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- タンザニアでワンランク上のサファリ体験を!〜ケニアとの違いはなぁに?〜
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エリア:
- アフリカ>タンザニア>アルーシャ
- アフリカ>タンザニア>ンゴロンゴロ
- アフリカ>タンザニア>セレンゲティ
- テーマ:世界遺産 動物
- 投稿日:2017/03/10 17:20
ケニアにサファリに行ったのは約6年半前。もうそんなに経ったんだと思いつつ、今回のタンザニアの旅へ出かけた。前々から思っていた疑問、ケニアとタンザニアの違いって何、という答えを自分なりに見つけようということを一つの目的にした。
なんとなくのイメージでタンザニアの方がより自然に近い形で動物を観られる、というぼやっとした表現しか思いつかない。もちろん時期によって観られる動物や天候も違うので一概には比べられないのは承知だが、できるだけ具体的に書き連ねていこうと思う。
私が旅した行程は以下の通りだ。
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1日目(2/19)カタール航空にて夜成田発(機内泊)
2日目(2/20)アルーシャ到着 (アルーシャ泊)
3日目(2/21)マニャラ湖を経由してンゴロンゴロ近くへ (ンゴロンゴロ泊)
4日目(2/22)ンゴロンゴロ経由して ンドゥトゥへ到着 (ンドゥトゥ泊)
5日目(2/23)セレンゲティを1日サファリ (ンドゥトゥ泊)
6日目(2/24)ンゴロンゴロのクレーターへ (ンゴロンゴロ泊)
7日目(2/25)ンゴロンゴロにてウォーキングサファリ、その後アルーシャへ(アルーシャ泊)
8日目(2/26)アルーシャ郊外観光 そして空港へ(機内泊)
9日目(2/27)帰国
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2月20日
日本を出発して約24時間後、キリマンジャロ空港到着。暑い!タラップを降りた瞬間私は暑さで顔をしかめた。「キリマンジャロ空港」という名前から涼しげな場所を想像していた。日本から飛行機に乗り込んだ後は外気に触れることなく飛行機の中でほとんど過ごしたものだから、機内ではヒートテックとダウンジャケットとウインドブレーカーを重ね着していた。キリマンジャロに到着すると一刻も早くそれらを脱ぎたくなった。
空港に到着して、まずは入国カードを記入する。特に難しい質問はない、同じ飛行機に乗っていた欧米人達はほとんどビザを空港にて取得するようで、私のように出発前に取得していた人はあまりいなかった。そのため入国の列に並ぶことなくスムーズに入国できた。荷物をピックアップしてガイドのラマさんと合流。
ラマさんは日本語が大変上手。時々言葉を知らないこともあるがイントネーションが何より自然なので聞きづらさはない。なぜこのように離れた土地でこんなに日本語が流暢に喋れる人がいるのか不思議なほどである。もちろん日本には来たことがない。最初は日本に住んでいたというケニア人の先生に1年半ほど習い。その後、日本人経営(弊社もお世話になった大串さん)の旅行社で勤務しており、そこでも週に2回ほど日本語のレッスンを受けていたそうだ。ちなみにラマさんの名前は断食のラマダンがその名前の由来だそうである。なるほどタンザニアではイスラム教徒が多く、宗教はキリスト教とイスラム教が二分しているようである。アルーシャにもモスクが多い。これはキリスト教が圧倒的大多数を占めるケニアとは大きな違いだ。
キリマンジャロ空港を出て1時間かけてアルーシャを向かう。これまで北アフリカを除くアフリカの国ではエチオピアやケニア、南アフリカなどの南部アフリカには訪れたことがある。それらのゲートシティとなるような空港にはアフリカと言っても近代的な幹線道路が引かれていたので想像していたよりも都会で驚いたが、今回到着したキリマンジャロ空港はまさにサバンナの真ん中にあるような空港でサファリに来たな〜という気分を高めてくれる。街に近づくに連れて乗合バスやスクールバスなどたくさんの人を乗せた車が多くなってくる。また道路を拡張工事しているようで交通渋滞が起きていた。サバンナの広がる空港から、忙しそうな街へと徐々に景色が移り変わる。
本来であればこのまま空港から直接アルーシャ郊外のホテルに向かう予定だったがラマさんにお願いして民芸品や鉱石タンザナイトなどが売られているお土産屋さん「カルチャル・ヘリテイジ」と市内のスーパーマーケットに立ち寄ってもらった。「カルチャル・ヘリテイジ」は旅行客向けのお土産屋さんで木彫りの置物やマサイ族が書いたような絵などが売られていた。タンザナイトの原石も見せてもらったが気軽に購入できる値段ではなかったので特に何も買わずスーパーマーケットへ向かった。タンザニアの市民はあまりスーパーマーケットでは購入はせず青空市場で野菜や果物を農家から直接購入するそうなので基本的には品揃えは少なめ。そのため生鮮食品というよりも加工食品がメインの品揃えである。スナック類やアイスクリーム、ソフトドリンクにアルコール類。その他キッチン用品などの生活雑貨も売っていた。お土産になりそうなオシャレなパッケージで売っていたコーヒー豆もあったのでお土産にはこれを買おうと思った。私はホテルで飲む用のアルコールやソフトドリンクを購入。ビールは1缶約1ドルなので日本と比べて安い。
街で買い出しを終えてこの日のホテル、MOIVARO LODGEへ。
<MOIVARO LODGE モイバロロッジ>
アルーシャ近郊、モイバロ山の裏手に位置するホテル。いかにもタンザニアらしい茅葺き屋根と土塗りの壁の建物ながらも色使いやインテリアがオシャレでいて落ち着きのある雰囲気。モイバロ山の山道が悪路だったため正直そんなに期待していなかったのだが、こんなにセンスの良いホテルがこの場所にもあるのだなぁと何だか不思議だった。客層はサファリ帰りやこれからサファリに出発するような欧米外国人観光客たち。部屋はそれぞれ1棟1部屋のロッジタイプになっており開放感がある。室内には冷蔵庫やテレビ、ドライヤーなど機械類はない(電源はある、念のため)。天蓋付きのベッドに、バスタブとシャワー、無料の水。それくらい。スリッパもなし。WIFIはメインの建物だけ無料で利用可能で室内では使えない。メインの建物にはレストランに、バー、それにちょっとした図書コーナーがある。メイン館の側には小規模なプールと売店がある。スタッフもフレンドリーですれ違うとジャンボ!と挨拶を交わしてくれる。夜7時からのブッフェの夕食もとっても美味しかった。市内中心部までは車で20分程度。私基準で星4つ(★★★★)。
*後日再訪した時はバスタブのない部屋だった。
スーパーで買ったビールを飲み就寝。
2月21日
鳥たちの鳴き声で目がさめる。日本では決して聞かないだろう一定の間隔で金属を打ち付けるような変わった鳥の鳴き声もある。どんな鳥なのだろうか。
7時から朝食なので、7時ぴったりにレストランへ。すでに他の宿泊客たちで賑わっていた。
トーストやコンフレーク、卵焼きを食べたあとは荷造りを終えて朝9時にチェックアウト。
この日はアルーシャからマニャラ湖国立公園を経由して、ンゴロンゴロそばのホテル・ンゴロンゴロファームハウスへ目指す。
まずはアルーシャからマニャラ湖へ。最初ラマさんはマニャラ湖まで約2時間と言っていたが、結局お茶を飲んだり、赤バナナが名産の村で試食の休憩を挟んで約3時間かかった。さらに国立公園の駐車場で入場許可を受けるのに1時間ほど待ち、入口の休憩所でボックスのランチを取った後でサファリに出発。結局サファリを開始したのは午後2時ごろだ。
<マニャラ湖国立公園>
アルーシャからンゴロンゴロへ抜ける途中にあるため、ツアーに組み込まれていることの多い国立公園。タンザニアの中でも規模は小さめの国立公園ではあるが敷地の3分の1を占める湖からグレートリフトバレーまでの複雑な地層、そしてサバンナから沼地、森へと移り変わる植物の多様性を見られるという点で非常に興味深い国立公園である。かつては木登りライオンで有名だったが昨今は滅多に見られないそうだ(私が行った時には木登りどころかライオンすら遭遇しなかった)。ライオンに次いでこの国立公園の目玉になっているのがカバ。公園内にはヒポプールと呼ばれるカバの水浴びの池がある。しかし私が行った2月は雨季のため、ヒポプールに来なくとも池はそこら中にあるとのことで、ヒポプールにはカバは全くいなかった(ヒポプール前には「ここがヒポプールですよ」とアピールするためのカバのイラストの大型看板があったのだが無残にもへし折られていた。ラマさんは風の影響と言っていたがきっと観光客が怒りに任せておったのだと思う)。正直期待はずれの部分はあったにせよ、サファリカーの通り道にたくさんの象たちを見られた。マニャラ湖のアフリカゾウは大人しいのかサファリカーが目前に近づいても呑気に草を食んでいたのでじっくり鑑賞するには良かった。
このマニャラ湖ではタンザニアでは珍しいナイトサファリも行われているそうなので、もし時間に余裕があればここで1泊してナイトサファリをするという選択肢もありかもしれない。
*******マニャラ湖で見かけた動物*******
バブーン
ブルーモンキー
カバ
サバンナモンキー
エジプトガン
アフリカトキコウ
ペリカン
サギ
マサイキリン
イボイノシシ
バッファロー
アフリカゾウ
フラミンゴ
ブッシュバック
インパラ
ヌー
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マニャラ湖を後にしてお土産産に立ち寄った後は約40分離れた、ンゴロンゴロそばのホテルへ。
<Ngorongoro Farm House ンゴロンゴロファームハウス>
その中の通り、ンゴロンゴロ自然保護区近くの農園をまるごと宿泊施設にしたようなホテル。広大な敷地に色とりどりに咲く植物が美しい。茅葺き屋根と真っ白な壁が印象的なメインビルディング。1棟2部屋のロッジタイプの部屋になっており、各部屋の目の前にサバンナのパノラマが広がっている。室内も天井が高くゆとりのある造り。天蓋付きのベッドにサバンナの風景を描いたタペストリー、精巧な彫刻の施されたインテリア。高級なのだろうが敷居の高さを感じさせない雰囲気のよさ。タンザニアにこんなホテルがあったなんて。電話やドライヤー、セーフティーボックスあり。バスタブやスリッパはない。無料のWIFIはレストランなど共有エリアのみ利用可能だ。ホテル内で栽培した豆を利用した無料のコーヒーや夕食前のローカルダンスショーなどさりげないゲストへのホスピタリティが嬉しい。細かい点を言えば、シャワーのお湯の出る蛇口が触ると火傷しそうなほど熱くなったので浴びるときに少々てこずったくらいか。私見で星4.5(★★★★☆)
2月22日
昨日の夜はひどい雨だった。室内の音が全て雨の音でかき消されるほどだった。2月は雨季の手前の季節とはいえこんなにも雨が降るんだなと思った。何より心配だったのは、翌日も土砂降りにならないことだ。
迎えた朝は何事もなかったように青空が広がり鳥の鳴き声が聞こえ爽やかだった。朝食を食べてランチボックスの用のサンドイッチを作ってもらう。そうファームハウスはランチボックス用のカウンターがあってそこで自分の好きなサンドイッチを注文できたり、ビスケットやフルーツを好きなだけ詰め込んでもいいのである。ランチボックスはホテルや旅行社によって当たり外れがあるのでこういった自分でセレクトできるシステムは面白い。
今日はンゴロンゴロを経由してセレンゲティの入り口のエリア「ンドゥトゥ」を目指す。8時にチェックアウトまず向かうのはンゴロンゴロ自然保護区。ファームハウスから車で約5分だ。ンゴロンゴロにて受付をしている間、入り口の博物館を見学。受付が終わりようやくンゴロンゴロの中に突入だ。
<ンゴロンゴロ自然保護区>
セレンゲティ国立公園に隣接する、8300㎢もの広さを持つンゴロンゴロ自然保護区。アルーシャからセレンゲティへ向かう際の通り道になっており、タンザニアの観光スポットの中でハイライトの一つになっている。中でも動物たちの絶好の観察ポイントとなっているのがクレーターと呼ばれる大きな火口原。300㎢、山手線内3つ分がおさまるというこの巨大なクレーターの中にはライオンをはじめアフリカに生息するほとんどの種類の動物を見ることができる。クレーター内部では湖や湧き水が出るためほぼ1年中緑が生い茂っており、草食動物に関してはここで一生を過ごす動物が多い。そのため季節に関わらず確実にたくさんの動物を見ることができるのがこのンゴロンゴロの特色なのである。なおマサイ族が住む地区であることから国立公園ではなく自然保護区という扱いになっている(タンザニアでは国立公園では人は住んではいけない決まりとなっている)。狩猟をしないマサイ族と野生の動物達の共存、古代からの景色がこのンゴロンゴロにはまだ残っているため、ンゴロンゴロ自然保護区は世界複合遺産として登録されている。
<ンゴロンゴロ(クレーター外)>
前振りが長かったのに恐縮だが、この日はクレーターには降りない。クレーターに降りるにはガイドやドライバーの代金の他に1日300$という車両通行料を入場料とは別に払わないといけないのでたっぷり1日観光をできる日でないと損なのである。セレンゲティとンゴロンゴロの境のエリア「ンドゥトゥ」まではンゴロンゴロの入り口から車で約2時間。車でまっすぐいけばさほど遠くない場所ではあるが、ンゴロンゴロのクレーター外にも見所がいくつかあるのでそこを経由しながらンドゥトゥを目指した。(クレーター内に関しては「2月24日」に訪問)
・展望台
まず訪れたのはゲート付近にある展望台。ここからの景色でンゴロンゴロのクレーターの形が手に取るようにわかるため、これからクレーターへ向かう前に訪れたい。ただし我々が訪れたのは雨季の手前の時期のため雲が多く、あいにく全景はうっすらとしかわからなかった。
・オルドパイ渓谷
ンゴロンゴロの入り口からガタガタ道を行くこと約1時間。世界で最初の人類と言われるアウストラロピテクスの骨や足跡が見つかったとされる場所。エチオピアからケニアやタンザニアを経由してモザンピークを抜けるグレードリフトバレーには人類の初期の遺跡が数多く見つかっている。中でもこのオルドバイ渓谷には人類の祖先が住んでいたという証拠の他に獲物を仕留めるための武器や作業用の道具など生活のための石器が次々を出土した。この「オルドパイ文化」は今から180万年から次の人類が出てくる数十万年前まで続いたと言われるから驚きだ。渓谷のすぐ近くにはミニ博物館がある。中でも面白かったのはニール・アームストロングの足跡の写真と比べてアウストラロピテクスの足跡を「地球の第1歩」と題したパネル。ちなみにオルドパイという名称はこの付近に自生している植物から取られている。なおアメリカ大陸の最南端から人類発祥の地であるこのオルドパイまで自転車で旅した日本人冒険家・関野吉晴氏を讃えたミニギャラリーもある。
・ンドゥトゥ
セレンゲティとンゴロンゴロのちょうど境に位置するエリア。このあたりはンドゥトゥと呼ばれ、特に12月から2月はヌーの通り道となっている。ヌーはこの地のミネラル分を含む草を好むことと見渡す限りの平原が続くエリアなので見通しがよく天敵が襲ってくるのにも気付きやすいという利点があり(逃げ足だけ早い気持ち悪い奴だと思っていたけど、頭いいんだなぁヌーって)ヌー達は好んでこのルートを通るとか。そのためンドゥトゥはヌーの大移動を見たい人々にとってはお勧めなスポットなのである。さらにンドゥトゥエリアはンゴロンゴロのクレーターやマニャラ湖、セレンゲティ等と違い特に決められた道はなくオフロード走行OK。動物にもかなり近づける。大人数の団体ツアーではあまり立ち寄らない場所なので、セレンゲティやンゴロンゴロよりもサファリカーの数も少なくより自然に近い体験が楽しめるのが嬉しい。ヌー以外にもライオンやチーター、キリン、ガゼルや鳥類など動物達の宝庫となっている。360度地平線が広がるサバンナを動物を探しにガタガタの道無き道をひた走ることもあるため酔い止めや汚れてもいい服や靴を持って行こう。私はこのンドゥトゥで貴重な瞬間を見ることができたのでそれを紹介したい。
1つは木陰で休んでいたライオンの親子。親子は仔ライオンとお乳を飲ませる牝ライオンで、仔ライオンはびっくりするほど小さくてぬいぐるみみたい。仔ライオンが寝ているお母さんのおっぱいをまさぐってミルクをどうにか飲もうとする仕草が可愛い。そんな仔ライオンの奮闘をもろともせずスヤスヤ眠る母ライオン。
2つ目はチーターの家族。チーターはケニアで見ることができなかったため私は大興奮。スルリと伸びた4本の足とすらっとした胴体、そしてゴージャスな細かな斑点はやはりこの動物を特別なものと感じる。まさに「サバンナの女王」という称号があったらきっとぴったりだろう。チーターは昼間に狩りをするらしいが、残念ながら狩りの瞬間見られなかった。
3つ目、これはセレンゲティからアルーシャに戻る別の日でのタイミングだったが、ヌーの群れを見ることができた。キチンと列をなして遠くから草原のさらに先まで列が続いている様子は圧巻だ。なぜ本能だけでこんなにも整然と統制が取れた動きができるのだろうか。まさに「生命の不思議」だ。また一匹だけ仔ヌーが群れに取り残されたようで、探し回るでもなくじっと周りを見渡していた。ガイドのラマさん曰く「ああなったらもうおしまいです。後はハイエナなどに見つかったら餌食になります」。なんとまぁ厳しい自然界。人間だったら迷子になっても誰かしら助けてくれるだろうが、動物であればそうはいかない。子供であろうが些細なミスが命取りになる。ああ、人間でよかった。
*******ンドゥトゥで見かけた動物*******
ライオン
チーター
マサイキリン
シマウマ
ジャッカル
トムソンガゼル
グランツガゼル
ハゲワシ
アフリカハゲコウ
アフリカオオノガン
ヌー
ハイエナ
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ンドゥトゥエリアをサファリした後はセレンゲティ国立公園内にあるNDUTU UNDER CANVASへ向かう。
<NDUTU UNDER CANVAS ンドゥトゥアンダーカンバス>
ンドゥトゥのサバンナと悪路を越えて突然車を止めるドライバー。一体どこにホテルがあるの?と感じずにはいられない見渡す限りの大自然の中、ホテルのユニフォームらしく、統一された身なりの人達が我々の車を目指してやってくる。どうやらホテルスタッフらしいがここからではホテルらしき建物は見えない。しばらくスタッフの向かう方向に歩くと徐々に見えてくるテント。どうやらここがメインエントランスのようだ。
ンドゥトゥにある宿はほとんどがこうしたテントを利用した隠れ家ロッジなのだ。なぜテントなのか?実はンドゥトゥのホテルはヌーの移動の時期に合わせて年2回移動しているのである。そのためヌーの大移動を一目見ようとタンザニアにくる欧米のサファリ愛好家に移動式のテントロッジは大人気なのである。テントといってもンドゥトゥのテントはとってもラグジュアリー。各客室にはお手洗いやシャワーは完備、照明など最低限の電源は確保。夕食もいわゆる「キャンプご飯」のような簡単なものでなくアルーシャから運んできた野菜や新鮮なお肉を専属のシェフが調理、一般的なホテルの夕食よりもよほど美味しい。そして何よりセレンゲティの大自然と一体化した環境での宿泊。ホテルのように大きな場所を必要としない移動式テントロッジは宿泊人数は限られているものの、一般の人々が足を踏み入れられないとっておきのサバンナの景色をゲストのみで独占できる。設備の整ったホテルに宿泊するよりも、タンザニアの動物たちの世界にどっぷり浸かるにはこれ以上ない選択なのである。
なおNDUTU UNDER CANVAS ではアルコールを含めた飲み物代金は全て含まれている。充電は室内でなく受付のみ可能。WIFIはないがネットの世界よりも夢中にさせてくれる生き生きした素晴らしい世界がすぐその前に広がっている。なおシャワーはスタッフがバケツで温かいお湯をテントの後ろから補給してくれるので予約制となっている。なお私が宿泊した時は客5組に対してスタッフが7人ほどが働いていた。特に感動的だったのはエントランスを抜けたところに湖が広がっているのだがそこに野生の象達がいたこと。評価は星5つ(★★★★★)。
夜7時にシャワーを浴びて、7時半に夕食をとり就寝。
2月23日
あいにくの土砂降り。しかも今日は朝まで続いていた。仕方なく朝スタッフが置いておいてくれた傘をさしレストラン会場へ。すでにガイドのラマさんとドライバーのアンドリューさんが朝食を食べて待っていてくれた。
ラマさんに思わず尋ねる。「雨が降っていてもサファリはできるの?」。
「雨でもサファリはできます。でも肉食動物は木の上や物陰に隠れるので見つかりにくくなります。草食動物であればさほど問題はありません。それにセレンゲティは広いです。ある場所で雨が降っていても他の場所では降っていないこともよくあります」。
「そうですか・・・・」。今日のサファリに関しては絶望に近いものを感じていたがラマさんの言葉を聞いて少しばかり期待が出てきた。待ってろセレンゲティ!
<セレンゲティ国立公園>
サファリで最も有名な場所と言えば、セレンゲティ国立公園の名前がまず最初に挙がるだろう。タンザニア北東部に位置する14,763㎢もの広大な敷地は、人気を二分する隣接するケニアのマサイマラ国立保護区と比べてその規模は約8倍というから驚きだ。マサイ語で「果てしない大地」の意味が語源というこの国立公園の特徴はまず何と言ってもその広さ。見渡す限り360度の地平線のサバンナが永遠と続く様はまさにサファリのイメージにぴったりだ。そして「ヌーの大移動」はここセレンゲティの目玉の一つである。ヌーは草を求めて、6月前後にマラ川を渡りマサイマラへ。そして11月頃に再度セレンゲティにやってくる。11月から6月まではゆっくりセレンゲティを一周してまたマサイマラへ向かうのだ。つまりヌーの大群がマサイマラにいるのは7〜10月のだけでそのほかの季節はセレンゲティにいるのである。現在旅行者がマサイマラからセレンゲティへの通り抜けはできないようになっているので、必ずヌーの大群を見たい!という方には圧倒的にセレンゲティの方がおすすめなのだ。ざっくり言えば夏休みに旅するならマサイマラ、それ以外ならセレンゲティと考えていればほとんど100%の確率でヌーの大移動を見ることができるだろう。もちろんセレンゲティの良さはヌーだけではない。あまりに広大な国立公園のため数多くの動物達が生息しており、観光客の憧れビックファイブの遭遇率も高い。個人的な経験でいうとマサイマラではライオンとバッファロー、象、サイを見ることができたがヒョウやチーターはどうしても発見できなかった。しかしセレンゲティではマサイマラで見ることができなかったヒョウやチーターを1日目で簡単に見ることができた。国立公園の敷地が広いのでそれぞれの動物の縄張りも多いため、貴重な動物を観れる確率も必然的に高まる。それに一種類の動物にサファリカーが殺到することもマサイマラと比べてまだ少ないように感じる。圧倒的な広さとその動物の数、これこそがセレンゲティがサファリNo. 1スポットと言われる所以なのである。
我々は朝9時ごろにセレンゲティ国立公園のゲートを出発し、たっぷり時間をかけて午後1時半くらいにセレンゲティの中心地セロネラに到着しランチ。その後午後4時半ごろにセレンゲティのゲートを出てホテルを戻ってきた。サファリを楽しんだのは実質6時間ほど。
ラマさんがいう通り、セレンゲティの入り口付近までは雨が降っていたもののセロネラに到着した頃には雨が降っていたことが嘘のような快晴で、暑いほどだった。
*****セレンゲティで見かけた動物*****
ライオン
トピ
コンゴニ
カバ
サバンナモンキー
バブーン
ミナミジサイチョウ
チーター
ヒョウ
ハゲワシ
リードバック
イボイノシシ
ヌー
シマウマ
ジャッカル
キノボリハイラックス
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NDUTU UNDER CANVAS に戻ってきて、偶然にもホテルから見下ろすサバンナにいた象の群れに大感動。景色をつまみにビールを飲む。最高。
昨日と同様、7時にシャワーを浴びて7時半から夕食を食べて就寝。宿泊客は多くないので夕食のメニューは昨日と同じかな、と思っていたが違うメニューだった。さすがである。
2月24日
朝7時に起床し、朝食。今朝は幸いにも雨は降らず、気持ちの良い朝を迎えることができた。
朝食の後はいつものようにランチボックスに好きなものを詰めて、さぁ出発。
本日からは来た道を戻るようなルートでアルーシャへ向かう。
そして今日はセレンゲティと並ぶタンザニアのもう一つのハイライト、ンゴロンゴロ自然保護区のクレーターの中をサファリする。
NDUTU UNDER CANVAS を出発して、まずはンドゥトゥのエリアを軽くサファリドライブ。このタイミングでヌーの群れを見ることができた(詳しくは「2月22日」の項目で)。
セレンゲティの管理事務所に行き、ンゴロンゴロに入るための手続きを行って、ンゴロンゴロへ出発。セレンゲティの入口からンゴロンゴロのクレーターの入口は約2時間。それもデコボコ道なのでウトウト寝てられない。何かの拍子で岩でも踏んづけたら窓に頭をぶつけてしまうからだ。
<ンゴロンゴロ自然保護区 クレーター>
ンゴロンゴロ自然保護区内に位置する標高約1800m、総面積300㎢ほどのカルデラ。標高2300〜2400mの外輪山に囲まれたこの火口原にはキリンとインパラを除く多種多様な野生動物が生息しているという。特に草食動物に関しては、クレーター内に湖や湧き水が出ることから草もみずみずしく、ほぼ食べるものに困ることはないためクレーターの中だけで一生を終える動物も多い。そして何より青々とした高い峰と草原に囲まれた中で遊ぶ動物達は幸せそうだ。「動物達のサンクチュアリ」があるとしたらきっとこのような場所のことを指すのだろう。サファリ目当ての観光客にとっても他の国立公園や保護区と比べて面積が狭く、動物が隠れるための木も多くないことから効率よく沢山の種類の動物を見ることができる。タンザニア観光においてはセレンゲティに並び必ず訪れたい場所だ。
ちなみに私が訪れた際には特にライオンとの遭遇率が高かった。クレーターの中でも3回ほど写真を撮るチャンスに恵まれた。もっともとても気持ち良さそうに居眠りをしていたので写真ではあまり威厳のある姿を撮るとはできなかったが。。。
*****ンゴロンゴロ自然保護区クレーター内にて見ることができた動物*****
トムソンガゼル
アオアシコ
ゴマバラワシ
サバンナモンキー
ソウゲンワシ
バブーン
イボイノシシ
クロサイ
カンムリヅル
ダチョウ
アルマジロ
ライオン
カバ
アフリカオオノガン
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<NGORONGORO WILDLIFE LODGE ンゴロンゴロ・ワイルドライフロッジ>
ンゴロンゴロの外輪山、クレーターを見渡す位置にある高級ホテル。ンゴロンゴロの老舗ホテル、まるで貴族の館かのようなコロニアル調の気品溢れる造りで、一つ一つの調度品も長年使い込まれた匠の品であることが目に見えてわかる。特に素晴らしいのが客室からと開放感あふれたレストランからのクレーターの眺め。窓いっぱいに広がるクレーターの眺めはゲストだけの特等席。室内はこれまでのホテルと比べると少し狭めで、ベッドは硬い。しかしながら設備面は充実、湯沸かし器・ドライヤー・冷蔵庫・セーフティーボックス・バスローブ、バスタブあり。スリッパはない。WIFIは室内では利用不可。共有スペースのみ利用でき、無料なのは最初の15分のみ。その後は1時間5$、10時間10$で利用できる。なお電気の供給は午後5時から夜11時、翌朝は午前5時から昼の11時までに限られている。不便さがないわけではないがこの景色の前ではいかなることも些細なものに感じられてしまうほどの絶景。ラマさんに後から確認したところこちらのホテルはもともと国営ホテルで、ンゴロンゴロの中でももっとも最初に造られたホテルだそうだ。そのためとても立地がよく、景色に関しては他の料金の高いンゴロンゴロのホテルと比べてもワイルドライフロッジがピカイチとのこと。星5(★★★★★)
夕食を食べた後は就寝。
2月25日
朝5時に起床し7時に出発。残念ながら雨季に差し掛かるこの季節は朝靄が厚く、見事なクレーターの絶景は見ることができなかった。
この日は午前中マサイ族とウォーキングサファリをし、その後アルーシゃのホテルへ向かう。アルーシャのホテルに着くのは午後1時だという。どうして午後1時にはアルーシャに着いてしまうのにもっと遅めにホテルを出発しないの?とラマさんに聞くと、どうやらンゴロンゴロ自然保護区の滞在時間は24時間以内でそれ以上滞在する場合はもう1日分の入場料が必要らしい。だから昨日(2月24日)は直接ンゴロンゴロのクレーターに向かわずまずンドゥトゥのサファリをしたのか、と合点がいった。ちなみにクレーターの中をサファリするにはンゴロンゴロ自然保護区の入場料とは別に車両通行料が300$ほど別途必要だ。
<マサイ族とウォーキングサファリ>
実はタンザニアでウォーキングサファリができるところはそこまで多くない。セレンゲティは禁止、ンゴロンゴロのクレーターの中もできない。しかし自分の足で歩いて自分の目線で動物たちを間近に見る方がリアルで、サファリカーよりもドキドキ感があることはいうまでもない。私は一度ケニアのナイバシャ湖の三日月島でウォーキングサファリをしたことがある。その時の楽しさが忘れられず、今回も期待に胸躍らせてウォーキングサファリを楽しみにしていた。
クレーターの入り口にてマサイ族のレンジャーと合流。マサイ族出身ではあるがマサイ族の伝統衣装ではなくレンジャーの制服とライフルを持っているので一見マサイ族に見えないのは残念。しかしマサイ族出身のレンジャーは多いらしい。マサイ族の人々は動物が襲って来た時の対処に慣れているので、その事実は理にかなっているのである。そのためレンジャーのみならずホテルが雇うセキュリティースタッフは確かにマサイ族の人々が多い。
ウォーキングサファリ中、ここぞとばかり私はマサイ族のレンジャーに様々な質問を投げかけた。
1、マサイ族に生まれて都会に働きに行く人は多いのですか?→はい、多いです。
2、働きに出るのは女性と男性どちらが多いですか?→男性です。女性はほとんど都会に出ません。
3、男性ばかり働きに出るとマサイ族で過疎化が進みませんか?→進みますが、マサイ族は一夫多妻制なので、そこまで進みません。
4、街に働きに出るマサイ族は長男でなく次男が多いのでしょうか?→そうとも限りません。
5、ではマサイ族は長子相続ではないでしょうか?→基本男系相続で、遺産に関しては男兄弟で均等分配されます。
そのほかいろいろな質問をしたが話を聞く限りにおいてではあるが、男性については特にマサイ族生まれであるから不便ということはなさそうだ。レンジャーになった彼はちゃんと動物に関しての専門学校にも通わせてもらったらしい。
ンゴロンゴロを散歩している途中、横に果てしなく続く大きな溝を見つけた。どうやらマサイ族の村に水道管を引くらしい。「でもそんなことしたら放牧できなくなりませんか?」「最近のマサイ族はあまり移動しません、子供の学校のこともあるし」「でも家畜は放牧させなければなりませんよね?」「その場合はお父さんだけ移動します」「日本だといわゆる単身赴任ですね、しかし身の回りの世話は誰がするのでしょうか」「お父さん自身です」。
たとえマサイ族であってもお父さんの取り巻く環境は厳しいのだった。
約1時間半のウォーキングサファリで見ることができたのは結果、シマウマとヌーだけ。正直動物にはがっかりだが、マサイ族のレンジャーにいろいろ質問ができたのが興味深かった。
ンゴロンゴロ自然保護区を抜けて約2時間、アルーシャへ向かう。
途中、往路でも立ち寄った赤バナナが名物の村ムト・ワ・ンブにて車を降りる。ドライバーのアンドリューが赤バナナを買うためだ。せっかくなのでバナナ売りのおばちゃんに写真を撮らせてもらった。ちなみにタンザニアの人々を写真を撮るときは了承を得なければならない。そのときは大抵お金を請求されるそうだ。今回はバナナを購入したのでお願いして特別に撮らせてもらった。
またガイドのラマさんにお願いして、ムト・ワ・ンブ近くの街・カラトゥ(Karatu)にて庶民的なローカルマーケットに立ち寄り、写真も撮らせてもらった。
タンザニアでは一般的な旅行者はあらかじめ決められたルートでしか旅をしないので、どうしても素顔のタンザニアやそこの住まう人々の様子がわからない。王道な観光地も好きだけど、一方でローカルな雰囲気が感じられないとどうしても旅が消化不良に思うのは私だけではないはずだ。
アルーシャに到着し、土産物屋のベンチでランチボックスの昼食。その後、初日と同じアルーシャのホテル・モイバロロッジ(MOIVARO LODGE)へ。
まだ午後の2時もまわってないので、アルーシャ市内ものぞいて見たいと思いガイドのカストロさんにお願いした。実はこの日までお世話になったラマさんはご家族に不幸があったためアルーシャ市内でお別れし、急遽ピンチヒッターとしてアテンドしたのがカストロさんなのだ。
このカストロさん大変口は達者なのだが、ちょっと私と性格が合わず一悶着あった。
というのは市内に行くために友人だというタクシーに乗せられ、宿泊したモイバロロッジからアルーシャ市内中心部まで往復で30$だというのである。いくらモイバロロッジがアルーシャから少し離れているとはいえども片道10キロもない。30$するなら行かなくともいい、と車を降りる私。何ドルならいく?と聞くカストロさん。相場をしらない私に聞くのも私からすれば意味不明。10$ならこれくらい、30$ならここまでいけます、というのがガイドでしょ?と聞くも口が達者なだけにケムに巻かれ余計に腹がたつ。結果10$で行ってもらいチップはあげなかった。ラマさんが素朴な人柄なだけにちょっと後味が悪い出来事だった。再認識したのは「フレンド」といってくるガイドは私にとってハズレが多い、ということ。
アルーシャ市内ではクロックタワーと欧米観光客に人気のアフリカフェ、それにマサイマーケットと呼ばれる「Mt Meru Curios & Crafts Market」に立ち寄る。正直「これ!」というお勧めできるお土産物屋さんはなかったが、いわゆる旅行者向けのお土産が一堂に揃い、品揃えも豊富なのでタンザニアらしいお土産をお探しの方にはお勧めだ。到着初日に訪れた「カルチャル・ヘリテイジ」よりもカジュアルな感じ。
市内に立ち寄った後はホテルに戻り、ラウンジでゆったり過ごし夕食をとり就寝。
2月26日
この日は午後2時半までフリータイム。事前にラマさんにどこかオススメないですか?と聞くとコーヒーファームはなかなか面白いですよ、とのこと。なるほどコーヒーファームか。実はアルーシャ市内にて何か面白そうなものがないかペラペラとガイドブックをめくってみたものの特に気をひくものはなかった。本場のキリマンジャロコーヒーならお土産にもうってつけだし、コーヒーは好きなのでせっかくだから行ってみようかな、という気になった。後日ラマさんとコーヒーファームの迎えの時間を確認するために電話した時、日本語ガイドつけるかどうかと聞かれたが、昨日カストロさんと喧嘩別れしたこともあって、いらないと答えた。
コーヒーファームのお迎えは午前9時半。観光の後にシャワーを浴びたいなと思ってフロントに9時くらいに行くとすでにお迎えは来ていた。フロントに2時まで使わせてくれる了承を得て、出発。
<コーヒー農園(TENGERU CULTURAL TOURISM)訪問>
モイバロロッジから車で約10分。幹線道路から途中の脇道にそれ、しばらくガタガタ道を進むと立派なお屋敷が見えてくる。これが農場の建物のようだ。すでに欧米人の先客がいた、なんでも彼らはドイツ人の家具職人で椅子のデザインのアイデアを得るために夫婦でここにしばらく滞在しているとのこと。ホテルに迎えに来てくれたスタッフの一人のエリックさんは農家兼家具職人であるので、ドイツ人夫婦はエリックさんと意見交換をしているそうだ。変わった経緯で来る人もいるのだなぁ。
まずはタンザニア伝統のおかゆとお茶でもてなしをうけ、コーヒー農園のガイドから簡単な今後の流れの説明を受けた。どうやらコーヒー農園とは聞いていたものの、コーヒー以外にも多彩な食べ物を生産しているそうである。
シコクビエFinger milletとミルクのおかゆ
タンザニアのさつまいもはカボチャのようなオレンジ色
レモングラスとしょうがを煮詰めたタンザニアのお茶
最初に向かったのは家畜小屋。仔牛も合わせて合計4頭の牛たち。もちろん牛のミルクを摂るのも目的の一つだが、他にも理由はある。牛の糞尿からはメタンガスが発生するため、牛たちの糞尿を攪拌してメタンガスだけを抽出する。そのメタンガスはガスコンロやガス灯のエネルギーとして利用されているのだ。残った糞尿は作物の肥料として無駄なく使われる。化学日肥料は一切使っていないそうだ。つまり100%ナチュラルな資源で、農作物のみならず部屋の明かりや料理さえもできるのである。
「ミルクからガスまで」活躍する牛
メタンガスを抽出するパイプ
「残りもの」は肥料に
100%ナチュラル原料のガス灯とガスコンロ
その後はプランテーションを散策。プランテーションはなだらかな丘陵に沿って約1.5エーカーにわたって広がっている。キリマンジャロ付近で作られているコーヒーの品種はほとんどがアラビカ種でこの種は高地の栽培に適しているため、街に近く標高が比較的低い場所にはアボガドをはじめとしてジャックフルーツ、パッションフルーツなど、標高が高い場所にはコーヒーというように場所のよって種を変え栽培している。なおコーヒーはバナナと一緒に植えられることが多いとのこと。それはバナナの背の高い木と葉っぱがコーヒーの良い日除けになるそうだ。
この辺に住む子供達はアジア人が珍しいのか、私の手をとってじっとみる。タンザニア人の真っ黒な手と違うから興味深いのだろう、やけにフレンドリーだった。
農園を一通り散歩(約1時間)した後は収穫したコーヒー豆からどのように一杯のコーヒーを作るかを一緒に実演して教えてくれる。
1・コーヒーの実の皮をむいて乾燥させる
2・乾燥したら薄皮をむくために臼で突く(コーヒーの種は硬いので割れない)
3・薄皮と生の豆を分ける(ザルを使い薄皮を空気で飛ばす)
4・生の豆をローストする
5・黒くなってツヤが出て来たら臼で粉になるまですり潰す
6・コーヒーの粉のできあがり
機械のいらないとても原始的な作業であるがとにかく労力のいる作業だ。
最後にコーヒーの粉を5分ほどボイルしてコーヒーを作る。タンザニアではフィルタリングするよりも煮ることの方が一般的だそうだ。そして出来上がったコーヒーをみんなで飲む。やはり自分が手にかけたものは出来合いのものよりも数倍美味しく感じた。余ったコーヒーの粉はお土産用にパックで包んでくれた。
コーヒーをいただきながらTENGERU CULTURAL TOURISMの今後の活動について教えてくれた。TENGERU CULTURAL TOURISMはサファリに来るお客さんにもっとタンザニアのローカルな人たちと触れ合える場を作ろうというのが目的だそうだ。サファリの観光はあらかじめ決められたルートでしか旅をせず、そこにはローカルの人々と出会う機会はない。しかしTENGERU CULTURAL TOURISMは観光の一環として、地元の農家を接することでタンザニアの美味しい果物やコーヒーなどを味わってもらうことでサファリだけでなく、別の面からもタンザニアを知ってもらおうと試みているのだ。今回私はコーヒー農園観光というプログラムで訪れたが他にもローカルマーケット巡りや小学校訪問など多彩なプログラムを用意しているとのこと。さらには農園内にはゲストハウスもあるので長期間の農業体験もできる。それにより得た利益は、干ばつが激しい村での井戸掘りや、緑化活動、学校支援などに利用されているとのこと。
こういう取り組みをするのは素晴らしいことだと思うし、たくさんの観光客にも訪れてほしい、しかし何より私が感動したのは「援助」「ボランティア」という枕詞がないとしても、今回参加したプログラムは私にとって大変興味深いものだったし、実際楽しかったということ(これまでコーヒー工場には行ったことがあるがここまで丁寧にレクチャーしてくれるところは初めてだった)。「援助」「ボランティア」という言葉でなんとなく胡散臭いと思うかもしれないが(私がそうなので)、それに取り組む農園のスタッフのなんとまぁフレンドリーでホスピタリティ溢れ、気持ちがいい人々なこと。お金は多少かかったが全く惜しいとは感じなかった。
アルーシャにてもし時間があればぜひ訪れてみてほしい。
午後2時前にホテルに戻り、シャワーを浴びてチェックアウト。
サファリをともにしたドライバーのアンドリューさんが迎えに来ていてくれた。
ホテルからキリマンジャロ空港へは約1時間。無事到着し、アンドリューさんと別れカタール航空にチェックイン。
こうして私のタンザニアの旅は無事に終わった。
以前のケニアの旅はホテル視察が中心だったので、ビッグファイブを制覇することはできなかったが今回のタンザニアの旅ではビッグファイブ+チーターも見ることができたので動物に関しては大満足。そしてケニアと比較することでタンザニアの良さが色々見えてきた。
●タンザニアの良さ
とにかく広大な自然(セレンゲティはマサイマラの約8倍の大きさ)
ケニアよりも観光客の密度が少ないのでよりナチュラルな雰囲気でサファリが楽しめる
セレンゲティの見渡す限り地平線とンゴロンゴロのクレーターの絶景
希少動物の遭遇率の高さ
食事や宿泊施設は全体的にレベルが高く、ラグジュアリーなホテルは天井知らずの値段と豪華さ
ヌーやシマウマの群れは一部の期間(7月〜10月頃)を除きセレンゲティ・ンゴロンゴロにいる
●ケニアの良さ
タンザニアのよりも国立公園や自然保護区の入場料や安いため比較的お手軽にサファリができる
特に5つ星ロッジはタンザニアの相場の半額以上にリーズナブル
バリエーション豊かなサファリができる(サファリクルーズのナイバシャ湖、フラミンゴの大群のナクル湖、ホテルに居ながら動物を観察できるアバーディア国立公園など)
動物とふれあいが楽しめる(ジラフセンター、ケニア山国立公園)
夏休みの旅行中はヌーやシマウマの群れはマサイマラに入る確率が高い。
上記の理由から、ちょっとサファリに興味ある方やアフリカへの旅ってどういうもんだろ?というお考えの方にはケニアを、予算もあって動物達をがっつり見たいという方にはタンザニアをお勧めしたい。私の好みはどちらかって?今はタンザニアです。次にまた来る機会があればセレンゲティで動物を「目撃する」だけでなく、ビールでも飲みながら、時間をかけてじっくり生態を観察したいなぁ。
セレンゲティ国立公園 ★★★★★L 希少動物やヌーの群れを見たいならココ!まさにサファリ愛好家達のメッカ。
ンゴロンゴロ自然保護区 ★★★★★ 絶景のクレーターと多種多様な動物達に効率よく遭遇できる。
マニャラ湖国立公園 ★★★★ アルーシャからセレンゲティへの通り道。比較的カバやゾウの遭遇率が高いことで知られている。
コーヒー農場見学 ★★★★☆ タンザニアのローカルな人々の暮らしを垣間見れる体験。本場手作りのキリマンジャロコーヒーのお土産も嬉しい。
アルーシャ ★★★ 小規模な博物館やお土産屋さんのマーケットはあるものの寂しい町。特に時間を割かなくとも良い。時間があるなら農園観光などの方がお勧め。
(2017年2月 橋本康弘)
- ブラジルだけじゃない! ボリビアのアマゾン「ルレナバケ」の魅力に迫る!! 野生動物の楽園パンパスでアナコンダ探し・ピラニア釣り・カピパラ、メ
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エリア:
- 中南米>ボリビア>ボリビアその他の都市
- テーマ:ハイキング・登山 自然・植物 動物
- 投稿日:2017/01/16 11:25
リスザル(ヤクマ自然保護区)
ついにアマゾンを訪れる時が来た。しかもボリビアのアマゾン。ボリビア=ウユニ塩湖のイメージが強いと思いますが実はボリビアの国土の半分がアマゾンジャングル地帯。しかもボリビアのアマゾン地帯は野生動物の楽園で、特にめずらしい野鳥がたくさんいるのです。今回その場所を視察して参りましたのでその様子をご紹介いたします!
なぜボリビアのアマゾンなのか
アマゾンといえば、どこでも野生動物を見られるように思われがちですが、実際には野生動物を多く見られる場所はわずかです。各地で開発が続き、野生動物の生息域は日に日に狭められているのが現実だからです。たとえば、ブラジルのアマゾンではマナウスが有名ですが、本当の野生を体験するためには何日も上流へ上がる必要があります。そこには中流域のアマゾンとしての別の魅力があります。
簡単に野生動物を見られる場所に行けて、なおかつ冒険的な体験をしたいのであれば、ボリビア・アマゾンがお勧めです。ボリビア・アマゾンでも特に野生動物が多いのが、「ヤクマ自然保護区」です。比較的アクセスも良く、日本をたって2日目の午後にはアマゾン川の源流域でのボートサファリを楽しむことができます。ボリビアのアマゾンツアーは現在日本のパッケージツアーではほとんどの取り扱いがありませんがお手軽に野生動物がみられるとあって南米を訪れる日本人パックパッカーの間では人気の場所の一つです。日本人以上に欧米人がかなり訪れていてその数はウユニの倍以上だそうです。
いざパンパスツアーへ
上空からうっそうとしたジャングルがみえる(ルレナバゲ)
アマゾナス航空にてルレナバケ空港に到着(ルレナバケ)
ボリビアのアマゾンツアーの拠点となるのは、ラパスから300km北部の「ルレナバケ」という町で、飛行機で約1時間です。飛行機はラパスの町並みが眼下に広がった後、左側にはこの間までいたチチカカ湖がキラキラと光り、チチカカ湖から遠くに見えていた6000M級の雪山の真横を通過。しばらく雲の上を飛んで飛行機が下降すると、そこにはテレビでみるようなクネクネの川が流れるアマゾン地帯が!!感動しました。たった45分のフライトで標高3600Mから300Mへ。そして未舗装の滑走路に砂埃をあげてどどどどどーっと着陸しました。
ルレラバケの町はバイクが多くてまるで東南アジアのような雰囲気。ラオスのルアンパバーンの町外れのような感じでなんだか懐かしい気持ちになりました。
そして久々に標高の低い場所に来て思ったのは空気が重い!!おおお、なんか空気が違うぞ!
ルレナバゲの事務所でパンパスツアーのチェックイン(ルレナバケ)
ルレナバケ空港には予約したエコロッジの係員が迎えに来ていてルレナバケにある事務所でオリエンテーションや自然保護区のチケット(150ボリビアーノ=約¥3000)の購入など必要な手続きを行います。それが終わると早速出発です。まずはおよそ100km離れたサンタ・ロサという町をめざす。道は穴ぼこだらけでガッタガタのオフロード。両サイドは鬱蒼と茂るジャングルで東南アジアを彷彿させます。約3時間でサンタ・ロサに到着後、昼食を食べ、近くの船着き場へ。川べりには細長いカヌータイプのボートがいくつも待機。
ボートには両サイドにイスが備え付けられています。パンパスツアーはいよいよここからスタートです。アマゾン川の源流域に位置するこのあたり一帯はヤクマ自然保護区と呼ばれており、アマゾン川の支流のひとつ、ヤクマ川流域は川幅が狭く野生動物を観察するのに非常に適した場所です。早速ボートに乗ってのボートサファリへ。川面を滑るように進んでいくボート。風が頬を優しく撫ぜる。気持ちいい〜。アマゾンの日差しを浴びながら、ボートがのんびりと出発するとすぐにワニの姿が!
ヤクマ川ボートサファリ(ヤクマ自然保護区)
ヤクマ川ボートサファリ(ヤクマ自然保護区)
ヤクマ川ボートサファリ(ヤクマ自然保護区)
ヤクマ川ボートサファリ(ヤクマ自然保護区)
ブラックカイマン(ヤクマ自然保護区)
ブラックカイマン(ヤクマ自然保護区)
ブラックカイマン(ヤクマ自然保護区)
岸には信じられないほどの数のワニがウジャウジャいます。全長二メートル以上あるブラックカイマンもいました!本物の野生のワニをみたら先ほどまでのつらい車移動のことなんかスッカリ忘れてハイテンションになりました。「ワニだ!ワニだ!」なんて騒いでいると今度はカメが!しかも親カメの上に子カメ、そして孫カメと冗談みたいに重なっていて笑える。
カメ(ヤクマ自然保護区)
一番お手軽に見ることができるのは鳥類。
ツメバケイ(ヤクマ自然保護区)
なかでもよく見かけたのはモヒカンヘアーの珍鳥ツメバケイ(セレレ・デ・アグア)。体の大きさはおよそ60センチ。青い顔に赤い目がギョロリと光っています。がっしりとした体格は迫力満点です。
調べてみるとなかなか変わった鳥であることが判明。主食は木の葉っぱなんだそう。草食だからかどうかは分からないけど、体臭が牛の糞みたいに臭くて強烈なんだそうです。しかも鳥のくせに飛ぶことが下手くそで、ふだんは枝から枝へと歩いて移動するんだそう。
こうした姿や行動から、1億5千万年前に存在した鳥の祖先・始祖鳥の生き残りと間違えられたこともあります。
カピバラ(ヤクマ自然保護区)
カピバラの親子(ヤクマ自然保護区)
カピバラ(ヤクマ自然保護区)
そして今度は世界最大のネズミ、カピパラの親子が登場。動きがノソノソしていて可愛い。かなり間抜けな面持ちで、いつもどこかをぼぉ〜っと眺めています。めちゃくちゃ癒されます。
リスザル(ヤクマ自然保護区)
リスザル(ヤクマ自然保護区)
しばらくすると、お待ちかねのサル発見!体長20cmくらい、黄色い体毛とクリクリした目。リスザルだ。エサを期待してかそれとも元々人懐こいのか次から次へと近寄ってくる!
めっちゃくちゃかわいいです。ぜんぜん人を怖がらないので触り放題。ふわふわぷにぷにでかわいすぎる。
アマゾン川の主役ピンク・イルカもいました。ピンク・イルカに遭遇するチャンスはたくさんありますが、写真を撮るのは非常に難しいです。川の水は水面は美しいけれど、濁っていて茶色いからです。いくら目を凝らして探しても、水に潜ったイルカを見つけるのは不可能。呼吸するため浮上してきたときに姿を確認するのが精一杯。じっと待ち、プハッっと呼吸音がした方向に視線を送る。でもその時はもう遅い、ふたたび潜ってしまって背中や尾びれしか見ることができない。そんなじれったいことの繰り返し。悔しいけど写真はあきらめるしかありません。
鵜の仲間(ヤクマ自然保護区)
Tortugas Ecolodge(ヤクマ自然保護区)
Tortugas Ecolodge(ヤクマ自然保護区)
Tortugas Ecolodge(ヤクマ自然保護区)
Tortugas Ecolodge(ヤクマ自然保護区)
ロッジの敷地内にいたホーラーモンキー(ヤクマ自然保護区)
その後、鵜の仲間、コンゴウインコ、ホエザル、サギの仲間など他にも色々な動物がいてさすがアマゾンって感じでした。ボートサファリを約2時間楽しんだ後ヤクマ川湖畔のロッジに到着。今回も泊まったTortugas Ecolodgeは部屋数13部屋。三部屋まとまった長屋タイプと一部屋だけの独立棟がある。部屋には基本的に二台のベッドがありバストイレ、蚊帳、扇風機、電源、タオルあり。シャワーは水シャワー。電気はソーラーのため使えるのは1200-1330と1800-2200に限られるため懐中電灯は必須です。食堂があり味はまあまあ美味しいです。今回スケジュールの関係でやりませんでしたがピラニア釣りやカイマン観察ツアー、アナコンダツアーもできます。
行くなら乾季の5月から10月がおすすめです
今回天気もよく沢山の動物を間近でみることができ大満足だったのですが訪れた11月末は雨季の初めだったため川の水位が上がったせいでおびただしい数の蚊に悩まされました。長袖で完全防備し虫除けも塗りましたが塗りが甘いところや靴下の上からもさされました。よってここを訪れるのは乾期である5月から10月がおすすめです。乾期の方が動物も多く蚊も比較的少ないようです。
生物多様性の宝庫 マディディ国立公園
チャラランロッジの事務所(ルレナバケ)
ボートでベニ川上流のチャラランロッジへ(マディディ国立公園)
ボートでベニ川上流のチャラランロッジへ(マディディ国立公園)
ベニ側両岸にはうっそうとしたジャングルが広がる(マディディ国立公園)
チャララン・ロッジ(マディディ国立公園)
うっそうとしたジャングルが広がるチャラランロッジ前の湖(マディディ国立公園)
ツメバケイ(マディディ国立公園)
ムービング・ツリー(マディディ国立公園)
今回パンパスとは別に、Madidi(マディディ)統合管理国立公園も視察いたしました。
サンホセの先住民が運営するチャララン・エコロッジはアマゾン川上流、ベニー川を上り支流のトゥイチ川をさらに登り、 ゲートウェイのルエナバケから約7時間の場所にあります。 先住民は今は住んでおらず、人の手は殆ど入っていない聖地。ナショナルジオグラフィックでも何度か紹介されています。4年前には新種の猿『ルカチ』が発見され、大きな話題にもなった。5,000~6,000種の植物、156種の哺乳類、1,100種の鳥類が生息していると言われています。ツアーでは国立公園内のエコロッジに2・3泊し、鬱蒼と茂るジャングルを散策し、様々な動植物を観察します。動物観察よりもジャングル散策をのんびり楽しみたい方におすすめです。
最後に・・・
お陰様を持ちまして充実の視察旅行となりました。アメリカン航空の亀井様、アマゾナス航空の坪井様、トラベルファクトリージャパンの菅野様はじめ同行させていただきました皆様大変お世話になりました。ありがとうございました。この場をお借りしまして御礼申し上げます。
オススメ
パンパス(ヤクマ自然保護区) 5つ星
マディディ国立公園 2つ星
(2016年11月 渡邊竜一)
- インカ時代に思いを馳せて…たくさんの不思議を秘める国「秘露(ペルー)」9日間の旅!
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エリア:
- 中南米>ペルー>クスコ
- 中南米>ペルー>マチュピチュ
- 中南米>ペルー>ペルーその他の都市
- テーマ:世界遺産 歴史・文化・芸術 動物
- 投稿日:2017/01/16 11:13
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小さな水たまりで入浴をしていた美しい姫が、男に覗かれていることに気付き、隠れるためにその水たまりを湖に変えました。
彼女が逃げる際に残されたマントのしわが砂漠化し、彼女は今も人魚となってこの湖に住んでいます。
ワカチナの人魚説にまつわる人魚像
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...今回の旅の始まりはこんな素敵な伝説が残る場所。
ペルーまでは伊丹→成田→ロサンゼルス→リマと約24時間の旅…のはずだった。ロサンゼルス到着後、次のフライトの時間をチェックすると、なんと3時間半も遅延になっている。
ロサンゼルスからリマまでは約8時間半。何とかホテルに辿り着き、ガイドさんにオリエンテーションをしてもらい、お部屋に入ったのは朝の6時。とりあえずシャワーを浴びて、1泊分の荷物を入れ替えて、ほぼ寝ないまま出発!
そんなへろへろな私を迎えてくれたのが、イカから車で10〜20分程度のところにある夢のような場所。ワカチナオアシス。
その日宿泊の「モッソーネ」ホテルにチェックイン。ウェルカムドリンクにピスコサワーを頂く。ジュースだと思って飲んでびっくり。ピスコ はブドウ果汁を原料とした蒸留酒で、アルコール度数はなんと36〜42度。ペルーでは欠かせないお酒。とても美味しくて、飲みやすいので要注意。ついつい飲みすぎてしまいそう。
ホテルモッソーネ
ピスコサワー。見かけと味によらず意外と度数が高い
到着後少し休憩し、16時からのサンドバギーのツアーに参加。
バギーに乗り込み、ジェットコースターばりに両肩からしっかりシートベルトをしていざ出発。
これまでドバイとカタールでデザートサファリをしたことがあったが、その時はきちんと窓のある4WD。今回は窓がなく風をもろに感じられるので、そのスリルと疾走感は4WDで走るよりも遙かに上回っている。言うなれば、砂漠の中のジェットコースター。容赦ないスピードで砂漠の上を疾走していく。両肩からのシートベルトには納得。これがなかったら、完全に振り落とされてしまっていただろう。
これはやみつきになる楽しさ!キャーキャー叫びながら、お尻を何度も浮かせながらも、周りの景色がどんどんと綺麗になっていくのがまた素晴らしい。砂漠の上にあがっていくと、そこからはイカの町が一望できる。
ある程度の高さまで上ったら、次はサンドボートに挑戦。
ボードの裏にグロスを塗ってくれる
スノーボードの板に腹ばいになって、丘の上から滑り降りる。
ブレーキがきかないのでなかなかスリル満点!これは、サングラスをしていないと目の中が砂だらけで大変なことになってしまう。耳栓もあった方が良い。
そして、1回だけかと思いきや場所を変えてどんどん高いところへ行く。徐々にリタイヤ組も出てくる。
そして最後に着いたのがココ。
めっちゃ高い、そして急。
写真で伝わるか分からないが、結構な高さがあった。この角度を頭から滑り降りる勇気はなかったので、私もリタイヤ。
勇敢な挑戦者
そして、いい感じに日が沈む時間に。
皆で夕日鑑賞
帰りは、砂漠の上からワカチナオアシスを一望。どうしてこんな乾燥地帯にぽつんと湖があるのだろうか… 本当に不思議だ。
ワカチナでは、1泊するのがおすすめ。
訪れるほとんどの観光客はイカに宿泊しているため、ツアーが終わった夜と早朝はとっても静か。夜は砂漠の夜景、朝は青い湖を見ることができる。
まだその夢から覚めやらぬまま、翌日はナスカへと向かう。
皆さん一度は教科書やテレビなどで見たことがあるだろう、ナスカの地上絵。
どうしてここ広大な乾燥地帯に巨大な絵が描かれたのか。
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農耕の時期を知らせるための暦
雨乞の儀式のため
宇宙船発着場
地下水脈を示すため
UFOの滑走路や着陸した痕跡
公共事業の対象(地上絵を描く作業のために人夫を徴用し、その労役に対する報酬として食料を渡すことで地域内の食料を人々に再配分する)
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それにはこのような様々な説がある。UFOの滑走路って。。
セスナに乗り込みいざ遊覧飛行へ
離陸後まもなく地上絵が見えてくる。
宇宙人
ハチドリ
オウム
手
小さい「宇宙飛行士」で32メートル、一番大きいもので数キロの大きさのものまである。
どうやって、何のために描かれたのか、本当に謎だ。
心配していたセスナ酔いも忘れるほど、パイロットが器用な操縦で羽の下に指し示してくれる地上絵を見つけては感動していた。
イカを後にし、リマから国内線でクスコへと向かう。
インカ時代の首都であったクスコ。今は街全体が世界遺産に登録されている。
石畳の町並み、インカの石造りとスペイン人によって作られた石造りが混在している壁、赤色に統一された瓦屋根、高台から眺める景色、夜景、全てが美しい。
インカの石組みと、スペイン人によって作られた壁
苺を酸っぱそうに食べる姉妹
ジブリにでてきそう・・・
夜のアルマス広場
山の上に建つ家の夜景が美しい
クスコの町中に、「AWAY」というオーダーメイドで靴を作ってくれる靴屋さんがある。
クスコ到着後、まず足のサイズチェックと、皮の色、靴の形、デザイン等を自分好みにオーダーしに行く。皮の色も可愛い柄の布もいっぱいあって、悩んでしまう。
靴会議中
サイズ計測は意外と適当。
靴を作ってくれるホルヘおじさん
受け取りは2日後。どんな靴に仕上がるか楽しみ。
そして2日後・・・出来上がりはこちら。
世界に一足だけの靴完成
かわいい!!サイズもぴったり。ホルヘおじさん、ありがとうございました。大切にします。
クスコから少しいくと、そこにはたくさんの遺跡と素晴らしい自然がある。
聖なる谷
中でも私が一番気に入ったのが、ピサック遺跡。とても美しい段々畑が目の前に広がる。
ここで、ウェディングセレモニー中のカップルに遭遇。
おめでとうございます!
遺跡でウェディング。初めての光景に驚いたが、幸せを分けて頂きました。
お幸せに!
皆さん、「シャーマン」をご存じだろうか?
シャーマンとはいわゆる巫女や呪術者で、霊と交信する特殊能力を持った日本でいういたこのような人。
ペルーでは、インカの時代からコカは神聖なものとされ、儀式の際に神に捧げられ、占いにも用いられてきた。クスコには「コカの葉占い」ができるシャーマンがいて、今回私は実際にシャーマンに会い、コカの葉占いをしてもらった。
正直、私は行くまでシャーマンについてあまりよく知らなかった。
朝、シャーマンと通訳の方が私のホテルまでわざわざ出向いてくれた。シャーマンは英語でもスペイン語でもなくケチュア語を話すため、ケチュア語から英語に通訳をしてくれる専門の方がいる。
見た目は普通のおじさん。この方がシャーマンか・・
行程の都合上、先に観光を済ましてしまう。プカプカラ、タンボマチャイ、最後にケンコー遺跡を訪れた。
プカプカラ
タンボマチャイ
ケンコー
後ろにいるのがシャーマン
そこで、シャーマンからまさかのお言葉が。「人が少なければ、遺跡の中でセレモニーをしましょう」と。
え、遺跡の中・・・?!
そして、ケンコーから少し歩いたところにある小さな遺跡に向かう。日本でいう、"パワースポット"らしい。
ここで占いをする
到着するとさっきまで普通のおじさんだったシャーマンがそれらしく変身していく。
風呂敷のようなものに包まれたコカの葉を広げ、準備を整える。
そして、そこに一緒にいたガイドさん2人と私の3人にコカの葉を2枚ずつ配られる。
この場所でセレモニーをやっていいか、といくことを交信するという。そしてそのコカの葉に自分の願いをこめ、シャーマンは何かを唱え始める。その後そのコカの葉を口に含め、少し噛み、そのまま占いが終わるまで右のほっぺに含んでおく。ガイドさん2人は占ってもらわないのに、その場所にいるため、ということで私が終わるまでずっとコカの葉を噛んでいてくれた。
最初のセレモニー中、遺跡の管理人さんが来て、「No photo」と言われてしまったので、これ以降の写真が残念ながらない。(占い中、ずっと見張られていた・・)
健康、家族、お金&仕事、恋愛、スピリットすべてをコカの葉で占ってもらった。
葉っぱだけで本当に占えるのかな・・と最初は半信半疑だったが、言っていることが当たっていて驚いてしまった。遺跡の中でシャーマンに人生を占ってもらうという、ペルーでしかできない本当に貴重な体験をさせて頂いた。
シャーマンと通訳さんと私
ペルーに行ったのにマチュピチュの話は?!とそろそろ思っている人
がいるかもしれない。マチュピチュを語らずにペルーは語れない・・・ということで、マチュピチュについても少しご紹介。
マチュピチュ村から遺跡までのシャトルバスの始発は5:30発。ホテルを5時過ぎに出発し、バス停に到着すると最後部が見えない程の大行列。残念ながら朝からあいにくの雨。カッパを着てのスタート。
始発前の大行列
始発に乗れなければまた次のバスを待たないといけないかというと、そうではない。バスが満員になると次のバスがどんどんやってきてピストン方式で出発する。私が乗れたのは5:40頃。なんと9台目のバス。一体みんな何時から並んでいるのだろうか。
マチュピチュ村から遺跡まではバスで約30分。遺跡に着いてからまずお手洗い行くことを忘れずに。遺跡内にトイレはありません。遺跡が開くのは6時からで、私はワイナピチュ7時の入場券を購入していたので、軽くマチュピチュを見てワイナピチュに向かう。
あいにく霧がかかっていてワイナピチュのてっぺんは真っ白。登っても絶対何も見えないだろうな・・ と思いながらも、ここまで来て登らない訳にはいかない。
悪天候のワイナピチュ
頂までの道のりはなかなかハード。急な斜面を、滑らないようゆっくりと登っていく。
そしてなんとか登頂。
眺めはというと。
何も見えない
やはり。真っ白でした。
頂上で粘って待ってみるものの、一向に晴れてこないため、またゆっくりと来た道を戻っていく。
ワイナピチュは残念ながら雨だったが、ワイナピチュから降りると少し雨があがり、マチュピチュは綺麗に見ることができた。ただ、マチュピチュ内は一方通行になっていて、来た道は戻れないし、決まった道以外は進めないようになっている。そのため、ガイドをつけるか、事前に見たいところ、行程を決めて行くことをおすすめする。私はワイナピチュから降り、一番下の道を歩いてマチュピチュ遺跡を周っていたので、中腹にある遺跡を見に行こうと登っていくと、ダメと言われて追い返されてしまった。
また、ワイナピチュは天気も変わりやすいので、雨具と両手のあく鞄(岩をよじ登る場面もある)、軍手(私は持ってなかったので手がどろどろになった)は持って行った方が良い。天気の良い日は、日焼け止めと虫よけ、帽子、サングラスは必須。
最後に。帰国のフライトの前、リマで「世界のベストレストラン50」で世界第4位に選ばれたレストラン「セントラル」で最後の夕食を頂いた。
「世界のベストレストラン50」で中南米1位の「セントラル」
そう、リマは近年世界でも注目を集める美食の都市。中でもこの「セントラル」は、「NOMA」などの有名店をさしおいて4位に立ち、世界でも最も注視されている1軒だ。
オープンは19時45分。19時30分くらいに到着し、オープンまで少しお店の前で待っていると、スーツを着た人やお洒落なワンピースを着た女性たちが続々と集まってくる。
19時45分、ぴったりにそのドアが開いた。順番に中に入ると、ガラス張りのキッチンの中でシェフ達が集まり、真剣な面持ちで話し合っている。今日のメニューについて最終チェックを行っているのだろうか。テレビでしか見たことのないような光景にテンションがあがる。
今回私が予約したのは、「MATER ELEVATIONS」(母なる標高)というコース。全部で17皿、それぞれの標高で取られる食材を使い、メニューには料理名の隣にその標高が書かれている。地元の人々と協力して絶滅の危機から救った希少な食材のほか、”食べられるバクテリア“としてアンデスで珍重されるクシュロ(藍藻)なども取り入れられている。
綿の川/140m
砂漠植物/230m
岩上の蜘蛛/-5m
トウモロコシの多様性/2010m
ジャングルの秤/230m
海底の土/-20m
樹木の肌/2300m
茎の端/4100m
途中、シェフのビルジリオ・マルティネ氏がキッチンから出てきて、タコの料理をサービングしてくれた。すごくオーラがあった・・
ビルジリオさんにサービングしてもらった料理「近場の釣り/-10m」
奥のカップに注がれたのは、なんと血のスープ。ごめんなさい、せっかく注いで頂いたのに飲めませんでした。。
10皿目にメイン。牛肉と様々な種類のキヌア、サボテンの実、アンデスミントなどが入っている。
アンデス山脈の低地/1800m
そして、デザート。
緑の高地/3800m
薬用と染用/3050m
一皿一皿、本当に考え抜かれたメニューになっていた。なんとレストランの2階には植物研究所があるらしい。すべてが独創的で、日本では味わえない未知なる食材を使用した料理は前代未聞だった。
ペルーにとっては決して安くない金額。だけど、予約はなかなか取れず、その日も満席。
ミラフローレス地区にあるので、リマを訪れた際はぜひ一度南米1位の味を試してみて欲しい。
セントラルの店内
帰りのダラス空港でパスポートにおされた入国スタンプ。その隣にちょうど1年前の同じ日のダラスの入国スタンプがあった。そう、1年前の12月、初めての中南米、メキシコを訪れていた。初めての中南米に治安を心配しつつも、日本と全く違う文化を持ち、人は本当に暖かく、見るもの全てに目を輝かせて、心からまた来たい!と思っていた。
今年もまたダラス空港で、同じことを思っている自分がいた。美しい遺跡、歴史ある街、陽気な人たち、美味しい料理、そしてたくさんの「不思議」がそう思わせてくれたのだろう。
【スタッフおススメ度】
ワカチナオアシス★★★★★ まるで絵本の中に入ったような、不思議な世界。のんびりできるリゾート。サンドバギーはスリル満点でおすすめ!
クスコ★★★★★ さすが世界遺産に登録されているだけあり、歴史残る街並みは美しい。夜のアルマス広場もロマンチックでおすすめ。
マチュピチュ★★★★★ ペルーといえばマチュピチュ。ここを訪れずにペルーは語れません!
(2016年12月 池田郁依)
- ケニアで癒される、サファリ三昧の旅
-
エリア:
- アフリカ>ケニア>アンボセリ
- アフリカ>ケニア>マサイマラ
- アフリカ>ケニア>ケニア山
- テーマ:世界遺産 自然・植物 動物
- 投稿日:2017/01/13 16:28
とうとうケニアを訪れる機会がやってきました。これまでは北アフリカまでだったので、初めてのサハラ砂漠以南、ザ・アフリカです。ケニアは一生に一度は訪れたいと思っていた国。言わずと知れた動物王国で私たちが動物を見る意味で使っている「サファリ」はスワヒリ語の「旅」に由来しています。どんな「サファリ」になるのか、テンションがあがります。
今回はアンボセリ→ナイバシャ→マサイマラ→ナクル→ケニア山というルートで行ってまいりました。
エミレーツ航空でナイロビに到着後ドライバーガイドさんと合流し、一路アンボセリへ。空港からアンボセリは約4時間半ほどです。飛行機の到着が遅れたのでこの日は宿泊のみ、翌日の朝一番からサファリ開始です。
アンボセリ国立公園はアフリカ最高峰キリマンジャロ山の麓に広がっています。かつてアーネスト・へミングウェイはこの地でハンティングを楽しみ、「キリマンジャロの雪」を執筆しました。実は昨年の春に行ったキューバのヘミングウェイ博物館(元ヘミングウェイ自宅)でたくさんの動物の剥製を見て複雑な気になったのですが、ここだったのか〜、としみじみ。もちろん今はハンティング禁止です。でもライオンなど肉食動物によるハンティングは自然の営み。今回の旅をとおしてハンティング自体は見られませんでしたが、ハンティング後ライオンが獲物を咥えて去っていく姿を見ることができました。その堂々とした姿は百獣の王の名の通り。また乾期には干上がってしまう湖には今回は見られないと思っていたフラミンゴが彼方に見えました。
ガゼルとヒヒがお出迎え
キリマンジャロ山とシマウマ
ケンカ中
彼方にフラミンゴ
公園内には観光客が徒歩で歩けるオブザーベーションヒルという展望台もあります。丘の上からは公園が一望でき、かわいい野鳥が出迎えてくれました。
湖以外にもアンボセリには湿地帯がいくつかあり、まわりにはいろいろな動物が集まっていましたがここでタイムアップ。まだまだ見たりませんが、後ろ髪を引かれながら次の目的地へ。ナイバシャへは7時間ほどかかるのです。
ガゼルの親子
マサイの売り子さん
ナイバシャはバードウォッチングでも有名で、世界各地から愛好家が集まります。ここではボートで湖をサファリするのですが、それは翌朝にすることにして、夕方はロッジ周辺だけ案内してもらうことにしました。周辺にもシマウマやウォーターバック、アビシニアコロブスというテナガザルの一種が見られることも。
ナイバシャでの宿泊はナイバシャ・サウェラ・ロッジです。お部屋はコテージ風で内装もかわいい雰囲気。
次にきたときはロッジでゆっくり過ごしたいものです。
朝は苦手なのですがケニアでは目覚めると鳥たちのさえずりが心地よい毎日でした。この日は早朝ボートサファリに出発です。さまざまな野鳥を見ることができましたが、残念ながらカバは少し顔を出しただけ。
でもガイドさんはがんばっていろいろ教えてくれます。
希望すれば三日月島に上陸してウォーキングサファリもできます。車ではなく動物と同じ目線で歩いて動物に近づけるなんて貴重な体験。上陸するといきなりキリンに出会えました(キリンと同じ目線は無理ですが・・・)。
カモの親子
ボートサファリのあとはマサイマラへ移動です。約5時間ですが、マサイマラに近づくと舗装がなくなりオフロードに。車には私とドライバーガイドさんの二人で車体が軽いためかなり揺れました。そして対向車がくると砂ほこりが・・・マサイマラは国立公園ではなく保護区なので国ではなく地域が道路の舗装など管轄しているのですが、道がきれいになったらなったで、不審者の流入やマサイの家畜を盗む輩など問題もあるようで、難しいところなのです。
マサイマラでの宿泊はセントリーム・テンティッド・キャンプです。アンボセリでも同系列でしたので内装は少し変わりますが、配置はほぼ同じ。部屋の入口はアンボセリがジッパーでしたが、マサイマラはドアに鍵がかかるタイプでした。
休憩した後夕方のサファリに出発。マサイマラ国立保護区は大阪府とほぼ同じ面積という広大なエリア。心なしかマサイマラの動物は筋肉質のような気がしました。
もう夕方なのにライオンはまだ昼寝中でした。ライオンはかなり見たのですが、ほとんど昼寝中。それでもあまり近づくのは危険。ドライバーガイドさんは「危ないので早く撮って!」を繰り返していました。やはり野生なのだと改めて思わされる言葉でした。
足あげて寝てる
あ、起きた
また寝る
あくびをする別のライオン
雌ライオンに集まるサファリカー
座っちゃった
何も遮るものがない大地で見る夕焼けはまた格別。でも日があるうちにキャンプに戻ります。
この日は満月でした。
マサイマラ2日目は1日サファリに出発。動物を探しながらマラ川まででかけます。昨夜雨が少し降ったのですが朝には快晴になりました。
ヌーの群れを見ていた時、急に走り出しました。何かあったのかと思うと向こうからチーターがやってきたのです。でもチーターはすでに食事後でお腹いっぱいの様子。襲う気は全くないのですがヌーは注意深くみていました。まさに弱肉強食の世界です。
そしていろいろな親子連れにも出会えました。
キリンにかこまれたシマウマも。
水浴びするハイエナも。
眠いライオンシリーズ
この日の最後はマサイ村に訪問して歓迎の儀式を受け、暮らしぶりも垣間見ました。外に出て働く人もいる中暮らしを守っています。
この日は本当にクタクタで、キャンプに戻ったとたん寝に入ってしまったのでした。
旅はいよいよ終盤、ナクルへ向かいます。
かつてはフラミンゴの大群で有名だったナクル湖には現在その姿は見られません。水位上昇で捕食条件が悪化したため他の湖に移動してしまったのです。道は水没しかつての公園ゲートも水没の危機で今後が心配です。
ナクル湖国立公園にはケニアでも珍しいロスチャイルドキリン、サイが住んでいます。そしてサファリ最後のこの日ビッグ5のうち唯一見ていなかったヒョウも見ることができました。
ナクル湖での宿泊はフラミンゴ・ヒル・テンテッド・キャンプでした。これまでのテントキャンプより少しリゾートな気分です。
普段の食事はビュッフェなのですが、この日は私を含めて2組だったので食事はコースメニューでした。ランチは優雅に中庭で。これでまたリゾート気分が盛り上がりました。
そして最終地のケニア山国立公園に向かいます。ケニア山での宿泊はフェアモント・マウントケニア・サファリ・クラブです。ラグジュアリー感満載のこのホテルは赤道にあり、北半球と南半球の境の印もあります。すべてに行き届いたサービスで本当に落ち着きました。
敷地内にはアニマル・オーファネージュ(動物孤児院)があり動物とのふれあうこともできます。実は動物を触ることは苦手だったのですが(犬、猫でも)、思い切ってやってみるとできるもので(もちろん人に慣れている子たちに触らせてもらっています)、これから日本でもできるかもと新たな発見ができたのでした。
ゾウガメは150歳!!
出発前の野生の暮らしはテレビにも出てきそうな緊迫感のイメージだったのですが、印象に残ったのはのんびり草を食む動物たち。その姿を見てとても癒された気持ちでサファリ(旅)を終えました。
お勧め度
アンボセリ ★★★★ キリマンジャロを見るなら!
ナイバシャ ★★★★★ 野鳥好きにはお勧め!
マサイマラ ★★★★★ ここは外せない!
ナクル ★★★★ 貴重な動物が見られます!
ケニア山 ★★★★★ 動物との触れあいができる!
(2016年10月 平田真美)
- 大人男子(?)童心に帰るコスタリカとパナマの巻&テキサス
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エリア:
- 中南米>コスタリカ>モンテベルデ
- 中南米>コスタリカ>コスタリカその他の都市
- 中南米>パナマ>パナマシティ
- テーマ:世界遺産 自然・植物 動物
- 投稿日:2017/01/13 14:33
今回中米のコスタリカとパナマを旅しました(最後にテキサスも)。これらの国には子供時代にワクワクしたことやドキドキしたことを再度思い起こさせてくれる要素でいっぱいでした。
中米というと一般的には旅行の目的地としては馴染みのない国が多いかもしれませんがコスタリカとパナマはカリブ海に面した国で海はいうまでもなく美しい上に、子供から大人までも夢中になる魅力的な資源に溢れています。
まずコスタリカでは蝶々や昆虫をはじめとした小さな生き物たちが「いかに奇跡的で神秘的な存在であること」を思い知らされました。テレスコープ越しに見た彼らの姿は、ありふれた‘絶景’よりも感動的です。ユニークな生き物たちとそれらを育むこの豊かな自然をもつ地球に生まれてよかったなぁと思わせる素晴らしい体験でした。
一方、パナマでは男の子が好きな‘巨大合体ロボット’の世界をそのものでした。パナマ運河をクルーズするとたくさんの日頃見たことないような大型の船舶を見ることができます。私がクルーズした時はアメリカ軍の潜水艦と日本の巨大貨物船が隣と後ろで通過していました。そしてパナマ運河観光のハイライトと言えるのがまるでエレベーターのように水位を上下に調節する巨大な仕掛け。車のみならずヘリコプターや飛行機までも収納することもあるという巨大貨物船が通れるくらいのパナマ運河の閘門ですからそれだけでこの仕掛けの大きさを理解していただけると思います。それらは子供時代によく見ていたロボットアニメや戦隊モノを思い起こさせ、おじさんの年齢に差しかかろうとしている私の男心をくすぐるのです。小さなお子さんはもちろん初心を忘れた(?)男性はぐっとくること間違いない場所です。
是非、次回の家族旅行には近場のアジアやリゾートでなく、コスタリカやパナマで一味違った家族旅行を楽しんではいかがでしょうか?お子様連れだけでなく男1人、男性同士の旅行でも盛り上がること間違いないと思います。
===============今回の行程===============
1日目 日本発、夜パナマ着【パナマ泊】
2日目 ランブラス諸島観光【パナマ泊】
3日目 パナマ運河クルーズ、その後サンホセへ移動【サンホセ泊】
4日目 モンテベルデへ 午後観光【モンテベルデ泊】
5日目 モンテベルデ周辺終日観光【モンテベルデ泊】
6日目 マヌエル・アントニオへ 途中クロコダイルクルーズ【マヌエル・アントニオ泊】
7日目 マヌエル・アントニオ観光、その後サンホセへ【サンホセ泊】
8日目 ダラスへ テキサス・農場見学【ダラス泊】
9日目 ダラス発
10日目 日本帰国
===================================
ただ一つ残念なことに私が滞在した期間、パナマは毎日雨でして、良い写真が全然取れませんでした。できればバッチリ快晴なパナマ運河クルーズとランブラス諸島をみなさんに見せたかったのですが、残念です。コスタリカは70%位が晴れて気持ちがいい日が続きました。現地の方がいうにはコスタリカは11月後半から4月、パナマは少し遅れて12月から4月までが乾季で過ごしやすいそうです。
1日目/11月5日
10:30のアメリカン航空ダラス行きに乗るべく、自宅を5時に出て地下鉄とバスを乗り継ぎ成田空港に到着したのは07:30。
早すぎたのかまだアメリカン航空のカウンターにはグランドスタッフが誰もいなかった。自動チェックインが出来るキオスクでとりあえずチェックインだけ済ませ荷物預けのカウンターの前で約30分待つ。無事荷物も預けたあとはのんびりラウンジで過ごし出国手続き。ダラス行きの飛行機も定刻通り出発。何事も問題ない理想的なすべりだしである。
ダラスまでのフライトでは1本と半分、映画を見てあとは食べたり本を読んだり音楽を聞いたり寝たりして過ごした。食事は2回、軽食が1回出た。
ダラスに到着。自動入国審査システムが導入されかなりスムーズになったアメリカ乗り継ぎ。荷物をピックアップして再度預けて手荷物検査、いつも通りの工程をこなして搭乗エリアへ。私が乗るマイアミ行きはターミナルDのため国際線が到着したのターミナルAからDへはターミナル間を走るモノレールで移動。搭乗口の前では昼ごはん(?)を食べて搭乗時間まで待つ。そして特に大きな問題もなくマイアミ、そしてパナマシティへ。
少し気になった点はダラスからマイアミ、マイアミからパナマシティのフライトは飲み物しか出なかったことだ。それぞれ2時間半くらいのフライトなので出ないといえば当たり前なのかもしれないが、念のためダラスで食べておいてよかった。
無事パナマ到着。
まず到着して感じたのは「え、パナマってこんなに寒いの?」ということ。後からわかったことだが空港は冷房でガンガン冷やしているらしい。(ガイドブックにも長距離バスなど公共の乗り物もかなり冷えるらしい)
空港内を歩き、入国審査へ向かう。入国審査はパナマ国民とそれ以外の2列に別れる。しかしすでに長蛇の列だった。加えてなかなか列が進まないので、トイレに行くことに。トイレに行くために階段を上がり空港内をうろちょろしていると、もう一つ入国審査所が100mほど先にあったのでそこに降りてみることに。そうすると誰も並んでいない。ラッキー。というかパナマ空港職員ちゃんと誘導しろよ。
荷物をピックアップし税関を受け到着ゲートへ。
荷物をピックアップした時、便名がなぜかアメリカン航空便名でなくコパ航空の便名だった。仮に共同運航便であっても普通アメリカン航空の便名も表示するものだからアメリカン航空の便名を探して荷物のレーンをうろうろしてしまった。また税関では食べ物持ち込みありにしていたが何もおとがめはなかった。
入国審査の件やら荷物の件やらで到着の時点から良くも悪くも中米らしい「ゆるさ」を感じたのだった。
パナマ空港では現地旅行社のホルヘさんと中村さんが迎えてきてくださっていた。
ホルヘさんは流暢な日本語を話すパナマ人で、これまで日本で観光局やキューバの旅行社などでも働いていたという経歴の持ち主。
キューバ?そういえば私が7年前にキューバに行った時迎えにきてくれたのは、ホルヘさんに似たような優しそうな面構えのおじいちゃんだったなぁ、と何となく思い出し、もしかして〇〇ツアーで働いてなかった?と聞くとそうそう、出迎えの仕事をやっていた、と答える。間違いない。私は7年前にホルヘさんに会っている。まさか再会するとは、しかもパナマで。ホルヘさんのことはゲバラの3ペソを集めに奔走してくれた(http://www.fivestar-club.jp/blog/traveler/archives/2009/06/post_233.html の写真参照)優しいガイドさんとして心に刻んでいたので私もすぐに思い出した。予期せぬ嬉しい再会。
空港から新市街のヴィクトリアホテルまでは約30分。
新市街に近づくと西新宿も顔負けの巨大なビル群が目の前に広がる。すでに夜10時を過ぎていたが人通りは少なくなく、ホテルに近づくとちらほら小さな商店やレストランは営業していた。
ヴィクトリアホテルに到着。夕食を食べていなかったので、スーパーでちょっとしたものを買いたいというと、ホルヘさんは近くにスーパーマーケットがあるよ、と言って連れていってくれた。
ヴィクトリアから歩いて7分くらいの場所にあるスーパーマーケットREYは24時間営業の大型店。
みなさんお土産にどういうものを購入されますか、と聞くと、ラム酒なんかがいいかな、とホルヘさん。パナマのラム酒は有名らしく、ラム酒工場ツアーも欧米人に人気があるとのこと。ラム酒で最も有名なブランド「ロン・アブエロ」の200mの小瓶がたったの2ドル。酒好きな人へももちろん料理好きな方へのお土産にもおすすめ。お財布にも優しい。
私の目的はセルベサ、つまりビール。ビールコーナーには山のように積まれたビールの山。パナマ人てこんなにビールが好きなの??輸入ビールも豊富でアメリカのクラフトビールも主要な銘柄はおさえているし、ベルギービールまで扱っている。ここ最近、私はIPAにはまっているのでまだ見ぬIPAビールを飲むことも考えたがせっかくパナマに来たのでここはやはり国産を飲まなければならない。パナマにはドメスティックなブランドが3つある。バルボア、パナマ、アトラス。バルボアがパナマ人には一番人気。アルコール高めのガツンとした味。売り場面積もダントツで広い。バルボアに比べるとパナマやアトラスがスッキリした味わい。全て飲んだ中ではアトラスが麦の風味が感じられ日本人好みかもしれない。
ホルヘさんと中村さんと別れ、ヴィクトリアホテルに戻り荷物の整理。
<ヴィクトリアホテル>
パナマシティの新市街の目抜き通り、スペイン通りにほど近い4つ星ホテル。周囲にはレストランや売店など夜遅くでも食事や買い物にも便利な立地。中米の中でも比較的治安のいいパナマ。ホテル周辺であれば夜遅くでもさほど問題はなさそうだ。室内はかなり広めで清潔。エアコンに大型のテレビ、無料のWIFI、無料の水にセーフティーボックス。バスタブやスリッパ、ミニバーはなかった。正直そこまで期待していなかったが大変満足。
翌日に備えて就寝。
2日目/11月6日
朝4時半に起床。
この日はサンブラス諸島への終日ツアー。
<サンブラス諸島ツアー>
パナマの観光というと「パナマ運河しかない」と思われがちだがそうではない。サンブラス諸島こそ、まさにパナマでしかみられないユニークな島々なのだ。まずそのアクセスが独特。太平洋に面したパナマシティから車に揺られることたった2時間でカリブ海に面した港町カルティに到着。太平洋とカリブ海の最も近い距離で挟まれたパナマだからこそ、陸路であっというまにカリブ海へとアクセスできる。もちろん海は目にも鮮やかなカリビアンブルー!美しいサンゴ礁とカラフルな魚たちが私たちを出迎えてくれる。さらに驚くべきことにこの365もの島々が散らばるサンブラス諸島はパナマの先住民族・クナ族の自治区となっている。そのためほかのカリブ海のリゾートと違い開発から取り残された手つかずの自然が残っているのだ。
そのサンブラス諸島に暮らすクナ族でもっとも有名なのが「モラ」だ。モラとはクナ族の女性がきている民族衣装の胸と背中の部分に縫い込まれる手芸の飾り布のことである。アメリカを中心にその素朴でアーティスティックなデザインがうけ、1980年ごろ日本でも知られることとなった。今では世界各国にその愛好家がいるとのこと。色木綿布を幾重にも重ね、切り込みや刺繡にアップリケなど20数種類ものテクニックを凝らし、貝や魚に花、動物など漁村に住むクナ族にとって身近なものをモチーフに様々な模様を描き出すことが一般的。近年では身近なモチーフのみならず、人気歌手やスポーツ、飛行機など乗り物などを題材として取り入れ、見ているだけでも楽しい。サンブラス諸島の集落やリゾートの土産物屋さんにもモラを販売しているクナ族の人々がいるので是非みてみよう。中には縫い目の細かい芸術性の高いモラやヴィンテージのオールドモラなど高値で取引されるモラもあるのでパナマに訪れたらそういったモラをじっくり探すのもいいかもしれない。
ホテルロビー集合は朝5:45。それまでにシャワーを浴び水着を着込み、荷造りをして準備。タオルはホテルから拝借した。また途中にパスポートチェックがあるので必ずパスポートを携帯すること。ホテルの朝食は食べられなかったので事前に日本から軽食を持っていくことがおすすめ。また現地の島でもちょっとしたレストランはあるが種類が少ないためできれば現地で食べられるようおつまみもあったほうがベター。ソフトドリンクやビールは島でも購入可能。
現地のドライバーがホテルロビーまで4WDで迎えに来てくれた。
他のお客さんをピックアップしてパナマシティから約2時間かけてサンブラス諸島への船着場カルティ(CARTI)を目指す。パナマシティを抜けて約1時間は両脇に草原が広がる自然豊かな幹線道路をひたすら進む。その後、ドライバーがおもむろに車を止めて、ここからかなり急勾配だからと皆に伝える。4WDをつかうのはこういう理由なのだろう。後半の1時間は日本では見ることがない急な上りと下り坂の連続。だんだん車酔いしてきた。パスポートチェックを経て、その後も続く狭くて細い山道を進む。海が視界に入ったらもうすぐだ。ようやくカルティの駐車場に到着。
8:00
駐車場にはすでにたくさんの4WDが到着していた。すべて観光客なのだろうか。こんなに山奥にたくさんの人が来るなんて、あの鬱蒼としたジャングルを越えてきたばかりの身としてはちょっと信じられなかった。目の前に青い海が広がり、そこにいる人々もこれからのバカンスに心ときめかせている陽気なカルティの雰囲気はそれまでの道のりとはまさに対照的。
現地のドライバーとはここで一旦お別れ。ドライバーは私に、このおじさんについて行け、というのでこのスペイン語しか喋れない小さなおじさんについて行くことにした。おじさんは私のために船のチケットを購入し、桟橋まで案内して「そこから船が出るのでそこに行け」らしいことをスペイン語で言う。私も言われるがまま桟橋の先まで移動し、それらしい船のスタッフにチケットを見せるもどうやら船が違うようで乗せてくれなかった。とりあえず桟橋でしばらく待つと先ほどの小さなおじさんが「おーい」とモーターボートでポッポッポとエンジンをふかしてやって来る。
モーターボートに乗り、ライフジャケットを着込む。カルティの港から約20分かけてまず目指したのは「ISLA AGUJA」。日本語に訳すると「針の島」。
09:00
船頭のおじさんが私の代わりに入島税を払い、島の中へ。おじさんは誰かと携帯で連絡をとり、私と代わってくれた。相手はどうやら次のガイドらしく、彼は英語が喋れた。11時ごろに迎えにくるから、針の島でリラックスして過ごしてね、と言う。11時まであと2時間、せっかくカリブの島に来たんだから泳がなきゃ損だ、ということで船頭のおじさんと別れて、水着になり海で泳ぐ。さすがカリブ海の無人島だけあり透明度抜群。遠浅で子供にも泳ぎやすく、カラフルな魚もたくさんいる。そのためか家族連れも多かった。
午前中は曇り空だったので真っ青なブルーオーシャンというわけではなかったが晴天の日に訪れたならまさに天国であろう。
島内にはクナ族の土産物屋さんや小さなレストランがある。もちろんトイレやシャワーも完備。宿泊する用のヴィラも数軒あった。島を訪れる観光客の中にはテントを持ち込んでいる人もいた。
かるく泳いだ後は肌寒いのでビーチで日光浴をしてリラックス。しばらくすると雨が降ってきた。くもり空だったので雨が降る予感はしていたものの、予感は現実となった。雨降りのリゾートほど人の心を憂鬱にさせるものはないな、と思った。雨は強くなったり弱くなったりを繰り返しやむことはなかった。仕方なく屋根付きのレストランで雨をしのぎながらビールを飲み、本を読んだ。
11:00
本を読んでいると見知らぬおじさんが声をかけて来た。時間的にさっき電話で話したおじさんだと思い、そのおじさんの船に乗り込む。船には他のお客さんと若い乗組員が1人すでにスタンバイしていた。「針の島」を後にして雨の中をモーターボートで飛ばす。吹きつける雨と風は強く、まるでひょうが体に当たっているような感覚だった。「針の島」からさらに20分ほど。到着したのは「犬の島」。スペイン語だとISLA DE PERRO。かわいい名前だ。さっきの針の島を一回り大きくしたような島で、観光客も多く賑やかだ。美味しいシーフードを食べさせてくれるレストランもある。おじさんにランチのメニューを聞かれた。ロブスターとフィッシュどっちがいい?迷いなくロブスターと答える。
12:30
ランチタイム。ロブスターで注文していたのが、実は期待半分、不安半分であった。なぜかというとこれまで海外で食べたロブスターの中には名ばかりロブスターが多く、ほとんど硬い殻に覆われ食べられる身が半分もないといいうロブスターがほとんどだからだ。
しかしここのロブスターは違った。これまで食べたロブスターの中では間違いなくトップランク(パプアニューギニアのケビエンで食べたロブスターも美味しかったなぁ)。身が尻尾までぎっしり詰まった理想的なヤツだった。程よく蒸しあげた厚めの肉にガーリックソースの香りが食欲をそそる。ツアー料金にランチが含まれていたので実際にはこの料理はいくらなのかは分からないがまず日本ではこのサイズはお目にかかれない。お目にかかったとしても高級料理店くらいでしか扱わないであろうことと、料金は1万円くらいするだろうから普通は食べられない。パナマのロブスターがこんなに美味いなんてサプライズ。ロブスターを食べにサンブラス諸島にまた来てもいいくらいだ。
(周りのお客さんはほとんど白身魚のフライを食べていたのが驚きだった。あとで聞いてみるとこちらの方はあまりロブスターを食べる習慣がないそうだ。)
14:30
ロブスターをたっぷり堪能したあとは、一向に止む気配がない雨降りを屋根のあるベンチで眺めて過ごす。空は薄暗いくもり空に覆われており、数時間経ってもやむ気配は見せない。時差ボケのせいかベンチでウトウトしていたところ、犬の島まで連れて来てくれたボートのスタッフの若い方が起こしてくれた。どうやら出発の時間らしい。
他のお客と船に乗り込み、どしゃ降りの中カルティの港を目指す。
15:30
港に到着。カルティの桟橋からとぼとぼ駐車場めがけて歩いて行くと、向こうから見たことがあるトヨタの4WDがこちらにやってくる。私をパナマシティからカルティまで連れて来てくれた車だ。体はびしょ濡れだが乗ってもいいとドライバーがいうのでびしょ濡れのまま助手席に乗り込む。パナマシティから来た時に一緒だったほかの観光客はすでに乗っていた。
来た時と同じように山道を越えてパナマシティを目指す。私は安心してしまったのか寝てしまい、起きた時にはすでにパナマシティに差し掛かっていた。パナマシティでは雨は降っていなかった。
18:00
夕方のパナマシティは日曜に関わらず渋滞していた。少し時間はかかったが無事ヴィクトリアホテルに戻った。ドライバーに感謝を伝えて別れた。
ドライバーがいうにはこのように1日中降り続くのは滅多にないことらしい。この日訪れていた観光客の多さから、きっとドライバーの言うことは本当のことなんだろうと思った。誰も予想はできなかったのだろう。天候に恵まれなかったのが本当に残念だが、サンブラス諸島はカリブ海と太平洋がもっとも近く接するパナマだからこそ簡単に訪れることができるユニークなリゾートなので是非皆さんにも訪れてほしい。
ホテルにチェックインし、濡れた服を着替えて夕食を食べに街をうろうろ。
夕食はホテル近くの地元客で人気のレストラン「MANOLOS」にてモッツァレラのピザとアトラスビール。締めて9ドル。
3日目/11月7日
朝8時集合のため6:30には朝食を食べて荷造り。8時前にはホテルロビーへ。すでにホルヘさんとドライバーさんはホテルの前で待っていてくれた。
この日はパナマ観光のハイライトとも言えるパナマ運河のボートクルーズである。
<パナマ運河ボートクルーズ>
一般的なパナマ運河観光とはミラフローレス・ビジターセンターという、パナマシティから最も近いミラフローレス閘門そばに建てられた展望台から船の通過する様子を見下ろすことを指すことが多い。しかし今回、私はパナマ運河を実際観光船で閘門を通過するというパーシャルクルーズを体験してみて、やはりパナマ運河は見るだけでなく、実際に通過してみることを強くお勧めしたい。というのはパナマ運河をクルーズしていると列車や飛行機を積んだ巨大な貨物船や作業船などこれまで見たこともないくらいの様々な大きな船を間近にみることができるのである。冒頭でも述べたが、私のクルーズの際にはアメリカ軍の潜水艦と日本の巨大貨物船が隣と後ろにぴったり並走してきた。そしてパナマ運河観光のハイライトと言えるエレベーターのように水位を上下に調節する巨大な仕掛け。是非クルーズで、展望台では伝わらない水位の変化や水門の開く音を身体で実感してほしい。
08:20
ボートクルーズの出発地に到着。ツアー開始までまだ時間がかかるそうなのでツアー会社のオフィスの前でしばらく待つことに。1時間くらい待つとツアー客がぼちぼち集まって来た。それでもまだまだ始まる様子は感じられない。時計が10時を回ったところでガイドらしき人があと40分後に出発です、という。
今回ボートクルーズに付き添ってくれることになったホルヘさんは「日本だったらこれはありえないねー」という。日本であれば遅れるのであればその理由は言うし、遅れるにしても何分遅れるかを最初に言うそうだ、なるほど。自分が日本人だからあまり気づかなかったが、さすが日本人相手にガイドをしてきたホルヘさんだけある。
外で待つのも暑くなってきた。近くの売店でビールを買ってホルヘさんと休憩。10:40ごろにバスに乗り込み出発(これは予定通り)。
我々のルートはまずパナマシティ近くの船着場からバスで北上してガンボアの街近くの船着場へ(車で30分くらい)。
11:10。
ガンボアの船着場についたものの一向に船に乗せてもらえずバスで待機。理由を聞くもパナマ運河の運転手を待っているとのこと。ホントかなぁ。
確かにパナマ運河を渡るときはパナマ運河専門の運転手に交代する必要があるらしい。そのため運転手を待つことは必要になるかもしれないが、パナマ運河を通過する時間は完全予約制だからそれが原因で大きな遅れになることはない。バスで待っている間どんどん天候が崩れ、ザーザー降りになっていた。
雨で濡れないように我々が船内に入った頃には12時を過ぎていた。8時前にホテルを出てまだ何もしていないのに、お昼ご飯を食べてもおかしくない時間である。
12:10ごろ、ようやく出航。我々は3階の屋根付きのデッキに陣取り通りすぎる景色を眺めた。向こうから誘導船や後ろに巨大なコンテナ船、パトロール中らしい巡視船がやって来る。運河の脇では川の中の土砂をすくい取っている大型のクレーンを搭載した作業用の船舶もあった。お台場のクルーズなら乗ったことはあるけど、ここまで間近に色々な種類の船を見るのはもちろん初めてで想像もしていなかったので感動。最初は雨降りですこしがっかりだったけど、なんだか楽しくなってきた。
しばらく運河を進んでいると巨大なセンテニアル橋が見えてくる。センテニアル橋は2004年に開通したパナマ運河に架かる橋で、1962年に開通したもう一つのパナマ運河に架かるアメリカ橋の交通渋滞を緩和するために造られたそうだ。現在のパンアメリカンハイウェイはアメリカ橋に代わりセンテニアル橋を経由するルートになっている。さすがに大型の貨物船が通れるだけあって橋桁の高さがはるかに高い!レイボーブリッジの比ではない。
出発から1時間半ほど経つと最初の閘門であるペドロ・ミゲル閘門に到着。
後ろから来る大きな貨物船(日本籍の船だった)が閘門で仕切られる閘室に入って来るのを待ち、閘門が閉まるのを待つ。閘室に入って来る船の数は1隻でなくとも良いみたいだ。両端の閘門がしまると、水位の調整のためにゆっくりと水が引き、ボートは閘室の中を沈んでいく。20mくらい沈むと前方の閘門がゆっくりと開き、我々のボートはエンジンをふかしてさらに運河を進んで行く。
遠くに見えるペドロ・ミゲル閘門
カナダから旅をしているというカタマラン
アメリカ軍の船
隣の閘室にはアメリカ軍の潜水艦
日本の貨物船が閘室近くへ
閘室の水門が開きはじめ
閘室の水門が大きく開き。。。
水門が完全に開き貨物船は閘室へ
間近に迫る貨物船)
徐々に水位が下がり。。。
約20m水位が下がったところでストップ
閘門が開き。。。
さらに運河を進んでゆく。。。
ペドロ・ミゲル閘門を過ぎ10分ほど船を走らせるとパナマ運河の代表的な閘門ミラフローレス閘門に到着。ミラフローレス閘門の近くにビジターセンターがあり船が通過する様子を見学できる。私はクルーズでパナマ運河を観光したが手軽に観光したい方にはミラフローレスの展望台からの眺めもおすすめだ。
ミラフローレス閘門には計2つの閘門があり、ペドロ・ミゲル閘門と同様に通過した。
そうして太平洋側に出た我々を乗せた船はアメリカ橋を越えて、ツアーの出発場所だったパナマシティの港へ向かう。ツアーが終了したのはすでに午後5時をまわっていた。
パナマ運河専属の操縦士の乗せて帰る船
17:00
「こんなに遅くまで時間かかったのは初めてだよ〜」とホルヘさん。時間にルーズなパナマ人でもさらにヒドい日にあたってしまったようだ。おかげでこの後予定していた旧市街の観光や買い物、夕食の時間が取れずそのまま空港へ行くこととなった。パナマシティの旧市街は300年続く歴史ある場所なのでゆっくり観光したかったが、それができなかったので大変残念だ。
フランス広場からのパナマシティの夜景
サンホセ行きのコパ航空は夜の10時出発だが、パナマシティは渋滞がひどいため今から行かないと間に合わないらしい。ホルヘさんが言う通り、船着場から空港まで約2時間近くかかった。途中、街の中心でホルヘさんとお別れ。とても陽気で優しい笑顔の印象的な人だった。日本語は少しわからない部分もあるけど人柄がいいのでおそらくお客さんから例外なく好かれることだろう。
午後7時ごろに空港に到着。ドライバーがコパ航空のチェックインのところまで案内してくれた。とりあえずチェックインしたあとは空港の中で夕食。コーヒーとハンバーガー。しめて13ドル。
そして出国審査へ。パナマの出国審査はパスポートチェックだけの簡単なものだった。その後荷物検査を受けて搭乗エリアへ。搭乗エリアは出発フロアと比べてお土産屋さんが充実していた。搭乗ゲートまでしばらく歩き、出発までの時間をベンチで過ごす。ほぼ定刻通りにコパ航空は出発。
約1時間のフライトを終えてコスタリカのサンホセへ。コパ航空は1時間足らずのフライトなのに軽食とドリンクのサービスがでた。
到着したサンホセの空港はパナマの空港と同様に比較的新しめで清潔感がある空港だった。一部入国カードの質問の意味がわからず未記入で提出したが特にお咎めなし。意外に簡単に入国できた。
荷物をピックアップして税関をぬけるとすでに現地スタッフが待っていてくれた。挨拶をして車の中へ。
現地のスタッフはラウラさんとラケルさん。どちらも英語が上手な女性だ。空港からサンホセ中心部のプレジテンテホテルまで車で約20分。現地時間ですでに夜の11時近くになっていたので特に混雑はしていなかったが日中は市内への移動に1時間はかかるらしい。
ホテルに到着し、現地スタッフの皆さんとお別れ。
<プレジテンテ>
サンホセ中心部の4つ星ホテル。文化広場の目抜き通り近くに位置しているため買い物や食事には困らない抜群の立地だ。夜出歩いてもこのエリアは治安の問題は少ないという。地上階は駐車場となっており、レセプションは2階。ニューヨークのブルックリンをモチーフにしたような煉瓦造りのおしゃれなデザインとポロシャツでラフなスタイルのフレンドリーなスタッフ。モダンなスタイルの室内にはエアコン、冷蔵庫、ドライヤー、室内まで届く無料のWIFI、セーフティーボックスあり。バスタブやスリッパはない。
4日目/11月8日
朝6:30に朝食。朝食は2階のレセプションのある奥のレストランにて。客層の90%は欧米人だった。
8時にフロントにてラケルさんと合流。
この日はモンテベルデ自然保護区に行くためにモンテベルデ観光の起点となる町・サンタエレーナ行きの9人乗りの混載バンに乗る。
サンホセ市内でいくつかのホテルを巡回しお客をピックアップアップしてから約4時間かけサンタエレーナへ向かう。サンホセの市内を抜けると青々と茂った森が道の両脇に姿を見せる。ラケルさんが言うには、11月中旬は雨季が終わり乾季への移り変わりの時期のため、カンカン照りで空気は乾燥しているのだが緑は美しい時期だそうだ。
途中、ポリスが延々と流れる土産物屋さんでの15分の休憩をとってさらに進むこと2時間。最後の1時間はぐねぐねと曲がった山道をどんどん進んでいった。9人乗りのバンに9人乗っているので窮屈でサンタエレーナの町に到着したころには疲れた。
12:30ごろ、この日の宿泊施設であるモンテベルデカントリーロッジに到着。
<モンテベルデカントリーロッジ>
サンタエレーナの町の中心部からは少し離れた自然に囲まれた立地(町までは徒歩15分、タクシーなら片道3$)。木材を取り入れた温かみのあるデザインで室内にはセーフティーボックス、ドライヤーが完備。スリッパやバスタブ、エアコンはない。WIFIはレストランやレセプションのみ無料で使うことができる。ホテルの近くにはコスタリカ産の珍しい蝶々や昆虫などを集めたバタフライガーデンがあり気軽に見に行くことができる。
ホテルのレストランで昼食をとった後は歩いてバタフライガーデンに出発。
<バタフライガーデン>
サンタエレーナの町の中心部からは約2.5km。名前の通り蝶を中心にコスタリカで採集した昆虫などの生き物の見学できる。人数が集まると1時間半ほどかけてツアーが行われる。蝶の生態に合わせた4つの温室や人工的に造られた巨大な蟻塚を見学した後は生きたタランチュラや巨大なゴキブリ、棒のように長細いカマキリなどを実際に見ながら我々が一般的に知っている昆虫と比べてどのようなユニークな特徴があるかをレクチャーを受ける。
20年近く虫とは無縁の生活を送ってきたが、このように興味深い虫たちを目の前にすると少年時代の昆虫採集のようにワクワクした気持ちになった。
蟻たちが一生懸命自分よりも大きな餌を運んでいる様子は、子供のころ自宅の庭に砂糖の山を築き蟻がたかってきたところを見計らい巣までのルートを調べたことを思い起こさせた。朝早くおきて、前日仕掛けたスイカにたかるカブトムシを目当てに森に取りに行ったこともあったなぁ。そういえば小学校の図書館で昆虫の図鑑をカブトムシの中でも一番強そうなヘラクレスカブトムシの原産はコスタリカと書いてあって子供ながらに「遠すぎて行けないじゃん」と途方にくれていたこともあったけ。クラスの中でも昆虫に詳しい方でもなかったけど橋本少年が当時ワクワクしたこと、夢中になったことを思い出して童心にかえって大変楽しんだ。1時間半しかいなかったけど可能であれば温室の中で綺麗な蝶々を見ながらボーッと過ごしてみたい!
キリギリスの一種 LEAF MIMICKING KATYDID
オレンジが美しいFIVE SPOTTED LONGWING
アリ塚の見学
がんばるアリ
ガイドのラケルさんとモルフォ蝶
Millipedes ヤスデ
ヘラクレスオオカブト Hercules beetle)
ガラスのような羽を持つ蝶 Glass wing
バタフライガーデンを後にしてサンタエレーナの町へ歩いて見ることに。宿泊施設のモンテベルデカントリーロッジからは坂道を下って15分ほど。町の中心にはお土産屋さんはもちろんいくつものレストランにホテルや旅行会社、アウトドアグッズの販売店などもあった。
私はスーパーマーケットでコスタリカを代表するビール・インペリアルと虫除けスプレーを購入。アウトドアグッズ店では丈夫そうなポンチョ(10$)を購入した。町の中心からはタクシーを使い3ドル。
夕食はホテルにて。ハラペーニョと牛肉を炒めたおかずをトルティーヤに包んで食べた。
5日目/11月9日
朝6時に朝食を食べて、6:45にホテルロビーに集合。
この日はモンテベルデ自然保護区を観光する。
<モンテベルデ自然保護区>
コスタリカは単位面積当たりの動植物種がもっとも多い国といわれている。その割合は全世界で生息する動植物種の内のなんと5%。蝶類に限定するとその数は10%もの割合を占めているという。なぜこのような恵まれた生態系をコスタリカはもっているのだろうか?それは北海道の6割ほどしかない国土の3分の一が3000m級の高山と800mから1400mの高山盆地。残りは熱帯低地および太平洋、カリブ海に沿った低地で複雑に構成されているためだ。さらに太平洋・カリブ海の両大洋岸からの環境の差が多種多様な動植物種を生み出す要因となっている。また自然保護についてもコスタリカはその先進性が注目されている。特に1996年に制定された生物多様性法は画期的で自然全体を一つにとしてとらえ、憲法で自然の生態系を何より重要視することを定めたものだ。その甲斐あって今日では欧米諸国のみならず世界中からコスタリカ特有の昆虫や動物達を一目見ようと大勢の人々が押し寄せている。
国土の4分の1が国立公園・自然保護区といわれるコスタリカにおいて最も人気のある保護区がここモンテベルデ自然保護区だ。モンテベルデ自然保護区は熱帯雲霧林地帯に属し、ほとんど1年中霧に覆われた熱帯の密林である。ここでは約100種もの哺乳類動物、2500種の植物が生育していると言われる。中でも鳥類は400種以上いる「バードウォッチングの聖地」。マヤ文明では聖なる鳥と崇められた「ケツァール」の数少ない観察場所でもある。
ホテルからツアー会社の車が我々をピックアップして車で10分くらいかけてモンテベルデ自然保護区を目指す。トレイルの入り口にてモンテベルデ専属のナチュラリスト、オスカーさんと合流。オスカーさんの持ち物は双眼鏡と三脚付きのテレスコープ(望遠鏡)。鬱蒼と茂ったジャングルの中で、小さな音や動き、色で動植物を見つけるプロである。
トレイルを歩き出してまずオスカーさんが見つけたのはサポーテという木の実。
人間が食べると腹を壊すみたいだが鳥たちは食べるらしい。
あいにくケツァールは11月前半だとまだ早すぎるようで目にすることはできなかったが、幾つかの小さな鳥と木の上で寝ているナマケモノの赤ちゃんを見てモンテベルデ自然保護区の入り口まで戻り、入り口近くのカフェにて休憩。カフェではハチドリを餌付けしているので近くでカラフルな可愛らしいハチドリ達を間近で見学できる。
駐車場に飛びだしたクアティ(Cuati)
駐車場近くで発見したタランチュラ
恐らく素人だけでこの森に観光すると、この森にどのような鳥がいるのか見つけられないし見分けもつかなかったと思う。ナチュラリストのオスカーさんは自分の力だけでなく他のガイドの情報を元にいろんな動物を発見してくれたのでモンテベルデの楽しさを2倍、3倍に増幅してくれたと思う。
車でホテルに戻り、昼食。サーロインステーキとご飯とサラダのワンプレート料理をいただく。
昼食のあとはしばらく休憩し午後2時から吊り橋ツアーへ。
<吊り橋ツアー>
ホテルから車で約20分、セルバトゥーラパーク(SELVATURA PARK)へ。
セルバトゥーラパークはモンテベルデの自然を一度に沢山のアトラクションで楽しめる場所である。今回の目的である8つの吊り橋を渡るトレイルにバタフライガーデン、ハチドリギャラリー、爬虫類ギャラリーにジップラインまで。
受付を済ませてまず向かったのはバタフライガーデン。昨日訪れたバタフライガーデンは小さな温室が4つありガイドが丁寧に蝶々の生態を教えてくれるものだったがセルバトゥーラパークのバタフライガーデンはもっと大雑把。巨大な温室の中に様々な種類の蝶々が放し飼いにされている。ガイドの説明も目新しいものはなく、ぐるっと温室の中を一周して終了。約15分くらいだったと思う。どんな種類の蝶々がコスタリカに生息しているかがすぐにわかるので時間がないのであればこれもアリだが、個人的には昨日訪れたバタフライガーデンの方が説明も丁寧でじっくり蝶々を観察できたので面白かった。そして次に向かったのはハチドリギャラリー。これも今日訪れたモンテベルデ自然保護区のハチドリギャラリーと内容は同じ。ハチドリを餌付けしており、甘い蜜を吸いに来るハチドリ達を間近に観察できる。
そして本来の目的である吊り橋ツアーに出発。約1時間半かけてトレイルを練り歩き、途中8つもの吊り橋がありそこからの景色を楽しむというもの。もちろん山道を歩いていると様々な動植物との出会いもある。モンテベルデ自然保護区をぎゅっと凝縮したような場所である。しかし実際我々はモンテベルデ自然保護区を午前中に訪れているので特に新鮮に感じるものはなかった。吊り橋からの景観は素晴らしいものだが、モンテベルデ自然保護区の中でも吊り橋は楽しんだ。それに吊り橋を8つ渡ったとしても常に同じテンションではないので、3つほど渡れば少し飽きてしまう。セルバトゥーラパークをお勧めできるのは、すでにモンテベルデ自然保護区やバタフライガーデンなど行き尽くしてもなお時間が充分にある人向けか、時間があまりになく一度に色々なものを体験したい人、もしくは吊り橋愛好家のいずれかである。
そして午後5時にホテルに戻り、5時50分にナイトウォーキングツアーに出発。
もともとは今回のツアーに組み込まれていなかったのだが、午前中にモンテベルデ自然保護区を案内してくれたガイドのオスカーさんに勧められたのだ。
<ナイトウォーキングツアー>
ナイトウォーキングツアーとはその名の通りモンテベルデ自然保護区近郊の森でアニマルウォッチングするツアー。夜中に森を歩くのはどこか探検めいたものがあり昼間とはまた違ったワクワクを感じるはず。動物の中には昼間は寝ており姿を現さないが夜になると活発になる動物も多く、日中モンテベルデ自然保護区で見られる動物は鳥達がメインだが、日が暮れると蛇やクモ、サソリにカエルなどの小さな生き物からアライグマ科の哺乳類の一種・キンカジューまで見ることができた。特にサソリはブラックライトを当てると青白く発光するため、夜のツアーだからこそ面白みが何倍にもなる虫の一種といえよう。ツアーガイドが常備しているテレスコープを借りてそれらの生き物達をのぞいて見ると、人間の目には小さすぎてこれまで知ることができなかった虫たちの神秘的な美しさに気付くはずだ。ツアー最後のサプライズはまんまるなお月様をテレスコープで天体観察。クレーターまではっきりと見えるその姿に感動。身近なもの過ぎて見落としてしまうが、我々の生きている世界というのはこんなにも美しく神秘的なものなのだなと気付かされたツアーだった。
ブラックライトで発光するサソリ
キリギリス
クサリヘビ
モルフォチョウ
オレンジ膝タランチュラ
テレスコープで見た月
ナイトウォーキングツアー終了後、ホテルに戻り夕食をいただき就寝。
6日目/11月10日
朝6時半に朝食、7時半にモンテベルデカントリーロッジを出発。
この日目指すのはマヌエル・アントニオ国立公園。その途中でカラーラ国立公園の近くを流れるタルコレス川にてボートクルーズを行う。モンテベルデを出発して3時間ほどでタルコレス川下流のボートクルーズの出発地に到着。
<タルコレス川ボートクルーズ>
60人ほど乗れる中型のモーターボートで、約1時間半かけてタルコレス川に周辺に生息する水鳥を観察するツアーだ。何と言ってもこのツアーの主役はクロコダイル。野生のクロコダイルを間近に観察できるとあって観光客に人気がある。
船に乗り込んだら席は川沿いのところに座ろう。約30人になったところでボートは出発。まずは乗組員から野鳥のリストを手渡される。これをもとに乗組員が解説してくれるのでこのリストを見ればどの種類の鳥がいま見えるのか一目瞭然だ。似たような模様であっても生物学的には別の種類の鳥も多いため、鳥の名前とともにリスト上の番号も知らせてくれるのはありがたい。
まず姿を現したのがシラサギ(Snowy Egret)。真っ白な姿と黄色いくちばしが特徴的な水鳥だ。そして木立のてっぺんをとまり木にして周りを見渡す鷹(Yellow headed Caracara)とアオサギ(Little blue Heron)もいた。特に鷹はその姿が勇ましく印象に残った。
鬱蒼と茂ったマングローブに囲まれたエリアに到着すると、乗組員がおもむろにエンジンをきりクルーズのガイドがここで1分間沈黙して下さいという。なぜだろうと思いつつも言われた通りに静かに周辺を眺めた。するとエンジン音やしゃべり声で聞こえていなかった鳥達の様々な鳴き声が聞こえてくる。甲高い鳴き声に低い鳴き声、一定して鳴き続ける鳥もいれば思いついたようにひと鳴きしかしない鳥もいる。鳴き声だけでも多様な鳥達がいることが手を取るようにわかり、タルコレス川が育む豊かな生態系に感動した。
マングローブから離れ、川べりが沼地になっているエリアへ。クロコダイルは体温調整のために日光浴をすることが多く、川べりで休んでいるためこの辺りは絶好の観察場所だ。しかし最初に目に飛び込んできたクロコダイルは生きてはいなかった。ハゲタカがやけに群がっているなぁと思ったら死んだクロコダイルをついばんでいるのだった。クロコダイルは仰向けにひっくり返っていた。クロコダイルはこの一帯では頂点捕食者であり、ワニの種類の中でもとりわけ獰猛で牛も殺してしまうほどらしいが、やはり死んでしまうと他の動物達の餌にされるんだなと、食物連鎖上では当然のことだがそれを目の当たりにすると妙に感心させられるものがある。その後、無事生きているクロコダイルを2匹発見。ボートはかなりクロコダイルのそばに近づいてくれる。ボートがこんなにも近寄ってもピクリともしないクロコダイル。その鋭い目つきから、いきなり襲いかかってきたらどうしようとハラハラした。乗組員のお兄さんがクロコダイルに向かって石を投げた時は、正気か!と思ったほどだった。
そうしてもとに船着場へ戻りツアー終了後。
マングローブ林の奥からは様々な鳥の声
周りを見渡すアオサギ(Little blue Heron)と勇ましいキバラカラカラ(Yellow headed Caracara)
死んだクロコダイルをついばむハゲタカ
ダイサギ Great egret
クロコダイルに接近
私の訪れた11月中旬は雨季の終わりかけなのでタルコレス川は水かさが高く茶色く濁っているのだが、乾季に入ると水はもっと透明になり、ワニがボートの下を通り過ぎるのが見えるほどだそうだ。
クルーズ終了後は近くのレストランで食事をして、マヌエル・アントニオを目指し出発。
国内線空港のある小さな街・ケポスを抜けてマヌエル・アントニオのホテルに到着。マヌエル・アントニオ国立公園の入り口近くは観光客向けの小さなヴィレッジになっており、ビーチ沿いにレストランやホテル、土産屋が軒を連ねる賑わいのあるエリアになっている。今回その賑やかな通りにほど近いCabinas Espadillaに宿を取った。
<Cabinas Espadilla>
マヌエル・アントニオのビーチまで徒歩3分ほど。賑やかな通りから路地を少し入った、喧騒からは離れつつも観光に便利な立地の3つ星ホテル。ホテルの中心にはプールがあり、建物はすべて1フロアで構成され開放感のある造り。室内にはキッチンに冷蔵庫、調理器具・食器も完備。エアコン、セーフティーボックス、室内でも使えるWIFIも備わっている。バスタブ、スリッパはなかった。なおレストランは併設していないため、朝食は50mほど歩いた系列ホテルにて。
荷物を整理した後、マヌエル・アントニオのビーチへ。少し波は高め。サーフィンを楽しむ人も多かった。私が訪れたのはまだ雨季の終わりかけの季節だからか海の透明度は低かった。ビーチそばのスーパーマーケットでビールとおつまみを購入してホテル外のテラスに腰掛けてチルアウト。なおマヌエル・アントニオのスーパーマーケットではクレジットカードが使えた。
18:00ごろケポスにあるMarina pez velaにて食事。
Marina pez velaは7年前にできたスポット。クルーズ船が停泊している港沿いに日本食レストランやピッツェリア、バー。そしてスポーツウェアなどのアパレルショップにワインショップや土産物屋さんが連ねるこれまでにないコスタリカのお洒落スポットだ。ここで食事をすればマヌエル・アントニオからの往復送迎の無料シャトルバスサービスが使える。今はまだオフシーズンとあってお客は少なめだったがオンシーズンになると多くの外国人が訪れるのだろう。
私達はここのシーフードレストランにて食事。私はマヒマヒ(シイラ)のセビッチェとトマトソースのフィットチーネを食べた。港の近くなのでもう少し幅広いシーフードが食べられるのかなと思ったのだが、刺身はもちろん貝類などもなかったのが少し残念。それでも十分美味しかった。
ホテルに戻り就寝。
7日目/11月11日
朝7時に朝食をとるために近くの系列ホテルへ。
この日はマヌエル・アントニオ国立公園にてアニマルウォッチングだ。
<マヌエル・アントニオ国立公園観光>
コスタリカ国内に数ある国立公園・保護区の中で欧米人のバカンス地として最も人気が高いのはマヌエル・アントニオ国立公園。国立公園の内外には熱帯雨林とヤシの木にふちどられた美しいビーチがある。宿泊施設やレストランが充実しているため多種多様な過ごし方が可能な国立公園だ。ビーチで日がな一日読書にふけるもよし、サーフィンなどのウォータースポーツに興じるもよし。国立公園では野鳥やアニマルウォッチングを思い思いに楽しむのもよいだろう。海からジャングルまで、オールラウンドで自然LOVEな人にとっては楽園のような場所だ。なおマヌエル・アントニオ国立公園はイグアナやナマケモノにノドジロオマキザル、さらにコンゴウインコやオオハシなどカラフルな野鳥との遭遇率が高いことで知られている。特にナマケモノはほかの国立公園と比べて見やすく、運が良ければコスタリカに生息する2種類のナマケモノが両方見ることもできるそうだ。
8時にロビーに集合し、マヌエル・アントニオ専属のネイチャーガイドと合流。マヌエル・アントニオ国立公園の入り口はホテルエリアからすぐそばなので歩いて向かう。
入口で入場券を購入し公園内へ。公園内への道にはたくさんの土産物屋やガイドが客引きをしている。モンテベルデでは見られなかった光景だ。雨がポツポツと降ってきたのでポンチョを頭から被った。天気予報で今日は降水確率が90%あった。この時はポンチョをもってきてよかったと思ったが、すぐに止んでしまった。コスタリカの天気予報はあまりあてにならない。
公園内で最初に見つけたのはコウモリ。光から隠れるために大きな葉っぱの裏側に隠れている。コウモリはどちらかというと気味の悪い哺乳類のイメージで捉えていたが実際こうやって葉の裏で休んでいるコウモリたちをみているといじらく可愛げがある。さらにトレイルを歩くと川沿いを歩くカニやトンボ、ムカデ、モンテベルデのバタフライガーデンにもいた蝶々を見ることができた。面白いのはクモ。モンテベルデでみたクモはまさに「タランチュラ」のイメージそのままに巨大でグロテスクな奴だったが、マヌエル・アントニオで見られるクモはもう少し愛らしい。ディアブロ(悪魔)と呼ばれているのだがその理由は一目瞭然。まるで2つの尖った角のような体が悪魔の顔のようにも見える。でも体はタランチュラでなくスパイダーなのでかなり小さめ。そのギャップが面白い。またイグアナもいくつか見ることができた。メキシコやグアテマラで見たような体調が30センチあるようなヤツもいれば、頭だけ大きなヤツもいる。そしてマヌエル・アントニオのアイドルといえばナマケモノ。モンテベルデでは1匹しか見ることができなかったナマケモノだが、マヌエル・アントニオでは3匹も見られた。しかも顔もはっきりと見えたのでラッキー。ナマケモノは動きがほとんどないため顔をこちらに向けて寝ていない限り顔を見るのは不可能に近いのだ。欲をいえばオオハシ(TOUCAN)とコンゴウインコ(ARA MACAO)がすんでのところで飛び去っていってしまったので、それらを見られれば完璧だった。
CHESTNUT BACKED ANTBIRD クリセアリドリ
マヌエル・アントニオのトレイルを突き進むとビーチに行き当たる。ビーチは街中よりも人が少なく透明度は高かったように思う。泳ぐために訪れる人がすくなく手入れが行き届いているのだろう。近くにシャワーブースもあったので時間があればこちらで泳ぐのも楽しそうだ。ただし公園内をうろちょろしているノドジロオマキザルが食べ物を狙ってかビーチでくつろいでいる欧米系のお姉さんのところを襲撃していたのでちょっとハラハラものかもしれない。
ビーチで少し時間をとり、トレイルを戻りツアー終了。
ツアー終了間際に、国立公園の入口ではホテルの工事音が聞こえた。国立公園に一番近い場所にあるのをウリにしているホテルからだ。「こんなところにホテルは建てるべきじゃないんだ」、ネイチャーガイドのひとことが印象的だった。本当にその通り。コスタリカは環境保護の先進国とは言われているものの、アメリカなどと比べるとまだその認識は甘いものであるように感じた。
自然保護区・国立公園というくくりがあるにせよモンテベルデ自然保護区は動物優先の環境保護が目で見て感じられたが、マヌエル・アントニオ国立公園は利益優先の形だけの「国立公園」にしかどうしても思えなかった。つまりこのマヌエル・アントニオ国立公園は、第3者が管理するよりも国が利益を度外視して自然を守ること優先する意味の「国立公園」ではなく、国が管理する「公園」だから国の利益になることを優先して運営するし、どなたでもどんどんウェルカムという意味の国立公園なのである。例えば下記の3点。
1、街に近すぎる
観光客にとっては便利ではあるが街近いことで生じる騒音や食べ物の匂い、排気ガスなどは自然とは程遠いものであるから動物達にとっては住みやすいとは言えないだろう。
2、トレイルの幅が広すぎる
車が通れるくらいの道幅なので、人がお喋りしながら群れて歩くと、これもやはりうるさい。もちろん時には車も通る。
3、人の手が入りすぎている
気になったのが国立公園内に電信柱がいくつもあったこと。国立公園で電信柱をこんなにたくさんの見ることはあまり一般的でないように感じた。公園内のビーチは遊泳禁止にして、公園の半径1キロ圏内には建築物は撤去したらいいと思う。
推測の部分が多いので杞憂なのかもしれないがマヌエル・アントニオ国立公園が今のように動物や虫を観察できる環境を維持するには自然により近い形で運営していくのが望ましいと思う。アメリカなんかは国立公園の入場料や公園内のホテルの料金もうんと高くしている代わりに環境維持には非常に力を入れており、素晴らしい自然があれば料金高くても観光客が来ることを見事に証明している。
ネイチャーガイドと別れてホテルに戻り、荷造り。
ホテルをチェックアウトした後はEL SOLというスーパーマーケットの2階にあるビーチを見渡せるバーにて昼食。ハンバーガーを食べる。
13:00にサンホセ行きのシャトルバスに乗り込みサンホセへ出発。
ラケルさんが言うには普通は3時間ほどの道のりらしいがサンホセに入る前の渋滞が長く結局ホテルの部屋に入る頃には18時になっていた。
(途中、モンテベルデに行く時にも立ち寄った土産物屋さんにてやはり15分の休憩があった。往路と同じくやはりずっとポリスが流れていた。)
18時ごろにサンホセの初日と同じプレジテンテホテルに到着。ラケルさんとお別れ。彼女は明日また迎えに来てくれると言う。ありがたい。
明日は早朝にホテルをでてコスタリカを出発するので、すでに街は暗かったが市内へ繰り出した。
プレジテンテホテルはサンホセ中心部の最も賑やかな通り、アベニーダ・セントラルのすぐ側なので観光に非常に便利。この通りには若者向けのファッションブラントや洒落たカフェにファストフード、スーパーマーケットなどが充実しているので夜でも若者を中心に賑わっていた。街をうろうろしてスーパーマーケットでクラフトビールを購入(コスタリカにもクラフトビールブームの流れは来ていた)。なおサンホセでクレジットカードを使うときはなぜかパスポートの提示を求められたのでクレジットカードを使うのであればパスポートは携帯するようにしたい。街をぶらぶらしていると雨が降って来たので予定を切り上げてホテルに戻り、室内で夕食。
明日に備えて就寝。
8日目/11月12日
朝8時発のコスタリカの便に乗るために朝5時にホテルを出発。
渋滞もなく約20分で空港に到着。コスタリカ滞在中にお世話になったラケルさんとお別れ。
いつもながらアメリカン航空のキオスクにてチェックイン。チェックインを進めると「手荷物を預けますか?預ける個数を選択してください」という質問があり1個を選択すると有料になった。日本から出発するときはなかった質問だったので戸惑ったが、預け荷物は2つまでOKなはずなので追加荷物に関しての誤訳なのではないだろうか?と思い、預け荷物なしを選択してそのまま荷物預けのチェックインのカウンターにそのまま向かった。そうしたらやはり追加料金なしで預けられた。本当に紛らわしいのでアメリカン航空の方は早めに日本語訳の見直しを行って欲しい。
チェックイン後2階のカフェにて朝食。
その後出国審査。パナマもそうだったがコスタリカの出国審査は本当にあっけない。荷物審査も特に厳しくはない。中南米だとベリーズやボリビア、エクアドルなど出国審査や荷物審査厳しかったようなイメージなのだがパナマやコスタリカはそうでもないのか。
無事ダラス行きの飛行機に乗り込み約3時間のフライト。
往路のパナマまでの移動の時はダラスからマイアミ、マイアミからパナマはオンデマンドのテレビも食事なかったのだが、今回のサンホセからダラスは食事もテレビもついていた。移動時間が3時間以上になると食事をださないといけない決まりなどがあるのだろうか。
ダラス空港にてアメリカに入国。
見た目が怪しいからか税関検査に引っかかる。特に変なものは持ち歩いていないのにドキドキする。無事通過して、マイクさんと合流。マイクさんは日本生まれながらもテキサスで牧場を営み、まさにカウボーイのような生活をされている方だ。マイクさんの牧場ではファームステイを受け付けており、今回の是非ファイブスターのツアーにファームステイ体験を組み込みたいと思いマイクさんに無理を言ってマイクさんの牧場を見せてもらうことに。
通常、ダラス空港からマイクさんの牧場まで愛車のクライスラーで約2時間。今回は道すがらテキサスらしいお店に立ち寄ってくれた
<アメリカらしい大型店にてショッピング>
ここ数年日本でも増えている郊外の大型店舗。アメリカはショッピングモールや郊外の大型店の小売業の先駆けであり、日本の小売業界では「日本の小売業の未来を知りたければアメリカを見ろ」とまでいわれるほど。ここテキサスは全米の小売店の数はナンバー1。他州よりも税制が優遇されているので大型店が進出しやすいのだ。
私が今回はマイクさんに連れて行ってもらったのはバスプロ、コスコ、キャベンダーズ(Cavenders)の3店。
まずバスプロ。ここは日本人のアウトドア好きであれば1日中いられる。アウトドアに関するすべての商品が揃っている。バーベキュー用のチリソースからクリスマス用のオーナメントはもちろん、クルーズ船まで。売られているサイズも日本では手に入らない大ぶりなものばかり。堅牢なつくりのアメリカ製アウトドアグッズは男心をくすぐられる。特にバーベキュー道具などは、アメリカ製のものを使えば気分も大いに盛り上がること間違いない。さらに驚くべきことに狩猟用の弓のみにならずホンモノのライフルやピストルまで売っている。もちろん購入するには許可書が必要なので旅行者は購入できるはずもないのだが、こういった誰もが入れるお店に銃が売られているというのもまた一つのアメリカの姿なのだろう。
そのあと向かったのはコスコ、日本ではコストコと呼ばれている。まるで倉庫そのままをお店にしたような巨大スーパーだ。(念のため説明すると)商品の種類を数点に絞り、業者向けのサイズやまとめ買い等で安価に商品を提供する比較的新しい形態のスーパーマーケットだ。お店のつくりはほとんど日本と同じ、入り口に家電があり、そのまま進むと衣料品に酒類、そして生鮮食品に肉・魚、それから保存食品にお菓子類。会計を抜けた後にはフードコートがある。またこのフードコートのホットドックが安いんだ。日本ではホットドックとソフトドリンクのセットでたしか150円、アメリカでは1.5$だった。カロリー過多で身体に悪いと知りつつも食べてしまう。アメリカで注目すべきなのはやはりそのサイズ。日本でも「誰が食べるの?」というほどのサイズが売っているが、さすがアメリカ。日本で見るよりも遥かに大きいお肉が売っていた。さらに「どこに置くのよ?」と言いたくなるくらいなでかい金庫まであり、日本のコストコとの微妙な違いでアメリカの暮らしが垣間見ることができる。
最後に向かったのはキャベンダーズ(Cavenders)。カウボーイ用品専門店だ。カウボーイ専門用品店なんてあってもいまだ買う人いるの?と不思議に思ったが、やはりアメリカ。アメリカ人でもカウボーイスタイルに憧れを持っている人も多く、多種多様な皮のブーツやカウボーイハットが所狭しと並んでいる。マイクさんの日本のバーベキュー仲間をこの店に連れて行くと皆トランクいっぱいに買い物をするらしい。確かにこのカウボーイルックでバーベキューをすると気分は盛り上がるかも。カウボーイとバーベキューは切っても切れない関係なのかもしれない。
<テキサスのスポーツ>
そうこうしているうちにマイクさんの牧場のあるダラス郊外コマースに到着。
コマースにはテキサス農工大の分校があり、ちょうど通りかかった際フットボールの試合の準備をしていた。地元の人々は2週間に1回あるこのフットボールの試合を楽しみにしているそうで、試合が始まる前から試合会場前の芝生で皆でバーベキューをして楽しんでいた。私もこのアメリカならでは光景を浮かれ気分で写真を撮りまくっていたらバーベキューをしていたお兄さんに食べる?と言われてありがたいことにお裾分けをいただいた。バーベキューしている写真を物欲しそうにパシャパシャ写真に撮りまくっていたかもしれない。
このテキサス農工大はコマースの街のシンボルのようなところになっており、プラネタリウムやコンサートホールもあり地元の人々の憩いの場所になっている。
テキサスのスポーツといえば日本に馴染み深いのはダルビッシュ投手有するテキサス・レンジャーズで知られる野球だろう。しかしマイクさん曰く、ここテキサスでは野球よりもフットボールが人気だという。ダラスに本拠地を置くプロのアメリカンフットボールチームであるダラス・カウボーイズは毎回超満員でチケットも取れないほど。フットボールは試合数が少ないので大学対抗の試合であっても毎回ホームゲームでは満席になる。確かにアメリカンフットボールの頂上決戦「スーパーボール」の話題は日本でも耳にするほどなので、アメリカのアメフト人気は納得できる。それに比べ野球は試合数が多いのでチケットは取りやすいらしいので野球好きの日本人としてはありがたい。またバスケットボールも人気らしく、テキサス州にはバスケチームが3チームありいずれも強豪だそうだ。
テキサス滞在中に迫力あるアメリカンスポーツを間近に見ることもアメリカならではの楽しみであろう。
そしてマイクさんの牧場へ。
<テキサスの農場でファームステイ>
マイクさんの牧場の大きな門を潜るとワンちゃんがお出迎え。ドイツシェパードで名前はトラ。ご主人が大好きなようで、マイクさんが運搬用のトラクターを農場で動かす際にはいつもついてきてタイヤを噛んでくるという癖もある。これまで幾つもタイヤをパンクさせてきたようで、マイクさんもこれには困り顔。しかしご機嫌を伺うように牧場から拾ってきた丸太をご主人にもってくるという愛くるしい一面も。柴犬派だった私も、このドイツシェパードのトラには心動かされた。
ご自宅に到着後、まず農場の説明を受けた。
まず広さは16万坪。これは新宿御苑とほぼ同じ程度、東京ドームで例えると13、14個ほどの広さである。
買っている牧畜は牛40頭 馬3頭程度で、すべて放牧させており、厩舎ほとんど使わない。そのため日本で考えられる一般的な牧場のように一頭一頭手間をかけて世話をするようなイメージでなく、冬場の12月〜3月だけ夏の間刈り取った干し草を与えるだけでほとんど手間はかからないそうだ。仔牛達も自然交配・自然分娩で生まれてくるとのこと。なので1人で切り盛りしているマイクさんだけでも多くの動物達のお世話ができるのである。
<ファームステイの過ごし方>
ファームステイをする人達の過ごし方は様々だ。
日がな一日大草原の中のんびり過ごしてもいいし、芝刈りやフェンスの修理、餌やりなど農場の手伝いもできる。馬もいるためインスタラクターをつけて簡単な乗馬体験もできる(予約制)。またこんなに広大な牧場なので植物鑑賞や自然に現れる野生の鹿などの動物観察もできるとのこと。
もちろんファームステイ中の過ごし方は農場内にはとどまらない。前述した大型店でのショッピングやアメリカンスポーツ観戦に加え、近郊のダラスやフォートワースなど西部開拓時代の面影が残る街の市内観光やテキサスの醍醐味とも言えるロデオ観戦。さらに土地勘のある人しか知らない近所のフリーマーケットや家畜の競り市などローカルな体験も可能だ。
<Slow and Low 本場のバーベキューとは?>
最後に忘れてはならないのはマイクさんお手製のバーベキュー。マイクさんはバーベキューに関しては専門家中の専門家で全米バーベキュー大会に参加しており、尚且つ日本バーベキュー協会のアメリカ支部長である。
マイクさんに言わせれば日本のバーベキューは「焼肉」の範疇であるとのこと。本場のバーベキューというのは日本みたいにチャチャッと切った野菜や薄切りの肉をそのまま焼くようなお手軽なものではない。バーベキューは本来「slow and low」であるべきというのがマイクさんの考え。分厚い肉を弱火で長い時間かけていぶりながら焼く。高級な部位であるサーロインやヒレ肉というのはどう料理しても美味しいが、安い肉を手間をかけていかに美味しく調理するかがバーベキューの醍醐味だそうだ。マイクさんは12時間ほどかけて肉を焼いていくのだそうで、場合によっては前日から仕込みをするらしい。聞いているだけでヨダレが出てきそう。そんなマイクさんのつくるバーベキューは旨いに決まっているのだがあいにくこの日は都合がつかないため次回に持ち越し。
<西部開拓時代のノスタルジックなアーリーアメリカンスタイル>
マイクさんの農場を訪れて一番驚いたことがその農場に併設された瀟洒なご自宅。まるで西部開拓時代にあるお屋敷に招かれたような佇まい。こういったお家の様式をアーリーアメリカンスタイルと呼ぶらしい。ゲストルームは計4部屋。さすがはこれだけのお屋敷のゲストルームになるとそれぞれのお部屋にバス・トイレが完備している(一部の部屋は共同)。いずれもまるで古き良きアメリカ映画からそのまま飛び出してきたかのような可愛らしさだ。すべてこれはマイクさんの数年前に他界されたアメリカ人の奥様のご趣味だそうだ。本当にいいセンスをしてらっしゃる。農場自体に興味がなくとも、博物館にもなりそうなこのアーリーアメリカンスタイルのお屋敷に宿泊してほしい。(なおWIFIは完備)
マイクさん曰く日帰りする人や1ヶ月以上滞在する人もいるけど少なくとも3泊4日あればファームステイとテキサスの魅力を満喫できるのでは、とのことだった。
その後、マイクさんの車で今回の宿泊ホテルであるダラス・ダウンタウンのクラウンプラザへ。
<クラウンプラザ ダラス ダウンタウン>
ダラスフォートワース空港と直結している路面電車DART駅のすぐそば、街の中心部に位置するクラウンプラザはダラスのダウンタウン滞在に最適なホテルだ。値段は手頃ながらも場所はもちろんクオリティもお墨付き。室内はモダンで、ドライヤー、バスタブ、エアコン、冷蔵庫、無料のWIFI完備。セーフティーボックスとスリッパは付いていなかった。近くには街の移動に便利なDART駅やバス停の他にウエストエンド歴史地区にJ.F.K.メモリアルなどの観光地があり、その周辺にはコンビニエンスストアやお洒落なレストランがいくつもある。
この日は周辺にあったファストフード店にて夕食を食べた。
9日目/11月13日
朝7時に身支度を整えて朝8時にホテルをチェックアウト。
ホテルから空港へは無料のシャトルバスはないため、ダラスの交通機関DARTにてDFW空港駅へ。
DARTに乗るには事前に駅に備え付けられている券売機にてチケットを購入。チケットはクレジットカードでも購入ができる。2時間乗り放題で1名2.5ドルから。DFW空港までは片道約1時間かかるのでこの2時間有効のタイプを購入した。DARTにはスーツケース置き場はないので席に座りつつもスーツケースのハンドルは握ったまま過ごす。DFW空港駅に到着したら、ターミナル間を行き来するシャトルバスでターミナルをAからDへ移動。
そしてようやくアメリカン航空にチェックイン。
空港を出たのが4時間前だが、DARTを待ったり空港内でもターミナル間を移動するなどで時間を要したので結局、2時間近く時間を要した。ダラスのダウンタウンから空港に向かう際は時間配分に余裕もつように心がけてほしい。
空港内で最後の食事をした後は成田に向けて出発。10日間に渡る今回の旅行を無事終えることができた。
【スタッフおすすめ度】
ランブラス諸島ツアー★★★★(乾季であれば+★) カリブ海と太平洋の距離が近いパナマだからこそパナマシティから気軽にアクセスできる少数民族のクイ族の住むカリブ海の島。ローカルさとビーチの美しさがたまらない。
パナマ運河クルーズ ★★★★(こちらも上に同じ) 世界のモノの流れを変えたパナマ運河。そのダイナミックな仕組みは是非クルーズで体感してほしい。
モンテベルデ自然保護区 ★★★★★ 訪れたコスタリカの保護区の中でももっとも環境保護の考えが進んでいる公園。日中のアニマルウォッチングも充分楽しいがカラフルなバタフライガーデンとナイトウォークも外せない。
マヌエル・アントニオ国立公園 ★★★★ ビーチと動物を気軽に楽しめるコスタリカ人気No. 1の国立公園。しかし環境保護の観点では近くにホテルがいくつもあって便利ではあるが動物たちがいつまでいまと同じようにいてくれるかが心配。
テキサスにてカウボーイ体験 ★★★★ 広大な牧場でのどかなひととき。アメリカンスポーツファン、 西部劇好きにはたまらない体験になるはず。
(2016年11月 橋本康弘)
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