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- <カンボジア遺跡巡り〜遺跡のち遺跡、時々遺跡〜>
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エリア:
- アジア>カンボジア>シェムリアップ
- テーマ:観光地 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2015/01/07 14:14
カンボジアを訪れるのは初めてだったのだが、どこか懐かしさが漂っていました。
恐らく個人的に東南アジアに何度か訪れた為でしょう。
正直なところ、行く前はカンボジアの事は雰囲気がタイやベトナムに似ていて、遺跡がたくさんあるだけで、魅力がそこまであるとは思っていませんでした。一方でなぜカンボジアは遺跡でこれほど人気があるのかを解き明かしてみようと考えてもいました。
ただ今回のカンボジアは7泊9日の中で、シェムリアップに6泊7日して、プノンペンに1泊2日という偏りがあり、少し不安でした。ただ結果から先に言うと、とても良い塩梅だったと思いました。むしろ全日程をシェムリアップの遺跡に費やしても、よかったかもしれません。
カンボジアといえば、恐らく大半以上の人が【遺跡】を連想するでしょう。だからこそ、遺跡自体には興味がなかったが、どんなものか見てみよう!という心持ちで臨んだシェムリアップ。開けてみると奥が深い遺跡の世界が待っていました。
<アンコールトム>
アンコール遺跡群でアンコールワットに続いて、人気がある遺跡です。特にバイヨンには美しいままのレリーフが多く残っており、他の遺跡と比べるとその美しさは歴然です。
またジァヤバルマン7世時代の遺跡のため、仏教とヒンドゥー橋を融合させた四面の彫刻が多数存在し宗教から平安を求めた象徴とされています。
<アンコールワット>
カンボジアの遺跡といえば、1番人気がアンコールワットである事は間違いないでしょう。観光客の方はまずはここに行ってみるべきだと思いました。遺跡が西向きに建てられていることから、昼過ぎに行けば逆光にならず綺麗に写真が撮れます。
ここで最も印書に残ったのは、アンコールワット越しの朝日です。
神秘的でいて、歴史の息吹が朝日に照らされることで、目に見えるような感覚になりました。
<コーケー遺跡群>
シェムリアップ市内から2時間程の距離にあるまさしく遺跡のオンパレード、コーケー遺跡群。数多くの遺跡が中心を囲うように点在しており、見応えは抜群です。
コーケー遺跡群の見所は何と言っても、プラサット・トムと呼ばれる聖なる山を象ったピラミッド調の遺跡です。
以前までは工事の関係で登ることもできなかったそうですが、現在は登ることができ、頂上まで行くことができます。登るのに一苦労ですが、周囲を一望できる眺めは印象に残ります。
<ベンメリア>
ベンメリア遺跡はシェムリアップ市内から1時間ほどの距離にあり、見応えがあらことから、アンコールワット、アンコールトムに続いて人気があります。見所は、修復されていない遺跡そのものを体験できるところです。片づけられてはいますが、崩れた遺跡の上を歩く場所もあります。中には保存の良いものもあり、ベンメリアの蛇神ナーガの像は細部まで確認できるものもあります。
まだ謎が多い遺跡で、どの時代に誰によって建設されたかなどを明らかにする碑文は発見されていません。全貌が明らかになればアンコールワットを凌ぐといわれるほどの規模を持つと推測されているそうです。
また、建物が苔むし、建造物のいたるところに植物が根を伸ばし覆っているさまから、「天空の城ラピュタ」のモデルの一つではないかとも言われています。タプロームの木が至る所に生い茂り、自然と遺跡だけが時間に取り残されているような神秘的でいて、謎めいた様子を見ることができます。
<ロリュオス遺跡群>
アンコール地域から約15km地点にあるこの遺跡群は、8世紀末から9世紀にかけて栄えていました。その後アンコールワットに王都が移転したとされています。つまりアンコールワットの前身。アンコールワットへと移り、どう変化したかを比較して楽しむにはもってこいの場所です。
面積自体はそれ程広くないので、簡単に回ることができますが、残念なことにロレイ遺跡は修復中で、綺麗な状態で見ることができなかったのは心残りでした。
<水中寺院クパルスピアン>
グレン山にある水中寺院クパルスピアン。これもシェムリアップ市内からは少し距離がありますが、行く途中にベンメリア遺跡等によってから行けるので、是非訪れてほしい場所の一つです。ジャングルの中にひっそり眠っており、アンコールワットとの類似点が多く「東のアンコール」ともよばれています。遺跡はジャングルに埋もれており崩壊も進んでいるため歩ける範囲も限られていますが、秘境の遺跡にふさわしいたたずまいをみせています。聖なる川の底にはシヴァ神の彫刻が施されているのは、水量によっては見ることができないので、そこは天候次第です。
さらにその先に三段に渡る滝があり、一番下の落差が高いポイントは圧巻です。
<バンテアイチュマール遺跡>
今回訪れた遺跡の中でもっとも遠く、3時間以上かかりました。タイとの国境付近に位置し、未だ整備がほとんどされていません。観光客は私たちしかおらず、本当に入っていい場所なのか疑うほどです。
ただ、一度中に入ればすぐに時の流れと逆行しているみたいに、老朽化し、苔が生い茂った遺跡が顔を出します。
<サンポールプレイクック遺跡群>
アンコール遺跡群最古の遺跡で、アンコールワットの原型をなすといわれているのがサンポールプレイクックです。シェムリアップ中心地からはかなり距離があり、1日がかりで訪れました。車に揺られること約2時間30分。着いた場所では観光客はほとんど見ることができず、単なる森林のようでした。そんな木々の中にひっそりと点在しているのがサンポールプレイクック。ここは個人的には特にお気に入りです。他に人がいない場でゆっくりと遺跡を見ることができます。またアンコール遺跡群の中では最古の遺跡とされており、ここから始まったと考えると、ルーツを見ることができたような気がします。
お分かりのように今回は遺跡づくしの出張でした。最初は興味が薄かった(ほぼありませんでした)のですが、途中からは他の遺跡と形状や歴史、宗教の違いに興味を持つことができ、結果としてとても充実したように思えます。是非、遺跡目当てで行かれる際は、ちょっと足を伸ばして、サンポールプレイクックやバンテアイチュマール等のマイナーな遺跡を訪れてみることをお勧めします。
カンボジアの遺跡は奥が深いことを知ってしまいました。
機会があれば、またシェムリアップに遺跡を求めて行きたいです。
【おすすめ遺跡】
・アンコールワット★★★
・アンコールトム★★★★
・コーケー遺跡群★★★★
・ベンミリア★★★★★
・ロリュオス遺跡群★★★
・クパルスピアン★★★★
・バンテアイチュマール遺跡群★★★★★
・サンポールプレイクック遺跡群★★★★★
(2014年12月 小沢駿)
恐らく個人的に東南アジアに何度か訪れた為でしょう。
正直なところ、行く前はカンボジアの事は雰囲気がタイやベトナムに似ていて、遺跡がたくさんあるだけで、魅力がそこまであるとは思っていませんでした。一方でなぜカンボジアは遺跡でこれほど人気があるのかを解き明かしてみようと考えてもいました。
ただ今回のカンボジアは7泊9日の中で、シェムリアップに6泊7日して、プノンペンに1泊2日という偏りがあり、少し不安でした。ただ結果から先に言うと、とても良い塩梅だったと思いました。むしろ全日程をシェムリアップの遺跡に費やしても、よかったかもしれません。
カンボジアといえば、恐らく大半以上の人が【遺跡】を連想するでしょう。だからこそ、遺跡自体には興味がなかったが、どんなものか見てみよう!という心持ちで臨んだシェムリアップ。開けてみると奥が深い遺跡の世界が待っていました。
<アンコールトム>
アンコール遺跡群でアンコールワットに続いて、人気がある遺跡です。特にバイヨンには美しいままのレリーフが多く残っており、他の遺跡と比べるとその美しさは歴然です。
またジァヤバルマン7世時代の遺跡のため、仏教とヒンドゥー橋を融合させた四面の彫刻が多数存在し宗教から平安を求めた象徴とされています。
<アンコールワット>
カンボジアの遺跡といえば、1番人気がアンコールワットである事は間違いないでしょう。観光客の方はまずはここに行ってみるべきだと思いました。遺跡が西向きに建てられていることから、昼過ぎに行けば逆光にならず綺麗に写真が撮れます。
アンコールワット(シェムリアップ)
ここで最も印書に残ったのは、アンコールワット越しの朝日です。
神秘的でいて、歴史の息吹が朝日に照らされることで、目に見えるような感覚になりました。
アンコールワットの朝日(シェムリアップ)
<コーケー遺跡群>
シェムリアップ市内から2時間程の距離にあるまさしく遺跡のオンパレード、コーケー遺跡群。数多くの遺跡が中心を囲うように点在しており、見応えは抜群です。
コーケー遺跡群の見所は何と言っても、プラサット・トムと呼ばれる聖なる山を象ったピラミッド調の遺跡です。
プラサット・トム(コーケー遺跡)
以前までは工事の関係で登ることもできなかったそうですが、現在は登ることができ、頂上まで行くことができます。登るのに一苦労ですが、周囲を一望できる眺めは印象に残ります。
プラサット・トムからの眺め(コーケー遺跡)
<ベンメリア>
ベンメリア遺跡はシェムリアップ市内から1時間ほどの距離にあり、見応えがあらことから、アンコールワット、アンコールトムに続いて人気があります。見所は、修復されていない遺跡そのものを体験できるところです。片づけられてはいますが、崩れた遺跡の上を歩く場所もあります。中には保存の良いものもあり、ベンメリアの蛇神ナーガの像は細部まで確認できるものもあります。
まだ謎が多い遺跡で、どの時代に誰によって建設されたかなどを明らかにする碑文は発見されていません。全貌が明らかになればアンコールワットを凌ぐといわれるほどの規模を持つと推測されているそうです。
また、建物が苔むし、建造物のいたるところに植物が根を伸ばし覆っているさまから、「天空の城ラピュタ」のモデルの一つではないかとも言われています。タプロームの木が至る所に生い茂り、自然と遺跡だけが時間に取り残されているような神秘的でいて、謎めいた様子を見ることができます。
ベンメリア遺跡とタプローム(ベンメリア)
<ロリュオス遺跡群>
アンコール地域から約15km地点にあるこの遺跡群は、8世紀末から9世紀にかけて栄えていました。その後アンコールワットに王都が移転したとされています。つまりアンコールワットの前身。アンコールワットへと移り、どう変化したかを比較して楽しむにはもってこいの場所です。
面積自体はそれ程広くないので、簡単に回ることができますが、残念なことにロレイ遺跡は修復中で、綺麗な状態で見ることができなかったのは心残りでした。
修復中のロレイ(ロリュオス遺跡)
<水中寺院クパルスピアン>
グレン山にある水中寺院クパルスピアン。これもシェムリアップ市内からは少し距離がありますが、行く途中にベンメリア遺跡等によってから行けるので、是非訪れてほしい場所の一つです。ジャングルの中にひっそり眠っており、アンコールワットとの類似点が多く「東のアンコール」ともよばれています。遺跡はジャングルに埋もれており崩壊も進んでいるため歩ける範囲も限られていますが、秘境の遺跡にふさわしいたたずまいをみせています。聖なる川の底にはシヴァ神の彫刻が施されているのは、水量によっては見ることができないので、そこは天候次第です。
川底の彫刻(クパルスピアン)
さらにその先に三段に渡る滝があり、一番下の落差が高いポイントは圧巻です。
聖なる滝(クパルスピアン)
<バンテアイチュマール遺跡>
今回訪れた遺跡の中でもっとも遠く、3時間以上かかりました。タイとの国境付近に位置し、未だ整備がほとんどされていません。観光客は私たちしかおらず、本当に入っていい場所なのか疑うほどです。
遺跡への入り口(バンテアイメンチャイ)
ただ、一度中に入ればすぐに時の流れと逆行しているみたいに、老朽化し、苔が生い茂った遺跡が顔を出します。
バンテアイチュマール遺跡(バンテアイメンチャイ)
<サンポールプレイクック遺跡群>
アンコール遺跡群最古の遺跡で、アンコールワットの原型をなすといわれているのがサンポールプレイクックです。シェムリアップ中心地からはかなり距離があり、1日がかりで訪れました。車に揺られること約2時間30分。着いた場所では観光客はほとんど見ることができず、単なる森林のようでした。そんな木々の中にひっそりと点在しているのがサンポールプレイクック。ここは個人的には特にお気に入りです。他に人がいない場でゆっくりと遺跡を見ることができます。またアンコール遺跡群の中では最古の遺跡とされており、ここから始まったと考えると、ルーツを見ることができたような気がします。
サンボール・プレイクック(コンポントム)
プラサットサンボー碑文(コンポントム)
お分かりのように今回は遺跡づくしの出張でした。最初は興味が薄かった(ほぼありませんでした)のですが、途中からは他の遺跡と形状や歴史、宗教の違いに興味を持つことができ、結果としてとても充実したように思えます。是非、遺跡目当てで行かれる際は、ちょっと足を伸ばして、サンポールプレイクックやバンテアイチュマール等のマイナーな遺跡を訪れてみることをお勧めします。
カンボジアの遺跡は奥が深いことを知ってしまいました。
機会があれば、またシェムリアップに遺跡を求めて行きたいです。
バンテアイクディ(シェムリアップ)
【おすすめ遺跡】
・アンコールワット★★★
・アンコールトム★★★★
・コーケー遺跡群★★★★
・ベンミリア★★★★★
・ロリュオス遺跡群★★★
・クパルスピアン★★★★
・バンテアイチュマール遺跡群★★★★★
・サンポールプレイクック遺跡群★★★★★
(2014年12月 小沢駿)
- 「食事も観光も魅力いっぱい!ラオスカンボジア旅行」
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エリア:
- アジア>カンボジア>シェムリアップ
- アジア>ラオス>ヴィエンチャン
- アジア>ラオス>ルアンプラバン
- テーマ:世界遺産 グルメ 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2014/12/26 13:19
12月初旬、本格的な寒さの季節になってきた日本から一変、平均気温20度越えの常夏の国、ラオス、カンボジアへ。東南アジアでひそかに気になっていた国カンボジアと、私の中で全くの未知な国であったラオス。
ビエンチャン→ルアンパバーン→シェムリアップという2カ国3都市を9日間で周遊してきました。
<ビエンチャン>
ラオスの首都であるビエンチャンは、首都とは思えないほど小さな町ですが、文化、政治の中心を担う都市で、数々の仏教寺院や仏塔が残されています。
ラオスのシンボルであるタートルアン。黄金に輝くこの仏塔は、一度争いによって破壊されてしまい、1930年代に再建されました。両サイドには、北寺と南寺があり、北寺はお祭りの時のみ開放しているそうです。
南寺の内部。鮮やかで美しい色合いの壁画には、ブッダの人生が描かれています。
パリの凱旋門をモデルに造られた戦没者慰霊塔のパトゥーサイ。そっくりすぎてびっくり。
パトゥーサイの前にある噴水は中国からの贈り物だそうです。
道路で見つけたとてつもなく派手なスクールバス。ちなみにこのバスにから降りてきた生徒達の制服も派手でした。
唯一破壊されずに当時のままの形が残っているワット・シーサケート。
大小5000体以上の仏像が安置されています。
ラオスの主食といったら「カオ・ニャオ」。竹で編んだ「ティップ・カオ」と呼ばれる入れ物にはいって出されるのが一般的です。もっちもちで甘みがあって、お餅大好きな私にとっては最高の食感でした。
ラオスの名物のひとつといったらナイトマーケット!メコン川沿いの通りでは、毎晩多くの露店が軒を連ね、夕方の5時過ぎから夜10時ごろまでにぎわっています。
<ルアンパバーン>
翌日、ビエンチャンから国内線で45分、あっという間に世界遺産の街ルアンパバーンへ到着。
ルアンパバーンのシンボル、ワット・シエントーン。折り重なった屋根が特徴的です。
高さ150mの小高い山、プーシーの頂上からはルアンパバーン市内を一望することができます。私が登った日はあいにくの曇りでしたが、快晴の日には綺麗な夕日を見ることができます。
夜のルアンパバーンはおしゃれなレストランやカフェがたくさん。街の照明が少ない分、お店の明かりが際立っていて、素敵な雰囲気でした。
ルアンパバーンでももちろんナイトマーケットへ!カラフルな雑貨や洋服がいっぱいです。
商品の並べ方がビエンチャンより整っているような・・・
翌日、ボートで2時間揺られながら、パクオー洞窟へ!
川の神様と繋がりがあるといわれているこの洞窟には、4000体を越える仏像が納められています。そしていまだに増え続けているという・・・
パクオー洞窟からの帰り道には、ラオス名物のお酒「ラオ・ラオ」を造っているサンハイ村や、織物を作る行程を間近で見学できるサンコン村へ立ち寄りました。
ラオス最後の食事は、カオ・ソーイ。ピリ辛で、麺はきしめんみたいでもちもち。
<シェムリアップ>
ラオスに別れを告げ、いざカンボジアへ。シェムリアップまでは約2時間のフライトです。
ビールは苦手だけどずっと飲んでみたかったアンコールビール。の、飲みやすい!
私と同い年の店員さんが笑顔で注いでくれました。
12世紀の人々の生活模様が描かれた壁画が特徴的なバイヨン。きめ細やかな彫刻には、ひとつひとつ意味が込められています。
樹木と寺院が一体化している遺跡、タプローム。まるでアドベンチャーゲームの中にいるような、非現実的な感覚になります。
アンコールワット到着!正面からの写真は、午前中に撮ると逆光になってしまうので注意です。
一辺約3kmの堀に囲まれたアンコールワット。油断していると自分がどこにいるのか分からなくなってしまうほど、とにかく広い・・・
2階建ての遺跡が特徴的な、プリアカン。ほかに例のないこの遺跡には、上階に続く階段もなければ床もなく、珍しい造りになっています。
初めてのラオス、カンボジア。どちらの国もご飯はおいしいし、街並みは意外にも穏やかで、なにより地元の人々のフレンドリーな性格が印象的でした。東南アジアのお気に入りの国が2カ国、追加された旅となりました。
スタッフオススメ度
<ラオス ナイトマーケット>★★★★★
地元の人々との会話も楽しめる!
<カンボジア アンコールワット>★★★★★
朝日鑑賞は外せない!
2014年12月 酒井優紀
- 大河メコンの恵みを感じる旅〜カンボジア・ベトナム紀行 トンレサップ湖とメコンデルタ〜
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エリア:
- アジア>カンボジア>シェムリアップ
- アジア>ベトナム>カントー
- アジア>ベトナム>チャウ ドック
- テーマ:観光地 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2014/12/25 12:15
「宇宙の中心」、アンコールトムのバイヨン
カンボジア・シェムリアップの陽気なトゥクトゥクの運ちゃん
メコンデルタ名物の人力車でゆったり観光
明治時代、日本を訪れたオランダ人技師ヨハニス・デ・レーケは、富山県を流れる成願寺川を見て「これは川ではない、滝である」と言ったといわれている。
また、昔中国人が瀬戸内海を見て「おお、日本にも大きい河がありますね!なんという河ですか」と言ったそうだ。
・・・そんなわけで、我が国日本は島国であるがゆえに大河とはまったく無縁の国。大地をゆったり、のんびり流れる大河に憧れを持っている方も少なくないのではないだろうか。
そんな「大河フェチ」の一人である私は、今回カンボジアとベトナムのメコン川流域を訪れることになった。
<トンレサップ湖>
カンボジアの国土の中央にある東南アジア最大の湖、トンレサップ湖。チベットを源流として中国、ミャンマー、ラオス、タイと流れてきたメコン川の水が、一気にこの湖に流れ込む。乾季の面積は2700平方キロメートルほど(東京都よりも少し大きい)だが、雨季になるとその3倍の面積になるとのこと。日本では考えられない途方もないスケールだ。
目の前に広がる大海原、もとい大湖原
さらに驚くことに、このトンレサップ湖には100万人もの水上生活者がいて、水上集落で生活しているという。アンコール遺跡観光の拠点として有名なシェムリアップから、ボートに乗ってその水上集落に「上陸」することができる。
港からボートに乗り、エンジンをバリバリ回して勢いよく突っ走っていく漁船に抜かれながら進むこと約20分、湖上にぷかぷか浮かぶ民家が両側に見えてくる。
なるほど、これが水上集落。他では見られない不思議な光景だ。
民家のほかにも、学校や教会、交番、病院、商店まで見える。水上集落というより、一つの村になっているようだ。
もちろん小舟は一家に一台の標準装備
体育館付きの立派な学校。スクールバスならぬスクールボートも
そして墓まで。なんという至れり尽くせり感。水上集落の住民の一生は、文字通りすべて湖の上で完結している・・・!
夜に行ったらほんとに怖そう
この水上家屋のうちの一つをお宅訪問。ワニやナマズを養殖している家で、ワニは革製品用と食用に、ナマズは食用になるとのこと。ついでにお土産屋もやっている。
ビフォー
アフター
陸の上に住む人間から見れば水上家屋に住むなんて退屈なことこの上無さそうだけど、慣れたらなんともないのだろう。住めば都とはまさにこのこと。
ガイドさんの話によれば、彼らが陸に上がるのは市場で魚を売るときと米を買うときぐらいで十分らしい。
トンレサップ湖は魚の種類や量が豊富なことで知られていて、600種類以上の淡水魚が生息している。あのアンコールトムのバイヨンにも、湖に住む魚や魚を食べる人間がレリーフに描かれている。
戦争を描いたレリーフには魚がいっぱい。兵士を食うワニの姿も。
ここに描かれた魚は、現在も湖で見ることができ、カンボジア人の生活に密着に深くかかわっている。今も昔もカンボジア人はトンレサップ湖の恵みで生きてきたのだ。
<チャウドック>
ベトナムにまで到達したメコン川は、ここでいくつもの支流に分かれて海に流れ込む。ベトナムでは9本の川に分かれているとされ、これを龍に見立てて九龍川と呼んでいる。なんとかっこいいネーミング。
この地域がメコンデルタで、ベトナム一豊かな地域といわれる。なんとベトナムで取れる作物の4/5がメコンデルタ産なのだとか。
米は三毛作で、他国へ輸出もしている。日本もここから養殖エビを輸入している。そういえばスーパーに行くと、ベトナム産のエビをよく見るなあ。
メコンデルタまっただなかの街、チャウドックの市場に行くと、メコンデルタがいかに豊かな地域なのか実感することができる。
バナナだけでもこんなに種類が!
地元の超有名人、マム(魚の発酵物)作りの名人ばあちゃん
鮮やかな色彩とベトナム人のパワーに圧倒されそうな市場に行くだけでも十分おもしろいのだけど、チャウドックの楽しみ方はそれだけではない。
ここチャウドックはカンボジア国境の街であり、ベトナム人以外の少数民族も多く住んでいる。中でも有名なのがクメール人とチャム人で、彼らはメコン川の水上集落や川べりの高床式の家に住んでいる。ここでも、ボートに乗って彼らの集落を訪問できる。
この周辺でよく目にするのが、網で魚を取っている漁師。
トンレサップ湖と同じく魚の量や種類が豊かなようで、網をちょっとおろしただけですぐにたくさんの魚が取れている。毎日どころか毎時間大漁だ。
このほか、やはりトンレサップ湖と同じくナマズを養殖している家も多い。家の床下が養殖場になっており、1トンもの魚を育てているそうだ。
途中でボートを降りて、川岸にあるチャム人の集落へ。
チャム人は2世紀からベトナム中南部を中心に栄えたチャンパー王国の末裔。民族衣装を着て生活し、イスラム教を信仰するベトナムでは異色の民族。集落を訪れてみると、やっぱり独特の雰囲気が感じられた。
異世界への入り口感MAXな集落入口
機織りで民族衣装を作っている家を訪問すると、衣装を試着させてくれる。布を腰に巻いた、いかにも南国で過ごしやすそうな衣装。
このあたりの高床式の家は雨季に水没する前提で作られており、水が一番多い10月ごろになると2階が1階になってしまう。ある家では、年ごとに水位を記録してあった。
子供の身長の記録に似ているような。
立派なチャム人のモスク
アオザイ姿の女子高生がボートで優雅に下校
さらにチャウドック郊外のチャースーにはマングローブの森があり、100%の大自然の中を手漕ぎボートに乗ってめぐることができる。
延々と続く緑のトンネルはまさに絶景。
これがメコンデルタの奥深さ
こんなに素晴らしい森なのに、ここに来ているのはベトナム人観光客ばかりで、日本人はまだほとんど来ていないとのことだった。ここが穴場になっているうちにぜひ訪問を!
<カントー>
カントーはメコンデルタ最大の街で、ベトナム全体でも5本の指に入る大都市。ここでもやはり市場見学が楽しい。
日本ではまずお目にかかれない、ネズミ肉とカエル肉の盛り合わせ
しかしカントーで最も見逃せないものといえば、ただの市場ではなく水上市場。特にカントーから7km川を下ったところにあるカイランの水上市場は規模が大きく有名。
これは今まで訪問してきた水上集落よりももっとスゴそう。。。と、期待度もUP。
水上市場は朝中心に行われるそうなので、早朝6時前から船に乗って出発。
メコン川と朝焼け
あまりの眠さにボーっとしていると、突如大船小舟が大挙して出現してきた。
これがカイランの水上市場。小舟は周辺の農家が作物とともに乗っているもので、その品物を大船に乗った卸の商人が買っていく、という仕組みらしい。スイカやパイナップルを船から船へパスする、ラグビーのような光景をあちこちで見かけた。
野菜や果物をいっぱいに積んだ船のほかにも、商店を丸ごと積んだかのような船もあるし、サンドイッチを売りつけて回っている船もある。ずっと見ていても全く飽きない。
よく見ると、船の先端にさおが立っていて何かしらくくりつけられている。これが店でいう看板のようなもので、たとえばある果物がつけられていればその船はその果物を売っているということ。誰から見ても分かりやすい。
さすがにこの船は欲張りすぎでは。
この旅でずっと眺めてきたメコン川。メコンとは偉大な河との意味ということだけど、多くの人々がその豊かさを享受し、日々の生活になくてはならないものになっているということを考えると偉大っていうネーミングがぴったりだなあと思ってしまう。そういえばベトナムのガイドさんは、「きれいに見えないかもしれないけど地元の人はそんなこと気にしない、生きていくために必要なんだから」と言ってたっけ。
有名観光地をまわる旅もいいけど、「偉大な河」メコン川を訪れてそこに生きる人々の生活に触れる旅もしてみませんか?
<おまけ・カンボジア&ベトナム魅惑のC級グルメ>
今回のカンボジア・ベトナム訪問では、個人的にあるミッションを密かに持っていた。
カンボジアは知る人ぞ知る昆虫食大国(?)。そしてベトナムでは、空を飛ぶものは飛行機以外全て、四つ足のものは机以外全て食べるとか言われている。日本では信じられないほど多彩な食材があるのだ。
ってことは、やるしかないでしょう。日本でお目にかかれない珍食材、はたしていくつ食べられるのか!?
以下、虫系・爬虫類系が苦手な方は画面をスクロールして飛ばしていただくことをおススメします。
まずはカンボジアのシェムリアップ。世界中の観光客でにぎわうこの街に、「虫料理レストラン」なるものがオープンしたと聞いていた。さっそく行ってみることに。
お店の名前はそのまんま「バグズ・カフェ」。
ここで頂いたのが、スタッフおすすめの虫盛り合わせ。クモの天ぷら、アリの春巻きとパイ、サソリとクモの串焼き、コオロギと蚕の野菜炒め・・・と、お皿の上は虫のオールスターゲーム状態。
マネージャーはフランス人というこのお店、お店の中も料理もとにかくおしゃれ。食材が虫でなければ、パリの大通りにあってもおかしくないのに・・・というレベル。
才能の無駄遣いとはこのこと?いやいや、ここまで虫料理を極めたお店のスタッフの心意気は尊敬するばかり。マネージャーとお話しする機会があったが、このお店を経営していることに心から満足しているようだった。
気になるお味の方は、、、実際に食べて確かめてみて下さい。
ただただ無心にかぶりつくべし!
さらにシェムリアップの街を歩いていると、孵化しかけのアヒルの卵の屋台を発見。ベトナムではホビロン、フィリピンにはバロットと呼ばれ、日本人旅行者の間でもそれなりに有名なのだが、カンボジアにもあったのね。
卵を割ると驚きの黒さ
見た目はあれだけど、味は濃厚なゆで卵。ビールに合うかも?
その近くにあった強烈な屋台
ベトナムでは、メコンデルタの移動中にいきなりワニ牧場に連れて行かれ・・・
像にも見えるけどちゃんと生きてます
そしてワニ料理をいただくことに。歯ごたえのあるチキンという感じで、なかなかおいしい!
左上のお皿が、ワニ肉の野菜炒め
さらにその日の夕食は蛇料理。もう珍食材祭りだ。
蛇の炭火焼きと蛇鍋。思ったより原型残ってるなあ。
蛇はベトナムでは高級食材で、お祝い事などで食べられるとか。チャウドックやカントーの市場では袋や檻に入って売られているのを見かけた。
蛇もチキンを濃厚にしたようななかなかの美味しさ。中でも蛇鍋に入っていた蛇ホルモンがクセになる味で、何回か食べればやみつきになりそう。ベトナム人も蛇好きの人が多いようで、このときもドライバーさんが「あとで酒のつまみにするんだ」と言って余った蛇肉をタッパーに詰めて持ち帰っていった。
このとき食べた蛇はどこでもいる一般的な蛇のようで、コブラなんかになると値段がぐんと上がり、味もさらによくなるらしい。じゃあ次ベトナムに行ったときはコブラ料理だな。
最後にカントーでタニシを茹でたものを食べて、珍味をめぐる旅は終了。
これもビールに合いそう
カンボジアとベトナムの食文化の奥深さを実感できた今回の旅。勇気ある方は、お腹を壊さない程度にチャレンジしてみては!?
【スタッフおススメ度】
●トンレサップ湖 ★★★★
カンボジアはアンコール遺跡だけじゃない!突如出現する水上集落は圧巻の光景。
●チャウドック ★★★★★
市場、少数民族、大自然と楽しみ方いろいろ。メコン川とともに生きる人々のたくましさに圧倒される。
●カントー ★★★★
世界でも珍しい水上市場は見逃せない!
(2014年11月 伊藤卓巳)
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