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- 幸せと旅の原点探しにブータンへ 交易路をゆき中世の旅人になろう 〜チョモラリ・トレッキング〜
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エリア:
- アジア>ブータン>ティンプー
- アジア>ブータン>パロ
- アジア>ブータン>ブータンその他の都市
- テーマ:ハイキング・登山 自然・植物
- 投稿日:2014/12/25 18:58
私にとって初めての海外旅行はネパールのトレッキングで、そこでは毎日がカルチャーショックの連続で深い感銘を受けた。それがきっかけで色んな国に行くことができる仕事がしたい、とファイブ・スター・クラブにて働くこととなったのだ。それ以来、たくさんの国に行くこととなっても本格的なトレッキングに行くことはなかったが、今回15年ぶりに本格的なトレッキングに、ブータンにて挑戦することとなった。15年も前なので体力の衰えも心配だったけれど、トレッキングに挑戦することで私の人生という旅の目的の原点、みたいなものに戻れれば、と心の中で考えていた。
ルートはブータンで一番人気のチョモラリ・トレック。チョモラリは「女神の山」と意味し、西部チベット国境にある高峰(7,314m)で、ブータンを代表する山だ。といっても今回この山に登るのではなく、氷河地形の中にあるジャンゴタン村のチョモラリベースキャンプ(4090m)を目指す。チョモラリ、ジチュダケなどブータンを代表する山々の展望が楽しめる10月の旅がお勧め。5,6月にはブータンの国の花、ブルーポピーを目的にする旅人も多いそう。峠がなく、徐々に高度を上げていくので高山病の恐れが少なく、体調が悪くなっても下山しやすいなど、初心者でも挑戦しやすく、景観も素晴らしい。今回はこのトレッキングについて紹介したい。
ブータンのトレッキングはネパールとは違い、途中に山小屋やカフェなどがない。よってすべてテント泊となり、必要な食糧やテントは全てスタート地点から持っていく。馬が運んでくれるので私たちはカメラや水筒などだけ持って歩くだけ。今回のトレッキングでは日本語ガイドさん、コックさん、アシスタントコックさん、馬の世話係さんの2名、馬8頭が我々の世話をしてくれた。昔の旅人と同じようにキャラバンを組んでの旅は何とも旅情を誘い、スタッフとも旅の仲間として自然に距離が近くなる。これがブータンでのトレッキングの魅力なのだ。
トレッキング1日目 (歩行時間約5時間、17キロ)
08:30 パロのホテル出発
08:50 ドゥゲゾン到着 (2400m) ドゥゲゾンを少し観光
09:30頃 ドゥゲゾンを出発
12:15 ランチ
13:00 出発
15:00 シャナ 到着 (2850m)
2012年にドゥゲゾンから今日の宿泊地のキャンプサイトのシャナまでの農道が開通した。帰りはシャナから車で帰るが、今回は敢えて高度順応のために往路は徒歩で向かう。他の高度順応の方法としては例えば、パロで午前にだいたい3000mにあるタクツァン僧院まで歩いて行き高地になれ、その午後にドゥゲゾンからシャナまで車で行く、という方法もある。シャナまでの道は舗装されていないが農道なので歩きやすく、急な登りもなく、トレッキング初めのウォーミングアップとしてもよい。川が流れ、途中村々を通るので農家も見かける。景色もよい。10月下旬はちょうど稲刈りの時期で、鎌を使って手作業で稲刈りをしている場面、稲刈りの途中でお昼ご飯をみんなで食べている光景も見ることができた。
川と田園風景が美しい
遠くに山々がみえる
ちょうど稲刈りの時期
お昼時になり待ちに待ったランチ!ランチは私たちが出発した後、コックさんが作ったお弁当をアシスタントコックさんが追いかけてきて持ってきてくれる。おかずが3品とご飯、果物と暖かい紅茶を用意してくれた。好きな食材、もしくは嫌いな食材があれば前もって伝えておこう。コックさんの腕は確かでこのトレッキング中、食事が楽しみでいつも満腹に食べていた。自然の中で食べる、たくさんの人の手がかかった豪華な昼食はどんなミシュランのレストランで食べるよりも贅沢に違いない。
<217 ガイドさんが昼食を用意してくれる>
15:00頃にこの日のキャンプサイト、シャナに到着。到着するとまず、クッキーとミルクティーやコーヒー、ココアなどの温かい飲み物を用意してくれる。ここ、シャナに我々のテントを設営するのだが、我々が寝るテント、我々が食事するダイニングテント、コックさんが料理を作るキッチンテント、トイレのテントを私たちだけのため、今晩だけのために設営するのだから有難いやら申し訳ないやらの気持ちで、スタッフの設営するのを見守る。日が暮れる前に顔と足を洗うためのお湯を用意してくれる。お風呂には入れないけど、暖かいお湯に足をつけるだけでかなりリフレッシュできる。日が暮れて待ちに待った晩御飯。スープから始まり、おかず3品とご飯、デザートと用意してくれる。山の中でこれだけ至れり尽くせりで、これ以上ないような贅沢だ。ブータンの街中で食べるホテルやレストランの食事よりも数段おいしい!空に輝く星はパロで見るよりもすばらしい。心地よい疲れの中、ぐっすり眠ることができた。
キッチンテントを設営するコックさん
左からキッチンテント、ダイニングテント、我々のテント
お馬さんもご苦労様 袋に餌をいれると他の馬とも喧嘩しない
大自然の中での美味しい食事
2日目 (歩行時間約7時間、21キロ)
07:15 シャナ出発
12:00 ランチ
12:45 出発
15:00 タンタンカ (3630m)
翌朝、ガイドさんがベッドティーを用意して起こしに来てくれ、顔を洗うための暖かいお湯も用意してくれる。朝食もパンや卵料理、ソーセージ、コーンフレーク、おかゆなど毎日違うメニューだ。
2日目は行程の中で一番たくさん歩く日。といっても、普段日本でハイキングに行く人にとってはさほどハードではないと思う。針葉樹の森の中をひたすら登る。この日の行程の風景は日本の山登りと少し似ている。タンタンカはキッチンとダイニングの小屋があり、早く到着したグループのみ使える。水洗便所もある。標高は3600mを超えるため、朝夕はとても冷える。この晩はなんと湯たんぽを用意してくれた。湯たんぽとスタッフの気遣いの温かさを感じながら眠りについた。
荷物を運ぶ馬とすれ違う 山道では馬やヤクが優先して通る
川を何回も渡る
タンタンカに到着
タンタンカのキャンプサイト
我々のテントを用意してくれる
3日目 (歩行時間約5時間 19キロ)
07:15 タンタンカ発
12:00 ジャンゴタン(チョモラリ・ベースキャンプ 4090m)到着 ランチ
下記はオプションで、余力のある方のみ。通常は翌日に行くことが多い。
氷河湖のツォプ湖へ (歩行時間約3時間半)
13:00 ジャンゴタン発
15:00 ツォプ湖到着
16:30 ジャンゴタン到着
起床すると晴天で、昨夕には見れなかったチョモラリが見えた。
輝くチョモラリ
朝はまだ霜が降りている。3700mあたりでヤクが姿をみせはじめる。
3700mあたりでヤクが登場
この日のジャンゴタン(チョモラリ・ベースキャンプ)までの道のりは景観が素晴らしい。5時間ほどの道のりだが、写真を撮るのが好きな人はきっと何度も足をとめてしまうので、もう少し時間がかかるかもしれない。途中で小学校を通る。授業の様子を見せてもらうため授業中にちょっとお邪魔させてもらった。授業中なので覗くだけにするつもりが、先生が授業を中断して、子供たちとの交流の時間を作ってくれて恐縮してしまった。ブータンの小学生は英語が上手。旅行中に何度か話すことになるのだが、挨拶の順番は必ず 1.Hello, madam. 2How old are you? 3
.What’s your name? という順番で、いきなり年を聞かれるので、出だしから、うっ・・・と答えに詰まる。別に気にしてないんだけどね。ブータンの学校ではこの順番で習うのかな?
素晴らしい景観に何度も足をとめてしまう
美しい山々
景色に見とれて疲れは感じない
英語が話せる子供たち
授業中なのに快く写真撮影に応じる子供たち
ジャンゴタンに到着 ガイドさんと
通常だとこの日はジャンゴタン到着後、のんびり過ごすのだが、よくばりな私はジャンゴタンで昼食を食べた後、4330mの氷河湖ツォプ湖まで足を延ばすことにした。5,6月はブータンの国の花、ブルーポピーが咲き乱れるそうで、これを目的に旅する人も多いという。最初の30分は急登があり、さすがに4000mを超えての上りはきつい。ゆっくりゆっくり、休みながら登る。途中、高地でしか会えないブルーシープに遭遇!見事に周りの風景の色と同化していて、写真だとよけい見えにくい。湖近くにて一気に天気が崩れ、雹がふってきた。そんな中、ようやくツォプ湖に到着。ツォプ湖へはジャンゴタンから往復3時間ほどの行程で、多くの人は翌日の終日フリータイムのときに行くようだ。
かなりの急登
ブルーポピーじゃないけどきれいな高地の花
野生のブルーシープ
雹が降ってきた
ツォプ湖にて
4日目
08:45 ジャンゴタン出発
11:45 チョモラリとジチュダケが見えるピークに到着
14:00 ジャンゴタン到着
朝起きると昨夕は見えなかったチョモラリが光り輝いていた!周りはまだ薄暗くても陽が一番先にチョモラリに当たるものだから白銀に輝いている。トレッキングの出発地のドゥゲゾンからはチョモラリの頂上がちょこっと見えただけだが、ここからはとても近く真正面に見える。この瞬間、3日間かけて少しずつ登ってきた達成感をさらに強く感じた。この日は天気もよいので、テントの外にダイニングテーブルを置いてチョモラリを見ながらの朝食タイム!!この瞬間で、世界中で一番素晴らしい景色の中で一番美味しい朝食を食べているのは我々に違いない。
白銀に輝くチョモラリ
チョモラリを見ながらの朝食は最高!!
この日はジャンゴタンから日帰りでチョモラリとジチュダケの両方を臨めるピーク(4800m)に向かう。空気が薄くて少し登っただけでも息がきれる。少し進んでは休憩、少し進んでは休憩の繰り返し。だがその度に見下ろすジャンゴタンのキャンプサイトはどんどん遠く、小さくなっていく。2時間ほど登り続けてようやく到着。ここからジチュダケとチョモラリ、周りの山々を臨む。ついにここまで来たのだなぁと感動で胸が熱くなる。ガイドさんもここまで来たのは初めてだそうで、みんなはしゃいでしばし写真の大撮影会が続く。ブータン人勢は少しポーズをつけて山をバックにアルピニスト風に。我々日本人勢はあくまで自然な風を写真におさめてもらう。ブータン人と日本人はたくさんの共通点があって、性格の面だと恥ずかしがり屋、はにかみ屋、礼儀正しいところ、まじめなところ、感情を顔にあまり出さないところなどとても似ているなぁ、と思ったけれど、写真を撮るときのポージングはちょっと違うかな、なんて思ってみたり。
ジチュダケが見えてきた
少しずつ少しずつ登って行く
ジチュダケと氷河湖
ジチュダケをバックにみんなでハイポーズ
あんなに遠かったチョモラリもこんなに近くに
キャンプサイトも遥か下に
ジャンゴタンを見下ろす
5日目
08:00 ジャンゴタン出発
12:00 タンタンカ到着 ランチ
13:00 タンタンカ出発
15:00 テント設営地に到着
朝、テントをでると辺り一面、雪景色に!寝ている間に深々と雪がふり、風景をすっかりかえてしまった。雪が降るのが昨日でなくてよかった。同じ道を今日から折り返して帰って行くのだが、山々は雪化粧をして我々に違う美しさをみせてくれたのだった。どの山でも同じだけど登りは大変でも下山はあっという間。どんどん下山していくうちに積もっていた雪は姿を消したが、地面はぬかるんでいて滑りやすいので慎重に下りていく。今日のテント設営地はキャンプサイトではなく、川の近くの少し開けた場所。今日はトレッキングの最終泊の夜なので、今までお世話になったガイドさん、コックさん、馬の世話係の人達とお酒を飲むことになった。といっても、ブータンの人はお酒を特別な日やお正月しか飲まない人も多く、南地方出身の人は比較的飲むそうだ。だから、私たちとスタッフ二人だけがブータン産ワインを飲んだ。ここで、コックさんのコックさんになるための勉強の話や馬の世話係のスタッフに馬について質問したり、ブータンの歌を歌ってもらったり、それに合わせて一緒に踊ったり、と思い出に残る楽しい時間を過ごさせてもらった。
ブータンではたくさんの民族がいて言語がたくさんあり、公用語がゾンカ語、英語なのだが、ネパール語も話せる人が多く、私が15年前に覚えたネパール語もちゃんと通じたし、ネパールの歌を歌ったり、踊ったりで、ネパール語もコミュニケーションの一部となった。
ネパールでトレッキングしたときも素晴らしい景色にびっくりしたけど、やっぱり一番心が動くのは私の知らなかった場所、文化の中で全く違う価値観をもって暮らしている人と話をして少しだけでも時間と考えを共有することだ。そのことで自分自身と自分の周りの環境を違った視点で見直すことができる。旅の意味や大切さの一つってこういうことだろう。色んな人と新しい自分とで出会うために旅をみなするのだろう。やっぱり。
一晩ですっかり雪景色
往路とはすっかり違う景色になった
木材を運ぶヤクたち
晩御飯の用意をするスタッフのみなさん
最後の晩はみんなで乾杯
みんなで歌って踊ろう
思い出に残る夜をありがとう
6日目
09:00 出発
12:00 ランチ
13:00 出発
14:00 シャナ到着
15:00 シャナを車で出発
16:20 ドゥゲゾン到着
16:40 パロ到着
18:00頃 ティンプー到着
今日はトレッキング最終日。1泊目に宿泊したシャナまで行き、帰りはそこから車で移動する。シャナに到着し、コックさんたちは別の車で、馬の世話係さんは歩いてパロ近郊の自宅まで、我々は車でティンプーへとここで今まで一緒に旅して来た仲間は別れを告げなければならない。せっかく仲良くなったみなさんともう会えないかも、と思うと悲しい。が、馬の世話係の一人が「また一緒にトレッキングに出かけてまた一緒に踊ろうよ」と言ってくれた。そうだね、またこのメンバーでまたトレッキングに出かけたい。叶うかわからないけど、そう答えた。生きていたらまたきっと会えるに違いない・・・・。と思っていたらなんと実際、この日の翌日、ティンプーの街中を観光していたらコックさんとばったり出会ったのだ。素敵な偶然に驚き、再会を喜んだのだった。
最後にお世話になったみなさんと記念撮影
ブータンの幸せ指数の話はあまりにも有名。「自殺する人が少ない=幸せな人が多い」と必ずしも言えないだろうけど、ブータンの昨年の1年間の自殺した人は二人。日本の年間の平均のそれは3万人。人口に差があるにしても、ここまで聞けばやっぱりブータン人は幸せな人が多いのかな?と思う。 ガイドさんに「ブータン人はやっぱりみんな、幸せなんですか?」と聞いたところ「うーん、人によります。」 との答え。そりゃ、そうだよね。「幸せ」自体が人によって違うだろうし、感じ方も違うだろうし。「幸せ」が何かなんてそう簡単に答えはでないけれど、はっきり言えることはブータンを旅して、この国と人々は私を幸せにしてくれた、ということ。楽しかったよ、ブータン。幸せをありがとう、ブータン。
キャラバン隊を組み、中世の旅人になれるブータンのトレッキングであなたも幸せになってください。
最後にトレッキングに必要なものを下記に挙げてみた。
トレッキングの必須アイテム
予備の電池バッテリー(トレッキング中は充電できない)、ヘッドライトとその電池、手袋、帽子(日除けのものとニット帽)、タオル、サングラス、日焼け止め、リップクリーム、常備薬、のど飴、靴下(普通のものと暖かいもの)、ヒートテック的な下着(かなり暖かいもの)、登山靴、登山靴以外の靴(テントに到着した後に役に立つ)、行動食(多めに持って行ってガイドさんたちにあげても)、ゴアテックスの類の完全防水の上下、ウェットティッシュ、水筒、腕時計、デイパック、ボールペン、トイレットペーパー、ポケットティッシュ、寝袋(氷点下でも寝れるもの)
あったら便利なもの
ホッカイロ、ランタンの代わりになるもの(夜のテント内で使う。ヘッドライトにかぶせてランタンにできるような便利アイテムもある)、スーパーの袋(ゴミ袋にしたり、洗濯物をいれたり)、体をふくサラサラパウダーシート、乳液、ハンドクリーム、ウェットティッシュ、ダイアモックスなどの高山病の薬(心配な人のみ、事前に副作用について問題ないか要確認)、水に溶かす粉末状のお茶、登山用のスティック、湿布薬、足の疲れをとる湿布、アミノ酸等のサプリ、簡単な日本食、高度計、レジャーシート(ランチのときに)
ブータンのお勧め
チョモラリトレック ★★★★★
・・・山好きなら是非参加して欲しい!ガイドさんとスタッフが至れり尽くせりのお世話をします!山の中で最高の贅沢を。
タクツァン僧院 ★★★★
・・・・時間がない人も絶対いってほしいが、割とハードで標高も高く息がきれやすい。ハイキングシューズで参加したい。
ティンプーのモモ屋さん ★★★
・・・・時計塔の近くにあるガイドさんお勧めのモモ屋さん。むちゃくちゃうまい!!お昼時も地元の人でこんでいて、地元の人と相席も楽しい経験!
2014年10月 辻理恵子
- イギリスの田舎巡り〜映画・絵本の世界に浸る旅〜
-
エリア:
- ヨーロッパ>イギリス>コッツウォルズ
- ヨーロッパ>イギリス>湖水地方
- ヨーロッパ>イギリス>イギリスその他の都市
- テーマ:買物・土産 歴史・文化・芸術 自然・植物
- 投稿日:2014/12/25 18:53
ヨーロッパ旅行の定番の国、イギリス。誰もが人生で一度は訪れたい国の上位に入る国のひとつだと思います。
私は先日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハリーポッターの世界を体験してきたばかりなのですが、まさか本場のイギリスに行けるなんて!!
更にずっと昔から行きたかった美しい村々が点在するコッツウォルズ地方も周れるという、夢のような機会に恵まれました。
スコットランドから始まり湖水地方、コッツウォルズを訪れる旅。私にぴったりな欲張りな旅の始まりです。
日本を出発し、乗り継ぎを経て最初の到着地、エディンバラ。まさにこのエディンバラがハリーポッターの著者が1作目を書き上げた場所なのです。撮影のセットのようなTHEイギリスといった感じの建物が並び、映画の世界に入り込んだような街並みで圧倒されます
。
エディンバラのメインストリートはエディンバラ駅(ウェイヴァリー駅)の南側で、エディンバラを代表する2つの見どころ、エディンバラ城とホリルードハウス宮殿を一直線で結ぶ通りです。この通りはロイヤル・マイルと呼ばれ、緩い傾斜がずっと続いています。
このロイヤル・マイルを歩き、西側のつきあたりまで行くと、エディンバラ城が見えてきます。
そしてハリーポッターに出てくる「ホグワーツ城」のモデルが、このエディンバラ城だといわれているため、注目度も年々高くなっているのではないかと思います。
城内は博物館や展示室が多数あり、軍の活動をしていた時の様子がよくわかりますし、中心部で高台にあるため、エディンバラの街を一望することもできます。
もうひとつの見どころ、エディンバラ城とロイヤル・マイルでで結ばれるホリルードハウス宮殿は、毎年エリザベス女王が滞在する宮殿として有名です。素敵な門の先は宮殿です。今回時間切れで宮殿内には入れませんでしたが、美しい中庭、装飾が豪華なお部屋も多数あり時間があれば入るべき宮殿のひとつです。
そんな魅力満載のエディンバラですが、ここまで来たので北スコットランドまで観光してみようということで、日帰りのバスツアーに参加しました。
日本語イヤホンガイドがあることと、写真ストップや休憩が比較的多く快適なバスツアーです。簡単なガイドもするドライバーさんが、乗客を盛り上げバス内も楽しい雰囲気に包まれます。
行き先はグレンコーやハイランド地方、ネッシーが住むネス湖です。グレンコーはかつて虐殺事件があった村ですが、今はそのような事件の面影はなく、大自然と峡谷が広がる地域となっていいます。
ネス湖ではぜひクルーズに参加してください!ツアーのため、アーカート城で下船はできませんが、アーカート城が折り返し地点です。静かな湖を約1時間クルーズした後は、エディンバラへ帰路につきます。
次の目的地は湖水地方。エディンバラから列車で湖水地方の基点となるオクセンホルムへ。
1泊のみの滞在のため、こちらも半日のツアーに参加しました。
湖水地方はピーターラビットの故郷なので、ツアー内容もほぼピーターラビット関連で、もっと予習をしていけば良かったなぁと少し後悔しました。
緑が広がり、常に羊と牛が視界に入ってくるような湖水地方は、イギリスといえば大都会とイメージしていた私にとって衝撃的でした。
もう少し湖水地方をじっくり見て周りたい方は、2泊するのがおすすめです。湖水地方にもB&Bは数多くあり、雰囲気の良いB&Bばかりなので街歩きの散策も楽しめます。
次に向かうのはチェスターです。チェスターが組み込まれたツアーはなかなか見かけませんが、果たしてどんな街なのか今回の旅で一番気になっていた所です。一言で言うと、「黒と白のショッピングの街」です。
大きく注目される見所こそないものの、城壁に囲まれ、ローマ時代からの白壁に黒い梁が特徴的な木組みの建物が美しい街です。
チェスターの中心部は、2階・3階建ての建物が並び、建物の2階部分はずーっとつながっています。雨の日でも傘いらずでショッピングが楽しめるというわけです。こちらもローマ時代からずっと引き継がれたもので、昔の人もよく考えたなぁと感心してしまいます。
中心部を囲むように城壁が築かれていて、城壁の上を散策するのも趣があって良いです。
旅もいよいよ終盤、チェスターから列車を2〜3回乗り換え、コッツウォルズに向かいます。私が今回の旅で一番楽しみにしていたのがこのコッツウォルズなのですが、さすが期待を裏切りません。マルタ島の景色にも似たはちみつ色の建物・家が素敵です。このはちみつ色の正体はコッツウォルド・ストーンとよばれる石ですが、コッツウォルズの家々は主にこの石を使って家を建てているので、どの村も美しいです。
コッツウォルズの小さな村々にはもちろん列車は走っていません。移動手段はバスになりますが、バスもルートによっては1日3本程度しか運行しておらず、1泊や2泊の観光で利用するのは効率的ではありません。少々高くなっても車をチャーターし、いろいろな村を見て周ることをおすすめします。
コッツウォルズ地方には有名なイングリッシュガーデンがたくさんあり、大都市のようなあわただしく観光地を見て周ることもないので、ゆっくりと散策できます。
大都会というイメージだったイギリス、今回の旅でイギリスの田舎な部分をたくさん周ることができ、また憧れのコッツウォルズのほんの一部の村ですが周遊し、イギリス大好きになって帰ってきました。一人旅をしていると、よく現地の人に声をかけられますが、イギリス人も同様、フレンドリーに話しかけてくれる人が多く良い印象をもちました。
スコットランド ★★★★ ロンドンよりイギリスらしさを感じます。ここまで来たらハイランド地方やネス湖ツアーも外せません。本物のネッシーに会えるかも?!
湖水地方 ★★★★★ 大自然!イギリスらしいB&Bがたくさんあり、故郷ゆえにピーターラビットにまつわるお店、ギャラリー等が集まります。
チェスター ★★★★ 他の都市では見られない木組みの建物が特徴的で美しい。中心部は地下、1階、2階とお店がずらりと並ぶ、ショッピングの街。
コッツウォルズ ★★★★★ 「イングランドで最も美しい村」であるバイブリーを含め、はちみつ色のコッツウォルド・ストーンで作られた家が魅力的。イングリッシュガーデンも数多くあり、1日では足りません!
10月 栗山智美
私は先日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハリーポッターの世界を体験してきたばかりなのですが、まさか本場のイギリスに行けるなんて!!
更にずっと昔から行きたかった美しい村々が点在するコッツウォルズ地方も周れるという、夢のような機会に恵まれました。
スコットランドから始まり湖水地方、コッツウォルズを訪れる旅。私にぴったりな欲張りな旅の始まりです。
イングランドで最も美しい村と称賛されるバイブリー
日本を出発し、乗り継ぎを経て最初の到着地、エディンバラ。まさにこのエディンバラがハリーポッターの著者が1作目を書き上げた場所なのです。撮影のセットのようなTHEイギリスといった感じの建物が並び、映画の世界に入り込んだような街並みで圧倒されます
。
映画の中のような感覚になる
エディンバラのメインストリートはエディンバラ駅(ウェイヴァリー駅)の南側で、エディンバラを代表する2つの見どころ、エディンバラ城とホリルードハウス宮殿を一直線で結ぶ通りです。この通りはロイヤル・マイルと呼ばれ、緩い傾斜がずっと続いています。
緩やかな坂が続くロイヤル・マイル
イギリスらしいダブルデッカー発見!
このロイヤル・マイルを歩き、西側のつきあたりまで行くと、エディンバラ城が見えてきます。
そしてハリーポッターに出てくる「ホグワーツ城」のモデルが、このエディンバラ城だといわれているため、注目度も年々高くなっているのではないかと思います。
遠くからでもなんだか威圧感があります
城内は博物館や展示室が多数あり、軍の活動をしていた時の様子がよくわかりますし、中心部で高台にあるため、エディンバラの街を一望することもできます。
もうひとつの見どころ、エディンバラ城とロイヤル・マイルでで結ばれるホリルードハウス宮殿は、毎年エリザベス女王が滞在する宮殿として有名です。素敵な門の先は宮殿です。今回時間切れで宮殿内には入れませんでしたが、美しい中庭、装飾が豪華なお部屋も多数あり時間があれば入るべき宮殿のひとつです。
外観も美しいホリルードハウス宮殿
そんな魅力満載のエディンバラですが、ここまで来たので北スコットランドまで観光してみようということで、日帰りのバスツアーに参加しました。
日本語イヤホンガイドがあることと、写真ストップや休憩が比較的多く快適なバスツアーです。簡単なガイドもするドライバーさんが、乗客を盛り上げバス内も楽しい雰囲気に包まれます。
行き先はグレンコーやハイランド地方、ネッシーが住むネス湖です。グレンコーはかつて虐殺事件があった村ですが、今はそのような事件の面影はなく、大自然と峡谷が広がる地域となっていいます。
湖、山、川、平原大自然がずっと続くハイランド地方
ネス湖ではぜひクルーズに参加してください!ツアーのため、アーカート城で下船はできませんが、アーカート城が折り返し地点です。静かな湖を約1時間クルーズした後は、エディンバラへ帰路につきます。
クルーズ入口でネッシーがお出迎え!
クルーズ船内は広々としていて綺麗
アーカート城が見えてきた
ネッシーが今にも現れそうなネス湖
次の目的地は湖水地方。エディンバラから列車で湖水地方の基点となるオクセンホルムへ。
1泊のみの滞在のため、こちらも半日のツアーに参加しました。
湖水地方はピーターラビットの故郷なので、ツアー内容もほぼピーターラビット関連で、もっと予習をしていけば良かったなぁと少し後悔しました。
ウィンダミア湖一望
ヒル・トップ
ホークスヘッド村
緑が広がり、常に羊と牛が視界に入ってくるような湖水地方は、イギリスといえば大都会とイメージしていた私にとって衝撃的でした。
もう少し湖水地方をじっくり見て周りたい方は、2泊するのがおすすめです。湖水地方にもB&Bは数多くあり、雰囲気の良いB&Bばかりなので街歩きの散策も楽しめます。
湖水地方ならでは!料理もうさぎの形に盛り付けられていて可愛い
次に向かうのはチェスターです。チェスターが組み込まれたツアーはなかなか見かけませんが、果たしてどんな街なのか今回の旅で一番気になっていた所です。一言で言うと、「黒と白のショッピングの街」です。
大きく注目される見所こそないものの、城壁に囲まれ、ローマ時代からの白壁に黒い梁が特徴的な木組みの建物が美しい街です。
どの角度から写真を撮っても絵になります。
チェスターの中心部は、2階・3階建ての建物が並び、建物の2階部分はずーっとつながっています。雨の日でも傘いらずでショッピングが楽しめるというわけです。こちらもローマ時代からずっと引き継がれたもので、昔の人もよく考えたなぁと感心してしまいます。
2階部分。通路がずっとつながっていて1階とは別のお店がずらりと並ぶ
中心部を囲むように城壁が築かれていて、城壁の上を散策するのも趣があって良いです。
川沿いの城壁を散策
旅もいよいよ終盤、チェスターから列車を2〜3回乗り換え、コッツウォルズに向かいます。私が今回の旅で一番楽しみにしていたのがこのコッツウォルズなのですが、さすが期待を裏切りません。マルタ島の景色にも似たはちみつ色の建物・家が素敵です。このはちみつ色の正体はコッツウォルド・ストーンとよばれる石ですが、コッツウォルズの家々は主にこの石を使って家を建てているので、どの村も美しいです。
ブロードウェイの博物館
チッピングカムデン郊外の家 庭のお手入れに田時間とお金をかけているようです
ブロードウェイの街並み
コッツウォルズの小さな村々にはもちろん列車は走っていません。移動手段はバスになりますが、バスもルートによっては1日3本程度しか運行しておらず、1泊や2泊の観光で利用するのは効率的ではありません。少々高くなっても車をチャーターし、いろいろな村を見て周ることをおすすめします。
モデルヴィレッジ ボートン・オン・ザ・ウォーター全体のミニチュア
コッツウォルズ地方には有名なイングリッシュガーデンがたくさんあり、大都市のようなあわただしく観光地を見て周ることもないので、ゆっくりと散策できます。
手入れが行き届いているヒドコット・マナーガーデン。夏はもっとたくさんの花が咲き、カラフルなガーデンになるそう
大都会というイメージだったイギリス、今回の旅でイギリスの田舎な部分をたくさん周ることができ、また憧れのコッツウォルズのほんの一部の村ですが周遊し、イギリス大好きになって帰ってきました。一人旅をしていると、よく現地の人に声をかけられますが、イギリス人も同様、フレンドリーに話しかけてくれる人が多く良い印象をもちました。
バイブリーコート 素敵な外観 お部屋も高級感溢れています
バイブリーで最も有名な1本道 アーリントン・ロー
スコットランド ★★★★ ロンドンよりイギリスらしさを感じます。ここまで来たらハイランド地方やネス湖ツアーも外せません。本物のネッシーに会えるかも?!
湖水地方 ★★★★★ 大自然!イギリスらしいB&Bがたくさんあり、故郷ゆえにピーターラビットにまつわるお店、ギャラリー等が集まります。
チェスター ★★★★ 他の都市では見られない木組みの建物が特徴的で美しい。中心部は地下、1階、2階とお店がずらりと並ぶ、ショッピングの街。
コッツウォルズ ★★★★★ 「イングランドで最も美しい村」であるバイブリーを含め、はちみつ色のコッツウォルド・ストーンで作られた家が魅力的。イングリッシュガーデンも数多くあり、1日では足りません!
10月 栗山智美
- 後悔はフラメンコを観なかったことだけ・・情熱のスペイン
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エリア:
- ヨーロッパ>スペイン>コルドバ
- ヨーロッパ>スペイン>バルセロナ
- ヨーロッパ>スペイン>タラゴナ
- テーマ:観光地 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2014/12/25 18:41
好きな国はと問われればアイスランド、国内では冬の北海道・・そんな私にポカポカ陽気なスペインとは、なかなかどうしたもんか大丈夫かと思ったものですが、とても素敵な大周遊になりました。スペインは世界史でもよく登場する国。受験で世界史専攻だった私は、グラナダ、コルドバで世界史を肌で感じることができたことも、楽しかったことの1つです。
今回は、マドリード→コルドバ→グラナダ→バルセロナとまわり、その間にアンダルシアの白い村や小さな村などに訪問しました。今回はその中でも特に印象深かったコルドバと白い村についてご紹介しようと思います。
<コルドバ>
いきなり世界史全開ですが。711年にイベリア半島に侵攻したイスラム教徒は、占領した土地の首都をコルドバに置きました。全盛期のコルドバにはイスラム教の伝来とともに、古代ギリシアやローマの文献がアラビア語によって伝えられ、これらを学ぼうとする人たちがヨーロッパ各地から集まりました。そのためコルドバでは多くの学問が開花します。
1232年にキリスト教がイスラム教徒に占拠されたコルドバを奪回しますが、完全に拭い去ることの出来なかったイスラム文化は、コルドバのユダヤ人街を歩くことで見ることができます。
そしてコルドバ観光の一番の楽しみはそのユダヤ人街を散策することと、メスキータというイスラム教とキリスト教が混在するモスクを訪れることなのです!
私のコルドバのイメージは、そのメスキータとユダヤ人街ばかりでした。コルドバ駅に到着し、最初の驚きは「え!めっちゃ近代的!!」。コルドバ駅は、目的のメスキータやユダヤ人街からバスで15分ほど離れたところでした。メスキータまでは想像していたコルドバの街の風景と全く違う、普通の市街地なのです。なるほど、私がイメージしていたコルドバの街は、メスキータとその裏の部分なのでした。そのようなわけですので、宿泊は駅から離れていても、メスキータの近くがお勧めです。
さて、コルドバ駅からは多くのバスが出ています。どのバスに乗ればメスキータにいけるのか・・駅の前で右往左往していたら、突然通りかかったおばちゃんが「これ!めっきーためっきーた!!!」よく分からないスペイン語で迫力満点、親切心満点で教えてくれますが全く分かりません。とりあえずメッキータという言葉を信じてみてバスに乗ったところ、無事にメスキータに到着することができたのでした。スペインの方は優しい。
スペイン語が分からないで思い出しました。かなり余談ですが、グラナダでは夜遅くに街に到着し、暗い街の中を重いスーツケースをひっぱる私の前に、一人のおじいちゃんが通りかかりました。その時私はホテルが見つからずホテルの最寄であるはずのバス停から20分以上歩き続け、飢えと孤独と不安で泣きそうになりながら歩いていました。英語がわかるかどうか不安になりながらも、とりあえずそのおじいちゃんに尋ねてみようと思い、また、ご老人なので極力丁寧にしなければと思い、オラー(スペイン語で「やぁ」)といってからブエノス・・(こんばんは・・)さらにお辞儀もすると、おじいちゃんにはとても良い印象を持ってもらえたらしく、にっこりと微笑んでもらえました。それからホテルの場所を知ってるか伺ったところ、そこから2分ほどスペイン語でお話をしてくれたのですが、かなり一方的でさっぱり分かりません。多分ホテルとは関係ない話だったのかなと思います。とても笑顔で、杖を振り回して楽しそうで。私は戸惑いながらも、その笑顔をみて孤独で不安だった気持ちが楽になったのでした。結局、英語が分かる方に出会い、丁寧に教えていただいて無事にホテルにたどり着くことができたのです。スペインでは言葉がほとんど通じないですが、他にも、困っている私を助けてくれた人は多くいました。
メスキータの辺りはタイムスリップしたよう。細い路地は石畳で造られており、カラフルな家々が両側に並びます。
メスキータは、イスラム教とキリスト教が混在するモスクです。入口から入ると少し薄暗く、円柱とアーチが無数に続き荘厳な雰囲気です。いわゆるイスラム教部分とされるところです。
そこを過ぎて、内部の中心まで移動するとカテドラルという、キリスト教の部分が現れます。こちらはステンドグラスから光がさし、大変明るいのが先程の円柱とアーチの間とは対照的です。
ついついどうしても明るいカテドラルが人気のようでしたが、私が目を奪われたのは薄暗い中でのイスラム部分の繊細な装飾。人が少なかったらもっといいのに・・
メスキータ裏のユダヤ人街は歩いているだけで楽しい街。白い壁に青い植木鉢、鮮やかな花が目を楽しませてくれます。そこに住んでいる方もいるので、ドアが開いていれば、こっそり玄関を覗いてみましょう。ドアの形はもちろん、お宅によって玄関の飾りつけは様々。色鮮やかな植物やタイル、置物などどれもが美しいです。
街歩きにつかれたらコルドバの街に流れる川のほとりへ。ローマ橋のあたりは川が流れているせいかのんびりした空気が流れます。
<フリヒリアナ>
アンダルシアの街、白い村フリヒリアナ。街のどこを切り取っても絵葉書のように美しい景色は、かつて「スペインで最も美しい村」として選ばれたことにも納得。遠くに地中海をのぞむことができ、これぞスペイン、な景色が広がります。フリヒリアナに特にこれといった見所はないですが、白い村観光のハイライトといってもいいでしょう。可愛い雑貨屋さんでお土産を買ったり、坂の上のレストランから街を一望しながら食事をするのがお勧めです。
また、バスで20分ほど走ったところにネルハという街があり、ヨーロッパのバルコニーとよばれる地中海に張り出した展望台があります。岩場の間に小さなビーチがいくつも続き、ちょっとしたリゾート地です。地中海を初めて見た私は大興奮でした。
<バル>
最後にスペイン料理についても触れます。日本にスペインバルが登場して久しいですが、やはり本場のバルは違います。特にグラナダは、ビールを1つ頼むと1つのタパス(おつまみ)がついてくるのでとてもリーズナブル、そして楽しいです。お店を選べば女性1人でも気楽に入れるのでぜひ全ての都市でバルに訪れてみたいですね。また、パエリアは必食。日本で食欲不振だった私はどこへやら、パエリア恐らく2人前をペロリと平らげたのでした(ビールも)。1人だから2人前を出されたら仕方がない。本当に美味しいですスペイン!!!
スペインは街によって本当に色んな顔をもつといわれますが、本当にそうでした。大都会のバルセロナ、歴史香るグラナダ、コルドバ、美しい風景が広がるアンダルシア。スペインは1度だけではもったいない、何度も行きたくなる奥深い国です。
<スタッフおすすめ度>
コルドバ・・★★★★★ メスキータは必見。その裏のユダヤ人街もぜひ訪れたい
白い村・・・★★★★★ これぞスペインアンダルシア!な風景。
2014年10月 楠本悠子
今回は、マドリード→コルドバ→グラナダ→バルセロナとまわり、その間にアンダルシアの白い村や小さな村などに訪問しました。今回はその中でも特に印象深かったコルドバと白い村についてご紹介しようと思います。
白い村、フリヒリアナで
<コルドバ>
いきなり世界史全開ですが。711年にイベリア半島に侵攻したイスラム教徒は、占領した土地の首都をコルドバに置きました。全盛期のコルドバにはイスラム教の伝来とともに、古代ギリシアやローマの文献がアラビア語によって伝えられ、これらを学ぼうとする人たちがヨーロッパ各地から集まりました。そのためコルドバでは多くの学問が開花します。
1232年にキリスト教がイスラム教徒に占拠されたコルドバを奪回しますが、完全に拭い去ることの出来なかったイスラム文化は、コルドバのユダヤ人街を歩くことで見ることができます。
そしてコルドバ観光の一番の楽しみはそのユダヤ人街を散策することと、メスキータというイスラム教とキリスト教が混在するモスクを訪れることなのです!
私のコルドバのイメージは、そのメスキータとユダヤ人街ばかりでした。コルドバ駅に到着し、最初の驚きは「え!めっちゃ近代的!!」。コルドバ駅は、目的のメスキータやユダヤ人街からバスで15分ほど離れたところでした。メスキータまでは想像していたコルドバの街の風景と全く違う、普通の市街地なのです。なるほど、私がイメージしていたコルドバの街は、メスキータとその裏の部分なのでした。そのようなわけですので、宿泊は駅から離れていても、メスキータの近くがお勧めです。
コルドバ駅
さて、コルドバ駅からは多くのバスが出ています。どのバスに乗ればメスキータにいけるのか・・駅の前で右往左往していたら、突然通りかかったおばちゃんが「これ!めっきーためっきーた!!!」よく分からないスペイン語で迫力満点、親切心満点で教えてくれますが全く分かりません。とりあえずメッキータという言葉を信じてみてバスに乗ったところ、無事にメスキータに到着することができたのでした。スペインの方は優しい。
夜のメスキータ
スペイン語が分からないで思い出しました。かなり余談ですが、グラナダでは夜遅くに街に到着し、暗い街の中を重いスーツケースをひっぱる私の前に、一人のおじいちゃんが通りかかりました。その時私はホテルが見つからずホテルの最寄であるはずのバス停から20分以上歩き続け、飢えと孤独と不安で泣きそうになりながら歩いていました。英語がわかるかどうか不安になりながらも、とりあえずそのおじいちゃんに尋ねてみようと思い、また、ご老人なので極力丁寧にしなければと思い、オラー(スペイン語で「やぁ」)といってからブエノス・・(こんばんは・・)さらにお辞儀もすると、おじいちゃんにはとても良い印象を持ってもらえたらしく、にっこりと微笑んでもらえました。それからホテルの場所を知ってるか伺ったところ、そこから2分ほどスペイン語でお話をしてくれたのですが、かなり一方的でさっぱり分かりません。多分ホテルとは関係ない話だったのかなと思います。とても笑顔で、杖を振り回して楽しそうで。私は戸惑いながらも、その笑顔をみて孤独で不安だった気持ちが楽になったのでした。結局、英語が分かる方に出会い、丁寧に教えていただいて無事にホテルにたどり着くことができたのです。スペインでは言葉がほとんど通じないですが、他にも、困っている私を助けてくれた人は多くいました。
メスキータの辺りはタイムスリップしたよう。細い路地は石畳で造られており、カラフルな家々が両側に並びます。
石畳の街
メスキータは、イスラム教とキリスト教が混在するモスクです。入口から入ると少し薄暗く、円柱とアーチが無数に続き荘厳な雰囲気です。いわゆるイスラム教部分とされるところです。
そこを過ぎて、内部の中心まで移動するとカテドラルという、キリスト教の部分が現れます。こちらはステンドグラスから光がさし、大変明るいのが先程の円柱とアーチの間とは対照的です。
突然ひろがる神々しい世界
ついついどうしても明るいカテドラルが人気のようでしたが、私が目を奪われたのは薄暗い中でのイスラム部分の繊細な装飾。人が少なかったらもっといいのに・・
ステンドグラスから漏れる光
メスキータ裏のユダヤ人街は歩いているだけで楽しい街。白い壁に青い植木鉢、鮮やかな花が目を楽しませてくれます。そこに住んでいる方もいるので、ドアが開いていれば、こっそり玄関を覗いてみましょう。ドアの形はもちろん、お宅によって玄関の飾りつけは様々。色鮮やかな植物やタイル、置物などどれもが美しいです。
お土産やさん
しのびこみたくなるほど素敵な玄関!
散歩していたら見つけた広場で
街歩きにつかれたらコルドバの街に流れる川のほとりへ。ローマ橋のあたりは川が流れているせいかのんびりした空気が流れます。
<フリヒリアナ>
アンダルシアの街、白い村フリヒリアナ。街のどこを切り取っても絵葉書のように美しい景色は、かつて「スペインで最も美しい村」として選ばれたことにも納得。遠くに地中海をのぞむことができ、これぞスペイン、な景色が広がります。フリヒリアナに特にこれといった見所はないですが、白い村観光のハイライトといってもいいでしょう。可愛い雑貨屋さんでお土産を買ったり、坂の上のレストランから街を一望しながら食事をするのがお勧めです。
また、バスで20分ほど走ったところにネルハという街があり、ヨーロッパのバルコニーとよばれる地中海に張り出した展望台があります。岩場の間に小さなビーチがいくつも続き、ちょっとしたリゾート地です。地中海を初めて見た私は大興奮でした。
小さいがビーチもある
<バル>
最後にスペイン料理についても触れます。日本にスペインバルが登場して久しいですが、やはり本場のバルは違います。特にグラナダは、ビールを1つ頼むと1つのタパス(おつまみ)がついてくるのでとてもリーズナブル、そして楽しいです。お店を選べば女性1人でも気楽に入れるのでぜひ全ての都市でバルに訪れてみたいですね。また、パエリアは必食。日本で食欲不振だった私はどこへやら、パエリア恐らく2人前をペロリと平らげたのでした(ビールも)。1人だから2人前を出されたら仕方がない。本当に美味しいですスペイン!!!
老舗のバル
恐らく2人前を平らげた
タパスたち
スペインは街によって本当に色んな顔をもつといわれますが、本当にそうでした。大都会のバルセロナ、歴史香るグラナダ、コルドバ、美しい風景が広がるアンダルシア。スペインは1度だけではもったいない、何度も行きたくなる奥深い国です。
<スタッフおすすめ度>
コルドバ・・★★★★★ メスキータは必見。その裏のユダヤ人街もぜひ訪れたい
白い村・・・★★★★★ これぞスペインアンダルシア!な風景。
2014年10月 楠本悠子
- 胸騒ぎの絶景 トルコ・カッパドキアへの旅
-
エリア:
- 中近東>トルコ>カッパドキア
- テーマ:観光地 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2014/12/25 18:35
「終末」と聞けば、これからは迷わずこの光景を思い浮かべることだろう。
にょきにょきとび出した奇岩。人々はそこへほら穴を掘って住居をつくり、教会をつくり、都市をつくった。
あわい黄色やピンクの岩を望む「ハトの谷」はメルヘンチックなのだが、どこか胸騒ぎがする。心許して見惚れていると、気づかぬうちに大火傷をしてしまいそうな危うさ。この果てしないカッパドキアの大地の片隅で、見たこともない奇妙な生き物が大きな口を開け、私たちにいたずらするタイミングを待ち構えているような気がした。
○●○カッパドキア○●○
ウチヒサル砦
ギョレメパノラマ
数億年前に起きたエルジエス山噴火の火山灰、溶岩がゆっくり、ゆっくりと積み重なり、侵食され、風化し、この姿になった。ともすれば、まだその変化はまだ進行中なのかもしれない。数千年、数億年後、この地にはどんな光景が広がっているのだろうか。地球の想像力は計り知れない。
地下8階まで存在するというカイマクル地下都市。現在は地下4階まで見学が可能だ。かつて2万人がここで暮らしたとされ、蟻の巣のように広がるその内部には教室や寝室、食堂、礼拝室、ワイナリーや家畜小屋がある。
敵の侵入に備えた丸い石や、光の入らない細い道がいたるところにある。逃げ道は前後上下左右に広がり、地図の描きようがない。それでもガイドは軽い足取りで、縦横無尽に案内してくれた。かつての住人たちはガイドよりももっとこの仕組みを理解していただろうし、おそらくまだ解明されていない仕掛けもあるのだろう。
ギョレメ野外博物館
ギョレメ野外博物館にはリンゴ教会、聖バルバラ教会など、複数の洞窟教会がある。その中でも「暗闇の教会」は状態がかなり良い。
一般的なヨーロッパの教会は、ステンドグラスから差し込む光のハーモニーによって神聖さ、非日常空間を演出する。キリストの偶像を崇めることで神と通じている。
しかし、洞窟教会にそれらはない。ここは閉塞感のある光のない空間。偶像がない代わりに、壁面はテンペラ画で埋め尽くされている。まるで隙間を恐れるかのようだ。
4世紀、ローマ帝国の迫害を受けたキリスト教徒らはこのギョレメ(トルコ語で「見てはならないもの」の意)の洞窟に身を隠した。外の世界を恐れ、小さな窓から入る細い光を頼りに彼らは祈り続けた。一体どんな思い神と通じていたのだろう。洞窟内は呼吸をためらうほどの緊張感。信者たちの強い信仰心が伝わってくる。
ここのテンペラ画に描かれた聖人は、その多くが目元を削られている。
これを削ったのは、8、9世紀の偶像破壊運動が作用したものだろうか。それともイスラム教徒が偶像禁止の戒律に従い、削ってしまったのだろうか。はじめアジアの遺跡によくあるように、異民族の侵入、支配によって削られたのかと思っていたが、だとすればもっと徹底的に破壊されていてもおかしくない。
トルコという土地柄いろんな可能性があって、歴史学者は困るだろうなと思った。
ギョレメ野外博物館の洞窟内は基本的に写真撮影禁止。お見せできないのがかなり残念だが、ここには期待以上のものがある。
ギョレメ野外博物館 食堂のみ撮影OK
カッパドキアを訪れたなら、是非洞窟ホテルに泊まりたい。
今回宿泊したカッパドキアケイブスイートは、隠れ家的洞窟ホテル。こじんまりした室内に、あたたかみのあるインテリア。洞窟屋敷のお嬢さんのような気分が味わえる。共有テラスから望むカッパドキアの夜景も、とびっきりロマンチック!
夜がまだあたたかければ、カッパドキアの名産ワインを飲みながら夜景を楽しむのも優雅だろう。
カッパドキアケイブスイートお部屋の様子
カッパドキアケイブスイート ライトアップ
○●○パムッカレ○●○
終わりなく続く広野に、まっすぐ延びるハイウェイ。両脇に植えられた木々は、あやつり人形のように風下へ引っ張られている。トルコの人々は陸路移動が好きだという。格安で移動できる国内LCCもたくさん登場しているが、やっぱり選ぶのは長距離バス。実際に陸路移動を体験してみて、なんとなくその気持ちがわかった。
ようやくたどり着いた町はいつのまにか過ぎ去り、しばらくするとまた新しい町がはじまる。かつて商人たちが行き来したシルクロードを、数倍速でキャラバンしているような気がした。
パムッカレ温泉
水着で遺跡観光!?
パムッカレは有名な石灰棚だけに終わらない。
ローマ遺跡が底に沈むパムッカレ温泉や、紀元前190年の古代都市遺跡ヒエラポリスがある。これらは全て徒歩圏内に位置しており、見どころをぎゅぎゅっと一気に観光することができる。中でもおすすめなのは、パムッカレ温泉の裏にある、円形劇場。温泉のすぐ側なので水着で見学している人がいて、そのギャップがなんとなく可笑しい。世界広しといえども、水着で見学できる遺跡はここだけだろう。
この円形劇場自体の保存状態もとてもよい。舞台にはギリシア神話の物語が刻まれている。近くで観ることはできないが、双眼鏡で少し覗くと優雅な神々がうっすらと微笑んでいた。舞台で行われる演劇が見劣りしてしまいそうな美しさ。ギリシア神話の物語をいくつか知っていれば、もっと遺跡を楽しめただろう。
アフロディスアス遺跡 闘技場
パムッカレを訪れるなら、一足のばしてアフロディスアス遺跡へも赴いてみたい。
ローマ皇帝アウグストゥスの時代につくられたこの遺跡は、今でもその都市の仕組みがわかるほどしっかりと残っている。コリント式の柱や破片がごろごろと転がっていて、何か手ごろな塊ひとつ持って帰りたくなる衝動に駆られる。特に見ごたえがあるのは競技場で、3万人を収容可能。3万人といえば、横浜スタジアムや千葉マリンスタジアムと同じレベルの収容人数らしい。1〜2世紀にそんな施設が作られていたことも驚きだが、そんなに大人数の人々が一緒に熱中できる機会があったなんて、文化度の高さは計り知れない。
○●○セマー○●○
映画のワンシーンで一目観てから、トルコでは絶対これを観ようと決めていた。
セマーは神との一体化を求め、くるくると旋回する舞踏のこと。イスラム神秘主義メヴレヴィー教で行われていたが、20世紀の欧化政策の際、教団は強制的に解散させられた。それでもほそぼそと継承され続け、セマーは現在では観光目的でのみ許されている。
それは地下の奥深く、天井がアーチ状になっているステージで観ることになった。
独特の宗教音楽が演奏される中、黒い外套に長い帽子をかぶり男性たちが厳かに入場してくる。先述の通り観光客向けのショーのように披露されているのだが、旋回舞踏中の写真撮影、拍手は一切禁止。男性たちはステージ上で何度も順番にお辞儀をしながら、セマーへの準備を進める。重々しい雰囲気だった。
男性たちはゆっくりと黒い外套を脱ぎ、白装束の長いスカート姿になった。彼らの衣装にも意味があるらしい。長い帽子は墓碑、黒い外套は土、白装束は死装束。外套を脱ぐことで土の中の墓から出て、精神的に解き放たれる。回転しながらトランス状態を得、少しずつ神と一体化していく。
なぜ回転するのかというと、宇宙に回らないものがないからだという。彼らの身につけている白装束の裾は、宇宙の広がりを示している。首を右に傾けるのは、心臓を神に向き合わせるため。掲げた左手で神からの愛を受け、右手で私たちへ分け与えてくれている。
音楽が早くなるにつれて彼らの旋回も速度を増し、それが観客の鼓動を加速させる。
観る前は、男性が宗教的な舞いを行うなんてイスラム教らしい。豪快な旋回なんだろうなと想像していた。しかし実際に見て驚いたのは、それが本当に、予想外に繊細で美しかったからだ。はじめてつぼみをつけたちいさな白い花が、朝露をまとい、ゆっくりと、すこし怯えながら開花するような・・・「処女性」という言葉が一番ぴったりに思えた。なんとなく不本意ではあるのだが。
旋回がひととおり終わった後写真撮影OKの旋回が2分ほど行われる。それまでの緊張を爆発させるかのように、観客たちは勢いよくシャッターを切っていた。(旋回が早いので撮影は難しい。連写がおすすめ。)
セマー人形もお土産におすすめ
かつてはこのように儀式が行われていた
遺跡もあるしご飯もおいしい、圧倒的な絶景にかわいい雑貨、大自然やリゾート地だってある。人は優しいし、人懐っこい。しかもアジアであり、ヨーロッパ。誰が訪れても、きっと自分の好きなものに出会える。こんなディスティネーションって他にあるのだろうか。
トルコでは行く先々で「なぜトルコへの日本人観光客は減ったのか?」と尋ねられる機会が多かった。少し前にデモ等の騒ぎがあったものの、今はいたって安全。それにトルコは親日国なのに、日本人が旅しないのはもったいない!
たくさんの方に、自分の大好きに会いにいくトルコ旅へ出てもらいたい。
【スタッフおすすめ度】
●カッパドキア ★★★★★
やっぱり期待を裏切らない!圧倒的な奇岩地帯を見てドキドキすること間違いなし!
●パムッカレ ★★★★
石灰棚だけに終わらない。水着のままで遺跡観光もできちゃう!
●アフロディスアス遺跡 ★★★★
世界遺産目前!?遺跡のスケールが圧倒的。
●セマー ★★★
セマーを模した雑貨はお土産にも人気!
2014年10月 仙波佐和子
- 墓場で運動会どころの騒ぎじゃない!死者の日IN オアハカ!!
-
エリア:
- 中南米>メキシコ>メキシコシティ
- 中南米>メキシコ>オアハカ
- 中南米>メキシコ>グアナファト
- テーマ:お祭り・イベント 鑑賞・観戦 世界遺産
- 投稿日:2014/12/25 16:53
何年も前からずっと憧れていた、メキシコの死者の日のお祭り!
女1人でメキシコ大丈夫かなとか、遠いしな、とかいろいろと理由をつけ見送っていたけど、ついに今年、実行に移す時が来た。
メキシコに行く目的は、オアハカで死者の日のパレードを見る事、ルチャリブレ(メキシコプロレス)を見る事の二つ。今回は11日間と長く休みをもらったので、どうせ行くなら、コロニアルな世界遺産の街も見よう、ということでメキシコシティ、グアナファト、オアハカの3都市を目指し、日本を出発した。
長時間のフライトを乗り越え、メキシコシティに到着した。
ホテルにチェックインして、早速ルチャリブレ観戦に出かける。
ルチャリブレが行われる会場は2つで、曜日が限られているので、自分が見たい試合や会場などこだわりがあるのであれば、事前にチェックが必要だ。
会場に着くと、周りにはすでにいくつか露店が出ていた。
プロレスには詳しくないが、グッズはとてもかわいいので購買意欲をそそられる。
会場はカメラの持ち込みが禁止されているので、入口のセキュリティチェックでカメラを預けなければならない。
じゃあ撮影できないの?というとそうではない。なぜかスマホのカメラで撮影していても全然怒られない。むしろ、係員の人にシャッターを押してもらった。
だったら、カメラも許してほしいんですけど・・・。
なんとなく、ノリでマスクを買ってみた。
満員御礼!とは言えないが、テレビの生放送もあり、会場はそこそこの入り。
日本のプロレスと言えば、流血があったりパイプイスで殴られたり、大仁田厚みたいなおどろおどろしいイメージだったのだけども、ルチャリブレはもっとコミカル!
空中技が飛び交い、そこここに笑いの要素がちりばめられている。もっと、うおぉぉぉーっという怒号を予想していたが、会場は笑いの渦だった。
レスラーのキャラも濃い!ちっちゃいおっさん(超デブ)とか色気ムンムンのマッチョなタフガイとか、驚いたことに日本人の萌え系女子のレスラーもいた。
日本人の女の子レスラーはとても細く、試合中もひゃぁとか、ん〜っとかかわいい声を出していた。ガタイのおばちゃんチャンピオンに案の定負けてしまったが、異国の地でプロレスをしている彼女にエールを送りたい。
最前列で見ていたのだが、場外乱闘になるとすぐ目の前で繰り広げられるので柵越しにぶつかりそうになる。迫力満点だ。あの熱気と空中戦は是非生で感じて頂きたいが、会場の周辺は決して治安が良くない。試合が終わるころには夜になっているので、安全には十分注意が必要だ。
翌日、メキシコシティから世界遺産のテオティワカンへ向かった。
テオティワカン行きのバスは街の北にあるバスターミナルから出ている。まず、ローカルバスに揺られて、北バスターミナルへ。テオティワカン行のバスの窓口は一つだけなので、迷うことはないだろう。ここからさらに1時間弱で目的地に到着。
まず、太陽のピラミッドに登ってみた。標高が高いこともあって、これがかなりハード。
頑張って登り切ったが、そこからの眺めはたいしたものだった。
もうお気づきの方もいるかもしれない。私はこの手の遺跡にあまり興味を持てない。街歩きとかの方が好きなのだ。
という訳で私のような存在がここにいること自体、歴史に対する冒涜なので、早々にメキシコシティへ戻った。
治安の悪い(と言われている)街を歩く上で気を付けたことは、地図を見ながら歩かない、極力手ぶらに近い恰好、カメラを隠す、道に迷ってる感を出さない、ということ。
地図やカメラを持っていたら狩られる!と思っていたので、地図を頭の中に叩き込み、自分の行きたい場所は予めスペイン語で紙に書いておいて、迷いそうになったらお店の人に紙を見せて道を聞いて周った。でも街歩きはやはり昼間だけ!夕方以降の一人歩きは避けよう。正直怖い。メキシコの買い物をとても楽しみにしていた私は、シティでの滞在時間の多くを市場で過ごした。お土産を買うのであればシダデラ市場が一番!規模も大きく、他の都市よりも品ぞろえが豊富で、値段も割と安い。もちろん商品に値段がついていないので、値切り交渉が必要だが、そもそも、そんなにボッタくろうという人がいないようで、どこに行っても料金はさほど変わらず、料金も大幅に安くなることはなかった。
ホテルはガリバルディ広場近くに用意していた。というのは、ガリバルディ広場では夜な夜なマリアッチの演奏が楽しめる場所だから。
マリアッチ楽団の人たちは20時ころから徐々に集まり始めて、深夜まで広場は音楽にあふれている。これを見に行くには帰りが危険なので、広場の中にあるホテルを選んだのだ。
ただ、ガリバルディ広場の周りは治安の悪さを肌で感じる、というか、ガラが悪い。
昼間歩いている分には問題ないが、このあたりにホテルを取ることはお勧めできない。しかも夜中の2時3時まですごくうるさいのだ。
広場にはツアーできているような外国人もいたので、個人ではなくオプショナルツアーで来る方がベターであろう。マリアッチはお金を払うと演奏をしてくれるのだが、ケチな私は人がお金を払っている横で、遠慮も悪びれもせず、写真を撮りまくっていた。
メキシコシティーを後にし、世界遺産のコロニアル都市、グアナファトへ向かった。
グアナファトへはテオティワカンに行くときと同じく、北バスターミナルからのバスに乗り約5時間だ。
グアナファト…。到着して10分で悟った。この街好きーーー!
カラフルな家々が丘にずーっと広がり、石畳みの街並み、かわいいカテドラル、映画に出てくるようなクラッシクカー。たまりません!もう目に映るすべてがかわいくて、カメラには収めきれない。
ちょうどこの時期、死者の日だったので、祭壇にかざる砂糖菓子の露店がたくさん出ていた。
市民の台所、イダルゴ市場は屋台も出ている。観光客向けのお土産は2階へ。
グアナファトに来たら絶対に行くべきところは、ピピラ記念像の丘。ここから街を一望できるのだが、夕方から夜にかけての眺めが最高だ。
またグアナファトの名物となっているのが街中を走っている地下道だ。かつてこの街は鉱山として栄え、その時の坑道や地下用水路を道路として使っている。バスやタクシーで通ることができるのだが、この地下道がまたかっこいい。
今回の旅の目的はオアハカの死者の日のお祭りで、グアナファトはおまけ程度に思っていたのだが、良い意味で期待を裏切られる結果となり、大満足だった。
そして、いよいよ憧れの地オアハカへ。
メキシコシティーから国内線で1時間。オアハカ州は先住民の文化が色濃く残るエリアで、先住民の青空市(ティアンギス)や様々なお祭りを目当てに来る観光客が多い。
オアハカ空港から乗り合いバスに乗り20分程度でオアハカの街へついた。
さて、今まで死者の日、死者の日と言ってきたがそもそもこれはどういったものなのか。
今や日本でもメジャーになってきたがメキシコ版ハロウィンである。こちらの人々にとってのハロウィンとは日本のようにコスプレを楽しむというものではもちろんなく、言わば日本人にとってのお盆なのだ。
10月31日、お墓へ故人を迎えに行く。この時の様子がとても面白いのだが、お墓はまるで夢の国のようにかわいく飾りつけされる。ランタンやマリーゴールドなどお花、ロウソク、お人形でデコレートをし、マリアッチを呼ぶ。家族は個人のお墓の前でお酒を飲み、ご飯を食べ明け方まで、故人との思い出に浸る。死ぬことは悲しいけど、“今”を楽しく生きるというメキシコ人らしい考え方だ。
31日はいわば前夜祭だが、おは墓の街は30日からすでにお祭りムード一色。
街は至る所にドクロが溢れ、レストランやホテルなど死者の日の祭壇がたくさん。
到着して街を探検していると、遠くに陽気な音楽が聞こえた。
音のする方に引き寄せられていくと、なんともかわいいパレードの一団と遭遇。
ブラスバンドの音楽、かわいく仮装した子供や女の子たち!なんということでしょう!!
そして、31日死者を迎える為に墓地へ。
こんなに墓地がかわいくなっているなんて信じられない!墓場で運動会どころの騒ぎじゃないよ!!
本当にマリアッチがお墓の前で陽気に歌を歌っている。露店まで出てとても賑やかだ。墓地の装飾はまるで競うように趣向が凝らされている。
11月1日はまさに故人が戻ってきている日ということで、死者の日の本番である。
昼間は大きなイベントがないため、近郊のイエルベ・エル・アグアへ出かけた。ローカルバスを乗り継ぎ約2時間。スペイン語で沸騰した水を意味するこの場所は、まるでトルコのパムッカレのような場所。沸騰した水と名付けられているが、水の温度はとてもぬるい。天然のプールになっているので、ある程度の寒さを覚悟の上、泳いでみるのもよい。ただしもちろん、きちんとした更衣室やシャワー施設はない。このあたりの水はミネラル分が多く、岩が滝上に溶けてしまったという、不思議な景観も見える。
1日の夜は、オアハカの街はパレード本番。かわいい仮装をした人々、音楽隊が街を練り歩く。大きなガイコツの人形が空を舞い、昼間のパレードとは違って、ここに参加している人はもっと本格的。花のかごを頭にもって、伝統衣装+ガイコツメイクの子供や女性がいたり、棺桶から出てきたガイコツを担ぐ司祭のような男性。スカートをなびかせながら踊りを踊る。もうあまりの楽しさに涙が出そう。
11月2日 この日、死者は自分たちの世界へ帰っていく。またお墓では朝までパーティーして死者に別れを告げるのだ。日本で言うなら送り火だ。
日曜日だったこの日はちょうど、最も大きなティアンギス(青空市)が近郊のトラコルーラにて行われる日だ。村では民族衣装を着た女性たちがお店を出していた。少し歩いていくと大きなアーケードの市場もある。生肉をその場で買って、BBQをしている人もいて驚いた。トラコルーラに行ったらぜひ町の中心にある教会を訪ねてみてほしい。小さな村ながら、教会の装飾は大変素晴らしい。
トラコルーラから戻り、死者の日最終日の夜を待つ。
21時前、一番盛り上がる墓地、サンフェリーぺへ向かった。タクシーで20分、片道約500円ほど。
10月31日のように、お墓では夜通しパーティーだ!
初めて死者の日の写真を見てから、憧れつづける事、約3年。
こんなに楽しいお祭りがこの地球上に存在しているとは思わなかった!
もし行くことを悩んでいる人や、写真を見て少しでも興味を惹かれる人がいたのであれば、来年の10月末、メキシコ行きの航空券を用意して、みっちり4日間オアハカに滞在してほしい。
今回、満足度120%のメキシコ旅行となった。
そしてもう既に、またいつかこの日に戻ってくることを夢見ている自分がいる・・・。
おすすめ度
メキシコシティ ★★★★ 歴史の深い首都。買い物も楽しいが、治安には十分気を付けて
グアナファト ★★★★★ コロニアルな世界遺産都市 カラフルな街並みがとてもかわいらしい
オアハカ ★★★★★ 民族文化が色濃く残る世界遺産都市
(2014年10月 久保井奈々子)
女1人でメキシコ大丈夫かなとか、遠いしな、とかいろいろと理由をつけ見送っていたけど、ついに今年、実行に移す時が来た。
メキシコに行く目的は、オアハカで死者の日のパレードを見る事、ルチャリブレ(メキシコプロレス)を見る事の二つ。今回は11日間と長く休みをもらったので、どうせ行くなら、コロニアルな世界遺産の街も見よう、ということでメキシコシティ、グアナファト、オアハカの3都市を目指し、日本を出発した。
長時間のフライトを乗り越え、メキシコシティに到着した。
ホテルにチェックインして、早速ルチャリブレ観戦に出かける。
ルチャリブレが行われる会場は2つで、曜日が限られているので、自分が見たい試合や会場などこだわりがあるのであれば、事前にチェックが必要だ。
ルチャリブレの殿堂 アレナメヒコ
会場に着くと、周りにはすでにいくつか露店が出ていた。
プロレスには詳しくないが、グッズはとてもかわいいので購買意欲をそそられる。
会場はカメラの持ち込みが禁止されているので、入口のセキュリティチェックでカメラを預けなければならない。
じゃあ撮影できないの?というとそうではない。なぜかスマホのカメラで撮影していても全然怒られない。むしろ、係員の人にシャッターを押してもらった。
だったら、カメラも許してほしいんですけど・・・。
なんとなく、ノリでマスクを買ってみた。
マスク購入!
ルチャグッズ
満員御礼!とは言えないが、テレビの生放送もあり、会場はそこそこの入り。
日本のプロレスと言えば、流血があったりパイプイスで殴られたり、大仁田厚みたいなおどろおどろしいイメージだったのだけども、ルチャリブレはもっとコミカル!
空中技が飛び交い、そこここに笑いの要素がちりばめられている。もっと、うおぉぉぉーっという怒号を予想していたが、会場は笑いの渦だった。
レスラーのキャラも濃い!ちっちゃいおっさん(超デブ)とか色気ムンムンのマッチョなタフガイとか、驚いたことに日本人の萌え系女子のレスラーもいた。
日本人の女の子レスラーはとても細く、試合中もひゃぁとか、ん〜っとかかわいい声を出していた。ガタイのおばちゃんチャンピオンに案の定負けてしまったが、異国の地でプロレスをしている彼女にエールを送りたい。
最前列で見ていたのだが、場外乱闘になるとすぐ目の前で繰り広げられるので柵越しにぶつかりそうになる。迫力満点だ。あの熱気と空中戦は是非生で感じて頂きたいが、会場の周辺は決して治安が良くない。試合が終わるころには夜になっているので、安全には十分注意が必要だ。
小っちゃいおっさんレスラー
日本人萌え系レスラー
ラウンドガールはみんなセクシー美女
翌日、メキシコシティから世界遺産のテオティワカンへ向かった。
テオティワカン行きのバスは街の北にあるバスターミナルから出ている。まず、ローカルバスに揺られて、北バスターミナルへ。テオティワカン行のバスの窓口は一つだけなので、迷うことはないだろう。ここからさらに1時間弱で目的地に到着。
まず、太陽のピラミッドに登ってみた。標高が高いこともあって、これがかなりハード。
頑張って登り切ったが、そこからの眺めはたいしたものだった。
太陽のピラミッドからの眺め
月のピラミッド
もうお気づきの方もいるかもしれない。私はこの手の遺跡にあまり興味を持てない。街歩きとかの方が好きなのだ。
という訳で私のような存在がここにいること自体、歴史に対する冒涜なので、早々にメキシコシティへ戻った。
治安の悪い(と言われている)街を歩く上で気を付けたことは、地図を見ながら歩かない、極力手ぶらに近い恰好、カメラを隠す、道に迷ってる感を出さない、ということ。
地図やカメラを持っていたら狩られる!と思っていたので、地図を頭の中に叩き込み、自分の行きたい場所は予めスペイン語で紙に書いておいて、迷いそうになったらお店の人に紙を見せて道を聞いて周った。でも街歩きはやはり昼間だけ!夕方以降の一人歩きは避けよう。正直怖い。メキシコの買い物をとても楽しみにしていた私は、シティでの滞在時間の多くを市場で過ごした。お土産を買うのであればシダデラ市場が一番!規模も大きく、他の都市よりも品ぞろえが豊富で、値段も割と安い。もちろん商品に値段がついていないので、値切り交渉が必要だが、そもそも、そんなにボッタくろうという人がいないようで、どこに行っても料金はさほど変わらず、料金も大幅に安くなることはなかった。
メトロポリタンカテドラル
ベジャス・アルテス宮殿
シウダデラ市場
ホテルはガリバルディ広場近くに用意していた。というのは、ガリバルディ広場では夜な夜なマリアッチの演奏が楽しめる場所だから。
マリアッチ楽団の人たちは20時ころから徐々に集まり始めて、深夜まで広場は音楽にあふれている。これを見に行くには帰りが危険なので、広場の中にあるホテルを選んだのだ。
ただ、ガリバルディ広場の周りは治安の悪さを肌で感じる、というか、ガラが悪い。
昼間歩いている分には問題ないが、このあたりにホテルを取ることはお勧めできない。しかも夜中の2時3時まですごくうるさいのだ。
広場にはツアーできているような外国人もいたので、個人ではなくオプショナルツアーで来る方がベターであろう。マリアッチはお金を払うと演奏をしてくれるのだが、ケチな私は人がお金を払っている横で、遠慮も悪びれもせず、写真を撮りまくっていた。
マリアッチ楽団
マリアッチのおじさんと
メキシコシティーを後にし、世界遺産のコロニアル都市、グアナファトへ向かった。
グアナファトへはテオティワカンに行くときと同じく、北バスターミナルからのバスに乗り約5時間だ。
グアナファト…。到着して10分で悟った。この街好きーーー!
カラフルな家々が丘にずーっと広がり、石畳みの街並み、かわいいカテドラル、映画に出てくるようなクラッシクカー。たまりません!もう目に映るすべてがかわいくて、カメラには収めきれない。
グアナファトの街並み
バシリカ教会
ちょうどこの時期、死者の日だったので、祭壇にかざる砂糖菓子の露店がたくさん出ていた。
砂糖菓子
市民の台所、イダルゴ市場は屋台も出ている。観光客向けのお土産は2階へ。
イダルゴ市場
グアナファトに来たら絶対に行くべきところは、ピピラ記念像の丘。ここから街を一望できるのだが、夕方から夜にかけての眺めが最高だ。
丘からの夜
またグアナファトの名物となっているのが街中を走っている地下道だ。かつてこの街は鉱山として栄え、その時の坑道や地下用水路を道路として使っている。バスやタクシーで通ることができるのだが、この地下道がまたかっこいい。
地下道の入り口
今回の旅の目的はオアハカの死者の日のお祭りで、グアナファトはおまけ程度に思っていたのだが、良い意味で期待を裏切られる結果となり、大満足だった。
そして、いよいよ憧れの地オアハカへ。
メキシコシティーから国内線で1時間。オアハカ州は先住民の文化が色濃く残るエリアで、先住民の青空市(ティアンギス)や様々なお祭りを目当てに来る観光客が多い。
オアハカ空港から乗り合いバスに乗り20分程度でオアハカの街へついた。
さて、今まで死者の日、死者の日と言ってきたがそもそもこれはどういったものなのか。
今や日本でもメジャーになってきたがメキシコ版ハロウィンである。こちらの人々にとってのハロウィンとは日本のようにコスプレを楽しむというものではもちろんなく、言わば日本人にとってのお盆なのだ。
10月31日、お墓へ故人を迎えに行く。この時の様子がとても面白いのだが、お墓はまるで夢の国のようにかわいく飾りつけされる。ランタンやマリーゴールドなどお花、ロウソク、お人形でデコレートをし、マリアッチを呼ぶ。家族は個人のお墓の前でお酒を飲み、ご飯を食べ明け方まで、故人との思い出に浸る。死ぬことは悲しいけど、“今”を楽しく生きるというメキシコ人らしい考え方だ。
31日はいわば前夜祭だが、おは墓の街は30日からすでにお祭りムード一色。
街は至る所にドクロが溢れ、レストランやホテルなど死者の日の祭壇がたくさん。
街中に溢れる死者の日ムード
かわいすぎる祭壇
到着して街を探検していると、遠くに陽気な音楽が聞こえた。
音のする方に引き寄せられていくと、なんともかわいいパレードの一団と遭遇。
ブラスバンドの音楽、かわいく仮装した子供や女の子たち!なんということでしょう!!
そして、31日死者を迎える為に墓地へ。
こんなに墓地がかわいくなっているなんて信じられない!墓場で運動会どころの騒ぎじゃないよ!!
本当にマリアッチがお墓の前で陽気に歌を歌っている。露店まで出てとても賑やかだ。墓地の装飾はまるで競うように趣向が凝らされている。
11月1日はまさに故人が戻ってきている日ということで、死者の日の本番である。
昼間は大きなイベントがないため、近郊のイエルベ・エル・アグアへ出かけた。ローカルバスを乗り継ぎ約2時間。スペイン語で沸騰した水を意味するこの場所は、まるでトルコのパムッカレのような場所。沸騰した水と名付けられているが、水の温度はとてもぬるい。天然のプールになっているので、ある程度の寒さを覚悟の上、泳いでみるのもよい。ただしもちろん、きちんとした更衣室やシャワー施設はない。このあたりの水はミネラル分が多く、岩が滝上に溶けてしまったという、不思議な景観も見える。
イエルベ・エル・アグア
滝のように目るが、実は溶けた岩
1日の夜は、オアハカの街はパレード本番。かわいい仮装をした人々、音楽隊が街を練り歩く。大きなガイコツの人形が空を舞い、昼間のパレードとは違って、ここに参加している人はもっと本格的。花のかごを頭にもって、伝統衣装+ガイコツメイクの子供や女性がいたり、棺桶から出てきたガイコツを担ぐ司祭のような男性。スカートをなびかせながら踊りを踊る。もうあまりの楽しさに涙が出そう。
夜のパレード
11月2日 この日、死者は自分たちの世界へ帰っていく。またお墓では朝までパーティーして死者に別れを告げるのだ。日本で言うなら送り火だ。
日曜日だったこの日はちょうど、最も大きなティアンギス(青空市)が近郊のトラコルーラにて行われる日だ。村では民族衣装を着た女性たちがお店を出していた。少し歩いていくと大きなアーケードの市場もある。生肉をその場で買って、BBQをしている人もいて驚いた。トラコルーラに行ったらぜひ町の中心にある教会を訪ねてみてほしい。小さな村ながら、教会の装飾は大変素晴らしい。
トラコルーラのティアンギス
トラコルーラの教会
トラコルーラから戻り、死者の日最終日の夜を待つ。
21時前、一番盛り上がる墓地、サンフェリーぺへ向かった。タクシーで20分、片道約500円ほど。
10月31日のように、お墓では夜通しパーティーだ!
サンフェリーぺの墓地の様子
初めて死者の日の写真を見てから、憧れつづける事、約3年。
こんなに楽しいお祭りがこの地球上に存在しているとは思わなかった!
もし行くことを悩んでいる人や、写真を見て少しでも興味を惹かれる人がいたのであれば、来年の10月末、メキシコ行きの航空券を用意して、みっちり4日間オアハカに滞在してほしい。
今回、満足度120%のメキシコ旅行となった。
そしてもう既に、またいつかこの日に戻ってくることを夢見ている自分がいる・・・。
おすすめ度
メキシコシティ ★★★★ 歴史の深い首都。買い物も楽しいが、治安には十分気を付けて
グアナファト ★★★★★ コロニアルな世界遺産都市 カラフルな街並みがとてもかわいらしい
オアハカ ★★★★★ 民族文化が色濃く残る世界遺産都市
(2014年10月 久保井奈々子)
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