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- ヨルダン&エジプト遺跡巡り!ペトラ遺跡と中部エジプトを歩き尽くす旅
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エリア:
- 中近東>ヨルダン>ペトラ
- アフリカ>エジプト>カイロ
- アフリカ>エジプト>エジプトその他の都市
- テーマ:世界遺産 グルメ 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2016/03/11 15:10
カタール航空で羽田から12時間でドーハへ。そしてアンマンへ約3時間。今回の目的は2つの憧れの遺跡を訪れること!その1つ目がペトラ遺跡です。
アンマン空港からペトラ遺跡の町ワディ・ムーサまで車で約3時間。ペトラの宿はペトラ遺跡に近いホテルにしたので、徒歩圏内でとても便利です。
ペトラ遺跡はヨルダンで最初の世界遺産で、紀元前1世紀〜紀元後1世紀頃に建設されたナバタイ人の首都で、それ以降の遺跡も含めて巨大な遺跡群となっています。
ペトラにはナバタイ人より以前に、1万年前から集落があったようで、ジェリコ同様、中東で最古の歴史を持っています。その後、エドム人がユダヤとの争いを繰り返し、紀元後6世紀にはナバタイ人がペトラに定住し始めます。遊牧民族のナバタイ人やベドウィンは、インドから地中海に向かうキャラバン隊がこの地を通る際に安全を保証することで生活していました。ナバタイ人はアラビア語を話していたため、彼らの使うナバタイ文字は、その後アラブ圏に広まり、アラビア文字の起源となっています。アラビア文字はペルシャ語やウルドゥー語でも使われているので、現在では世界のあちこちで使われています。
また、ローマ帝国の時代にはその支配を受けたため、現在のペトラ遺跡にはローマらしい劇場や列柱通りも残っています。
入口から少しのところにジン・ブロックスと呼ばれる立方体の石のお墓や、エジプトのオベリスクのような塔を持つお墓が見えてきます。ここの景色だけでも充分見応えがあるのですが、さらにシークの入口が見えてきます。
シークとは1.2kmもある岩山の裂け目で、ここを通らなければ中には行かれないので、難攻不落の要塞と考えられていました。ナバタイ人はこの水の少ない地域で、治水に長けていて、紀元前4世紀末には地下貯水槽に雨水を貯め、広大な砂漠を移動しても不自由しなかったそうです。飲用水路と灌漑用水路に分け、飲料水の濾過や高低差で水圧を調整したりもしていたとか…その技術はローマ帝国に併合されてもローマが改良する余地のない程だと言うから、その時代の最先端だったのでしょう。シークの左右の壁沿いには、そんな高度な技術を持つナバタイ人の水路の跡が見られます。
この水路を辿って進んで行くと、狭くなった岩山の隙間から徐々にあれが見えてきます!
そう、待ちに待ったエル・ハズネ!高さ45mもの巨大な彫刻の壁が目の前に。細かな彫刻が美しく、ペトラ遺跡で最も壮麗と言われています。
映画「インディージョーンズ」の舞台として使われたのが有名ですね。映画ではこの奥に幾つもの罠が仕掛けられていて、聖杯へと辿り着くのですが、実際にはそんな空間はなく、広間とその奥にお墓がありますが、入ることはできません。でも入口だけでも綺麗で見応えがあります。
エル・ハズネからさらに進んだところで、左手の階段を上がって犠牲祭壇へ続くルートがあります。トレッキングコースではありますが、看板の雰囲気からしてそんなに遠くなさそうだったので、とりあえず行ってみることに。進んでみると、滑って落ちたら重傷は免れないと思われる崖沿いの道をひたすら登ります。
予想以上に長い。しんどい。途中でベドウィンがロバに乗らないかとしつこく話しかけてくる。ということで、もう疲れたし、犠牲祭壇の一部が見えたので、ここでやめました。
充分な景色だったし、引き返して次に行きます。
元のルートに戻って先に進むと、右手に王家の墓が5つ並んで造られています。一番右の壷の墓に登ってみたり。ここは景色が良いです。
柱廊通りを進み、カスル・アル・ビントと言われる神殿へ向かいます。この途中の大神殿も広くて、浴場があったり、床が六角形の石でできていたりと、面白いです。テメノス・ゲートで俗世から区別された神聖な神殿、カスル・アル・ビント。結構ボロボロで風情があるけれど、正面しかみることはできません。
そしてここがバシンレストラン。
お昼はここでランチにするか、ホテルでランチボックスを頼んで持ってくるか、だと思います。この先のエド・ディルまでの道のりが長いので、休憩しておくのがおすすめです。他にペトラ遺跡内で休憩できるのは、多くはないけれど所々にあるカフェや、お土産を売っているベドウィンのおばあちゃんがお茶を勧めてくれたりもします。シークから先の道中はほとんど日陰がなくて、特にお昼前後は日差しが痛いです。湿気が無いのであまり汗はかかないですが、帽子は必須です。
バシンレストランからエド・ディルまでは、砂で登りにくいところや、階段状の岩場で、この時が一番暑くてしんどかったです。
普段の運動不足を後悔しながら、休んだり、歩いたり、また休んだり。途中、ベドウィンのお土産屋さんが声をかけてきますが、登るのに必死でそれどころじゃないんです。ふと、風が強いところに出たと思ったら、前方にカフェを発見。カフェ前で人が写真を撮っていたので、そっちを振り返ると、エド・ディルだー!
息を切らして、カフェまでもうひと頑張り。私もエド・ディルの写真を撮って、エド・ディルを眺めながらしばし休憩。造りはエル・ハズネよりずっとシンプルだけど、エド・ディルの方が大きく、陽の光をあびてどーんと構えている感じがします。高台から観ると、さらに絵になります。
さらにカフェの裏にはパノラマスポットがあるらしいのです。疲れたので行くか迷ったけれど、カフェのおじさんに聞いたら歩いて5分だというので行くことに。
ここも滑って落ちたら、もう帰って来られなそうな崖が…でもこの先はトップオブザワールドらしい。
確かにすごい渓谷の景色。この崖の先端ならもっと見晴らしが良さそうだったのですが、強風に煽られて落ちるような気がしました。
帰りは空が曇ってきて暑くもなく、下り坂で気持ちにも余裕があったからか、あっという間にバシンレストランまで戻って来ました。夕方には風も強く肌寒くなり、ウインドブレーカーがあったら良いくらいでした。犬、猫など動物も結構います。
ペトラ遺跡内ではベドウィンのおにいちゃん達がロバや馬車、ラクダに乗らないかと、諦めずに話しかけてきます。日本のやっかいな客引きと同じか、それ以上に諦めが悪いです。でもベドウィンをまじまじと観察するチャンス。パイレーツオブカリビアンの船長みたいな人もいれば、ごく普通の若者も。
帰りは名残惜しく、エル・ハズネの前のカフェでしばらくゆっくりしてから、帰りました。バラ色に見えるかな?
ペトラでのごはんはビジターセンターから歩いて5分くらいの、ここのアラブ料理がおいしかったです。レンズ豆のスープに、ケバブ。
翌日はさらに天気が崩れ、朝から雨。外に出るとかなり寒く、セーターを持ってきて正解でした。
ペトラから死海への道中、寒いところでは気温はなんと0度。雪まで降ってきました。まさかヨルダンで雪を見るとは思ってもみなかったです。
標高の低い死海は気温も高く、17度ありましたが、それでも死海に浮かべる程あたたかくはなく、風も強くて、ビーチに観光客は皆無。とりあえず足まで入って、あとは死海の泥パックをしていました。
死海にぷかぷか浮かべなかったのは残念だけど、その後デッドシースパホテルで食べたランチが美味しかったので、だいぶ満足しました。ペトラのレストランではスイーツは切らしていると言われて、ありつけなかったのですが、死海ではバーミエ、アダイフ、たぶんフティールなど色々な種類を食べられました。
この日は悪天候でペトラ遺跡は入場不可になっていたそうなので、昨日行っておいてよかった。
その後、アンマン近くのジェラシという遺跡へ。雨が降ったり止んだりでしたが、人も多すぎず見応えのある興味深いローマ遺跡。途中で勝手にガイドし始めた少年にいらっとしましたが、遺跡内はちゃんとしたローカルガイドのマフムードさんがしっかり案内してくれました。
ハドリアヌスの凱旋門の向こうには競馬場があり、その先のビジターセンターから遺跡内へ入っていきます。入ってすぐの南側にはゼウス神殿があり、フォルムと呼ばれる卵形の広場から、北門まで約600メートルの列柱通りが続きます。列柱通りから横に入って行くと、大聖堂やアルテミス神殿、幾つもの教会、もう一つの劇場が配置されています。全体はだいぶ広さがあるので、晴れていたらもっともっと歩き回りたかったです。
ヨルダンの次はエジプトへ。ずっと運転してくれたサミーさんともお別れです。ガイドさんと言ってもいいくらい、ヨルダンのことや観光地のことを教えてくれました。
アンマンからカイロまで、ロイヤルヨルダン航空でたった1時間半。日本語対応は流石に無いけれど、各シートにモニター付きで、簡単な機内食もまあまあ、そして機内が綺麗でした。
到着後、左奥の赤い看板のところで入場券のごとくお手軽にビザのシールを買って、ここで両替もできます。その後、右側の列に並んで入国。
エジプトではカイロの空港からほど近いホリデイ・イン・シティスターズに宿泊。館内はお部屋も含めWiFi無料です。カイロ最大のショッピングモール、シティスターズに隣接していて便利。このモールは夜24時まで営業していて、600近くもの店舗が入っているんです。ブランドの洋服や靴はもちろん、家電製品、本、お土産やちょっとしたスーパー、レストラン街やフードコート、ジュエリーや家具まで。平日でも大賑わいのショッピングモールです。
割と質の良いものが揃っていて、値札もついているのでぼったくられる心配もありません。新館と本館があり、広すぎて迷ってしまう程でが、お土産ものが集まっているエリアでお買い物したり、エジプト料理店も入っているので夜ご飯を食べに行ったり、帰りのフライトまでの空き時間にうろうろしたり、カイロっ子と仲良くなったり出来るところ。
そしてレストラン街にチョコレートスイーツのお店を発見。カイロの女子達が大皿に山盛りのパンケーキを囲んでいました。私はチョコレートブラウニーのクレープを。これで700円くらいなので、お腹いっぱい食べたいなら、コシャリなんかはもっと安い値段でたくさん食べられます。エジプト人の甘い物好きは女子に限らないようで、男子やファミリーでも甘ーいスイーツを囲んでいました。
街中のスイーツ屋さんはこんな感じ。店先で調理しているところも。
エジプト料理はトマトベースの鳥、豚、野菜など。モロヘイヤスープが美味しく、個人的に日本に帰ったら作りたいエジプト料理No.1!
エジプトでの今回の目的地は中部のミニヤの遺跡。カイロからミニヤまでは車で片道約4時間とちょっと長旅なので、なんと早朝5:30出発。カイロから離れると、安全のため警察も同行です。
まずベニハッサンへ。ここにはいくつものお墓が残っていて、そのうち4つの地方豪族のお墓に入ることができます。お墓まではこの階段を登らなければなりません。とは言っても、ペトラを歩いた距離に比べれば、大したことありせん。観光客が少ないので、おじさんが一緒に行って鍵を開けてくれます。
残念ながらお墓の中は撮影禁止。内部には地方豪族の生活が描かれています。壁一面に農業や漁業、ベッド作りなどの風景が描かれ、そしてそれらを捧げ物にする図になっています。なかでも特徴的なのが、この時期に流行ったらしいレスリングのレリーフ。かなりの種類がびっしりと描かれています。
現地の方にいただいた画像ですが、こんな感じです。
道の脇を流れる運河の水面に向こう岸が写って、さらにその向こうにはナイル川の恩恵を受けた緑の地が広がる、綺麗な眺めです。
そして、ペトラ遺跡ともう一つの行ってみたかった遺跡、テルエルアマルナへ。ここはアマルナ芸術が栄えたかつての都です。元々はテーベ(ルクソール)に都を置いていましたが、神官の癒着が進んでいた為、新王国時代の第18王朝、アメンホテプ4世は、神官の影響力を弱めようと、都をテーベからテルエルアマルナへ遷しました。テーベではアメン神を最高神とする多神教だったのですが、遷都と共にアテン神の唯一神信仰に変え、王自身の名前もイクナートン(アクエンアテン)に改名ました。アメンホテプ4世の名前に「アメン」と入っていたのが、アクエンアテンでは「アテン」が入っていますこれは世界で最初の宗教改革と言われています。
彼の時代には、芸術の分野でも改革がなされ、それまでの理想的な形式にこだわった芸術様式から、自由な表現や写実的なものが重視されるようになった為、この時代固有の特徴的な顔立ちや描写がされた貴重な芸術でもあります。
(エジプト考古学博物館のイクナートン像)
しかし、アクエンアテンに反対する神官達によって彼は暗殺され、テルエルアマルナの都も壊されてしまったのです。彼の治世はわずか10年あまり。テルエルアマルナはその間だけの都で、破壊されて放棄されてしまいました。切ないですね。アクエンアテンの次の王が日干しレンガ (トゥト・アンク・アメン)です。名前からもアメン神信仰に戻ったのが分かります。
テルエルアマルナでは墓や宮殿跡を見ることができますが、ここもお墓の内部は写真に残せず、破壊された為に残る遺跡も多くはありません。それでも歴史的にとても意味のある場所なので、定期的に観光客がやってくるそうです。
チケット売り場でチケットを買うと、ここのお墓も普段は閉まっているので、おじさんも私達の車でお墓までついてきます。途中で電気の電源を入れて、お墓を開けてくれました。
これも現地の方に頂いた画像ですが、イクナートンの名前は削られても、左上の太陽は神を表すので残されて、神々しい光が描かれています。
日干しレンガの宮殿跡は道のすぐそばにありますが、ひとつひとつのお部屋や柱の跡、木材が残っている部分を見ることができます。
ガイドをしてくれたアビールさんが遺跡や歴史に詳しく、とてもとても楽しい観光でした。
ミニヤからの帰りは渋滞に巻き込まれ、カイロ市内からホテルまで2時間半近くもかかりました。普段は10分の道でも、渋滞すると数時間かかることもあるとか…
また、2度目のサッカラにも行ってきました。ジョセル王の階段ピラミッドのコンプレックスがやっぱりいいですね。階段ピラミッドは修復中です。
この日は霧がかっていて、道中でギザやアブシールのピラミッドは見えませんでしたが、ジョセル王のピラミッドのところから、ダハシュールのピラミッドがかすかに見えました。
最近、カイロのエジプト考古学博物館ではカメラチケットが導入されました。なんと50エジプトポンドで、館内の写真撮影がOKになります。ただしツタンカーメンの部屋と、別料金のミイラ室での撮影は禁止、フラッシュはどこもNGです。広い博物館は全部まわるには1日ではとても足りませんが、写真を撮っても良いというのが新鮮で楽しかったです。
(クフ王の小さな像)
カノポス壷(ミイラを作って、内蔵を入れる壷)は動物や神の顔が付いているものが多いですが、これは全部ツタンカーメンの顔。
あの有名なツタンカーメンの黄金の椅子。王妃アンケセナーメンとサンダルを片方ずつ履いている仲睦まじい場面。
かわいい動物シリーズ。動物のミイラもあります。
ペトラ&ミニヤの遺跡巡りはやっと行かれた場所で、私にとってはとにかく楽しい旅でした。十分満足したのですが、やっぱりまた行きたい、何度行っても良いんだよなぁと実感しました。
オススメ度
ペトラ・・・★★★★★ 何日もかけて見たいペトラ遺跡
死海・・・★★★ この時期はまだ寒かったけど、次回は浮いてみたい!
カイロ・・・★★★★★ 観光もショッピングも盛りだくさん!エネルギッシュな街
ミニヤ・・・★★★★★ 遺跡や歴史好きの人におすすめ。事前の下調べかガイドさんがいると良い。
サッカラ・・・★★★★★ 初期のピラミッドや遺跡がたくさんあって最高
(2016年2月 増田里紗)
- おそらく日本人初!ナイル川1泊2日ファルーカ体験と 美男・美女・美食の国レバノンで家庭料理体験
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エリア:
- 中近東>レバノン>ベイルート
- アフリカ>エジプト>アスワン
- アフリカ>エジプト>ルクソール
- テーマ:クルーズ 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2016/01/05 15:35
最近は落ち着き,観光客も戻りつつあるエジプト。
アラブ料理の中では一番おいしいと言われるレバノン
今回はエジプトでファルーカ体験をする研修ツアーへの参加とレバノンのご家庭で料理を頂くのが主な目的。
エジプトとレバノンに行くと伝えると多くの人が何故?危ない!と心配してくるがそれはイメージの問題であって実際は特に渡航には問題がない。2015年10月時点でエジプトは外務省からも十分注意してくださいのレベルであるため他の国と大して変わりはない。レバノンは1つ上の不要不急の渡航は止めて下さいのレベルであるが現地旅行社の情報等を基に出発は問題ないと判断。日本に伝えられる情報とのギャップがある現実をこの目で確かめるために出発。
最初はエジプト観光
成田からドーハ乗り換えのカタール航空でルクソールへ。到着翌日にルクソールとアスワンの中間に位置するナイル川西岸の町エドフにあるホルス神殿へ。ここはハヤブサの頭部を持つホルス神を祀っており、エジプト内でも最も保存状態がよい神殿。細かく刻まれているレリーフには数多くの神話が描かれている。
アスワンから少し北にある、ナイル川に突き出た丘の頂上に建つコムオンボ神殿はハヤブサの神のホルス神とワニの神であるソベク神を祀る珍しい二重構造の神殿。
とにかく人がいない、ウソだろって言うほどの静寂感、そして2か所とも私とガイドの貸切状態でゆっくり見ることができた。良いのか悪いのか写真に人が写らない。ちなみに次の日にアブシンベル神殿へも行った。ここで中国人のグループといっしょになったが彼らは日帰りなので宿泊ホテルは私とガイドだけという、これまた貸切状態。
ナイル川1泊2日ファルーカの旅
ナイル川クルーズと言えば大きなクルーズ船のツアーが有名で人気だがあえてファルーカ、いわゆる帆掛け舟を1泊体験した。少しだけファルーカに乗るツアーはあるが、宿泊を伴うものはないので今回はツアー作成のための下調べをした。アスワンの中心街にあるボート乗り場を午前発。しばらくトイレに行けないので乗り場近くのマクドナルドで済ませていざ乗船。
自然の風に揺られながらナイル川を遊覧する3食付の快適な旅がスタート。
日本語ガイドと地元ヌビア人の乗組員が優しくエスコートしてくれるので安心。ただしヌビア語は独特でエジプト人ガイドにもちょっと何を言っているのかわからないらしい。彼らとうまく会話ができないのが残念だが、心が通じるというか表情でこっちの気持ちをわかってくれるナイスガイ。
まずは食糧倉庫代わりの舟へ行って3食分の食材と飲み物を調達。
その際にビールの必要本数を伝える。冷えていないので途中のケンタッキーで氷を仕入れてクーラーボックスで冷やす。エジプトといえばステラビール。どこで飲んでもおいしいがファルーカの上でもかなり美味い。
ナイル川を南へ北へ風任せの旅
川幅は700メートル前後といったところか、おぼれても岸まで泳げそうな距離。
舟に揺られながら寝転がってクヌム神殿、アガハーン廟、エレファンティネ島、キッチナー島など、そしてアガサクリスティが滞在していたことで有名なオールドカタラクトホテルを見る
途中水遊びをしている子供たちが寄ってくる
可愛いなと思ってカメラを向けるとお金を要求されるので注意が必要。
そして昼食。新鮮な野菜と卵をガスコンロでスタッフが手際よく調理。
レストランで食べるものとは一味違い、自然の中で食べるとより美味しく感じる。
食後の昼寝。正確な人数制限を確認し忘れたがメインに6人サイドに2人寝られるらしい
気づいたら夕暮れ。
日が暮れたら近くの村に停泊する。
トイレがないので通常はこのように停泊するまで我慢しなければならない。そして村に上陸して誰もいない野原で済ませるのが決まり。これがトイレへ続くブリッジ
帳を降ろしてベッドルームメイキング
晩ご飯は昼と少し違うメニュー。途中で買ったお菓子を添えてあっけなく満腹。体を動かしておらず、しかもランチとの間隔が短いのであまりお腹は空いていない。疲れが溜まっていたせいか食後にもかかわらず即横になる。
用意された寝袋に包まれて遠くに聞こえるコーランの響きをBGMに就寝。
ほどよい揺れと心地良い風であっという間に夢の中へ、いつ寝たかほとんど記憶がない。
揺れは少ないが隣で寝ているガイドが寝返りを打つたびその音が響く、これが結構うるさい。虫はほとんどいなくて
快適だがビールを飲んでいるので予想通り夜中に激しい尿意で目が覚めた。
ところが頼みのブリッジがない!水が満ちているため全く役に立たないではないか!我慢しようかと悩むも小のみならず大の方までもよおしているのでここは勇気を出して上陸を敢行。ところが途中で目測を誤り足をすべらせ川に落ちる。
その衝撃で大の方が引っ込んだのは不幸中の幸いか。
夜空にきらめく星、そして対岸の灯りが川に映し出されていて綺麗だった(写真はなし)
真夜中の空気を少し喫って、着替えて再び眠りの奥へ。
翌朝は早起きしてサンライズ鑑賞。
デッキからの眺めも素晴らしい。
マストによじのぼる
清掃作業を体験して再船出。
ガイドからシャワーを浴びに行くと言われたのでてっきりどこかの家にお邪魔させてもらえるかと期待していたら、
ナイル川でのシャワータイムだった。ちょっと抵抗があったが綺麗なナイル川の沐浴は自然を体感できる絶好のチャン
ス!ここまで来て入らないわけにはいかない。朝とはいえ既に気温は30度近い暑さなので水は冷たく感じない、というかちょうどいい、気持ちいい温度。
もちろん舟内に着替えスペースがあるので心配要らない。
シャワーの後は朝食。禁断の朝ビールで1日のスイッチを入れる
そしてまもなく下船。あっと言う間に24時間のツアーが終了した。振り返ってこのツアー、ナイル川からのサンセットとサンライズは必見。
ナイル川で水泳という貴重な体験もできるので1泊2日は長くなく、短くなく、疲れなく、・・・
体験するにはちょうどよい尺であると思う。
お次はレバノン
レバノンと聞いて何をイメージするか?その前に何しに行くの?と間違いなく聞かれる。仕事!という以外、明確な答えは持ち合わせていない。そんなレバノンは内戦、空爆、テロ、危ない国・・・多くの人がそういうマイナスイメージを持っていると思うがここ数年は争いも無くなり平和を取り戻しつつある。しかも最近レバノンの料理が日本のメディアでも取り上げられるなど、実は密かに注目度が高まりつつある国である。
その実態を確かめるため、フラッグキャリアであるミドルイースト航空でベイルートへ向う。
北と東がシリア、南はイスラエルと接しているレバノンはアラブ諸国の中で唯一不毛の砂漠がない国。その細長い国土は岐阜県と同じくらいの広さで近隣諸国からの避暑地として、また東西の貿易の中継点として繁栄し、国土の豊かさと気候の温暖さから中東のスイスと呼ばれている。レバノンは宗教のモザイク国家と言われていて多くの宗教が存在する。 国民のほとんどはアラブ人だが大きく分けて約7割がイスラム教徒約3割のキリスト教徒、さらにそれぞれ宗派が細かく分かれている。その他にも少数のユダヤ教徒など多くの宗派が存在していて、宗教とその宗派が国会の議席数の配分に大いに影響しているのが特徴。また、その宗派によって生活するエリアが異なるのも特徴で
かつての内戦によって中心地である旧市街を境に西がイスラム教徒地区、東がキリスト教徒地区に大きく分かれている。
地中海に面した首都ベイルート
政治経済の中心地で中東のパリと言われている。スイスとパリどっちなんだよ!というのはどうでも良く、実際に海岸通り(コルニッシュ)を歩いて見るとその意味がなんとなく理解できるほど周辺はとても穏やかでヨーロッパっぽい
雰囲気が漂っている。
主なホテルは西部に集中していて1泊目はその西部の海岸通りにある
リビエラホテルにステイ。残念ながら部屋は海側ではなかったが設備は申し分のない良いホテル。
海岸通りはジョギング、散歩、釣りなどを楽しむ人たちが行き交う地元レバニーズの憩いの場所。車の騒音も少なく静かで上品なエリア
ちょうど1週間後にマラソン大会を控えているらしく参加すると思われる市民ランナーが練習している姿を見かける。
地中海に浮かぶ奇岩、鳩の岩もこの地の名所
夜遅くまで明るく人通りが多く賑やかなので夜歩きもお勧めできる。
海岸通りを南に下ると旧市街。地図で見ると近そうなのだが意外に距離があって歩くと良い運動になる。
途中、ホリデイインホテルの建物が目に入ってくる。銃弾の跡が消えないこのホテルはずっとクローズしたまま聳え建っている。
長い内戦の主戦場となったこの旧市街も今ではその面影も少なくなり、エトワール広場を中心に復興されている。中でもブランドショップが集まるベイルートスークは古くからあったものを少し遺して新しいものとミックスさせ4年がかりで再開発された流行最先端のショッピングスポットとして注目されていて地元レバニーズや多くの観光客で賑わっている。
地球の歩き方によると、世界の一流建築家・デザイナーを招き最も賑わっていた4つのスークを中心に再建が進められ、これにより敷地内にある紀元前2500年前の遺跡なども新たに保存されることになった。スークはいくつかのテーマごとに分けられ総店舗数は200、これに複数のレストラン、カフェが加わる、いわゆる複合商業施設である。
ベイルート・その他の観光ポイント
暗殺されたハリーリ前首相のお墓
キリスト教の聖ジョージ教会
その隣はイスラム教のムハンマドアミーンモスク
これらは旧市街に集中しているので1日あれば歩いて見て周れる。但しエトワール広場は時期が悪かったのかもしれないが入場規制が厳しい。デモ行進を排除するのが目的らしく一般人はシャットアウト。
せっかく来たのに広場に近づけない。ただ警官によっては優しい人もいてそっと入れてもらえた、がもちろん人影少なくゴーストタウン状態なのでただ単に端から端を歩いただけであった。
2泊目は西ベイルートの中心、ハムラ地区。そのメインストリート、ハムラ通りにあるプラザホテルにステイ。
中心地だけあって周辺は地元の人たちの溜り場で一晩中騒がしい。
ここも設備は申し分ないが騒音が気になる人にはお勧めできない。
レバノンの人たち
とにかく美男美女が多い。写真はダメ!という人も少なくないがおおむね明るくて愛想が良く、かつ親切な人が多い。
道を訊いても感じよく答えてくれる。ただ英語が通じないことも時にあってコミュニケーションが難しい。
駐車場でたむろっていたちょっと怖そうな3人組。声をかけると意外に優しいリアクション。喜んでポーズを取ってくれた。
レバノンの人たちには失礼だが、思っていた以上に街がきれい。街中にゴミ箱が多いのでゴミが少なく清潔。
目つきの悪い人や物乞いする人もほぼ見かけないのでこのような空気からも治安は比較的良いと感じる。
ベイルート郊外観光
ベイルート中心地からから北へ車までおよそ30分のところにあるドッグリバーへ。
ここはかつてエジプトとメソポタミアを結ぶ交通路。エジプトのラムセス2世が戦いの後にここを通りかかって碑文を刻んだのがはじまり。その後ナポレオン3世など歴史に名を遺す錚々たる英雄たちが記念碑を建てたというかなり重要なポイントなのだが、なぜここに?といった場所、高速道路の脇にあってわかりづらい
重要な場所であるにもかかわらず扱いが低くなっているような気がしてならない。
記念碑は道路脇に点在している感じで、いわゆる”入場”はない。当然駐車場もないので路肩に車を停めて後続車を注意しながらささっと観光、ところが突然足元をすくわれ転倒し顔面を強打!その衝撃と出血で病院行きを覚悟したが、なんとか軽傷で済んだ。ナポレオンが通った由緒あるポイントで一生忘れない思い出を創ってしまった。
ここでの傷は良い記念と前向きに考え痛みを堪えながら次の目的地ジェイタ洞窟へ。
ここは神秘的な空気に包まれた本格的鍾乳洞。まずはゴンドラに乗って入口へ。
内部は撮影禁止なのが残念だが保護のためそれは仕方ない。
大したことないだろうとそれほど期待していなかったがどっこいとんでもない!奥深くまで楽しめるお勧めスポットで前半はテーマパークのように整備された洞窟の中をゆっくり歩いての見学。高い天井から吊り下がった鍾乳石が見事に
ライトアップされていて感動的。後半は敷地内をトラムで下ってもう1か所の洞窟へ。ボートに乗って探検気分を味わいながら地底湖をおよそ10分のクルーズ。奥へ進むとさらに幻想的な光を楽しむことができる。
そして仕上げは出口のお土産屋、ここで美しい店員さんに出会い洞窟観光の満足度が倍増した。
次に洞窟の近くにあるハリッサへ。山の上にはレバノンの聖母と呼ばれる白亜のマリア像の聳え建ち、多くの人が巡礼に訪れる聖地がある。(B495)標高600メートルの山頂はまさに絶景ポイント。今回は車を使ったがロープウェイとケーブルカーを乗り継いで登る方法もある。
ここからは内戦中に疎開してきた人達によって発展したジュニエの街並と地中海を一望できる。
また、国旗にも描かれるこの国を象徴するレバノン杉も見事である。
最後はビブロス遺跡へ
国内に5つある世界遺産の1つで、バールバックと並ぶレバノンを代表する観光地
バイブルの名前の由来となっていることでも有名。新石器時代の住居跡など歴史が深く、とても静かな名所。
ローマ式とアラブ式が融合された聖ヨハネ教会
レバノン家庭料理体験
最近日本のテレビでも紹介されつつある話題性の高いレバノン料理。ネットで調べるとレバノン内戦を避けて多くの
レバノン人がヨーロッパや南北アメリカなどに移住して広まり、欧米の大都市ではベジタリアン向け料理やダイエット食としての需要が高いらしい、という事でそのクオリティの高さがとても楽しみである。既に初日の夜、昭和のBGMがガンガン流れるレトロなレストラン、そして2日目の昼にペペというさらに古いレストランで魚料理を味わってきたのである程度の予習は出来ている。肝心なお家はドライバーさんとガイドさんご夫婦のマンション。初日の空港でご主人がお迎えに、2日目の観光は奥様がガイドとして同行、わずか2日とは言え、とても気さくなお二人とは心が解け合った絶妙なタイミングでご自宅を訪問。やはり初日からいきなりというのは難しいので、お互い心の準備をしておいたのが良かった。家庭料理体験といっても今回は時間の関係で食べる方だけ。希望があれば作ることから体験が可能らしい。ご夫婦は敬虔なクリスチャンなのでご自宅はベイルートの東地区にある。日本人の訪問が珍しいようで、
何とこの日のために親戚まで連れてきてくださった。日産のサニーで到着後、見上げるとベランダからウェルカムポーズ、そして玄関で手厚いお出迎え。
今まで数か国の一般家庭をちら見してきたがこのベイルートのマンションは靴を脱がないこと以外は日本と変わらない、というか非常に似ている。許可を得てお部屋を撮らしていただく
料理の準備
そしてビールで乾杯。
レバノンのメインブランド”ALMAZA”
とにかく野菜が新鮮。ラディッシュがみずみずしくてドレッシングは要らない。
アラブ料理で一番おいしいと言われるレバノン料理は広大な山脈と地中海に面した肥沃な土地柄と温暖な気候から産まれた豊富な野菜を生かした料理。メッゼと呼ばれる前菜がたくさん並ぶのが特徴でオリーブオイル、レモン汁、塩、こしょうをベースに、ゴマやガーリックなどのスパイスを程よく効かせているので、とてもさっぱりしていてクセがない。
代表的なお勧めメニュー
・パセリがたっぷり入ったサラダ”タブーリ”
・焼きなすのペースト“ババガヌーシュ”
・ひよこ豆のペースト“ハンモス”
これらをホブスという薄いパンにつけて食べるとてもヘルシーな料理。
1つ1つの味が良くさっぱりしているので飽きることがない。
もちろん肉や魚もあるが野菜とパンだけでほぼ満腹になるとてもヘルシーな料理。
一番おいしかったのがトマトと肉がつまったズッキーニ
1つ1つの料理に作る人の愛情が込められているからこそ美味しいのだとあらためて感動した。
食後のスイーツ、そしてお茶とシーシャ。ここレバノンではシーシャとは言わずナルギレという。
このフルコースに大満足
片付けのお手伝いも
限られた時間なのであっという間に別れの時が来てしまった。ありがたいことに空港まで家族全員で送って
下さったのだが、別れ際の奥様のハグがハンパなく力強く、つらい別れになった。
海外旅行で、こんな短時間でここまでの愛情を注いでもらったことがかつてあっただろうか。
言葉だけでなく味でも伝わる、料理を通じた素晴らしい出会いに感謝している。
最後まで読んで下さった方へ
エジプトの観光地はまったく平穏であるにもかかわらず観光客は非常に少ないです。
先日の飛行機事故で追い打ちをかけられ、またしばらくは足が遠ざかってしまうのではないかと心配ですが、
こんな時こそ情報を正しく伝えて一人でも多くの人にエジプトに行ってもらいたいと思います。
レバノンはある中東のアナリストのコメントによりますと
今のところ、政治的に膠着し、未回収ゴミの問題などの大規模なデモが相次ぐ
などの不安定要因はあるものの、脆弱な安定をなんとか維持している国です。
料理が美味しく人々も優しい愛溢れるレバノンをいつか是非一度、自分の眼で確かめて頂きたいと願います。
スタッフおすすめ度
★★★ファルーカ1泊2日・・・他で味わえないアドベンチャー。サンセットとサンライズが見どころ。
★★★★ベイルート旧市街・・・かつての内戦の主戦場。戦争の爪跡と平穏な現在を同時に見ることが出来る。
★★★★★ジェイタ洞窟・・・テーマパーク感覚で楽しめる神秘的なスポット。
★★★★★レバノンの聖母・・・丘のてっぺんから見下ろす地中海と街並みは必見。レバノン杉も綺麗。
(2015年10月 櫻本竜一)
- 「南エジプトの魅力を探る!ピラミッドだけじゃないエジプト」
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エリア:
- アフリカ>エジプト>アブシンベル
- アフリカ>エジプト>シャルムエルシェイク
- テーマ:ビーチ・島 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2016/01/04 16:06
ピラミッドとラクダと私
ラクダちゃん
今回、エジプトへ行く機会を得た。エジプトといえばピラミッド、ピラミッドといえばエジプトだが意外にも私は南エジプトのアブシンベルに惹かれてしまった。そういうわけで今回はアブシンベルを中心に紹介したい。
カイロのハンハリーリ市場
<アブシンベル>
ルクソール、カイロは言うまでもなく必ず訪れていただきたいところだが、時間が許せばぜひとも訪れていただきたいのが、アブシンベルにあるアブシンベル大神殿だ。アブシンベルは距離としてはルクソールから車で8時間ほどだが、おすすめはカイロから一旦アスワンまで南下し、そこから寝台列車で訪れる方法だ。エジプトの寝台列車は清潔で、旅情たっぷりなのでぜひとも経験してみたい。
アブシンベルにははっきり言って見所はアブシンベル神殿くらいであるため、日帰りで訪れる観光客も大変多い。実際私が訪れたときは、観光客が私1人だけであり、アブシンベルの大きな楽しみの1つといっていい夜の音と光のショーが不催行になってしまった。
このショーは観光客10人が集まれば催行されるもので、もちろん私1人で10人分のショーの料金を払えばショーを見ることができ、しかもそのショーを1人占めすることができるというからすごく迷ったが、当然そんなお金の余裕はなく、その日はなくなく断念したのだった。
だがショーが見られなかったからといってアブシンベル観光が台無しになったわけではなく、ここで強く訴えたいことはアブシンベルは日帰りでは持ったいない場所ということだ。アブシンベル大神殿観光のもう1つの楽しみ、宿泊しなければみることができない、日の出鑑賞が翌朝に待っている。
アブシンベル大神殿の向かいにはナセル湖という湖があり、太陽はナセル湖から上がってくる。太陽が上がるにつれて、暗闇に沈み灰色だったアブシンベルが青紫、紫、薄紫と色を変えていく姿は大変美しい。しかも観光客は私1人だったため、その日の出を独り占め。非常に贅沢な思いをした。アブシンベル神殿の前には、ラメセス2世の巨像が4体、ナセル湖に向かって座っている。私は日の出を前にして、像たちがここに座ってから毎朝みた日の出、その3,300年に思いを馳せた。音と光のショーを見ることが出来ればなお良かったが、朝のアブシンベル大神殿の様子はとても特別なものに思えた。ここに来て本当に良かったと思った。
ナセル湖
ナセル湖の日の出
アブシンベル神殿
アブシンベル大神殿は、日があがりきって色がすっかり砂のオレンジ色になってしまってもその魅力を失わない。大神殿の内部で1番印象的だったものは、大神殿の奥に並んで座っている、4体の神像だ。その4体の神像はもはやかろうじて人の形を保っていて、神殿の外の4体のラメセス2世のような繊細なレリーフもなく、パツとみて引き付けられるような印象もない。たが、そのかろうじて人の形をたもっている神像の石が、日本にまだ影も形もなかった3300年前からこんな薄暗いところに座って、ここで起きた全てのことを見ていたのだなぁと考えたとき、その途方もない時間の長さを前に立ち尽くしてしまう。
ラメセス2世
ラメセス2世の足元にある繊細なレリーフ
奥に少し見えるのが4体の神像
さて、アブシンベル大神殿の横には、アブシンベル小神殿がある。ラメセス2世が王妃のネフェルタリのために建造した神殿である。アブシンベル神殿のすぐ隣にちょこんと佇み、少し小さめなのが女性的で愛らしい。最初に入ったアブシンベル大神殿ですっかり魅せられてしまった私だが、アブシンベル小神殿の前に立ったときにはもうすぐに入りたい!と思ってしまったものだ。何だかすごく愛らしい。小神殿のほうが女性は好むかもしれない。小神殿はそんな佇まいである。
中にある列柱にはネフェルタリの大きなレリーフがいくつもある。写実的ではなくキャラクターのように掘られた可愛らしいネフェルタリは必見だ。
アブシンベル小神殿
ラメセス2世とネフェルタリ
<シャルムエルシェイク>
エジプトは砂漠と遺跡ばかりではない。世界でも有数のダイビングスポットもある。
それがシャルムエルシェイクだ。シャルムエルシェイクはカイロから飛行機で1時間ほどで到着する。シャルムエルシェイクは不思議な街で、まっすぐな1本道が街に何本も通っていてその道に沿ってホテルが林立している。海まではホテルのシャトルバスを利用するか、オプショナルツアーに参加して海へいくことができる。
シャルムエルシェイク街の様子
売店がちょくちょくある
ラス・モハメッド国立公園
シャルムエルシェイクでは初心者でダイビングスポットに行ってシュノーケリングなどで美しい海を満喫することができる。私はそのオプショナルツアーにも参加したが、今回ご紹介したいのは4輪バギーで砂漠を駆け巡る、海ではなく砂漠でアクティブに楽しむオプショナルツアーだ。しかもラクダ乗りつきときたらこれは参加するしかない!!
ベドウィンナイトというそのオプショナルツアーは簡単にいうと1人1台の4輪バギーでキャンプ地まで行き、そこで夕食をいただき帰ってくるというもの。このツアーの魅力はなんといっても砂漠で4輪バギーを乗り回すこと!!スピードが出てスリリング!景色もきれいなのでずっと乗っていても飽きることはないだろう。4輪バギーはアクセルとブレーキがあるだけなので難しい操作はまったくないし、1列になって進む参加者の先頭と後ろにガイドさんがついてくれるため、はぐれてしまったり事故やその他心配することは全くない。
ただ全身砂まみれになるため、頭と顔にまくスカーフやストール(持っていなければ貸してくれる)とサングラスは必須だ。これらは日よけにもなる。
ちょっと怪しい
ラクダもいる
みんなの憧れ、エジプトのピラミッド。そんな北エジプトもいいけれど私がおすすめするのは南エジプトのアブシンベル。アブシンベル大神殿のラメセス2世は、今日も昇る朝日をあの場所で眺めたんだろうなぁ
【img0187.jpg】アブシンベル大神殿夜明け前
アブシンベル・・★★★★ アブシンベル大神殿しかなくても訪れるべき。世界遺産。
シャルムエルシェイク・・★★★★ エジプトらしくないエジプト!海がすごくきれい
(2015 3月 楠本悠子)
- 一生に一度は行きたい国 今こそエジプト!
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エリア:
- アフリカ>エジプト>カイロ
- アフリカ>エジプト>ルクソール
- アフリカ>エジプト>ギザ
- テーマ:ホテル・宿泊 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2015/01/29 18:18
ルクソール神殿のライトアップ
ずっと行く機会が来るのを待ち望んでいたエジプト。今回、カタール航空主催のファムツアーに参加させていただける機会があり、外務省のエジプト危険度引き下げにともなう視察をかねたツアーに行ってきました。
ピラミッドや神殿、ナイル川・・・行かずとも私の中でエジプトのイメージは出来上がっていましたが、しかし行ってみないとわからないエジプトの雰囲気、人々の温かさ、ピラミッドや神殿の迫力を多いに感じられる旅でした。
今回のツアーのスケジュールを見たとき、まさに弾丸ツアーという言葉がぴったりの観光や視察がみっちり詰まった行程で、最後まで体力が持つのか少し不安がありましたが、そんな盛りだくさんで充実した7日間の旅を一部ご紹介します。
【観光編】
まずはザ・定番ではありますが、ピラミッドとスフィンクスの観光です。カイロ中心部から車で約20分。ナイル川を挟んで西側にギザの3大ピラミッドと呼ばれる、クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3つのピラミッドが並びます。ご存じのとおり、クフ王のピラミッドが一番大きく、入場するには1日あたりの人数制限もあり人気のピラミッドです。現在のピラミッドは石を積み上げられ、石がむき出しになって段になっていますが、作られた頃は、化粧石が全面に貼られていて平面だったそうです。
一段一段はこんな感じ
ピラミッドビューポイントから
ピラミッドの近くには物売りやラクダ引きもたくさんいるのですが、ガイドブックにも書かれているようにやはりトラブルは多発していますし、しつこい人が多いので注意が必要です。まだお客さんの数が少ないので、お客さんの取り合いでラクダ引き同士が喧嘩してしまうこともあります。
3大ピラミッドの近くにはスフィンクスもあります。日中スフィンクスの撮影スポットはたくさんのお客さんでにぎわっていました。
スフィンクス&ピラミッド!素晴らしい
スフィンクスのおしりも丸見えです(笑)
ギザ地区からカイロ市内中心部へ戻り、次に向かうのはカイロの最大の市場、ハン・ハリーリです。1日中買い物客でにぎわっています。お土産にも人気のある水パイプ(シーシャ)や香水瓶のお店もたくさん並んでいますし、他の土産物屋で買うよりも安く手に入るのでハン・ハリーリは外せない観光地となっています。商品には値札が付いておらず、値段は交渉して買い物をします。
ハン・ハリーリがあるイスラム地区の南側にはモハメド・アリ・モスクがあります。エジプトはイスラム国家ですので、街中にたくさんモスクがありますが、このモハメド・アリ・モスクはその中でも美しさで有名なモスクです。オスマン朝様式の外観は、トルコ・イスタンブールにあるブルーモスクのようです。外観も美しいですが、内部はシャンデリアやランプで明るく、豪華な印象を持ちました。
フランスから贈られた時計
内部も明るく綺麗な装飾となっている
エジプト旅行にはもう1都市、ルクソールも絶対に外せません。ルクソールまではカイロから飛行機、または寝台列車を利用するのが一般的です。今回は短い滞在時間で効率よく周るため、飛行機で移動しました。
到着後、さっそくルクソールの2大神殿、カルナック神殿とルクソール神殿の観光です。カルナック神殿はエジプトの中でも最大の神殿と言われ、巨像や壁画等時間をかけてじっくりと見学することをおすすめします。夏の期間は音と光のショーも開催され、一味違った神殿を見る事ができます。
神殿の迫力が伝わってくる
ラムセス2世とアメンホテプ3世によって建てられたルクソ-ル神殿は、彼らの名前がつ付いた中庭や、ツタンカーメン夫妻の像がありやはりこちらも観光には外せません。カルナック神殿とはスフィンクス参道でつながっていたそうで、今でも参道にはスフィンクスがずらりと並び観光客の視線を集めています。夜は神殿内はライトアップされ、光にともされた神殿はカルナック神殿とスフィンクス参道は幻想的で魅了されます。
遺跡や神殿を見るたび、昔の人々の技術力の高さに驚かされます。
ライトアップされた神殿
スフィンクス参道もライトアップ
最後は王家の谷です。古代エジプトの王たちの墓が集中しているエリアで、全部で60以上の墓があります。そのうち現在では10数か所しか公開されていませんが、公開されている墓はどれも保存状態が良く、美しいです。かの有名なツタンカーメンの墓もあり、公開されています。ツタンカーメンの墓は閉鎖される予定で、閉鎖されてしまった場合はレプリカの見学になるようです。そのため、できれば本物の墓が公開されているうちに見学してほしいと思います。どの墓も入り口から中心の墓がある部屋まで壁画がずっと続きます。色もそのまま残っているため、作られた当時はもっと美しい墓だったことが想像できます。残念なことに、この王家の谷は完全に写真撮影禁止のため、写真に残すことができませんでしたが是非直接訪れて見学してみてください。
【ホテル編】
エジプトへ来たからにはホテルライフも楽しみたい! そんなお客様も少なくないと思いますが、今回の旅で視察したカイロとルクソールのホテルをご紹介します。
エジプトは日本に比べてホテル代金は安く、お手頃な料金で1〜2ランク上のホテルの滞在が可能です。
まずはカイロのギザ地区にあるメナ・ハウスホテルですが、ピラミッドの目の前に位置するホテルで、もちろんピラミッドビューの部屋からは圧巻のピラミッドが何時でも見ることが出来ます。チャーチルが実際に泊まった、“チャーチルスイート”と呼ばれる部屋もあり、高級ホテルのひとつです。
ピラミッドが目の前です!!
ガーデンも広々としています
メナ・ハウスホテルはピラミッドの近くに位置するホテルですが、次にご紹介するマリオットホテルはカイロの中心部に位置するホテルで街の散策に便利です。
ナイル川沿いのホテルで、ナイルビューのお部屋もあります。夜は街のライトを背景にナイル川をお部屋から眺められますので、おすすめです。
バルコニーからの眺め
ルクソールのホテルは東岸に集まっていて、高級ホテルはナイル川沿いに並んでいる。ヒルトンルクソールももちろんナイル川沿いにあり、プールサイドからはナイル川を眺められる。
ソフィテルカルナックホテルはコテージタイプのホテルです。広い敷地は東南アジアの雰囲気があり、南国のようです。とても静かで、エジプトにいることを忘れてしまうくらい滞在を満喫できるリゾートホテルになっています。ジムやスパも完備しており、ホテルライフも楽しみたいお客様におすすめです。
現地エジプトのオペレーターさんやのおかげで、詰め詰めのスケジュールながらも主要なポイントは全て観光することができました。また終始、歓迎していただき感謝しています。滞在中はエジプト人の人の良さを何度も感じましたし、観光客の数をまた増加させようと努力している姿も見ました。カイロやルクソールの他にも、まだまだ訪れるべき観光地がたくさんあるエジプトです。現在はまだ多くの方から危険だと思われがちですが、全くそんなことはなく、観光警察も付いてくれるので安心・安全に観光できます。今最もおすすめの国です。さぁ今こそエジプトへ!
ギザの3大ピラミッド★★★★★ 想像を超えた大きさでまさに圧巻!外観はもちろんピラミッド内部も必見です。
ルクソール神殿 ★★★★★ ツタンカーメン夫妻の像を見る事ができる神殿。夕方頃からライトアップされる時間帯をまたいで観光するのがおすすめです。
カルナック神殿 ★★★★ エジプト最大の神殿。夜には音と光のショーも開催される。
王家の谷 ★★★★★ 現在は十数か所しか入場できないのですが、大人気の観光地。一つ一つ異なるお墓内部の壁画は必見です。
11月 栗山智美
- 観光客を待ち侘びるエジプトの人々。
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エリア:
- アフリカ>エジプト>ルクソール
- アフリカ>エジプト>ギザ
- テーマ:観光地 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2014/12/26 14:26
今年、何度か次行きたい国はどこ?と聞かれた事があった。弊社恒例の社員旅行の投票でも投票してみた・・不思議なものである。とある日カタール航空および政府観光局からのFAMのお知らせだ。エジプト?!エジプト!!エジプトーーー。こうして念願のピラミッドと対面できる機会に恵まれた。そして今回は外務省の渡航情報(危険情報)の引き下げに対する現地視察が主な目的でもあるのだ。
エジプトまでは成田からカタールのドーハへ約12時間、ドーハで乗り継ぎ3時間30分ほどでカイロに到着する。ドーハの新空港は今年5月に完成し深夜の乗り継ぎでもほとんどのお店がオープンしていて退屈することはない。またカタール航空の機材のパーソナルモニターも日本語に対応しており映画や番組のラインナップも充実しており、あっという間にエジプトに到着した。
ドーハ空港のシンボル?!テディベア
カタール航空
空港にはアバヤのお店も
●カイロ市内
エジプト考古学博物館はカイロ随一の観光地。
ツタンカーメンの秘宝が多く展示され、歴代のラムセス王のミイラが今も眠っている。ガイドの説明に耳を傾けると念願のエジプトに来た事を改めて感じることが出来た。残念ながら館内へのカメラの持ち込みおよび撮影は厳禁!黄金に輝くツタンカーメンのマスクや秘宝は脳裏に焼き付け後にした。
中庭の遺跡は撮影OK
暴動の後が残る考古学博物館の隣のビル
考古学博物館前の装甲車
外観も美しいモハメド・アリ・モスク。
イスラム地区の丘に建つ「モハメド・アリ・モスク」は19世紀半ばの、エジプトの近代化の基礎を気付いたモハメド・アリによって建立された。イスタンブールのブルーモスクを模して建てられた美しいモスクだ。中庭にはフランス国王にルクソール神殿のオベリスクの1本を贈ったお返しに貰った時計台もある。高台にあるためカイロの街も一望できます。
フトゥーフ門からハンハリーリ市場を歩くとモイッズ通りにはカラフルなシーシャ(水たばこ)を扱う店や工芸品のお店、オリーブなど食材を売るお店が立ち並ぶ。ハンハリーリもかならず訪れたいスーク(市場)である。エジプトでは観光地を含めすべてで定価がなく交渉となる。欲しいものを見付けたら早めに買っておいたほうが良いかもしれない。帰りに気付いたことだが空港でのお土産物も交渉制で市場のどこよりも高かったのである。
●ギザ地区
パノラマビューポイントからのピラミッド。
写真:A224
エジプト言えば真っ先に誰もが浮かぶ念願のピラミッド一度は見たかったピラピッドがカイロからの高速道路でギザに向かう途中、ビルの谷間から忽然と顔を出す。3大ピラミッドのうち最大規模を誇るピラミッドがクフ王のピラミッド。内部には200エジプトポンドで入ることが出来るが残念ながら内部は撮影禁止で背中をかがめて回廊を登るとピラミッドの内部にぽっかり空いたスペースにたどり着く。何があるわけではないが念願のピラミッドの中にようやく辿り着く事が出来た。
なおピラミッドやスフィンクスの周りではラクダの客引きやお土産物を売る「全部で千円!(沢山のお土産品なので意外と安いかも?!)」と客引きがしつこいほどなので、彼らとの記念撮影も注意が必要だ。
観光警察にもラクダがいる。
人面獣身で有名なスフィンクス
ピラミッド前にて現地の子供と
カフラー王のピラミッド
ピラミッド前のラクダ使い
ギザのホテルではピラミッドビューもお勧め。
メリディアン・ピラミッズから
メナハウス・ホテルから
●ルクソール
カイロの朝??2時のモーニングコールで起き、3時ホテルを出発しエジプト航空の国内線で、約1時間ルクソールに到着する。ルクソール空港に到着すると朝陽が顔を出している。
ナイル川を挟んで、陽が昇る東岸には「生」を意味するルクソール神殿やエジプトで最大規模の遺跡のカルナック神殿を見学し、陽が沈む西岸には「死」を象徴する王家の谷やハトシェプスト女王葬祭殿のレリーフが美しい。
そして悠々と流れるナイル川ではファルーカ(帆掛け舟)で陽気なクルーの音楽を聴きながら心地よい風を浴び、時間の流れを忘れる事ができる。
カルナック神殿入口のスフィンクス像
カルナック神殿の大列柱室
願いが叶う大スカラベ
ルクソール神殿のライトアップ
ハトシェプスト女王葬祭殿
メムノンの巨像
ファルーカでナイル川を下る
ファルーカからの夕陽
陽気なファルーカの船員
高いところに登り帆をたたむ
今回のFAMはホテル視察や観光で日程もぎっしりでタフだったが、貴重な機会をいただいたカタール航空、エジプト政府観光局および現地で視察を受け入れていただいたエジプト日本旅行業連盟(JTUE)の皆さまに心より御礼を申し上げます。
なお現地では各ホテルおよび観光地では必ずセキュリティチェックがあり、また私たちに常に同行していただいたツーリストポリスの方のお陰で安心安全に旅を終える事が出来た。
またエジプトの観光大臣、日本大使やルクソール知事などの面々との貴重なレセプションの機会や観光地、ホテルの現地の方に触れ合う度にエジプトの人々が観光客とりわけ日本人を待ちわびる熱を常に感じる事が出来た。
また来年にはエジプト航空の直行便復活の話もちらほら聞きよりエジプト旅行がより身近になるだろう。
【スタッフおススメ度】
ギザのピラミッド ★★★★★ 人生で一度は訪れたい。
エジプト考古学博物館★★★★★ 黄金のマスクを観にエジプトへ
ファルーカ(帆掛け舟)★★★★ ナイルクルーズよりもお勧めです。
ルクソール★★★★ じっくり遺跡を観てまわりたい
(2014年11月 大道隆宏)
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