的な体験をしたいのであれば、ボリビア・アマゾンがお勧めです。ボリビア・アマゾンでも特に野生動物が多いのが、「ヤクマ自然保護区」です。比較的アクセスも良く、日本をたって2日目の午後にはアマゾン川の源流域でのボートサファリを楽しむことができます。ボリビアのアマゾンツアーは現在日本のパッケージツアーではほとんどの取り扱いがありませんがお手軽に野生動物がみられるとあって南米を訪れる日本人パックパッカーの間では人気の場所の一つです。日本人以上に欧米人がかなり訪れていてその数はウユニの倍以上だそうです。
いざパンパスツアーへ
上空からうっそうとしたジャングルがみえる(ルレナバゲ)
アマゾナス航空にてルレナバケ空港に到着(ルレナバケ)
ボリビアのアマゾンツアーの拠点となるのは、ラパスから300km北部の「ルレナバケ」という町で、飛行機で約1時間です。飛行機はラパスの町並みが眼下に広がった後、左側にはこの間までいたチチカカ湖がキラキラと光り、チチカカ湖から遠くに見えていた6000M級の雪山の真横を通過。しばらく雲の上を飛んで飛行機が下降すると、そこにはテレビでみるようなクネクネの川が流れるアマゾン地帯が!!感動しました。たった45分のフライトで標高3600Mから300Mへ。そして未舗装の滑走路に砂埃をあげてどどどどどーっと着陸しました。
ルレラバケの町はバイクが多くてまるで東南アジアのような雰囲気。ラオスのルアンパバーンの町外れのような感じでなんだか懐かしい気持ちになりました。
そして久々に標高の低い場所に来て思ったのは空気が重い!!おおお、なんか空気が違うぞ!
ルレナバゲの事務所でパンパスツアーのチェックイン(ルレナバケ)
ルレナバケ空港には予約したエコロッジの係員が迎えに来ていてルレナバケにある事務所でオリエンテーションや自然保護区のチケット(150ボリビアーノ=約¥3000)の購入など必要な手続きを行います。それが終わると早速出発です。まずはおよそ100km離れたサンタ・ロサという町をめざす。道は穴ぼこだらけでガッタガタのオフロード。両サイドは鬱蒼と茂るジャングルで東南アジアを彷彿させます。約3時間でサンタ・ロサに到着後、昼食を食べ、近くの船着き場へ。川べりには細長いカヌータイプのボートがいくつも待機。
ボートには両サイドにイスが備え付けられています。パンパスツアーはいよいよここからスタートです。アマゾン川の源流域に位置するこのあたり一帯はヤクマ自然保護区と呼ばれており、アマゾン川の支流のひとつ、ヤクマ川流域は川幅が狭く野生動物を観察するのに非常に適した場所です。早速ボートに乗ってのボートサファリへ。川面を滑るように進んでいくボート。風が頬を優しく撫ぜる。気持ちいい〜。アマゾンの日差しを浴びながら、ボートがのんびりと出発するとすぐにワニの姿が!
ヤクマ川ボートサファリ(ヤクマ自然保護区)
ヤクマ川ボートサファリ(ヤクマ自然保護区)
ヤクマ川ボートサファリ(ヤクマ自然保護区)
ヤクマ川ボートサファリ(ヤクマ自然保護区)
ブラックカイマン(ヤクマ自然保護区)
ブラックカイマン(ヤクマ自然保護区)
ブラックカイマン(ヤクマ自然保護区)
岸には信じられないほどの数のワニがウジャウジャいます。全長二メートル以上あるブラックカイマンもいました!本物の野生のワニをみたら先ほどまでのつらい車移動のことなんかスッカリ忘れてハイテンションになりました。「ワニだ!ワニだ!」なんて騒いでいると今度はカメが!しかも親カメの上に子カメ、そして孫カメと冗談みたいに重なっていて笑える。
カメ(ヤクマ自然保護区)
一番お手軽に見ることができるのは鳥類。
ツメバケイ(ヤクマ自然保護区)
なかでもよく見かけたのはモヒカンヘアーの珍鳥ツメバケイ(セレレ・デ・アグア)。体の大きさはおよそ60センチ。青い顔に赤い目がギョロリと光っています。がっしりとした体格は迫力満点です。
調べてみるとなかなか変わった鳥であることが判明。主食は木の葉っぱなんだそう。草食だからかどうかは分からないけど、体臭が牛の糞みたいに臭くて強烈なんだそうです。しかも鳥のくせに飛ぶことが下手くそで、ふだんは枝から枝へと歩いて移動するんだそう。
こうした姿や行動から、1億5千万年前に存在した鳥の祖先・始祖鳥の生き残りと間違えられたこともあります。
カピバラ(ヤクマ自然保護区)
カピバラの親子(ヤクマ自然保護区)
カピバラ(ヤクマ自然保護区)
そして今度は世界最大のネズミ、カピパラの親子が登場。動きがノソノソしていて可愛い。かなり間抜けな面持ちで、いつもどこかをぼぉ〜っと眺めています。めちゃくちゃ癒されます。
リスザル(ヤクマ自然保護区)
リスザル(ヤクマ自然保護区)
しばらくすると、お待ちかねのサル発見!体長20cmくらい、黄色い体毛とクリクリした目。リスザルだ。エサを期待してかそれとも元々人懐こいのか次から次へと近寄ってくる!
めっちゃくちゃかわいいです。ぜんぜん人を怖がらないので触り放題。ふわふわぷにぷにでかわいすぎる。
アマゾン川の主役ピンク・イルカもいました。ピンク・イルカに遭遇するチャンスはたくさんありますが、写真を撮るのは非常に難しいです。川の水は水面は美しいけれど、濁っていて茶色いからです。いくら目を凝らして探しても、水に潜ったイルカを見つけるのは不可能。呼吸するため浮上してきたときに姿を確認するのが精一杯。じっと待ち、プハッっと呼吸音がした方向に視線を送る。でもその時はもう遅い、ふたたび潜ってしまって背中や尾びれしか見ることができない。そんなじれったいことの繰り返し。悔しいけど写真はあきらめるしかありません。
鵜の仲間(ヤクマ自然保護区)
Tortugas Ecolodge(ヤクマ自然保護区)
Tortugas Ecolodge(ヤクマ自然保護区)
Tortugas Ecolodge(ヤクマ自然保護区)
Tortugas Ecolodge(ヤクマ自然保護区)
ロッジの敷地内にいたホーラーモンキー(ヤクマ自然保護区)
その後、鵜の仲間、コンゴウインコ、ホエザル、サギの仲間など他にも色々な動物がいてさすがアマゾンって感じでした。ボートサファリを約2時間楽しんだ後ヤクマ川湖畔のロッジに到着。今回も泊まったTortugas Ecolodgeは部屋数13部屋。三部屋まとまった長屋タイプと一部屋だけの独立棟がある。部屋には基本的に二台のベッドがありバストイレ、蚊帳、扇風機、電源、タオルあり。シャワーは水シャワー。電気はソーラーのため使えるのは1200-1330と1800-2200に限られるため懐中電灯は必須です。食堂があり味はまあまあ美味しいです。今回スケジュールの関係でやりませんでしたがピラニア釣りやカイマン観察ツアー、アナコンダツアーもできます。
行くなら乾季の5月から10月がおすすめです
今回天気もよく沢山の動物を間近でみることができ大満足だったのですが訪れた11月末は雨季の初めだったため川の水位が上がったせいでおびただしい数の蚊に悩まされました。長袖で完全防備し虫除けも塗りましたが塗りが甘いところや靴下の上からもさされました。よってここを訪れるのは乾期である5月から10月がおすすめです。乾期の方が動物も多く蚊も比較的少ないようです。
生物多様性の宝庫 マディディ国立公園
チャラランロッジの事務所(ルレナバケ)
ボートでベニ川上流のチャラランロッジへ(マディディ国立公園)
ボートでベニ川上流のチャラランロッジへ(マディディ国立公園)
ベニ側両岸にはうっそうとしたジャングルが広がる(マディディ国立公園)
チャララン・ロッジ(マディディ国立公園)
うっそうとしたジャングルが広がるチャラランロッジ前の湖(マディディ国立公園)
ツメバケイ(マディディ国立公園)
ムービング・ツリー(マディディ国立公園)
今回パンパスとは別に、Madidi(マディディ)統合管理国立公園も視察いたしました。
サンホセの先住民が運営するチャララン・エコロッジはアマゾン川上流、ベニー川を上り支流のトゥイチ川をさらに登り、 ゲートウェイのルエナバケから約7時間の場所にあります。 先住民は今は住んでおらず、人の手は殆ど入っていない聖地。ナショナルジオグラフィックでも何度か紹介されています。4年前には新種の猿『ルカチ』が発見され、大きな話題にもなった。5,000~6,000種の植物、156種の哺乳類、1,100種の鳥類が生息していると言われています。ツアーでは国立公園内のエコロッジに2・3泊し、鬱蒼と茂るジャングルを散策し、様々な動植物を観察します。動物観察よりもジャングル散策をのんびり楽しみたい方におすすめです。
最後に・・・
お陰様を持ちまして充実の視察旅行となりました。アメリカン航空の亀井様、アマゾナス航空の坪井様、トラベルファクトリージャパンの菅野様はじめ同行させていただきました皆様大変お世話になりました。ありがとうございました。この場をお借りしまして御礼申し上げます。
オススメ
パンパス(ヤクマ自然保護区) 5つ星
マディディ国立公園 2つ星
(2016年11月 渡邊竜一)
- チームワークと事前計画が肝心?!のボリビア&日本人好みのアメリカを発見、ボストン
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エリア:
- 中南米>ボリビア>ラパス
- 中南米>ボリビア>ウユニ
- 北米>アメリカ東部>ボストン
- テーマ:観光地 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2016/06/23 15:39
3月にボリビアとアメリカのボストンに行って参りました。
ウユニ塩湖の人気はここ数年間、2月3月になると目を見張るものがあります。以前は知る人ぞ知る旅行先でありましたが8年前にウユニの街に空港が開設され、またソーシャルメディアの隆盛とともにその美しい星空やトリック写真は、瞬く間に旅行好きの間で知られることになりました。こと日本ではここ数年の「絶景」ブームの火付け役、牽引役としてテレビやCM、本で引っ張りだこ。いまや年に数回旅行するようなマニア的な旅行者ばかりでなく、近場のハワイやグアム、韓国などに旅行しているライトな旅行好きまでも巻き込んでいるような状況です。特に2月3月に人気が集中するのはこの時期はウユニ塩湖の雨季で塩湖に水が張り、空と地上に境目がなくなるような不思議な光景が広がるためです。そんな今大人気のウユニに訪れることができました(高山病に弱いことを自覚しているので恐る恐るの出発でしたが・・・)。そして今回旅して分かったことはチームワークと事前準備があればボリビアの旅行はさらに楽しくなるということです。
またボリビアの帰りにアメリカのボストンに立ち寄りました。「絶景」で知られるウユニ塩湖に対してボストンと聞くとなかなかイメージの湧きにくい方は多いのではないでしょうか。しかしボストンの街並みを歩いていると普段生活している場所から遠く離れており個人的な所縁などはないにも関わらず、私はどこか懐かしい思いを感じると同時に日本のある街を思い出します。それは京都です。どちらも街の中心には川が流れ、地下鉄もありますが基本的には徒歩で歩きまわれる街のサイズ感。そしてどこか背筋がすっと伸びるような良い意味で張りつめた空気感と、街中は史跡にあふれる古都でありながら学術都市のため若者のエネルギーも感じられます(これは本当に偶然なのですがボストンと京都は姉妹都市だそうです)。西海岸のラテンでマッチョな街とも違うし、かといってニューヨークのようにヒップ&クールさが求められることもない。リベラルな白人知識層が多く住み、他の都市(特に西海岸)の人間からすると斜に構えたような、スノッブにうつるような街。どうです?ちょっと日本人的気質にあいそうではないですか。(そうでもない?)
詳しくは旅行記の中で触れますので、これから旅行先をお考えの方の参考になれば幸いです。
行程は下記の通り。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1日目:日本発、マイアミに乗継時観光【機内泊】
2日目:ラパス着後、ラパス市内観光【ラパス泊】
3日目:ウユニ観光(列車墓場、コルチャニ村、インカワシ島)【ウユニ泊】
4日目:ウユニ観光(星空・朝日・夕日鑑賞 トゥヌパ山、プラヤ・ブランカ)【ウユニ泊】
5日目:ラパス(市場・おばプロ)観光【ラパス泊】
6日目:チチカカ湖観光【ラパス泊】
7日目:ボストン着、【ボストン泊】
8日目:ボストン観光【ボストン泊】
9日目:アメリカ発、日本へ【機内泊】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○1日目
ダラスに向かう飛行機の中でダイアモックス一錠を半分に割り水と一緒に飲み込む。
ボリビアへ行く私には大きな不安要素がある。それは高山病。富士山に2回登ったが2回とも断念はしないまでも高山病のため頭が痛くなりご来光どころでは無かった状態だった。富士山に登った知り合い全員に聞いてもこのレベルの重い症状は私くらいのようなので数字でいうと20人に1人いるかいないかの割合の程度ということだろう。しかし私には勝算がないわけではない。以前ペルーに行った時にダイアモックスを準備したせいか高山病の自覚症状はなかった。この経験から、もしかしたらいけるかも、という自信のようなものはあった。
しかし今回はいきなり4100mの空港に到着である。以前のペルーのように徐々に高度を上げていくような旅ではない。そのためダイアモックスを到着する1日前から服用して来るべき時に備えておく。
約12時間のフライトの後、ダラスに到着。
ダラス空港ではアメリカの入国手続きと荷物を一旦ピックアップする必要がある。入国手続きはキオスク端末が導入されたおかげでスピーディに入国手続きを行うことができる。以前は2時間の乗り継ぎでも早めに移動しないとギリギリになってしまう空港なのに、キオスクが導入されたおかげで1時間ほど短縮された印象だ。
ダラスからマイアミへ。約3時間の移動。14:30ごろにマイアミ到着。次のラパス行きは22:20。実は乗り継ぎが8時間あるのでその間にマイアミを観光しようと日本の出発前から決めていた。
●マイアミビーチ
燦々と太陽が照り、澄んだ青空とエメラルドグリーンの海がどこまでも広がる街。海岸沿いのオーシャンドライブはヤシの木とアール・デコ調のホテルが並びまるで映画のような雰囲気。そこではゴキゲンな音楽が鳴り響き、水着で闊歩する日焼けした若者達を目にすることだろう。彼ら/彼女の話す言葉に耳を傾ける聞こえてくる言語は英語ではなくスペイン語だ。マイアミの人口の約70%がヒスパニックかラテン系、特に多いのはキューバからの移民であり、ダウンタウンのほど近いエリアにはリトルハバナと呼ばれるエリアもある。南米行きのフライトが数多く発着することから南米への玄関口としての役割を担うマイアミはアメリカに居ながらもまるでカリブ海の高級リゾートのようだ。
マイアミ空港からマイアミビーチへの行き方は難しくない。
まずマイアミ空港からMIAムーバーと呼ばれる無料のモノレールに乗り終着駅で降りるとパーキングや鉄道、バス乗り場のあるターミナルへ出る。マイアミビーチへ出るにはバスが最も安価(片道2.65$)で楽チン。バスは複数のルートがあるので注意。150の番号のバスに乗ろう(30分おきくらいに出発します)。バスに揺られて約30分でマイアミビーチの中心部に到着する。帰りも同様、降りた場所とは反対車線のバス停で待っていれば良い。
リンカーン・ロード・モールと呼ばれるションピングエリアもあり、日本未進出のお店も多いため、もしマイアミでトランジット時間を持て余すようだったらマイアミビーチへ観光に行くのも一興だ。
マイアミ空港に戻り、一路ラパスへ。
約6時間のフライト、マイアミで観光をしていたためかぐっすり寝てしまう。
○2日目
着陸態勢に入り、ラパスが近づくにつれて、ラパスの夜景が窓一面に広がる。ラパスの街はこんなに広いんだなぁ。
朝4時半頃、ラパス空港に到着。到着した時点では高山病の兆候みたいなものは感じない。大丈夫だ、いけるいける、しかし油断は禁物なり。
ボリビア入国審査は何日間、目的など簡単な質問を受けただけで比較的楽に入国できた。機内で配られた出入国カードは出国部分のみ渡されるので必ず無くさないように。税関は2枚書かされて、わからない質問もいくつかあったので未記入にしたところもあったが特に係のスタッフはつぶさに見ておらず、問題なく通過できた。
機内預けの荷物も無事受け取り、ゲートにてガイドさんと合流。
ガイドしてくれるのは16歳の娘さんがいるというヒメナさん、ヒメちゃんと呼ばれているらしいのでヒメちゃんと呼ぶことにした。
まだ朝5時をまわったところで、観光に出るのはまだ早いということで空港のカフェで朝食を食べることに。コーヒーとビスケットとトマトとほうれん草のサンドイッチでおよそ50ボリビアーノ。計算したらおよそ800円だった。安くもないが空港だから仕方ないか。空港のカフェスタンドの割に味は良かった。コーヒーはボリビアの名産でもあるから特に美味しく感じた(ブラックコーヒーやロングブラックはメニューにないのでカプチーノアメリカンで頼めばブラックコーヒーに近いものを飲めた)。
朝7時近くになったところで、ラパス市内へ出発。
この世界一標高の高い国際空港のある一帯のエリアはエルアルトと呼ばれるエリアで、ラパス県の中で近年人口の増加が最も多い地区である。すり鉢状のラパス市内は人口飽和状態ですでに十分な土地がない。そのため地方や他国から移住してきた人々は標高の高いこのエルアルトに居を構えるそうだ。その人口は今や100万人に迫ろうとする勢いで、今後ラパス市内の人口を凌駕するだろうと言われている。
エルアルトを越え、ラパス市内を抜け、この日の目的地であるチチカカ湖まであと30分というところでヒメちゃんの電話が鳴る。ハシ(橋本だと長いのでこう呼ばせている)、ビックプロブレムよ、ヒメちゃんが言う。チチカカ湖への道がストライキしているそうよ、迂回していくこともできるけど時間が余分にかかるから観光時間は充分じゃないわ、もし可能であればウユニから帰ってきて観光する予定だったラパスの市内観光を先にして日程をスイッチするけど。
私は特に日程を組み替えることに関して何も意見はないので、ラパス市内に戻ることにした。予想もなくいきなりストライキが起こることもあるんだなぁ。日本だとストライキはあったとしても事前予告などあるけど道路が封鎖されることは無いだろうな。
●ラパス市内観光
チチカカ湖観光からラパス市内観光に切り替え最初に降り立ったのがハエン通り。スペイン統治時代の古い町並みと石畳の道が続く、まるで中世時代にタイムスリップしたかのような静かな場所だ。伝統建築の家屋のほとんどはその資料的な価値から博物館として再利用されており、通りを歩いているだけで楽しい。
ハエン通りを抜け、3ブロックほど歩いたところにヒメちゃんオススメの国立民族博物館がある。この博物館には美しい中庭とファサードがあり建物としても一見の価値がある。館内には、先住民族の歴史から使われていた道具、織物などの移り変わりがわかりやすく展示されている(スペイン語での説明しか無いのが残念)。特にお祭りの時に使われるという仮面は興味をそそられた。以前パプア・ニューギニアに行った際もいくつか仮面を見たことがある。全くゆかりの無い場所でも、仮面つけて神の化身へと生まれ変わるという文化が共通しているのは実に面白いことだなと思った。また少し汚い話になるがかつてボリビアの人々が着ていた洋服の中にUNKOという名前のポンチョに似た民族衣装があって少なからずびっくりした。
考古学博物館の見学を終え、向かったのがムリリョ広場。広場の真ん中にはムリリョの像。ムリリョとはボリビア独立運動の英雄であるペドロ・ドミンゴ・ムリーリョのこと。ここはラパスの中心部と言える場所であり、公園を囲むように国会議事堂、大統領官邸、大聖堂が建つ。昼間は人々の憩いの場となっており、多くの人々が公園で思い思いに過ごしている。強烈な印象を放つのがおびただしい数のハト。餌をやろうとするとヒッチコックの映画のように襲撃(歓迎?) されるので注意。
次に向かったのがサガルナガ通り。
サガルナガ通りは旅行者にとっては滞在するにも最適な場所である。お土産屋さんがこれでもかとひしめき合い、中にはオシャレなカフェやレストラン、さらには旅行社やホテルも数多い。近くにはサンフランシスコ寺院もあり、ムリリョ広場や博物館などの市内の主要ポイントには徒歩でも行けそうな便利なエリアだ。
またサガルナガ通りの傍には魔女通りという怪しげな通りもあり、そこにはミイラ化したリャマやコカの葉っぱ、精力剤、バイアグラなどまさに魔女的なアイテムが売られている。またボリビアの福の神とも言われているエケコ人形もここでたくさん見かけた。お土産屋さんを冷やかして歩いたあとはサンフランシスコ寺院を見学。バロック様式とボリビア土着の宗教観がミックスされているようでヨーロッパの教会では見られないモチーフの装飾がされている。内部はムリリョ広場の大聖堂よりも金を随所に使っており、荘厳な雰囲気が漂っていた。
●世界一の高さの地元の足、テレフェリコ
その後、向かったのはテレフェリコ。テレフェリコとはラパスの市内を運行するロープウェイのことである。テレフェリコは世界でもっとも標高の高い場所にあり、且つ都市交通としては世界最長のロープウェイとして知られている。ラパスには路面列車や地下鉄はない。庶民の足は公共バスだけだったが人口の増加に伴い渋滞問題が深刻化した。そこで考え出されたのがロープウェイという交通手段だ。なるほど、山に囲まれ起伏の多い街のラパスの街に地下鉄や路面電車の建設を考えると莫大な費用がかかるだろうが、空を縦横無尽に移動できるロープウェイはもっともこの都市に合っている移動手段であろう。ドイツとオーストリア企業の協力のもと完成したのは2014年のこと。すでに人々の交通手段として大人気だそうで朝夕のラッシュ時には行列になることもあるそうだ。また観光資源にもなっているようで日曜や祝日になると地方や郊外から子供連れの観光客で賑わうとのこと。それもそのはず、ロープウェイからはラパスの特徴的なすり鉢状の景観が楽しめる。ラパスの都市構造は歴史のある「底」エリアが高級住宅街、人口流入が増えるに従い街は「ふち」側へと拡大している。つまり標高が低い富裕層の瀟洒なエリアから標高の高い低い低所得層エリアのバラック小屋まで、貧富の差のグラデーションが眼下に展開するのである。私が乗ったのは昼間だったのだが、夜に乗るのもきっと素晴らしい光景を楽しめることだろう。
なおボリビア大統領は現在のレッド、イエロー、グリーンの3路線のロープウェイをさらに拡大して9路線にする計画だそうだ。
すでに時刻は昼に12時をまわっていた。そろそろお腹の燃料も切れそうなところで昼食へ。場所は月の谷の近くのオーバーランドというホテル兼レストラン。その名の通りスイスの山小屋をイメージしたような感じの良いレストランだった。メニューはガイドのヒメちゃんにお任せ。飲み物はボリビアのビールをキューっと行きたかったが高山病が心配なので我慢して炭酸入りの水にした。
まず食前酒に、前菜のサラダと麦の入った野菜スープ、パンが出てきた。ボリビア料理というとあまりイメージがつかないが日本人の口に合うものだった。メインディッシュは溶岩石のプレートでバーベキュー。ビーフ、チキン、ポーク、ソーセージの4種類のお肉がジュージューいいながらテーブルの上に置かれた。もちろん美味しい。本来はもっと大きなプレートでカーニバルの時期に食べられるものだそうだが、このお店では一人でも食べきれるようにワンポーションで提供してくれる。なおデザートは自家製プリン。すでにお腹いっぱいだったが別腹のためプリンも完食した。
昼食のあとは腹ごなしにセラミック製品の工房に立ち寄り見学。あまり興味がないので工房内の犬と遊んで早々と工房を出た。
●ラパスの人気スポット 月の谷
そしてラパス近郊の観光地として人気のある月の谷へ。永年にわたる風雨による浸食により粘土質の地層が溶け出してこのような不思議な光景になったそうだ。その光景がまるでNASAが撮影に成功した月面のようだったことからこの名前がついた。月の谷のトレイルは15分コースと1時間コースがあり、激しい運動をなるべく避けたい私は15分コースにした。月の谷は思ったよりもエリアは限られており、その全景を覆い尽くすような奇岩群はなかった。それでもこのエリアだけなぜこのような地形になったのだろうという意味では謎の残るスポットだった。
その後、ラパス市内に戻りこの日の宿であるホスタルナイラへ。
●ホスタルナイラ
サガルナガ通りに面したサンフランシスコ寺院のそばにある中規模なホテル。
立地・雰囲気ともによく、1階には感じの良いレストランもある。部屋はベッド、電話、テレビ、シャワー、トイレ、ドライヤーがあるくらいのシンプルな造り。
セーフティーボックスやミニバー、バスタブ、スリッパなどはないが無料のWIFIを完備、室内でも使える。豪華は設備はいらないが最低限のものや清潔感は欲しいという旅行者にとってはうってつけのホテルだ。
ホテルでは眠気の限界を達してしまい思いがけず寝過ごしてしまった。19時の約束に多少遅刻してしまったがラパスの夜のツアーに出発。
●ラパスに来たなら夜景観賞は外せない
まず向かったのはモンティクロという展望台。
この展望台は公園になっており園内には教会があるため、ラパスを見下ろすこの公園で結婚式を挙げる人も多いそうだ。夜景に関して特に高い期待をしていたわけではなかったのだが実際目の前にするとこれは面白い。ラパスのそのすり鉢状の地形からか、通常目線の下にある街の明かりが目線の上までせり上がっているように錯覚するのだ。まるで星が地表に落ちて散らばっている、そんな印象だ。
次に訪れたのはキリキリ展望台。こちらも公園となっておりラパス市民の憩いの場となっている。園内の一番端は階段で数段降りると踊り場になっているため階段から写真を撮ると180度見渡すような写真が撮れる。モンティクロも良かったが写真スポットとしてはキリキリ展望台の方が景観が開けているのでどちらか一方のみをお考えであればキリキリ展望台の方をお勧めする。どちらも地元のデートスポットとなっているようだった。
その後、午前中に訪れたムリリョ広場を再訪問し、ホテルに戻った。
ホテル付近のお店は夜9時を過ぎると店じまいをするようでもうほとんどやっていなかった。
ヒメちゃんとこの日はここでお別れ。翌日の早朝ラパス行きに搭乗するために朝4時にホテルのロビーに再集合する。
すでに夜9時をまわっていたがお腹が減っていたのでベジタリアンバーガーとコーヒーを頂く。ベジタリアンバーガーの味は期待していなかったがかなりに美味。大満足。
○3日目
この日は高山病の予防のためにあまり睡眠時間は取らなかった。高山病患者にとって睡眠中は呼吸が浅くなり、症状がひどくなる原因なのだ。数時間単位で細切れに寝ていこうと思う。
朝4時にホテルロビーにてヒメちゃんと合流。
この日から2日間ウユニへ出発する。ラパス/ウユニ間のフライトの預け荷物の制限は20キロまでだが、荷物の移動が面倒なので2泊分の着替えと貴重品のみバッグに詰め替えて残りの荷物はホテルに置かせてもらえるようにした。
ラパス市内からラパス空港へはおよそ30分。
朝5時のチェックイン開始時間までアマソナスのカウンターにて待機、無事チェックインを終えてヒメちゃんとお別れ。
ラパス/ウユニ間のフライトは約1時間。
到着後、ウユニのガイドの出迎えを受ける。
ウユニのガイドはマリエさん、日本人風の名前だがウユニ生まれのボリビア人。彫りの深いボリビア人の典型的な顔立ちとは違い、どことなく柔和で日本人のような雰囲気を持つような女性だ。ヒメちゃんも良いガイドだったがこのマリエさんももちろん英語も上手で、礼儀正しく、よく笑い、好感のもてるガイドだった。ボリビアのガイドのレベルは失礼ながら意外に高いと思った。
●ウユニ観光1日目(列車の墓、コルチャニ村、インカワシ島)
まず向かったのは「列車の墓」。
ウユニは過去、鉱物の採石場であった。鉱物や塩をチリに運ぶために使われていた列車だが鉱物の採掘が終わり、塩に関してもチリ側で容易に手に入れることができるようになった。お払い箱になった列車がウユニの郊外に打ち捨てられ、その姿が哀愁を漂うのか沢山の観光客で賑わっている。
列車の墓を後にして、マリエさんがホテルかなにか提出するのか、私のパスポートコピーが必要だということでウユニの街へ。この機会にウユニの街で両替と日よけの帽子を購入した。帽子は25ボリビアーノ(400円ほど)。ボリビア製だ。結果買っておいて大変良かったと思う。ウユニ塩湖は地表が真っ白のため太陽の照り返しが激しい。サングラスなしでは目も開けられない。帽子とサングラスは必須である。
また前々から食べたいと思っていたサルテーニャが路上で売られていたので思わず購入。サルテーニャは揚げパンの中にカレー風味のチキンやほうれん草などのお惣菜が入ったボリビアの国民食(5ボリビアーノ)。なかなか美味しかった。(しかしこのサルテーニャがきっかけで悲劇を生むことになるとは、この時は知る由もない。)
パスポートコピーを終えて、次に向かったのが「コルチャニ村」。
ウユニ市内から車で30分。製塩業を生業にした小さな村。ここでは製塩業を営む一家の工場見学ができる。もちろん直売所も兼ねているため小さい袋詰めのものであれば1ボリビアーノで購入できる。
そしてこの日の最後の観光場所のインカワシ島へ向かう。インカワシは塩湖内にある32ものの島の内の代表的な島の一つ。インカワシ島には入島料が必要(ツアーであれば含まれている)。島内は全長1時間ほどかかるトレイルコースがあるほかレストランやお手洗いもある。トレイルコースでは道中、まっすぐのびる巨大なハシラサボテン(その数6000本)やサンゴ礁、火山岩が見受けられる。サンゴ礁はここがかつて海の底だったことを物語り、火山岩はここから100キロ以上離れたトゥヌパ火山の噴火の時のものだと推測されている。真っ白な塩湖とそれに囲まれた乾いた大地のコントラストは壮観だ。
●高山病発症?
トレイルをハイキング中、息切れが激しくなる。
最初はおそらく高地にいるからだろうと軽く思っていたが、明らかに足取りが重い。しかし休んでもその状況は改善せず、寒いはずなのに冷や汗が止まらない。3分の1歩いたところで体調のことを考えてギブアップした。
腹痛もあり、インカワシ島のトイレに駆け込む。
(結局、そのあと2回吐き、2日間下痢の症状が続いて、マリエさんに下痢止めの薬を分けてもらった。吐き気と下痢は高山病の典型的な症状である。頭痛はダイアモックスのおかげで全く無かったため高山病にかかっている自覚が全く無かったが、今朝食べたサルテーニャのスパイシーな味と香りに胃がやられてしまったのだと推測される。あいにく2日間は悩まされたが薬が効いたのかその後のラパス滞在では普段通りの体調に戻っていたことを強調しておきたい。)
インカワシ島のトイレで用を足したあとはホテルに向かう道すがら、塩湖の真ん中でテーブルを組み立てピクニックランチ。もちろん食欲なんてあるはずもなく申し訳程度に少し口に入れた程度だった。
最高の環境のランチタイムなのにもったいないことしたなぁと思うがしょうがない。
ランチを終えて本日のホテルのルナサラダへ向かう。
●ルナサラダ
2016年現在運営する4つの塩のホテル(パラソルデルソル、ルナサラダ、クリスタルサマーニャ、スマ・リッチャリ)の中で、もっともデザイン性のある可愛らしいホテル。コルチャニ村からほど近い場所に建ち、塩湖の観光には最適。塩湖の縁に建てられているが電気や水道はもちろん完備。ホットシャワーもすぐに出る。室内は伝統的なカラフルな模様を取り入れながらもどこかモダンで洗練されている。ドライヤー、エアコンあり。スリッパやセーフティーボックス、ミニバー、バスタブ、テレビはない。無料のWIFIはあるが電波は非常に弱い。建物全体に大きい窓を取り入れており、そこから降り注ぐ光が気持ちよく、ラウンジやレクリーエーションルームなどゲストが利用できる施設が充実して開放感があるのがよい。
この日は13:00にホテルにチェックインして午後休憩した後18:00頃にサンセットツアーに参加する予定だったが体調不良のため翌日に変更してもらった。
また星空ツアーも翌朝のサンライズツアーと一緒にやることにしたので明日の早朝朝4時に再集合する。
○4日目
●星空鑑賞と撮影の必需品
朝4時。まだ空も真っ暗で外の風景が塩湖なのか荒れ果てた大地なのかが全く区別のつかない時間帯。マリエさんと合流して、深い闇の中を車のヘッドライトを頼りに突き進む。昼も思ったことだが360度真っ白な塩湖で囲まれた中よく方向感覚が狂わないなぁと感心したものだが、夜になるとさらに手かがりとなるような山も何も見えなくなるのによく走れるものだ。
ホテルから約30分。水が張ったエリアに到着。
車から降りるとそこに現れたのは満天の星空。
雨季のウユニ塩湖で見る星空は特別なものだ。星空が天上にも地上にもばら撒かれたような景色は、見る人を日常的な場所から神秘の世界へいざなってくれる。まるで立っているのもわからなくなるほどの漆黒の闇に全てが包まれる中、星屑だけが自分の存在を知らせてくれる。モロッコのサハラ砂漠やモンゴルの草原の中でも星空を見つめたがウユニのそれはさらに感動的だった。
早速撮影しようと思い三脚をセッティング。事前でネットで調べたことをもとに下記の手順で撮影した。
① 撮影モードはマニュアル
② 星にピントを合わせ
③ ISOは1600付近
④ シャッタスピードやホワイトバランスを試行錯誤しながら撮影
あとは撮影後にフォトショップなどでいじればなんとか形になりそうだ。
思ったのは三脚マストで、リモコンなどあればなおよし。
と言うかぶっつけ本番で星空撮影をやるのでなく、せっかくウユニに来るのだから予習しておけばよかった。空中に文字を描くペンライトも人気らしい。ペンライトはボリビアにはないので持参プリーズ。あと当然ながらかなり寒くなるので防寒対策も必須。
●朝日鑑賞とその楽しみ方、セルフタイマーは20秒で(サンセットにも応用可能)
空が徐々に白けてきたので日の出を待つために車内で待機。
太陽が徐々にその姿を現し始めたので車から降りて撮影タイム。
小さな太陽は徐々にその姿を大きくし、やがて2つに分離し天上・地上にそれぞれ太陽が現れた。太陽一つでも我々が受ける恩恵は果てしない。例えばいくら文明が発達した今日であっても朝早く起きて朝日を見るとなぜか元気になる。人間には自然とそういうDNAが刻み込まれているのかもしれない。日の出は全ての生命にとって「目覚め」なのだ。その太陽が2つになるなんて誰が想像しただろうか。パワースポットという言葉があるが、ウユニほどその言葉にぴったりな場所はないだろう。
日の出で行うポーズとしてはジャンプやかめはめ波がお決まり。とりあえずそれらをこなしたあとは太陽をつまんでみたり、食べたりしてみた。しかしウユニの写真撮影は仲間内でワイワイやるのが絶対楽しいと思う。人文字などをつくってチーム戦で写真撮影大会なぞやればきっと思い出に残るはずだ、と遠くから聞こえてくる日本人団体旅行者のキャピキャピした声が聞こえる中、一人でポーズの研究をしている私は思った。日の出(日没)の撮影でマストなものは特にはないが、人数が少なければ三脚とセルフタイマーが20秒くらいあるカメラがあると良い。私のカメラのセルフタイマー機能は10秒がマックスだったため、私とガイドさんとドライバーさんの三人で組体操の扇をつくったが、水の波紋がまだ消えないうちにシャッターがきれてしまう。当然ながら水の波紋があるうちだと綺麗な鏡ばりには見えないので、それがちょっと残念だった。
また日の出(日没)の撮影タイムは星空鑑賞と違い、撮影タイムが限られている。
つまり太陽が昇ったら(沈んだら)そこで終了なわけなので、実際撮影できる時間は1時間満たない。
●日の出・夕陽・星空鑑賞のどれ参加すべき?
お客様の中にはサンライズ&サンセット&星空どれが一番おすすめ?と疑問を持たれると思うが、全部参加してください、というのが私の正直な意見。星空はサンライズ&サンセットとは見るものが全く違うので、星空参加はマスト。サンライズとサンセットはそれぞれ見るものは同じだが、撮影(鑑賞)できる時間が限られているため、1回目の撮影での試行錯誤し、2回目でリベンジをするのが良いと思う。
ホテルに戻ったのは7:30。朝食を食べ、この日の観光の出発時間の10:30まで休憩。荷物を整えて、さぁ出発。お腹の調子はまだまだ良くないが頑張ろう。
●ウユニ塩湖観光2日目(トゥヌパ火山、プラヤ・ブランカ)
ルナサラダから塩湖をひた走ること約2時間。塩湖は広大だとはわかっているものの走れども360度真っ白な世界にいるのはどこか恐怖のようなものを感じる。今はこうして悠々と車の中で過ごしているけど、ここに放り出されたら生きて帰れるだろうかと圧倒的な自然を前にしてぼんやり思った。
塩湖の長時間のドライブを終え、たどり着いたのはトゥヌパ火山。塩湖の縁に位置する標高5432mの火山。5432mの高さといってもこのくらいのレベルの山がこのウユニ付近にはごろごろあるらしい。
トゥヌパ火山にてまずランチタイム。メニューはキヌア、カツレツ、トマトと玉ねぎの和え物。スーパーフードとして話題の食材、キヌア。ここボリビアでは簡単に手に入るのかと思いきや、その価格は徐々に高くなっているらしく、今やお米よりも高いらしい。それでもボリビア人にとっては親しみのある食べ物には違いなく、ドライバーさんは自分の体はキヌアでできていると豪語しており、キヌアにマヨネーズをかけてムシャムシャ食べていた。
私は高山病の影響か体調が芳しくないので、マリエさんに高山病で体調を崩す人は多いですかと尋ねた。すると「そうですね、日本人、中国人、韓国人、アメリカ人、フランス人、ドイツ人、この前はポーランド人」。「ほとんど世界中ですね。マリエさんは逆に低地に行く時に体調を崩す時はあるのですか?」「ありますね、標高1000mのサンタクルスに行くと、クラクラしますが6時間ほど眠れば大丈夫です。私の母親はなんともないですね」。人によって症状が違うのは高山病も同じこと。高山病に悩まされる私は高地に住む人が低地に行くことで気分が悪くなる「逆高山病(低地病)」が存在することを知って何故だか安堵した。
トゥヌパ火山の麓にはいくつか村があり、そのうちの1軒のお宅を訪問した。このお家は過去ここに住んでいたであろう先住民族の生活道具や出土品、さらにはこの付近に生息している生物の剥製も展示されている。驚くべきことに先住民族のミイラまで保管されている。個人が趣味でやっている割には、バリエーションが多岐にわたりすぎているが展示物は充実しており、トゥヌパ火山をトレッキングしたり眺めたりする観光客にとってはちょうど良い休憩場所になっている印象だ。
●プラヤ・ブランカ近くでトリック写真撮影、少人数でワイワイやるのもいいけれど
トゥヌパ火山を後にして約1時間半。向かったのは塩湖にあるゲストハウス、プラヤ・ブランカ。
このプラヤ・ブランカは唯一の塩湖内のホテルとしてかつて営業していたが再三の警告に関わらず汚水・ゴミによる環境保全が保たれないとして3年前程度に営業停止になったそうだ(オーナーは別の場所に新たなホテルを計画中らしいが・・・)。現在は博物館兼休憩所。近くには各国の国旗が建てられているスポットがあり格好の撮影ポイントとなっている。
一通りプラヤ・ブランカを見学した後、車で移動して、ウユニ塩湖で外せないトリック写真撮影をする。ネタや小道具は全く用意していなかったが、さすがガイドのマリエさんはすべて必要なものを揃えておいてくれており、私は訳が分からぬまま指示に従うだけで面白い写真をとることができた。
今回、私とガイド、ドライバーの3人だけだったのでトリック写真のバリエーションも限られていた。それでも十分楽しいが、これこそチームプレイで遊ぶと尚楽しいこと間違いない。ウユニが学生旅行でも人気なのがわかる。
トリック写真を撮り終えて、この日のホテルのクリスタルサマーニャに向かう。
●クリスタルサマーニャ
ウユニ塩湖に数軒しかない塩のホテルの一つ。パラシオデルソルが高級感、ルナサラダがデザイン性をウリにしているとしたら、このクリスタルサマーニャは老若男女どの世代にも満足していただけるオールマイティなホテルといったところだろうか。部屋数の多さと広々した眺望の良いレストラン、そして人々の目を楽しませてくれる塩でできた彫刻。塩湖までの距離も今ある塩のホテル中でも最も近いため、移動時間も少なくて済む。室内はいたってシンプル。テレビ、ドライヤーあり。ホットシャワーもすぐにでる。バスタブ、セーフティーボックス、電話、ミニバー、スリッパは当然ながらない。WIFIはあるが電波は非常に弱い。また日本人スタッフが雨季の一部繁忙期のみ常駐しているようで痒いところに手がとどく、そんなホスピタリティが嬉しい。
ホテルでしばらく休憩したあと、サンセットツアーに出発。
内容は同日の冒頭にかいた日の出ツアーとほぼ同じなのでそちらを参照されたし。
サンセットツアー終了後は明日のラパス行きのフライトに備え早々と就寝。
○5日目
ラパス/ウユニの早朝のフライトに乗るために、5:20にホテルを出発。
クリスタルサマーニャから空港は約30分。まだまだ真っ暗な中を突き進む。空港に近づくと未舗装の道は綺麗な舗装された道路にいつの間にか変わっていた。
ここでガイドのマリエさんとはお別れ。とてもホスピタリティ溢れるかわいらしいガイドさんだった。
ラパス行きのフライトは無事出発。窓側の席に座り、空から塩湖の様子を眺めて改めて広さに驚いた。
ラパスに到着し、ラパスのガイドのグイドさんと合流。
グイドさんはロック好きなおじさんガイドである。この方も私の要望もいろいろ聞き入れてくれてよいガイドだった。
まず目指したのは日曜市。
●エルアルト 7月16日通りの巨大マーケット
エルアルトで行われるマーケットは、グイドさん曰く「想像できるあらゆる商品が売られている」とのこと。すべてのマーケットのセクションを歩くだけで少なくとも2時間はかかるほどの大規模。私も世界中あらゆるマーケットに行きましたが、青空市でここまで広いのはこれまで見たことないかもしれない。毎週、日曜日・木曜日も行われているそうだ。
私はこのマーケットと泥棒市は同じものだと思っていたのだが、グイドさん曰く「7月16日通りのマーケットと泥棒市は全く別物だよ」とのこと。場所は同じらしいのだが、泥棒市は深夜3時頃から始まり、日の出前に撤収するそうだ。でも深夜から販売してお客なんて来るのかしら。どうやって取引するの?と聞くと携帯のライトをかざして交渉するのさ、とグイドさん。グイドさんの言葉を信じると、ラパスの一般旅行者の旅行記などを読んでいると泥棒市についての記事は全部この7月16日通りマーケットのことだったので混乱する方もいらっしゃるかもしれませんが念のため。
マーケットをうろうろするとしょっぱなからいろんなものが目に飛び込んでくる。まず生肉と臓物。生肉は海外の市場であれば頻繁に目撃するが、臓物は珍しい。ちょっと鼻をつまみたくなるような光景だ。
そして次に訪れたのはペットセクション。犬や猫はもちろん、ウサギやインコまでいる。ボリビア人はペットが大好きみたいで、ラパスやウユニの街中でもペットを散歩させている人たちが沢山いた。それもそこまで裕福そうに見えない身なりの人まで。日本だとある程度金銭に余裕がないとペットは飼えないイメージがあるけど、ボリビアではどうなのですか?とグイドさんに聞くと、「買い方によるんじゃないですか」とのこと。そりゃそうだ。
ペットセクションからいつしか家具セクションへ。
ベッドやテーブルはもちろん、システムキッチンなども売られている。しかしここで購入してどうやって持って帰るんですか?とグイドさんに質問。大抵デリバリーフィーが含まれていますよ、とのこと。木目調の綺麗な大きいダイニングテーブルがあったので値段を確認するとアメリカドルで180$ほどだそうだ。それは安い。グイドさんが付け加える「椅子6脚ついています」。めちゃめちゃ安いけど郵送費の方が絶対高くなるよなぁ。
その後、自転車・乾物・家電・DVD・CD・衣類、古着などの様々なセクションをあてもなくウロウロ。どうみてもガラクタとしか見えないジャンク品を売っているセクションもあった。秋葉原もここまではきていないと思う。
何気なく驚いたのが韓流ドラマ・アイドル。ここボリビアでも人気があるらしくポスターやDVDが沢山売られていたことだ。以前アルジェリアの旅行記でも書いたが、中近東の国だけでなく南米の国でも韓流ブームが来ているという事実は韓国エンターテイメントの世界戦略には感心せざるを得ない。理屈としては分かるが、アジア顔に南米の人たちが感情移入するのはなんだか妄想すると面白い。
1時間も歩くとあまりの人だかりで疲れてきたので、早々と退散。必ず訪問した方がいいとは言えないが、もし滞在が日曜か木曜日に当たれば一度訪れてみては?
その後、ラパスの初日のホテルと同じ、ホスタルナイラに早々にチェックイン。
ウユニ滞在中に預けていた荷物を受け取り、部屋でしばし休息。
12時ごろ、グイドさんと待ち合わせて昼食へ。
ホステルナイラから歩いて5分程度にあるホテル、プレジデンテ2階のカントゥータというレストラン。ブッフェ形式でエビ、牛肉、豚肉などのボリュームたっぷりな料理が目白押し。もちろんサラダバーやフルーツコーナーもある。
ただ病み上がりの私には少々、ヘビー過ぎた。
その後、街をウロウロ散策し、午後5時にグイドさんと再集合。
この日のメインの目的であるおばちゃんプロレス(おばプロ)を見に行くためだ。
●おばちゃんプロレス(おばプロ)
毎週日曜日にボリビア名物のイベントが行われるという情報を耳にしたので覗かせてもらうことに。それはおばちゃんプロレス。山高帽をかぶった三つ編みのいかにもチョリータ姿の女性たちがリングの上で戦いを繰り広げるという。
おばプロはエルアルトにて行われる。
(坂道を登る途中、あまりに綺麗なラパスの街並みが見えたのでグイドさんにお願いして写真を撮らせてもらった。)
おばプロの会場に到着。試合は16:00から行われているようで終了は19:00までだった。私は最後の3試合ほど見たがなかなか面白かった。
1試合目:悪玉おばちゃんvs善玉おばちゃん(A)
登場は悪玉おばちゃんから。入場曲に合わせてノリノリでおばちゃんが登場。しかし観客からはブーイング。それで怒り出す悪玉おばちゃん。ガラガラ声で観客に怒鳴りちらし、あろうことか観客に水をぶちまける。そしてリングに上がる。
次に登場したのは善玉おばちゃん。歓声があがる。それを不機嫌に見つめる悪玉おばちゃん。まずは口喧嘩から始まり、いつの間にか試合へ。
善玉おばちゃんは防戦一方。しかも審判からも不意打ちの攻撃を食らう。どうやら審判からも悪いやつで悪玉おばちゃんとグルらしい。審判はリング上のゴミをリング外に蹴飛ばし掃除するふりして善玉おばちゃんにキック(なんじゃそりゃ)。
途中、リングポストに登り観客に向かい勝利の雄叫びをあげるもの観客からブーイング。観客の声援におされ善玉おばちゃんが攻撃に転じる。徐々に悪玉おばちゃんを追い詰めるも、悪玉おばちゃんも負けじと抗戦。
そこでなぜか善玉おばちゃんの助っ人があわられて(?)、試合は善玉おばちゃん有利な流れへ。アンフェアーな審判にも関わらず善玉おばちゃんが勝利した。
もちろん、解説はすべてスペイン語なのでなぜおばちゃん同士が戦わなくてはならないのか、審判は何者なのか、助っ人が来てもルール的に問題無いのか、など疑問は尽きないがボリビア人の国民性に触れるという意味では非常に楽しかった。
2試合目:覆面レスラーvs善玉おばちゃん(B)
そして次の試合。まず善玉おばちゃんが出てくる。おばちゃんというにはまだ若いぞ。対戦相手として出てきたのが覆面レスラー。体格からしてどう考えても男性。さっきのはおばちゃん同士の戦いだったが、男性vs女性の戦いもあるんだな。
実はこの試合あまり覚えていない。というのは第1試合で活躍したおばプロたちが試合会場に出てきて写真の撮影大会となったためだ。そのためみんな試合なんてそっちのけ。ちょっとかわいそうだった。
撮影で最も人気だったのは悪玉おばちゃんだった。やはりキャラクターがいいのか、外国人観光客をはじめとして引っ張りだこだった。その分、善玉おばちゃんはキャラ的に押しは弱いのか撮影の人気でいうと完敗していた。
それでも悪玉おばちゃんと善玉おばちゃんはリング外でも仲良い素振りを見せないのはさすが。
しかし試合中に撮影に応じるのは試合中の選手に対してどうなの?と思ったがこれもボリビア気質かもしれない。
第3試合:白ミイラvs黒ミイラ
これが一番なぞだった。なぜミイラ同士で戦うのか(誰か事情を知っている人教えて下さい)。試合終盤になるとそれぞれのミイラが東側・西側の観客席にやってきて、観客たちがミイラから逃げ出す形でスタジアムを追い出され、いつの間にかプロレスイベント自体が終わっていた。
●夜のテレフェリコ
プロレス観戦後はグイドさんにお願いして、夜のロープウェイに連れて行ってもらった。ラパス初日の市内観光時、昼間テレフェリコに乗ったのだが、夜でもこれは絶対面白いと思い、再チャレンジさせてもらった。
やはり予想通り面白かった。特徴あるラパスの街並みを上空から移動しながら移動するのはさながら自分が宙を舞っているような感覚だ。
これが6人乗りではなく2、3人乗りの個室だったらカップルに大人気になるだろう。しかも片道3ボリビアーノ(日本円で60円未満)。高い金払って日本の観覧車に乗るよりもよほどこちらの方が面白い(ラパスに行くまでが大変だけど)。
●ケンちゃんのかつ丼
夕食は日本食レストランのケンちゃんに行く。
ボリビアの食事もおいしいけど、高山病で体調もいまいちで、少々胃がもたれてきた。旅も後半に差し掛かってきた今夜、やはりここは日本食で活力を取り戻したい(?)。すでに何人かの日本人グループがいて盛り上がっていた。また現地のボリビア人のみのグループも数組来店していたのでボリビア人にも人気があるようだ。
私はカツ丼をオーダー(56ボリビアーノ)。
待つこと7、8分。蓋を開けて感動。カツ丼である。地球の裏側でカツ丼が食べられるなんて。味はいたってオーソドックスなカツ丼、つまり超美味しい。
ケンちゃんの味が日本の定食屋さんと比べてどうかというと、「その他大勢」に埋没する程度のクオリティなのだが、それでも日本の味をここラパスで再現するというのは並ならぬ労力があったことは想像に難く無い。そもそもラパスは標高が高いためコメの炊き方一つとっても違うわけだし、日本の味を再現するといっても現地のボリビア人シェフに日本の味を伝えることも至難の技だったことだろう。ケンちゃんありがとう。おかげで明日からも元気に過ごせそうです。
ケンちゃんからホステルナイラへは腹ごなしに15分ほど夜のラパスの街を歩いて戻る。歩くだけなのに標高が高いせいかどっと疲れた。
○6日目
朝7時にガイドのグイドさんと合流し、この日の目的地であるラパスから約2時間、チチカカ湖を目指す。
●チチカカ湖・浮島観光
標高3890mの高地に広がる、汽船の運行する湖としては世界最大のチチカカ湖。
チチカカ湖といえばどことなく私はペルーのイメージがあるのだが皆さんはどうでしょうか?実は私ペルーには行ったことはあるのですがチチカカ湖にはいったことがないくちでして、今回初チチカカです。今回ボリビア側から訪れてみてその良さがわかったのでお知らせします。
・ボリビアから訪れる3つのメリット
① ボリビア側の方が考古学的・歴史的に価値の高い島が多い。
② ラパスから日帰りで行ける
③ ペルー側から行くより観光客が少ない。
まず①ですがチチカカ湖で最も重要な島はすべてボリビア側にある。なかでも最も大きな島である太陽の島は、あのインカ帝国の歴史が始まったとされ、となりの月の島とあわせて聖地として崇拝の対象となっている。またチチカカ湖に突き出した半島の街・コパカバーナにはスペイン統治時代にここを聖地にすべく立派なカテドラルが建てられ、隣国ペルーからの参拝者も絶えないのだそう。
②、これが最も大きなメリットと言っても差し支えない。ラパスからは車で約2時間。これがペルーだとこうもいかない。ペルーからチチカカ湖に行くにはまず首都のリマからクスコに行かなければならない。しかもそこからチチカカ湖への出発地となる街・プーノへは飛行機はないためバスで約10時間もかかる。つまりチチカカ湖に行くためだけに最低2泊は犠牲にしなければならないのだ。
しかしラパスからの場合、クルーズのみは半日、浮島訪問したとしても朝出発して午後過ぎにはラパスに戻れる。なんとうれしい。
そして③。前述したようになぜかペルー側から入る観光客が多いイメージのあるチチカカ湖。実際、ペルー側から行く人気の半日クルーズで訪れるウロス島は1日1000人近い人々が来島するらしい(ボリビアのガイド曰く)。当然ながらその分、浮島の面積も大きいが観光地化されている感じは否めない。ボリビア側で今回私が訪れたKEWAYA島の浮島は一家族分の居住空間くらいしかない、直径50mのこじんまりした浮島だ。もちろん土産の押し売りなんかもない。実際この日の観光客は私一人だったし。そういった意味ではボリビア側の方がローカルな生活に近いものが見ることができる。
今回、私が参加したのは太陽の島やコパカバーナにも立ち寄らない7時間のコース。チチカカ湖の湖畔のボート屋「KON TIKI」に到着。このボート屋、ただのボート屋ではないらしく博物館を持っているので中に入ってみると、なんと葦船でモロッコから西インド諸島まで横断した人類学者ヘイエダールの船を作った方のお家らしい。
そんなKON TIKIからモーターボートに揺られ30分(葦船がいいと言ったがスピードが出ないという理由で断られた)、ついたのはKEWAYA島。
船着場から歩くと小規模なマーケットが。ここの村には約800人の人々が住んでいるらしい。小学校もある。歩いていると鳥の鳴き声なんかが聞こえ、山間に見えるチチカカ湖の風情も相まって、歩いているだけで気持ちがいい。まるで瀬戸内海の島の風光明媚な村を散歩しているようだ。これが実は標高3800mの湖というのだからなんだか面白い。
村を抜けて、浮島へは手漕ぎボートへ。
一家族分の面積しかないだろうこじんまりした浮島には古代から続く生活の一部が垣間見られる。この家族のあるじの寝室(もちろん葦でできた家)を見せてもらうと、葦を引いた立派なソファにフカフカのベッドまである。こんなところで1泊したら面白いだろうなぁ。
浮島訪問を経て、ボートで船付き場へ戻り、ランチ。
ボート屋さんから車で3分くらいのローカルレストランへ。
どうやらこのレストランではチチカカ湖でとれるトラウト(鱒)を出してくれるらしく期待が高まる。
トラウトの焼き方にも色々な調理方があるようで、私はあまりヘビーでない、グリルのトラウトにした(こちらでは油で揚げ焼きする調理方が一般的らしいのでグリルと指定しないと日本人には油っぽいかもしれない)。もちろん大変おいしい。醤油があればなおよし。
ランチタイムのあとはラパスに戻り、ホテルにチェックイン。
この日のホテルはエルドラード(El Dorado)。
●エルドラード
ラパス中心部、学生広場にあるスタンダードホテル。近くには日本のガイドブックにも紹介されている日本料理屋のケンちゃんやアレキサンダーカフェなどもあり食事に困ることはない。ホテルは年季の入った建物なので最初はとまどったが室内は比較的清潔感がある。ホステルナイラとは違い高層のホテルなので宿泊する部屋によっては夜景が楽しめるのもグッド。室内にはバスタブ、テレビあり。WIFIは室内でも無料で利用可能。スリッパやセーフティーボックス、ミニバーはない。(ドライヤーはフロントで貸し出し)
●ラパスでお土産物色
ラパス最終日とあってこの日にお土産を買いにスーパーへ行った。ちょっとした小物などであればサガルナガ通り周辺が豊富だが、モノよりも食べられるものの方が受け取る方も困らないのではと思い、いつも食べ物を買って帰ることが多い。ラパスのスーパーではウユニの塩やキヌアを使ったチョコレートを購入した。
●フォルクローレディナーショー
エルドラードで休憩した後はボリビア最後の食事を楽しむために夜7時にグイドさんと合流してフォルクローレディナーショーに出発。
サガルナガ通りのレストランに到着。ディナーショーは8時だからまだ我々しかいない。グイドさんが明日のアメリカン航空搭乗のためのホテル出発時間がAM3時だからということで気をきかせてくれたのだ。
レストランではまずメインディッシュと飲み物を決める。私はビーフステーキのトマトオニオンソースにした。メインディッシュを決めればあらかじめ用意されているサラダバーを自由に食べられる。
8時に近づくにつれ徐々にレストランも混雑してきた。メインディッシュが出てくるまで20分くらいかかっていたので早めに到着して正解かもしれない。
8時になりショーがスタート。まずはたて笛の演奏。目を閉じるとアンデスの山々の情景が目に浮かぶようだ。そして次に4人組のバンドが登場。もちろん全て伝統楽器だ。4人組になるとやはり音に厚みがある。数曲演奏した後ステージに踊り子達が現れ、民族舞踊を披露してくれる。これもなかなか面白かった。
私は明日の出発時間の関係もあり鑑賞は21:00で切り上げたがショーはあと1時間続くらしいので、時間的に余裕があれば是非見た方がいいだろう。なお演奏後は各ミュージシャンが自分のCDを手売りしてくれるので気に入ったらその場で購入できるのもうれしい。
○7日目
AM3時にホテルロビーに集合。
空港へは30分ほど。アメリカン航空の場合はまずキオスクで各自チェックインを行う。印刷されたボーディングパスを持ってアメリカン航空のカウンターへ。
なお荷物を預ける前にアメリカン航空に提出する書類を2枚記入しておかないといけないのでペンを忘れずに。その後無事荷物のチェックインを終えてグイドさんとお別れ。色々あったがボリビアの滞在もこれで最後と思うと名残惜しい。
空港でいくつか土産物の買い足し(ウユニの塩を使ったチョコレートが空港でもいくつか売っている。しかもスーパーと値段がそこまで変わらなかった)して、出国・手荷物検査へ。
アメリカン航空ラパス発のマイアミ行きは2016年現在まず、サンタクルスに到着する。
往路のマイアミ発ラパス行きは直航便だが、復路はサンタクルス経由マイアミ行きとなる。つまりマイアミ・ラパス・サンタクルスを三角形で結んだ飛び方をしているので要注意。
サンタクルスはラパス行きの乗客も含め全員降機させられ、空港内にて1時間ほど待機。搭乗前に簡単な荷物検査を受けて再度飛行機に乗り込む。
そこからマイアミまでおよそ7時間のフライト。機内食は朝食と軽食の2回でるが味はイマイチ。
マイアミ到着後、例のごとく入国審査と荷物のピックアップ。
マイアミ空港ではキオスクで各自チェックインした後のレシートを持って全員、入国管理官のチェックが入る。ダラス空港ではおよそ半数近くしか管理官のチェックはなかったがマイアミ空港では乗客全員チェックされる。また税関申告書も往路のダラス空港ではキオスクでの手続き時に質問項目をすべて答えさせられるのでマイアミ空港でも記入不要かと思ったが、入国管理官に書いてくださいと言われた。でも結果なぜか書かずに通してくれた。このことが意味するのは「本来は書かなくともいいけど、建前としては書いてください」ということなのだろうか。ということであれば何のためのキオスクなのだろう。ダラス空港の乗継よりもマイアミ空港の乗継の方が一層厳しく感じた。私の入国管理官も色々細かく質問をしてきたので、きっと切り直し前のパスポートなんて持って行ったら中近東のスタンプばかりで確実に別室行きだろう(偶然にもこの日ベルギーにてISによるテロがあった)。
その後荷物をピックアップ(ラパス発のレーンで荷物を探していたがなかったので、もしやと思いサンタクルス発のバゲージクレームを確認したら出てきた)。
荷物を再度預けて、身体・手荷物検査を経て搭乗口へ。やっと自由の身である。
乗継時間が約4時間あるのでその間にマイアミ空港内のレストランで食べ直した。
マイアミからボストンへのフライトは3時間ちょっと。飲み物のサービスが1回だけでた。距離感があまりつかめなかったのだけど同じアメリカでも南のマイアミから北のボストンまでは飛行機でも時間がかかるものなのだなぁ。調べてみたらこの時間は札幌/那覇間のフライトと同程度の移動時間である。アメリカは広いなぁと今更ながら感じた。
●ボストン到着
ボストン空港到着。ボストンの空港はいつもの「アメリカの空港」という味気ない造り。「機能性だけに意味がある」とでも言いたげな空港が多い。空港に個性をもたせてはいけない決まりでもあるのかな。
ボストン空港から市内へは4つの行き方がある。
① タクシー
② レンタカー
③ 乗り合いシャトルバス
④ 空港バス+地下鉄
ます①は値段が高いので今回は×、②はたった2泊の滞在なので論外、残るは③か④だが、乗り合いシャトルバスはすでに0時をまわっており待合室にだれもいなかったので諦め、消去方で④にした。
まずバゲージクレームのフロアの出口から空港シャトルバスのバス停を見つけ、それに乗る。空港の最寄りの地下鉄はブルーラインかシルバーラインの2路線あり今回宿泊するホテルへはブルーラインに乗るのが便利そうなので、ブルーラインの空港駅へ接続するシャトルバスに乗った。なお空港のシャトルバスは無料である。
ブルーラインの空港駅で地下鉄のチケットを購入。まごついていると駅員がやってきて代わりに操作してくれた。片道2.65$。
実はこの時、すでに終電の時間が近づいており出発しそうな列車に飛び乗ったところ逆方向だった。すぐに気付いて次の駅でおりて、本来の方向に乗り換えた。
幸いにも終電の列車に間に合ったらしく事無きをえた。しかしボストン中心部を走る平日の地下鉄は終電だというのに人はまばら。サラリーマンは一人もいない。酔っ払いすら乗っていない。日本の地下鉄だと終電はラッシュ時と同じくらい混む時もあるのに。本来の生活ってこういうもんだよなぁ、日本は長寿の国だけど遅くまで仕事したり、早く上がる日は飲み会があったりで、不健康な国だよなぁとぼんやり考えた。
ブルーラインからグリーンラインへの乗り換え(要領は日本の地下鉄と同じ)、ホテル最寄りの地下鉄で下車し、ホテル・ミッドタウン(MIDTOWN)へ。
●ミッドダウン
ボストン中心部バックベイエリア、賑やかなニューベリー通りは徒歩圏内のスタンダードホテル。最寄りの地下鉄駅SYMPHONYから徒歩2分ほど。なお地下鉄駅名はその名の通りシンフォニーホールが目の前にある。このホールは、かのボストン交響楽団が本拠地にしている由緒あるもので、そのシンフォニーホールと向かい合うように建てられているのがこのホテルである。低層の中規模ホテルで、年代を感じられる造りではあるが手入れが行き届いているらしく嫌な感じはしない。部屋は広め。室内にはドライヤー、テレビ、アイロン、バスタブ、セーフティーボックスあり。無料のWIFIもありスピードもなかなか快適。スリッパやミニバーはない。夜のフロントのスタッフは黒人のいかついお兄さん達なので最初は正直びびったが、ホテルの質やロケーション・値段を考慮すると個人的には大満足。朝食はないが9時前に外にでたらホテルの前にフードトラックがあった。
すでに1時をまわっており、明日も早いので早めの就寝。
(結局、飛行機の中で細切れに睡眠をとってしまったのでこの日は寝付けなかった。)
○8日目
この日は日本語ボストン観光。
出発は9時だがその前に妻に買い物を頼まれていたので、トレーダージョーズというスーパーマーケットに行く。
ボストン中心部には規模は小さめだがホールフーズ等日本人にも知られているスーパーマーケットがいくつかある。また宿泊したホテルから徒歩圏内のコープリーには24時間営業のスターというスーパーマーケットもあった。
今回の目的のトレーダージョーズはその大半がプライベートブランドでなおかつ安く、日本人の我々から見ると面白い商品が多い。
一旦、お土産をホテルに置きに戻り、ホテル外のフードトラックにて朝食を食べながらツアーの出発場所であるマリオットホテルを目指す。
●日本語ボストン半日観光+ボストン美術館入場
ボストン在住のガイド、鈴木さんと合流し、まず向かったのはハーバード大学。
ボストンからハーバード橋を渡りチャールズ川を見ながらケンブリッジへ。チャールズ川ではレガッタに勤しむ学生達がいた。ボストンらしい光景だ。冬になるとこのチャールズ川は凍ることもあるらしい。
いわゆる旅行者の考える「ボストン」とはこのチャールズ川沿いのボストン市とケンブリッジ市のことを指す。この2つの市に住む人々の生活圏はほぼ同じである。
マサチューセッツ工科大学を車窓から眺めて、ハーバードスクエアへ。
ハーバード大学は1636年創設のアメリカ最古であり最高峰の大学。アメリカのみならず世界最高クラスの教育水準を誇る。
ハーバード大学の構内へは簡単に入れる。小ぶりな門があり、門には守衛らしい人はいない。このエリア自体がハーバードの不動産らしく(周囲をすべて買い取っている)、いつの間にか大学の構内に入っていたような感じだ。
守衛はいないようだが構内には警官や警察車両を目にした。アメリカの大学には州の警察とは別に学内の警察組織があるらしい。私は、「構内でそんな事件なんて起こるものなんですか?」「起こりますよ。特に盗難ですね。あとはレイプ、殺人」。さすが世界に名のある大学は資産家のご令嬢・ご子息も在籍するため狙われる事も多いのだろうか。
大学の最初の支援者であり名前の由来となったジョン・ハーバードの像の前で記念写真。足を観光客の皆さんは触るので足がつるつるに。足を触れば頭が良くなると言われているそうだ。「どちらかというと足でなくて頭を触った方がいいですよね?」「そうですね、でも届かないんじゃないですか?」「たしかに」。というわけで背が高い人は頭を触ったらいいと思う。
ジョン・ハーバードが見つめる先、正門を抜けてハーバードの街へ。ハーバードの街には中華料理や日本のラーメン屋さん、メキシコ料理など各国からやってくる学生向けに様々なレストランがある。もちろんスターバックスをはじめとしたカフェも充実。ハーバード生御用達であろうシャツ屋・靴屋・文具屋・製本屋など学生街らしい店並びも面白い。その中でも観光客が最も楽しめるのはやはり大学の生協だろう。
ハーバード大学のロゴが入ったあらゆるものが売られている。Tシャツはもちろん。パーカー・スエット・スタジアムジャンパー・キャップ・ナップサック・トートバッグ・体操着・文具・マグ・タンブラー、さらにはチョコレートまで。商品の種類は勿論、そのバリエーションも豊か。例えば帽子一つとっても、大学の代表カラーであるえんじ色だけでなくカラーバリエーションがいくつもあり、ロゴもHARVARDと書かれているものもあればHだけが書かれているものも。
私が感心したのが様々なスポーツブランドとのコラボグッズである。見ただけでもナイキ、チャンピオン、アンダーアーマーなど。一般的には普段使いはしないであろうこういった大学グッズであるがスポーツブランドとのダブルネームの商品であれば実用的であろう。私はスポーツタイプの靴下をかった。苗字のHASHIMOTOの「H」のロゴのはいったキャップやTシャツを買っても良かったのだが、イニシャルHの人がHの帽子を被るのはいかにも過ぎてこっぱずかしい。それに何と言ってもHは変態のHだ。またなぜか生協でMIT(マサチューセッツ工科大学)のロゴの商品も見かけたので鈴木さんに質問したら「よく聞かれるんじゃないでしょうか?MITの商品はないですかって」ハーバードの生協はマサチューセッツ工科大学の生協と母体は同じらしいので、別の大学の商品も売っているということである。さすがは商売上手。
そしてケンブリッジからボストンに戻り。ボストン中心部の史跡を車窓見学。
アメリカ発の植物園・パブリックガーデン、アメリカ最古の公園・ボストンコモン、マサチューセッツ州会議事堂、ビーコンヒルの住宅街、ボストン茶会事件のあったウォーターフロントなどの説明に耳を傾けながらクインシーマーケットに到着。
クインシーマーケットはボストンで最も観光客で溢れる場所かもしれない。まるで古代ギリシャ建築のような荘厳な印象とは一転、内部はボストン名物のシーフード料理からイタリアン、中華料理にインド料理、日本料理など多種多様なフードコートが軒を連ねている。このクインシーマーケットの周りには日本でもお馴染みのアパレルブランドなどの店舗が多数。すぐ正面には街の集会場でありあのサミュエル・アダムスが演説を行ったとされるファニュエルホールがある。
お昼時には少し早いが次のボストン美術館に備えここで昼食。ガイドの鈴木さんがオススメなのロブスターロールとクラムチャウダーのセット。サンドイッチにはボストン名物ロブスターの大ぶりの身が入っており、クラムチャウダーはもちろんニューイングランド風。あさりもたっぷりでホクホクして美味しい。
昼食の後はクインシーマーケット周辺を散策。
その後、ボストンの繁華街コープリースクエアのトリニティ教会を車窓から見学し、ボストン美術館へ。
アメリカ三大美術館に数えられるほど、世界トップクラスの至宝が眠るボストン美術館。このコレクションは多岐にわたりアジア美術・エジプト美術・ギリシャ美術・ヨーロッパ美術・アメリカ美術さらに現代美術にわたる。展示されるものは絵画のみならず写真や装飾など多様。特に印象派のコレクションは素晴らしくモネ、ゴッホ、ルノワールなどがある。また海外で見られる日本美術についても最大級の作品数を所有しており、北斎などの浮世絵を始め狩野永徳の屏風絵、奈良時代の曼荼羅など国宝級の作品も多い。日本風の展示室も含めて大変興味深い内容となっている。
ツアー中にボストン美術館の入場が含まれている場合は一般の入場口とは異なる。そのため繁忙期には入場券を買うために並ぶ必要がなくなるのが嬉しい。
ボストン美術館にてお世話になった鈴木さんとはここでお別れ。短時間でボストン中心部の見どころを周遊できた。
なお美術館内には大きな荷物は持っていけないため手荷物は少なめにしよう。
じっくり見る時間がない人はボストン美術館の日本ご案内書を手に取ろう。特に有名な作品の所在地が一目でわかるように星印がつけられている。それだけ見るのであれば、最低1時間半あれば鑑賞できる。
ボストン美術館を後にして、私は徒歩でホテルまで戻った。美術館のそばにはグリーンラインの地下鉄駅やタクシーが待機しているので、徒歩でなくとも歩いて帰るには問題ないだろう。
ホテルに不要な荷物を置いて、午後からは一人でボストンの街を散策。
●ビーコンヒルエリア
午前中車窓見学した中で特にフォトジェニックなビーコンヒルまでホテルから歩いて向かった。ボストン賑やかな目抜き通りであり、歴史あるボストンマラソンのゴール地点であるボイルストン通り、コープリースクエアを抜け、ボストン子の憩いの場・穏やかなパブリックガーデンとボストンコモンを経てビーコンヒルへ。
ビーコンヒルの住宅街は1800年代に建てられた茶色い煉瓦造りの建物が並ぶボストンらしい歴史を感じる街並み。このエリアは景観保存地区に指定されており、家主といえども勝手に家のデザインを変更することはできない。修理するのも市の許可を得なければならないという。鈴木さん曰く「世界遺産には歴史はまだまだ浅いけれども時を経ればいずれそうなる場所」との言葉は納得させられる。
ビーコンヒルエリアで面白い通りを2つ紹介したい。
1つはエーコン通り。
絵葉書にも使われるという石畳の細い通り。車のない時代作られたことがわかるような狭さに当時の面影を最もよく感じさせられる。
2つ目はチャールズ通り。
ビーコンヒルエリアの歴史あるショッピングストリート。この通りで面白いのは店が掲げる看板。酒を出す店であればビールピッチャー、レストランであれば銀盃に盛られた果物、金物屋であればヤカン、薬局であれば調合に使われる擂り粉木と鉢がオブジェとして軒先に飾られている。鈴木さんの説明によるとかつて黒人奴隷が多く住んでいたビーコンヒルで文字のわからない彼らにも分かるようにするための配慮とのこと。さらに面白いことにこのエリアには1800年ごろに無かったであろうお店は開いてはならない。例えば洋服屋・酒屋・レストラン・郵便局はOKだが携帯関連やコンピュータショップはない。そこまで徹底している。
私はこの歴史あるチャールズ通りでビールのピッチャーの看板のパブへ。
ボストンに来たら飲みたいビールがある。それはアメリカで最もポピュラーなクラフトビールとされるサミュエル・アダムスだ。ボストンはそのサミュエル・アダムスの発祥の地でありそのビール工場見学はボストン観光の目玉となっている。そのサミュエル・アダムスのドラフト(生)ビールはボストンのパブであれば大抵飲める。どうせ飲むならボストンらしい場所で飲みたい!ということでこのチャールズ通りの老舗で飲ませてもらうことにした。歴史ある店だから観光客であることをいいことに写真をバシャバシャ撮っていたら昼間から飲んでいるおじさんに絡まれた。「ここあたりはチアーズという番組の撮影場所にもなったんだ」「ボストン図書館に行ったか?」「フェンウエイパークも最高だぞ」など教えてもらう。
樽だしのサミュエル・アダムスの味ももちろん最高。ボストンありがとう。
その後チャールズ川沿いを歩く。
ボストンはさすがマラソンの街らしく、ランナーの姿を多く見受ける。3月のボストンはまだ空気がひんやり冷たくしんとしている季節でマラソンにはもってこいの時期だ。皆4月のボストンマラソンに向けて入念なトレーニングをしていることだろう。
夕食は鈴木さんのお勧め、イタリアン料理を出すバー、ウノへ。
ウノはその名の通りイタリアンを出すレストラン。バーカウンターとテーブルで食べるエリアに分かれている。私はテーブルに座りピザとハープーン(これもボストン発のクラフトビール) をオーダー。
なお店でアルコールを注文する場合はIDをチェックされるのでパブに出かける際は必ずパスポートを持参するように。
満足してホテルに戻り、明日の出発に備えホテルで眠りにつく。
○9日目
朝5時半にホテルをでて空港へ向かう。
ボストン到着時同様、地下鉄と空港シャトルバスを使った。
空港に到着したのは6:30。朝早いにもかかわらずすでにボストン空港は沢山の乗客で賑わいを見せていた。
オンラインチェックインをあらかじめ終えていたのだが、キオスクでバゲージのタグを自分で出す必要があるらしくもう一度チェックイン手続きをした。
身体検査・荷物検査を終えて搭乗エリアへ。ボストン最後の食事はボストン発祥のダンキンドーナツで。
そうして私はシカゴ乗り継ぎで無事成田への帰途へついた。
ウユニ塩湖:★★★★★L
ラパス:★★★★★
ボストン:★★★★★
(2016年3月 橋本康弘)
- 真っ白な塩の大地がどこまでも続くウユニ塩湖
-
エリア:
- 中南米>ボリビア>ラパス
- 中南米>ボリビア>ウユニ
- テーマ:観光地 世界遺産 自然・植物
- 投稿日:2016/01/04 15:05
ウユニ塩湖は果てしなく白い
成田から24時間かけてボリビアの実質上の首都ラパスに到着。明日のウユニ湖行きにそなえてゆっくりしたいところだが、お仕事、お仕事。さっそく市内観光を開始する。ラパスの標高は3650mと富士山とほぼ同じ高さ。すり鉢型の盆地の中に110万人が暮らしている。ここの町の特徴は、町の真ん中に行くほど富裕層が住んでいることだ。狭い土地が外側に向かってどんどん広がり、見渡す限りの家、家の状態だ。6600mのイリマニ山をバックに雲がたたずむラパスの町は本当に絵になる。
イリマニ山バックに雲がたたずむラパスの町
まずは町の中心「ムリリョ広場」に行く。革命家のムリリョ将軍を記念して造られたこの広場は、0㎞ポイントと呼ばれ、今日のボリビア設立の象徴となっている。広場の前に建っているガバメントパレスの時計が変わっている。反対周りなのである。これは独立後2度と昔の時代に逆戻りしないようにとの意味をこめてだそうである。ラパスとは平和を意味し、国民の平和を願う気持ちが込められている。広場の脇には国花の「カントゥータ」がきれいに咲いていた。
ムリリョ広場
反対回りの時計
国花カントゥータ
町の中心・サンフランシスコ寺院
途中お腹がすいたので、名物「サルティーノ」を試食してみる。ミート、チキン、野菜と3種類あったが、ミートが一番口に合った。結局これが今回の旅行の中で一番美味しかった。高いビルが建ち並ぶすぐ裏は下町の風情でごみごみしており親しみ易さがある。魔女横丁(ウイッテイ・マーケット)には、その名のとおり魔女が飾られているが、民芸品・編み物・銀製品が溢れている。町全体を眺めたい時は、キリキリ(KILIKILI)の丘の上に行けば、360度四方を見渡すことができるのでお薦めだ。
名物サルティーノ
魔女横丁で恥ずかしがっている女性
キリキリの丘からのラパス
午後は町から40〜50分離れた「月の谷」を訪れる。宇宙飛行士アームストロング船長が、隣接するゴルフ場でプレイしたとき、自身が降り立った月によく似ていることから「月の谷」と名付けられたそうだ。なるほど月はこんな感じであったかと思わせる。
月の谷
泊まりは日本人オーナーの南雲さんが経営する「一番ホテル」に宿泊。気楽に相談に乗ってくれ、的確なアドバイスをしてくれるので安心だ。お世話になった方も多いに違いない。
一番ホテル
翌日は04:30にホテルを出発し、06:45発のアマソネス航空にて50分のフライトでウユニに向かう。CRJ-200型(カナディア・リージョナル・ジェット)、50人乗りの飛行機だ。到着までの窓からの幻想的な景色はさらにウユニ塩湖への期待をふくらませる。ただ、12月〜2月が雨期で、今年もすでに雨期が終わっており、話題の鏡のような湖が見れるかどうか不安を抱えたままの訪問である。早朝なので朝食でもと誘われカフェに入ると、何とビッグサプライズが待っていた。バースデイケーキが用意され、3月31日の私の誕生日を祝ってくれたのである。思ってもいなかっただけに、嬉しくて顔はくずれぱなしになった。現地の方の心遣いに感謝。
CRJ-200
誕生日のケーキ
それではウユニ湖の観光だが、定番だと「列車の墓場」から始まるが、私の希望でウユニ市内を先に見てまわった。ウユニ駅は今も鉱石輸送の重要な駅であり、この駅を中心に町は出来上がった。ホテルも50軒近くあり、世界中から沢山の観光客がウユニ人気を反映して訪れており、朝10時にはウユニ塩湖観光ツアーの車が延々と出発していく。ホテルの質も比較的高く、スタンダードクラスでも安心して泊まれる。
ウユニ駅
ホテル・タンボ・アイマラ
ホテル・ラ・ヒラソレス
ホテル・ヤルデナス・デ・ウユニ
最初の観光は「列車の墓場」。電化に伴い蒸気機関車が使用されなくなりそのまま放置されたものだ。まさに墓場の如く沢山の機関車が捨て置いてあるが、周りの殺伐とした風景に何故かマッチする。今日のウユニ湖人気を機関車たちは予想できただろうか。
列車の墓場
次に「コルチャニ村」を訪れる。地元の人が観光客向けにお土産を陳列し販売しているのだが、中でもみんなの関心はウユニ塩湖の塩に集中する。袋詰めを実演を見ていると購入意欲がそそられる。重いけど10袋お土産に買ってしまった。
コルチャニ村
塩の袋詰実演
いよいよウユニ塩湖に足を踏み入れて行く訳だが、その前にウユニの意味を確認しておきたい。ウユとはリャマ等の動物が寝る場所を意味する。ウユニのニはホテル、宿泊場所を表わすので、ウユニとは動物のホテルとなる。昔、鉱石の輸送の為、リャマの背中に積んで輸送した。リャマは決して強い動物ではなく、荷重も20〜25㎏位しか積めない。しかしこつこつ歩くことができる。リャマの休憩のため、20〜25㎞おきに宿泊所が必要になったわけだ。いわばリャマのキャラバン隊の宿舎ということである。ウユニ湖は約100㎞X120㎞、面積12,000 ㎢という巨大な塩湖である。数百万年前、海底が隆起し水の逃げ場が無いので濃密な塩の湖が出来上がった。よく言われる鏡の様な湖とは、雨期の12月〜2月頃に現れる。湖面の高低差がほとんど無く、フラット(平ら)なので、水が平均的に湖を覆う。深さは5㎝程。雨は周りの山に降り、湖にそそぐ。湖の上に雨が降るのは夜中なので、雨期に行っても昼間の観光には問題ない。ただ、湖に水が充分溜まっているときは観光の規制が警察によって行われる。1日あたり片道9㎞、往復20㎞、所要時間4時間が制限として課せられる。環境保護のため4年前から施行されている。4時間あれば観光には充分な時間ではあるが、行き先は制限され、例えばインカ・ワシ島には行けない。雨期とは言っても自然現象なので鏡のような湖が現れるとは限らないし、乾期でも水が残って鏡のような湖が見えて観光が制限されることもあり得る。すべては自然、雨しだいである。
では、今日はどうだったのかと云うと、雨期は終わっているが一部分水が残っている状態だった。先ずは湖に入ってすぐ、塩精製の為の削堀ポイントが目に入る。三角形の山に塩がもられ、乾くのを待っている。やがて乾いた後は製塩され私たちの食卓に届く。さらに進むと、湖の中の唯一の塩のホテル「プラヤ・ブランカ」に到着。ダカールラリー開催を記念したタワーがホテルの入場門の如く建てられている。この塩のホテルは今は宿泊はできない。環境保全のため、昼食や休憩のみの使用となっている。ホテルの前には世界中の国旗が旗めいている。実際世界中から若者が集い、そこらじゅうでランチボックスを開けている。周りは一面の白銀の世界なので、いたる所でトリック写真を撮っている。湖の中、また距離的にも格別のくつろぎの場所となっている。
ダカールラリー記念碑
プラヤ・ブランカ
プラヤ・ブランカの中でランチをとる家族
プラヤ・ブランカの回りでランチタイムの若者達
プラヤ・ブランカを出発するとしばらくして周りに誰もいない所に車を停め、マットと恐竜(ティラウス)のミニチュアをガイドが取り出してきた。ガイドのファンキーはマットに横たわり、恐竜をセットし、私にポーズを要求する。いい歳して恥ずかしさもあったが、やはり自分のトリック写真を撮れるのは正直嬉しかった。なかなかの写真ではなかろうかと自己満足。
恐竜とトリック写真
次は湖の中央に位置する「インカ・ワシ島」観光だ。インカは文字とおりインカ帝国のインカだが、ワシは鳥のワシではない。家という意味で、インカ・ワシはインカの家ということになる。以前海底であった証拠に、サンゴの化石でおおわれている。老体に鞭打ち頂上まで登ってみると、全方位を見渡すことが出来、白い大地がどこまでも際限なく続く大スペクタクルシーンが目に入ってくる。サボテンも景色を活かす調味料の役目になっている。高山病の心配を抱えながら登ろうか迷ったが、登頂して本当によかったと実感した。
インカ・ワシ島
インカ・ワシ島からの塩湖
さあいよいよ鏡のような湖を探して車は再出発。かなり走ってようやく水溜りを見つけるが、生憎の風でさざなみがでて映らない。少しの風でも波立ち、映してくれない。そのまま夕日ツアーに突入し、サンセットが進んで行くのを眺めていると風が止んできたのだ。逆さ富士ならぬ、逆さ山脈が見えだした。それも夕日の反対側はピンク色に染まり、逆さピンク山となった。我慢はするものです。あきらめずに待てば良いことは起きるのです。徐々に陽が落ち、真っ赤に空が染まっていくのを大満喫した次第です。
だんだん風もおさまってきた塩湖
ピンク色に染まった塩湖
夕日を捕まえた
夜は星空ツアー。この日はほぼ満月なので、眼には天の川、サザンクロス等がはっきり見えるのだが、カメラのシャッターは残念ながらおりなかった。星には責任が無いのでどこにも文句の云いようがないが、それでも合格点の星空ツアーだった。
翌日は05:00にホテルを出て、日の出ツアーに参加した。日の出は06:30。それまで
徐々に空が変化していくのはドキドキする。幸運にもこの日は風が無く、逆さ写真を沢山撮ることが出来た。夜明け前に、遠くのウユニ市内の明かりが空に映えて人工的な美しさも堪能できた。空の雲も湖に映し出されて、山と雲が合体した神秘的な逆さ絵になった。早起きし、冷い水の上を長靴をはいて我慢したご褒美だろう。
日の出のウユニ湖
午後はウユニ湖ならではの塩のホテルの視察をした。最初の「ルナ・サラダ」はとても可愛らしいホテルだ。ロビーは狭いが、それを補うべく何ヶ所もリビングスペースが設けられている。塩のホテルでも決して柔らかいものではなく、レンガのように固い塩を切り出し、建築資材として利用している。コンクリートほどではないが相当な固さである。
ルナ・サラダ
2軒目の「パラシオ・デル・ソル」はロビーが広く開放的だ。廊下も広く、両脇に部屋があり使いやすい。部屋の天井が特徴的で鷹の羽を広げたように見える。2階には展望室があり、湖や周りの景色を見ることが出来る。
3軒目の「クリスタル・サマーニャ」は、エコロジーホテルだ。日差し、風向きを考慮にいれ建てられている。部屋は広く、素朴だが使いやすい。レストラン、バーは2階にあり、心地よい空間を醸し出している。廊下にはいくつかの像が塩で作られ、自然と共存することを意図している。3つの塩のホテルとも、それぞれ特徴はあるが、どのホテルに泊まっても満足するに違いない。クラスも、料金も変わらない。ただ、部屋数が少ないので予約が取れるかどうかが問題である。観光的にはウユニ市内のホテルに泊まっても何ら問題はないことは付け加えておきたい。
クリスタル・サマーニャ
ウユニ塩湖がこれほどまでに人気があるのは、なにもTV番組に取り上げられたばかりでなく、実際経験してみた感動が皆に広がったからだと思う。何しろ大自然の営みの中に、ちっぽけな存在である人間がいて、その自然の驚異を体感できるからであろう。いつまでも、どこまでも広がる真っ白な大地は忘れれない。
ラパスはウユニ湖へ行く為の経由地と思われがちだが、近郊に世界的価値のある所がある。一つはティワナク遺跡だ。ラパスから75㎞、車で約2時間。紀元前200年〜紀元後1200年まで続いた文明の貴重な遺跡だ。インカ文明にも影響を与えたと云われ、その文化的価値は高い。今は野原になっているが、階段ピラミッドでは幅において世界一のアカパナ。カラササーヤ宮殿跡は長方形の巨石と角石を組み合わせた壁で囲まれている。ポンセと呼ばれるモノトリート(石像)はその中にある。半地下宮殿は180もの石の像が壁に刻まれており、見物客を凝視している。視覚的にはエジプトのピラミッド、メキシコのティティワカンには及ばないかもしれないが、歴史的、文化的価値においてははるかに凌ぐものがある。
カラササーヤの石像
半地下宮殿
カラササーヤ宮殿跡
最終日はチチカカ湖クルーズに参加した。ラパスからバスで3時間かかってワタハナの埠頭に到着。チチカカ湖は幅64㎞、長さ190㎞、最深部281m、標高3890m、大きさはなんと琵琶湖の12倍だ。高速水中翼船で最初の目的地コパカバーナに1時間半で到着。この日はマリア様のお祭りで、ラパスからも多くの人が歩いてお参りに来ており、カテドラルや町中がごったがえしていた。華麗なカテドラル、きれいな港など、わくわくさせる町だ。
コパカバーナのカテドラル
コパカバーナの港
次の寄港地・太陽の島は初代インカ皇帝マンコ・カッパクとその妹ママ・オクリョが降り立った島とされる。島には段々畑が多くあり、今でもジャガイモ、とうもろこし、キヌア等が栽培されている。ランチは絶好の眺望ポイントで取れるよう設定されている。傘を広げ、ちょっとハイキング気分である。
太陽の島
最後に訪れた「月の島」はかつての遺跡が残っている。今は76人の人達が住んでいる。ここからのアンデスの山々の眺めは最高である。09:00出航後、16:30着まで大きな湖と2つの島を楽しむ内容充実したクルーズだった。
月の島
遠くアンデス山を望む
最後の夜はラパス市内中心地にあるプレジデンテホテルで夜景を楽しみながら夕食をとりボリビアの旅を終えた。ボリビアには他にも世界遺産のポトシやスクレがあり、次回は是非とも周遊したいものだ。最後に一言、百聞は一見にしかずとはウユニ塩湖のことに違いない。
2015年3月29日〜4月6日
本山泰久
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